久しぶりにノラ猫のミユキです。
ミーちゃんと呼んでいましたが、ほんとうはミユキです。
この名前についてですが、当初は私の頭にチハルという名前が浮かび、
次の瞬間ミユキという名が浮かびました。
ミユキと言えば知人に美由紀さんがいらっしゃるもので
(いけない…)と思いましたが
一度、頭にコベリついたものは如何ともし難く
どうしてもミユキが離れません。
そんなワケで美由紀さんには内緒でこのノラ猫はミユキとなりました。
美由紀さん、ごめんなさい。
ミユキの身の上話は、とても長~い叙事詩(?)のようなものです。
文字も読みづらいと思いますが、ミユキに免じて耐えてくださいな。
ミユキはシャム猫の血を引いています。
ミユキの母からの話です。
ミユキのお母さんのお母さんのお母さんのもっと前の前の
お母さんはシャム王国にいたと言います。(シャムとは今のタイですね。)
そこで王室の王子や王女の世話係だったそうです。
ある日、王子や王女たちの食事の献立で大きな過ちを犯しました。
王子や王女たちのためにロイヤルカナンを準備しなければならないのに
ヒルズを食べさせてしまいました。
これは末っ子の王子のいたずらで、食べ物をすり替えられたためでしたが
事実を知らない王は、こと口にする食べ物ですから
スキンヘッドなのに怒髪天を衝いて激しく怒り、死刑を宣告します。
そんでもってこれはたまらんと王室から逃げ出しますが、
あえなく追っ手に捕らえられ連れ戻されます。
英国から来ていた王子や王女の教育係のスコティッシュフォールド夫人は
そんな状況を見ていて、懸命に王に取りなしてくれます。
夫人のおかげでかろうじて命だけは助かりましたが、
身分は奴隷と落とされます。
───後にミユキの母はこの事実が「アンナとシャム王」という小説になり
さらにミュージカルの「王様と私」が創られたと言っていたそうです。
真偽のほどは定かではありません。───
港に連れていかれ、まさに奴隷船に売られて乗せられようとしますが、
その直前に逃げ出し、折しも(なぜか)港に停泊していた
日本の蟹工船に逃げ込み、この蟹工船に救われます。
そんなワケで、この船では仕事を手伝うことになります。
手伝っているうちに、労働者の社会的な立場とか不平等とか、
権利とか、理不尽なことなどなどいろいろ学んだそうです。
そんなこんなでこの船は北九州の門司港田野浦岸壁に着き、
ここで下船します。
とうとう故郷のシャム国から離れ、遠い日本で暮らす事になります。
異国の日本での暮らしは、外人ネコにとっては
厳しく、辛いものでした。
蟹工船で学んだ差別や不平等を声高く訴えますが
まだまだ民主主義ではなかった当時の日本では
なおさら差別され、排斥されます。
正しいと信じたイデオロギーも現実社会とのギャップに
苦しみとなるばかりでした。
地元の日本ネコとの間に生まれたたくさんの子ネコをかかえて
とてもとてもまともな生活ができなくなり
夜の門司港繁華街はずれの街角や薄暗い街灯の下で男を誘う…
そんなところまで身を持ち崩してしまいます。
「ローリング・ストーンズがこんなあたしのことを歌ったのが
ホンキー・トンク・ウィメンなのさ…」
などうそぶいたりもしていたらしい。
そんな調子だから、いよいよ周りからは疎まれバカにされ
蔑まれてしまいました。
だんだん歳もとり、体も不自由になってきます。
自分の過ごしてきた生活、自分自身の生涯を嘆き哀しみます。
そんなありさまにだんだん同情も集まり、
ようやく優しく親切にしてもらえるようになりますが
すでに病魔に蝕まれており、
子どもたちを残して帰らぬ旅へと旅立ちます。
この時の様をイギリスから来た旅人が見ていて
創ったのがミュージカルの「キャッツ」であり、
あの名曲「メモリー」なのだとこれもミユキの祖母が語ったそうですが、
ミユキの母は「いや違う。それはレ・ミゼラブルの夢破れてだ。」など
言い張ります。
もうここまでくるといくらなんでもこの身の上話も怪し過ぎます。
身の上話の中にはどうもナルシストっていうのか
自己顕示欲が強いっていうか、妄想癖っていうのか、
話半分その以下でも信じられない感じです。
時代背景もハチャメチャだし、
行った先が横浜だったら「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の
仔猫も自分の事にしてしまったかもしれません。
私がミユキを最初に見た時にはシャム系ミックスの母親と
3匹の子ネコ、その子ネコの1匹がミユキでした。
我が家の裏の家の、その隣の家の物置の
下で3匹くっついて並んでいる姿はとても可愛らしかった。
そのうち、1匹は見掛けなくなり、また1匹は毛並みも悪くなり
そして元気もなくなり…姿も見えなくなりました。
ミユキだけが残りました。
ある日ミユキのお腹がなんとなくふくらんでいるようで…
ミユキは3匹の子ネコの親になりました。
とても暑い夏があって、大雨が降って
ミユキも子ネコもどこかに避難したのか
姿が見えなくなりました。
次に現れた時にはミユキと子ネコ1匹だけ。
所詮、代々続いた生粋のノラですから
何があってもどうなっても仕方ありませんよね。
そう思いながら、ミユキたちを見掛けたら
その姿をレンズで追いかけます。
(ミーちゃん、ミユキ…)と心で声かけて追いかけます。
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