ＣＯＤＡ

そこは不思議な空間だった。
地図を見ても理解ができなかったはずだ。
元々あった土地なのに、後から道路が高い所に出来たものだから
地階にある感じになる。でもそこはまさしく地上なのだ。
駅前にあるのに喧騒からかけ離れた静かな町。
喫茶店ＣＯＤＡはそんな一角にあった。

耳の不自由な人がやっておられるお店、と
仲良くしておられる手話サークルの先生に聞いて
みんなで一緒に行こう！という話が出たのは去年のことだ。
その日がだんだん近づいてきたある日、
たまたま新聞に地域をピックアップして紹介する欄に大きく掲載された。

昨日は今年初めてのサークル。そして約束の日。
何人かがその新聞を持って来ていた。
お昼時は他のお客さんにも迷惑がかかるし、
１時間ずらして車３台に分乗して出発した。

半円形のカウンター席に１１人が座ると満席。
カウンターの中で調理しておられたのは
とっても笑顔の素敵な女性だった。

新聞に載ってから何人もの人たちがその記事を見て来られたらしく、
握手を求められたりしたそうだ。
昨日は調理に忙しくゆっくりお話ができないのは当然なのに
合間をみて少しずつ手話の相手もしてくださった。

カレーもコーヒーも美味しかった。
コーヒーはＯさんのおごりゴチソウサマでした
いい所に連れてきてくださったＩさんに感謝です