南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

ヒゲブトコバエ(クロメマトイ)

2024-05-05 15:39:57 | ハエの仲間

晴れて気温が高い日が続いているが、風があると森の中の山道も気持ちが良い。

ところが、何とも不愉快なのは顔の周りを飛び交う小さな虫達。

払っても払ってもしつこくまとわりつくメマトイと言われる虫だ。

いったいどんな虫なのか見てやろうと、つかまえてケースに入れたが、何とも活発に動く。

やっと動かなくなったので、静かに蓋を開けて素早く撮影してみた。





3mm程の大きさだ。

今年は特に多いように感じるがどうなのだろう。

調べてみると、メマトイは何種かいるが、どうやらこれはヒゲブトコバエ(クロメマトイ)のようだ。

どこで発生するのだろうと思ったら、オオワラジカイガラムシ の寄生者だという。

吸血することはないようだが、眼に入ったりするので、気を付けた方が良い。

まあ、しばらくの辛抱だ。






キイロケブカミバエ

2023-06-19 20:51:31 | ハエの仲間

先月のことですが、アザミの花を撮影していたら、見慣れない黄色のハエらしい虫が、踊るように動き回っていた。

7~8mmだろうか?

まだまだ甲虫の方が探したいので、普段ハエやハチは見てもあまり撮影しないのだが、気になって撮影した。





丸い模様のある翅が特徴的。





帰宅後調べてみると、キイロケブカミバエのようだ。

幼虫はアザミの花の種を食べるという。

ミバエというのをちょっと調べたら、「果実に卵を産み付け、幼虫が果実を食害し 」とあり、害虫駆除のページが出てきます。

ミバエは"fruit flies"と言われ、”果実の蠅”で世界中で4,300種もいるようだ。

このキイロケブカミバエは、黄色い、毛深い、実の蠅というわけだ。

今まで全く気にも留めなかったが、まだまだ知らない虫の世界がある。



カマバエ

2021-11-09 12:11:16 | ハエの仲間

少し前のことである。
9月のある日、前日に雨が降り池のふちは水たまりが出来ていた。



そこで一心にしゃがみこんで何かしている人がいた。
「昆虫ですか?」と聞いてみると、そうだと言う。

話しを聞くと、「カマバエ」を研究している学生さんだという。

いつもは飛び越えてしまう水たまりで、ここに何かいるとは思っていなかった。
とても何かいるようには見えなかったが、そのうち目が慣れてくると、小さな虫がいくつも飛んだり走り回っている。

しかし、3mmくらいで動くのが早いので、撮影するのは結構難しい。

ピンボケ量産だったが、少し慣れてきた。






前肢が太く確かに鎌がある。

横から見るともう少しわかりやすい。




ほとんど走り回り、少しだけ静止する。

とまった時でもじっとしていないで、ダンスのように手足をこすったり振ったりしている。




そして、顔はカマキリのように逆三角形。




ここには似た鎌の無いハエや、もっと小さな虫も動き回っている。

その小さな虫を捕まえるために走り回っているみたいだ。

鎌でつかまえた虫をくわえている。



なかなか思うような写真が撮れなかったので、雨の後何度か通ってしまった。

動画にすれば面白いだろうと挑戦したが、これはもっと難しい。
ピント外れるし、ぶれるし。
ブレブレですが、ユーチューブに載せました。 → クリック

珍しい昆虫ではないようですが、探そうと思うとなかなか出会えない。
仲間が何種かいるようですが、ミナミカマバエかと思いますが、はっきりしないので、カマバエとしました。




ビロードツリアブ

2017-03-20 20:58:46 | ハエの仲間

今日は春分の日で温かくなった。

横浜市の新治あたりではとっくにビロードツリアブやミヤマセセリが見られているようだが、やはり尾根幹線の北側の南大沢は気温が低く、やっとビロードツリアブが見られた。

しかし、ミヤマセセリやコツバメももうじきだろう。

 

清水入緑地の遊歩道で、ビロードツリアブが足元を飛んでいたので撮影してみた。

 

 

 

 

ホバリングしているのだが、移動し始めると早い。

 

止まったところも撮影してみる。

 

 

今日は、OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII に、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14 をつけて、試し撮りをしてみた。

このレンズとテレコンは最近入手したので、まだ本格的に昆虫撮影はほとんどしていないが、今年は楽しく撮影できそうだ。

というのも、150mmに1.4×のテレコンで210mmになり、35mmフィルム換算では420mm相当だが、70cmくらいまで近寄ることができる。

10mmくらいの昆虫なら、ごく近くまで近寄らなくても、トリミングしてあるがこの程度に撮ることができる。

これは使えそうだ。

 

トンボの飛翔などいろいろと撮りたいものがあるので楽しみである。

 

 

 

 

 


フタスジヒラタアブ幼虫

2016-12-13 11:53:17 | ハエの仲間

相変わらず手すり観察をしています。

見つけたのは、じっと動かないフタスジヒラタアブの幼虫です。

手すりにいるのは、ほとんどが手すり上部をどこへ行きたいのか延々と歩いているものが多いが、こいつは手すりの横側で直角方向に巻き付いてじっとしていた。

新開さんのひむか昆虫記には、「襟巻アブ」と書いてあった。

一見して頭が上のように見えるが、下が頭です。

すぐそばには、コミミズクの幼虫が、これもじっとして動かないでいた。

 

 

実は、動かないのが大正解でした。

 

2週間ほど前、手すりで見つけたのは、T字型をした何とも変な虫。

近づくと、フタスジヒラタアブの幼虫が獲物を捕まえているようだ。

 

 

さらによく見ると、獲物はコミミズクの幼虫だった。

 

 

でも、何でコミミズクの幼虫は腹を上に向けているのか?

歩いてきたのを待ち伏せて捕まえたら、下向いているのでは。

1枚目の写真のようにじっと待っていて、手すりの上を歩いてきたのを反転して捕まえればこうなるのだが???

そういえば、この時一瞬反り返って獲物を持ち上げてまた戻ったりしていた。

捕まえるところを見ないとわからない。

 

さらに、近づいてよく見ると、小さな虫も一緒にくわえているように見える。

 

 

いったい、どうなっているのだ?

まあ、つついたり、バラしたりしなかったので、これ以上は分からなかった。

 

この時期、フタスジヒラタアブの幼虫も、コミミズクの幼虫も手すり上でよく見るが、こういう出会いも日常茶飯事なのだろうと思った。

 

 


ニトベハラボソツリアブ? (北海道にて)

2014-09-27 14:11:33 | ハエの仲間
これも北海道での撮影です。
ウトナイ湖のほとりで、特徴のある虫がたくさん飛びまわっていた。
アブの仲間だろうとは思ったが、見たことがなく、ゆったり飛んでいるのに、なかなかとまらず撮影にてこずる。
大きさは10mmを越える程度で、ピントも合わせにくく、何枚もピンボケばかり撮る。
比較的ピントが合っているのをトリミングした。






何とも後肢が異常に長く、それを前の方でぶら下げている。
なんでこんな形をしているのだろう。

やっと一瞬止まった時を撮影した。






帰宅後調べて、ハラボソツリアブに行きついた。
何種かある様で、特徴から、ニトベハラボソツリアブではないかと思う。
手持ちの図鑑の「札幌の昆虫」を見ると、9月に発生するようで、ツリアブの仲間は昆虫の幼虫や卵に寄生するようだ。





ハエ目 ハナアブ科
大きさ  約14mm
撮影 2014/09/14 北海道苫小牧市 OLYMPUS E-P5 M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro