恋するダイバー もぐりんどのヒトリゴト

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潜水事故に遭遇して思うこと

2013-02-16 | その他
先週、トランベン沈没船でのことです。

私(と社長)がブリーフィングを終えて今からエントリーという時に、
他のショップさんのゲストが意識不明で引き揚げられ、
目の前で心臓マッサージ(CPR)と人工呼吸が始まったのです(@_@;)
私たちに何か出来ることはないかと駆けつけると、
引率インストラクターと思われる方が必至でゲストのお名前を呼び、
一生懸命救命措置を取っておられました。

周りのギャラリー(タンク運びヘルパー、物売りなど)に
「AEDを取ってきて!」
「病院(先生だったかな?)はどこ!」と叫んでおられました。

AEDとは最近日本でも話題の自動体外式除細動器のことです。
(心臓電気ショックみたいなもの)

しかし、どこにAEDがあるのか?
そもそも、沈没船近辺にAEDはあるのか?
そして何よりも、ヘルパーや物売りたちにはAEDとは何なのか?
が分からなかったのです。

すぐに酸素が提供されましたが、呼吸停止では役にたちません。
事故者はCPRを施していてもみるみる顔色が紫色に変わっていき、
その紫が首、胸へと広がりを見せるなか、ショップの車で病院へ
連れていくことにしたようです。

ところが、この近くには病院もないのです。
付近に1軒だけ診療所のような所があるのですが、
先生は夜しかおらず、一番近いところでも車で40分程かかる、
大きな町の病院まで行かないと先生はいないのです。

バリ島で1,2を争う人気のダイビングポイントである沈没船、
年間何万人ものダイバーが利用するポイントである沈没船、
それなのに潜水事故に対する緊急連絡システム、重大な潜水事故に
有益なAEDの設置すらないことに愕然としました。

マリンスポーツ協会の何に使われているのか不明な会費の一部や
(しかも、今年から一年分一括徴収&前払いに!)
トランベンでの年間何万人分の入村料や施設使用料等の一部や、
あるいは、何百件もあるダイビングショップから寄付を募って、
早急にAEDを(まずここから)設置して欲しいと思います。

えっと、どうもうちのショップのゲストと思われた方がいるようです。
うちの社長は(EFRインストラクター保持者なので)CPRのお手伝いを
しただけですから、誤解のないようにお願いいたします。

*写真はEFR講習用のオモチャのAEDです。

コメント
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