MEMORANDUM 今日の視点(伊皿子坂社会経済研究所)

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♯24 サイン(sign)について ①

2013年06月30日 | 文化

 電子メールの普及に伴い、(^_-)とか(^^)/とかいった、いわゆる「顔文字」と呼ばれる記号が、様々な場面で一般的に利用されるようになっています。

 知らなかったのですが、この顔文字、日本ばかりではなく外国でもよく使われているのだそうです。

 不思議なのは、英語圏の顔文字は縦横が日本のものと90°違っていること。「:-D」とか「;-)」とか、頭を横にして見ないと日本人にはよくわかりません。(首がちょっと疲れます。)

 一体どうして顔が横になっているのでしょう。一つの文字を「形=意味」として見る習慣がある漢字圏と、音韻を表す記号と見て左から読んでいくアルファベット圏との、視覚信号に対する脳の認識の仕方の違いということなのでしょうか。(不思議です。)

 また、ウィキペディアによれば、日本の顔文字は主に目の形をもって感情を表現するのに対して、アメリカの顔文字は主に口の形で感情表現をしているのだそうです。表情から感情を感じとるやりかたも、お国柄で異なるものなのですね。

 さて、よく考えるとこの「顔文字」というもの、そんなに昔からあったものではありません。

 1970年代、アメリカのベトナム反戦運動と相まって「ピースマーク」(正式にはスマイリーフェイスというのだそうですが)というものが流行ったことがありました。当時、大人から子供まで、大勢の人たちが黄色い缶バッジをつけていましたが、これは少なくとも日本では、あくまでファッションとして親しまれていたもののような気がします。

 顔文字は、自分の気持ちを端的に表す記号として、情報伝達手段のIT化とともに急速に普及しました。

 「合図」とか「信号」とかを意味する言葉に「サイン(sign)」というものがあります。「シグナル」と言った方がわかりやすいでしょうか。言葉だけでは表現しきれない、微妙なニュアンスを伝えるためのサインです。

 「自分の気持ちを知ってもらいたいたい。」「今はこういう気分なんだ。」自分を分かってもらうためのサインを、人々は周囲に向けて発信し続けています。

 他人と関わっていたい、他人から理解されたい。現代人のこうした孤独や不安の心情を、氾濫する「顔文字」が代弁しているということでしょうか。



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