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昨年は51冊を読んでほとんど20年ぶり、社会人記録を樹立した私の読書数ですが、今年は通勤時間が圧倒的に短縮してしまったことを踏まえ、必達を30、目標を40としておりました。
12月に入って、数値目標の達成か質かという、数値目標管理ならではのジレンマも少々ありましたが、それなりに折り合いのつく線で、また、仕事の都合で移動時間ができたりしたこともあって、どうにか目標を達成いたしました。
42冊です。
なお上のグラフは、読書記録をつけ始めてからの年間完読冊数。
『ベロボディアの輪―シベリア・シャーマンの智慧』 オルガ カリティディ
『シェイクスピアの男と女』 河合 祥一郎
『武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力』 新渡戸 稲造
『欲情の作法』『熟年革命』『告白的恋愛論』 渡辺 淳一
『かけがえのない人間』 上田 紀行
『こころの処方箋』 河合 隼雄
『死にゆく妻との旅路』 清水 久典
今年、最初に読んだ本が、『ベロボディアの輪』。何年も前から気になっていた本で、とうとうネットで中古本を購入して読みました。
年初のイメージでは少しそういう精神領域というか不可思議領域というか、そういうほうへ行ってみようかなと思っていたはず。
それが、ふと、学生時代だか「生徒」時代だかに読んでどうも納得できなかったシェークスピアの登場人物の心理が、ひょいっと分かったような気がした。
というか、できたと思っていた信頼関係に第三者からのコメントで懐疑的になり、自分が思っている私と他者が見る私にかなりのギャップがあることを改めて思い、その懐疑感が、大昔のシェークスピアの人間関係への懐疑のにつながって、ネットで検索して、そういう解釈を主張しているという本を読み、納得しました。
不必要な疑念を持ったり、虚勢を張ったりする必要はありません。
そこから1年の読書の方向が変わったかもしれません。
以降、ほとんど一貫して、人様の目にはあまり一貫性がないかもしれませんが、自分だけの今年のテーマで本を読んだ年となりました。
『武士道』は新渡戸稲造の古典的名著ですが、茶道関係のブログで茶道について言及されているくだりが「礼」の項にあると紹介されているのを見て、書店にツマミ読みに行きました。
そうですか、「礼」ですか。
去年、宮城谷昌光『子産』などで「礼」というキーワードに接したのと並行して日常での発見もあって、私はちょっとだけ礼というものが分かったような気がしていて、こちらもその感覚にとても近しいことが書かれていて、きちんと読んでみる気になって購入。
「礼は慈愛と謙遜という動機から生じ、
他人の感情に対する優しい気持ちによってものごとを行うので、
いつも優美な感受性として現れる。
礼の必要条件とは、泣いている人とともに泣き、
喜びにある人とともに喜ぶことである。」
「礼はその最高の姿として、ほとんど愛に近づく。」
渡辺淳一は、たまたま見た書評がきっかけで読みましたが、書評で見たイメージと違って、気になってもう1冊読んだところ、後からのほうが、私が読んでみたいと思った内容のものでした。そのうち暮れにもう1冊刊行されて3冊に。
往『千両花嫁―とびきり屋見立帖』 山本 兼一
復『利休にたずねよ 』 山本 兼一
往『千羽鶴』 川端 康成
往『雨にもまけず粗茶一服』(上・下) 松村 栄子
復『八朔の雪―みをつくし料理帖』 高田 郁
復『花散らしの雨 みをつくし料理帖』 高田 郁
往『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』 宇江佐 真理
復『ニセモノ師たち』 中島 誠之助
往『珍品堂主人』 井伏 鱒二
さいしょに『千両花嫁』を買ったのは、ちょうど結婚というタイミングに読むのにちょうどなかなか縁起のよいタイトルじゃないかと思ったため。
これの主人公がお道具屋さん夫妻でした。
『利休にたずねよ』はいわずとしれた直木賞受賞作。これがよかったので、茶道・茶道具・美術品系に逸れていきます。その次はお料理系に??
『千羽鶴』は日本文学史上の志野焼の名品。
『雨にもまけず粗茶一服』は、茶道に対する偏見をしなやかに受け止め、おもしろおかしく誤解を解こうという娯楽小説。これがじつに面白いです。
『茶道太閤記』 海音寺 潮五郎
『桂籠』 火坂 雅志
『乾山晩愁』 葉室 麟
『孔雀狂想曲』 北森 鴻
『人が見たら蛙に化れ』 村田 喜代子
『画商の「眼」力――真贋をいかにして見抜くのか』 長谷川 徳七
これも一見してバラバラですが、上の同一線上で次点または保留となっているもの。
『お茶席の冒険』 有吉 玉青
『小堀遠州―「綺麗さび」のこころ』 (別冊太陽)
上述の中にお茶関係の小説などもかなり含んでいますが、こちらはかなりお茶のほうにきっかけがあって読んだ本たち。
別冊太陽は基本的には“見る”本と思っていたので、完読したのはおそらく初めて。かなり読み応えのある量の文章がありました。
『草原からの使者―沙高樓綺譚』 浅田 次郎
『幻の声』『紫紺のつばめ』―髪結い伊三次捕物余話 宇江佐 真理
『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』 ルース・スタイルス・ガネット
『草原からの使者』は、昨年ブックオフで買って面白かった『沙高樓綺譚』の続編が文庫化されたというので、新刊を購入。この連作は面白い! ただ1冊目のほうがより面白かったと思うのは、物語のフレームそのものの意外性の影響か。
『エルマーとりゅう』のシリーズは子供の頃読んで忘れられない童話の1つ。久しぶりで見かけて甥っ子にを口実に購入し、自分が読み直さないうちにプレゼントしたら失礼よねと手元に。
『ナスカ砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯』 楠田 枝里子
『アポロ13号 奇跡の生還』 ヘンリー,Jr. クーパー
去年買っていた本。『アポロ13号』は有名なものですが、本来なら予測も回避も可能な事故を驕りや惰性が“思いがけない大事故”にしてしまうこと、しかし、人間たちの思いと叡智がまとまって結集すれば不可能と思えることも可能になるということ、という大きな2つのことを示してくれる実例です。
『空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法』 小飼 弾
『ビジネス・ゲーム―誰も教えてくれなかった女性の働き方』 ベティ・L. ハラガン
『されど“服”で人生は変わる』 齋藤 薫
『顔分析鎌田塾』 鎌田 誠
『女子力アップ美人作法100』 渡辺 みどり
『女は見た目が100パーセント』 浅野 裕子
ハウツーもの、「女性」カテゴリもの。
『ビジネス・ゲーム』は、会社・仕事の中でなんとなく感じつつあったことを明確に示された感じ。その後、男性に料理指南をするネットコラムで、下準備・後片付けの大切さと主婦とのコミュニケーションを説くものを読み、「調理だけに手を出そうとする夫の無神経さは、仕事の流れも分からないのにクリエイティブな部分ばかりを担当したがる新入社員と同じで、職場から排除される」といったコメントを読み、手を打って喜びました。
そう、そういうことを、やってはいけないということ。
3冊目は服、4冊目は顔が、他者に与える印象が人間関係を左右することがあるという前提に立つ指南書。
今年は、お茶(とお茶道具)を1つの基軸としつつ、精神世界から、昨年意識していた「礼」と信頼関係へ、そして愛情ということへ遷移した年でした。一昨年・昨年に続いて、結果的に流れと傾向をもって本を読めた年になったといえます。久しぶりに自分の内面に向かう読書をしました。
さあ、来年はどうなりますか。新たな波乱の年かもしれません。まだイメージが見えない…。
いずれにしても、今年も一年、多くの方からのご指導に恵まれた年でした。
来年も、感謝して終われる年になりますように。よろしくごひいきをお願いいたします。
2008年の記録はこちら。
12月に入って、数値目標の達成か質かという、数値目標管理ならではのジレンマも少々ありましたが、それなりに折り合いのつく線で、また、仕事の都合で移動時間ができたりしたこともあって、どうにか目標を達成いたしました。
42冊です。
なお上のグラフは、読書記録をつけ始めてからの年間完読冊数。
『ベロボディアの輪―シベリア・シャーマンの智慧』 オルガ カリティディ
『シェイクスピアの男と女』 河合 祥一郎
『武士道―人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力』 新渡戸 稲造
『欲情の作法』『熟年革命』『告白的恋愛論』 渡辺 淳一
『かけがえのない人間』 上田 紀行
『こころの処方箋』 河合 隼雄
『死にゆく妻との旅路』 清水 久典
今年、最初に読んだ本が、『ベロボディアの輪』。何年も前から気になっていた本で、とうとうネットで中古本を購入して読みました。
年初のイメージでは少しそういう精神領域というか不可思議領域というか、そういうほうへ行ってみようかなと思っていたはず。
それが、ふと、学生時代だか「生徒」時代だかに読んでどうも納得できなかったシェークスピアの登場人物の心理が、ひょいっと分かったような気がした。
というか、できたと思っていた信頼関係に第三者からのコメントで懐疑的になり、自分が思っている私と他者が見る私にかなりのギャップがあることを改めて思い、その懐疑感が、大昔のシェークスピアの人間関係への懐疑のにつながって、ネットで検索して、そういう解釈を主張しているという本を読み、納得しました。
不必要な疑念を持ったり、虚勢を張ったりする必要はありません。
そこから1年の読書の方向が変わったかもしれません。
以降、ほとんど一貫して、人様の目にはあまり一貫性がないかもしれませんが、自分だけの今年のテーマで本を読んだ年となりました。
『武士道』は新渡戸稲造の古典的名著ですが、茶道関係のブログで茶道について言及されているくだりが「礼」の項にあると紹介されているのを見て、書店にツマミ読みに行きました。
そうですか、「礼」ですか。
去年、宮城谷昌光『子産』などで「礼」というキーワードに接したのと並行して日常での発見もあって、私はちょっとだけ礼というものが分かったような気がしていて、こちらもその感覚にとても近しいことが書かれていて、きちんと読んでみる気になって購入。
「礼は慈愛と謙遜という動機から生じ、
他人の感情に対する優しい気持ちによってものごとを行うので、
いつも優美な感受性として現れる。
礼の必要条件とは、泣いている人とともに泣き、
喜びにある人とともに喜ぶことである。」
「礼はその最高の姿として、ほとんど愛に近づく。」
渡辺淳一は、たまたま見た書評がきっかけで読みましたが、書評で見たイメージと違って、気になってもう1冊読んだところ、後からのほうが、私が読んでみたいと思った内容のものでした。そのうち暮れにもう1冊刊行されて3冊に。
往『千両花嫁―とびきり屋見立帖』 山本 兼一
復『利休にたずねよ 』 山本 兼一
往『千羽鶴』 川端 康成
往『雨にもまけず粗茶一服』(上・下) 松村 栄子
復『八朔の雪―みをつくし料理帖』 高田 郁
復『花散らしの雨 みをつくし料理帖』 高田 郁
往『卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし』 宇江佐 真理
復『ニセモノ師たち』 中島 誠之助
往『珍品堂主人』 井伏 鱒二
さいしょに『千両花嫁』を買ったのは、ちょうど結婚というタイミングに読むのにちょうどなかなか縁起のよいタイトルじゃないかと思ったため。
これの主人公がお道具屋さん夫妻でした。
『利休にたずねよ』はいわずとしれた直木賞受賞作。これがよかったので、茶道・茶道具・美術品系に逸れていきます。その次はお料理系に??
『千羽鶴』は日本文学史上の志野焼の名品。
『雨にもまけず粗茶一服』は、茶道に対する偏見をしなやかに受け止め、おもしろおかしく誤解を解こうという娯楽小説。これがじつに面白いです。
『茶道太閤記』 海音寺 潮五郎
『桂籠』 火坂 雅志
『乾山晩愁』 葉室 麟
『孔雀狂想曲』 北森 鴻
『人が見たら蛙に化れ』 村田 喜代子
『画商の「眼」力――真贋をいかにして見抜くのか』 長谷川 徳七
これも一見してバラバラですが、上の同一線上で次点または保留となっているもの。
『お茶席の冒険』 有吉 玉青
『小堀遠州―「綺麗さび」のこころ』 (別冊太陽)
上述の中にお茶関係の小説などもかなり含んでいますが、こちらはかなりお茶のほうにきっかけがあって読んだ本たち。
別冊太陽は基本的には“見る”本と思っていたので、完読したのはおそらく初めて。かなり読み応えのある量の文章がありました。
『草原からの使者―沙高樓綺譚』 浅田 次郎
『幻の声』『紫紺のつばめ』―髪結い伊三次捕物余話 宇江佐 真理
『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』 ルース・スタイルス・ガネット
『草原からの使者』は、昨年ブックオフで買って面白かった『沙高樓綺譚』の続編が文庫化されたというので、新刊を購入。この連作は面白い! ただ1冊目のほうがより面白かったと思うのは、物語のフレームそのものの意外性の影響か。
『エルマーとりゅう』のシリーズは子供の頃読んで忘れられない童話の1つ。久しぶりで見かけて甥っ子にを口実に購入し、自分が読み直さないうちにプレゼントしたら失礼よねと手元に。
『ナスカ砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯』 楠田 枝里子
『アポロ13号 奇跡の生還』 ヘンリー,Jr. クーパー
去年買っていた本。『アポロ13号』は有名なものですが、本来なら予測も回避も可能な事故を驕りや惰性が“思いがけない大事故”にしてしまうこと、しかし、人間たちの思いと叡智がまとまって結集すれば不可能と思えることも可能になるということ、という大きな2つのことを示してくれる実例です。
『空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法』 小飼 弾
『ビジネス・ゲーム―誰も教えてくれなかった女性の働き方』 ベティ・L. ハラガン
『されど“服”で人生は変わる』 齋藤 薫
『顔分析鎌田塾』 鎌田 誠
『女子力アップ美人作法100』 渡辺 みどり
『女は見た目が100パーセント』 浅野 裕子
ハウツーもの、「女性」カテゴリもの。
『ビジネス・ゲーム』は、会社・仕事の中でなんとなく感じつつあったことを明確に示された感じ。その後、男性に料理指南をするネットコラムで、下準備・後片付けの大切さと主婦とのコミュニケーションを説くものを読み、「調理だけに手を出そうとする夫の無神経さは、仕事の流れも分からないのにクリエイティブな部分ばかりを担当したがる新入社員と同じで、職場から排除される」といったコメントを読み、手を打って喜びました。
そう、そういうことを、やってはいけないということ。
3冊目は服、4冊目は顔が、他者に与える印象が人間関係を左右することがあるという前提に立つ指南書。
今年は、お茶(とお茶道具)を1つの基軸としつつ、精神世界から、昨年意識していた「礼」と信頼関係へ、そして愛情ということへ遷移した年でした。一昨年・昨年に続いて、結果的に流れと傾向をもって本を読めた年になったといえます。久しぶりに自分の内面に向かう読書をしました。
さあ、来年はどうなりますか。新たな波乱の年かもしれません。まだイメージが見えない…。
いずれにしても、今年も一年、多くの方からのご指導に恵まれた年でした。
来年も、感謝して終われる年になりますように。よろしくごひいきをお願いいたします。
2008年の記録はこちら。
私は30冊足らずですが、1冊もこあらさんとかぶっていないので、趣味とは人によってかなり違うものですね。
ただ、「女は見た目が100パーセント」は購入しませんでしたが、書店で手に取るところまではいきました。
それでは良い2010年を!
なんとか、よい本に出会っていきたいと思っています。