忘れとらんけん

　どうにもこの日は大きな事件があるもんでのう……。

でも、わしにとっては彼女を失うたダイジな日でもあるけん。

いまだに、このひとがひょっこり帰ってくるような夢を見るけん。

あんがい近くにおるんかのう……。

四半世紀じゃけん

　近代的な街が壊滅するさまを、リアルタイムで見たショックは忘れんけん。

何度か足を運んどる場所だったんじゃが、まさかああなるとは思わんかった〜。

あのときＴＶでみた光景は、きのうのコトのようじゃ……。

でも、いつのまにかそれも２５ねん前になっとるんじゃね。

その間に時代は流れて、各地で同規模の地震があったかと思えば〜……、

さらに身近に地震の被害を受けたりしてのう……。

気づくとホントに過去のできごとになっとるけん。



だけどこのときに大勢が気づいたハズじゃけん。

それまでの生活が、ほんの一瞬でなくしてしまうちうのな。

ヘーワに見えとるこの世界も、ジツはキケンと背中合わせじゃ。

じゃけん、つねに備えとかんといかんのじゃろう。

１がつ１７にち、２５ねん前にそーゆーコトが起きたのを忘れるワケにいかんけん。