いつか南の島で暮らしたい

ハワイ大好きな夫婦です。ふとっちょ嫁、ももなとんの日ごろのつぶやきです。

ロチェ様に会いたくて・・・②

2008年07月23日 | ジョニー映画
続きます。

「リバティーン」の監督は、ローレンス・ダンモアさん
この作品が初めての長編だったそうだ。

だから、俳優たちの意見に耳を傾けてるのかもしれないが・・・

「自分の創造性や演技のアイディアを惜しみなく出してくれる。
 また、他人のアイディアを受け入れることに対しても寛容な人だ」
と、ジョニーのことを語る監督。

リハーサルがあまり好きでない監督は
毎朝の1時間ぐらいの話し合いと、
撮影後に一緒に出来を見て、方向性を決めるという手法で
俳優たちにも相当共同作業をさせたよう。

自分の演技を見るのがキライなジョニーには、
苦痛だったのじゃないのかい?

で、この作品は普通より早撮りだったらしい。

「5日から一週間かけて撮るような場面を1日か半日で撮った。
 そのため集中力が求められたよ。
 待ち時間などなく、常に集中していた。
 今日は楽だったと思える日はなくて、毎日が真剣勝負だった。
 セリフの数も突飛な行動も多い
 また、感情の起伏も場面ごとに違い、上がったかと思えば突然下がる。
 パンチを食らい続けるボクサーのような心境だった。
 45日間、ずっとそうだった」

とベテランであるはずのジョニーが言う。

なるほど、そんな緊張感から生まれてくる場面・・・
引き込まれないわけがない。


リジーを演技指導する場面は、
時に監督とジョニーとサマンサさんの3人だけで撮ったらしい。
テイクの合間に呼吸をするのも難しかったぐらいだと監督。
脚本上8ページにも及ぶ長いシーン、演じると11分近くになる大変なシーンを
ワンテイクでこなしていくジョニーとサマンサ。

監督は、完璧にロチェとリジーの世界に引きずり込まれたようだった。
それは、見ているこちらにも、伝わってくる・・・


酒毒と梅毒で、完全に崩壊したロチェの顔は見るに耐えない。
ジョニーなのに、見るのが辛い。

監督は、ボロボロになったロチェ、
かつて輝いていた男の落ちに落ちた姿がリアルで
いたたまれなくなったそう。
他のスタッフは身動き一つできなくなるほどのジョニーの演技。

壊れたロチェが行き着くところは、妻のエリザベス。


ここでも、ジョニーと妻のロザムンドさんが長いテイクを重ねながら、
緊張の頂点のような感情のぶつかりあいを維持していったことに驚いたそうだ。


この上院での演説のシーンも長回しみたいで・・・

この長いセリフも一回のテイクでこなすジョニーに、
俳優やエキストラ全員が、この日、ジョニーの演技に圧倒されたらしい。

私は、このシーンを見て、
「ああ、ジョニー・・・舞台に出る日は来るのかな?」と思った。

ジョニーが尊敬してやまないマーロンブランドにもジョニー本人は言われてるが、
舞台でジョニーの迫真の演技を見たいと切に願った私がいた。


妻に二人の出会いの思い出を語らせ、自分は別の世界へ旅立ったロチェスター。


冒頭のモノローグが再び現れ・・・

「Well、Do you like me now?」と問いかけるロチェ。
確かに、なんとも退廃的すぎるし、救われないのよ・・・
でもね・・・
「Do you like me now?」と4回、全て印象を変えてつぶやくジョニーに
さめざめと泣いてしまった・・・

結構長いのに、まばたきを2回ぐらいしかしないで、
カメラをじっと見据えて言われるから
私の中で何かがはじけた気がしたんだ。

マイケル・ナイマンの音楽が心に響く。

この作品は、エンドロールで
「マーロンブランドとハンター・S・トンプソン」に捧げるとある。

ジョニーが、親交を深めた、ジョニーの人生の中で重要な位置を占めた二人。

俳優の道を模索するジョニーが、いっぱい何かを教わったと思えるマーロンさん。
破天候と言えば、この人でないのか?と思えるドク。

私には、知る由もないが・・・
ジョニーは、この二人にこの映画を見て欲しかったのだろう・・・

しかも、この映画の企画は、
実際の撮影スタートより10年も前に出たもので、
そのオファーをジョニーは受けたが、
紆余曲折があったのか、時が経ってしまった。

でも、そのことで、
「10年前なら、率先して、ロチェスターの役を得るために
 破滅的な生活をやっていたと思う。
 そんなことをしたら、まともな演技なんてできないし、 
 撮影現場もめちゃくちゃになっていただろう。
 今は、自分の土台がしっかりしているから、しっかりと
 ロチェを演じることができた」
とジョニーは言う。

だからこそ、見てほしい作品なんだと思う。
ロチェになりきるのは、ただ溺れて同化するのではなく、
あくまで、演技・・・
でも、それは、ジョニーの魂と経験が捉えた本物の演技だからかもしれない。


③へつづくよ、どこまでも・・・

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ロチェさま~♪ (Jennifer)
2008-07-23 17:57:26
ももちゃん♪ プチおひさでござります~

ロチェさま~
ももちゃんの文章にひきこまれて、めくるめく耽美な世界をまた堪能したくなりましたわ~

ジョニー美しいよね
コレ公開が待ち遠しくて、待ち遠しくて、首がろくろっ首みたいになっちゃったの思い出すよ~

って、また思い出した!!
妖怪ベトベト!!!ナイスネーミング
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暑いね~熱いね~ (キャデラック)
2008-07-23 21:45:22
ももさん、しっかりじっくり観てますね~

これ最初観た時、「綺麗で、エロいロチェいいじゃん」でスタート!観終わって「うわ~深い」でした・・・

ただ、ももさんみたいにじっくりと観てなかったな・・・
こんなふうに観てもらえたらジョニーもきっと喜ぶだろうね

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綺麗・・・ (ももなとん)
2008-07-23 23:05:35
ジェニジェニちゃん

>めくるめく耽美な世界
そうそう、まさにそれですよね・・・

ロチェさまは綺麗だよね

あのバッハとかみたいなカツラかぶって似合うのって
なかなかいないけど、ジョニーはさすが・・・

それにひきかえベケット卿はある意味期待通りで・・・(爆)

鬼太郎の友達としては
「妖怪ベトベト」本望です
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暑苦しいね (ももなとん)
2008-07-23 23:10:07
キャデラックさん

この暑いのに、暑苦しいよね・・・
まさに、語りたい放題だわ。私・・・

で、見すぎですよね~。
でも、惹かれました・・・ロチェには・・・

ある意味、他の人の捕らえ方と違う角度
というジョニーの考えかたからすると
「ロチェ」と「トッド」は似てると思う。

「トッドちゃん」も
ジョニーはただの殺人鬼としてでなく、
被害者というか・・・哀れな部分をすごーく
感じての演技だったでしょう?

ロチェも、ただの放蕩者としてしまうと
エロ満載だけの、映画になりそうだけど、
ふかーいものになってると思ってます
返信する
ごめんなさい・・・ (キャデラック)
2008-07-24 07:52:26
ももさん、ごめんね・・・
暑苦しくなんか全然ないよ~ももさんのブログなのに語りたい放題しなくてどうするんですか♪

私は、映画大好きでどうしてもたくさん観たくて、ジョニー作品に限らずサラって観てしまう事が多くて

でも、ジョニーの演技に対する真剣さに対して、ももさんみたいに私も誠実でありたいなって思いましたよ

なので、これからもどんどん語ってください。
楽しみにしてますよ
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こんにちは! (のぞみ)
2008-07-24 10:37:52
ももさん。プチお久しぶりです。
コメントしたかったのに、なかなか残せずごめんなさい!
忙殺でして・・・

ロチェ様。。。
「深い」の一言に尽きますね。
観終わった後、興奮でドキドキしました。
ジョニーって、ジョニーって・・・。
やっぱり凄いよーーーー
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ありがとう (ももなとん)
2008-07-24 12:43:25
キャデラックさん

書いておいて、自分でも「熱いやつだな」と照れくさかったりしてるのです

「本当に、凝り性だね」とJI-JIに言われてる私は、
ジョニーに相当凝っておりますから、
語りだしだら、まじ、とどまるところを知らず

また、語ってと言ってもらえると
ありがたい!
やるよーん。
ジョニーの作品じゃなくても・・・
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バトン・・・ (ももなとん)
2008-07-24 12:47:58
のぞみちゃん

ちわーっす
ジョニーって凄いって言葉が本当に出るよね~。
これは、映画そのものの評価はしらないけど
ジョニーは、まじ、凄いと思います。
競演の人たちも、良かった。

で、
みすずちゃんからバトン来たね・・・

私、この記事で、かなり頭使ったので、
ドンファンに切り替えるのが、時間かかりそう。

のぞみちゃんのエドワードくんにも
期待だわ
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