Verdure 4F

茶道25年、ブログ19年! 家業を継いで13年。息子は10才。子育て、茶道、季節行事、料理、日記、読書の記録など。

木村荘八展

2013年05月14日 | art
お茶の水での予定が思いがけず早く済み、そのあと予定していた買い物も滞りなく手に入って、時間ができたところ、東京駅を通ったところで思いついて、木村荘八展に行ってきました。

木村荘八!大仏次郎の挿絵の画家さんだよね!と思って観に行きましたが、油絵画家だったのか~

通して観てみると、でも、やっぱり挿絵がいいカモ。構図がシャープで、明暗のコントラストが見事で、情感があって。

油絵でもそういうのが生きている絵がいくつかはあって、なかなか魅力的です。

いちばん気に入ったのは「歌妓支度」。もちろん違うけれど、ちょっと上村松園的というか。芸にプライドのある女性が、座敷に向かう身支度をしている。後姿だけれど、着物と帯が、女性の内面というかどういう人なのかちゃんと分かります。
着物が日常着だった時代というのは、どういう着物を着ているひとはどういう人物かというのが、社会の共通認識としてあったんですよね。今、紺のテーラードスーツを着ている女性とベージュのシャネルスーツの女性は、それぞれどういう職業、あるいは立場の人か、なんとなく分かるのと同じで。
今、着物を着ていれば紬でも小紋でも「ホステスさん?」なんていうのは、文化が途切れている、ということなんだと思う昨今。

話が逸れましたが、屋内の建具や家具、掛けてある衣装などの描き込みも力が入っている。それが支度部屋なんだということにすごく現実味があります。

「牛肉店帳場」、この構図、日本の木造家屋の陰翳、その中に配された動きのある人物。それを油絵で描いている和洋折衷感が魅力的です。
「室内婦女」、これも日本家屋の陰翳の中の女性、それが女性の内面の陰翳でもあるように思えて、すごく雰囲気が出ています。

挿絵にあるような、西洋文化が入ってきてまだ江戸~明治の風俗が残っている、そういう風景の中でたくさんの思いを抱えている男と女。
そういう、挿絵みたいな油絵を、もっとたくさんたくさん描いて欲しかったなぁ。



ところで、ステーションギャラリーに行ったらぜひぜひ見るべきだと私が思うもの。
ショップの品揃えです。

実に不思議。

「こんなしょーもないもの、誰が買うんだよ 誰が考えたんだこんなもん!」
と口の中でぶつぶつ言ってしまうのだけれども、どーも気になって、けっこう時間を費やしてあれこれ見てしまうんですよね。

いや、私は、まいど、何も買わないんですけど。

どのくらい売れているのか、いちど聞いてみたい★

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2 コメント

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鎌倉の清方美術館で (家族で眼鏡)
2013-06-02 11:47:26
まだ先だけれど、鏡花をテーマにするらしいですよ♪
思わずぴんくこあらさんを思い出しちゃった。

大佛次郎の荘八挿絵の本は、復刻版が出ていますよね。

図書館で借りちゃった(苦笑)
返信する
鏡花!? (ぴんくこあら)
2013-06-04 06:16:58
えっ清方の鏡花展!? ぜひ行きたいですわ~

表装された美しいのもありますが、清方にこんな作品が?と思うようなささっと描いた挿絵まであるのですよね。
鎌倉はちょっと遠いけど、たいへんそそられます~。
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