ナイン イヤーズ イン イーストジャパンじゃけん

　つい忘れがちじゃが、３１１のときは東京でも犠牲者が出たけん……。

当日の夜に地震があった長野県と同様、首都も被災地ちうコトじゃけん。

住んどるわしらにその意識がないんは、復旧のスピードが早いからじゃろうね。

しかもこの９ねんの間に、目紛しう変化し続けとるもんで、被災した記憶もあいまいになっとるけん。

ニッポンの中心だけが復旧して、オリンピックまで開かれるワケじゃ。

でも、その一方で７００にんものひとが仮設住宅で暮らしとるけん。

あれからもう９ねんにもなるのにじゃ……。

原発事故で帰還困難地域になった双葉町でも一部の制限が加除されたんは、ついこないだじゃけん。

まだまだ震災は続いとるけん……。



いま世界では、フクシマちうコトバは放射線を意味する単語と認識されとるけん。

本音をいうてしまうと、オリンピックなんかやっとる場合じゃないけん！。

９ねん経って、みんな辛い記憶をなかったコトにしようとしとるんじゃろか。

それはそれで仕方のないコトなんじゃが……、

いまだに闘うとるひとがおるコトだけは、胸に刻んでおかんといかんけん……。