イヌビワで発生するイヌビワコバチを撮影しないかとNさんから誘われたのは数年前の事でした。
まだ、カミキリやゾウムシの未撮影種が多いので、ハチにも手を出すと大変なことになるので、そのうちにと言っていた。
しかし先日Nさんから、イヌビワコバチが明日にでも出て来そうなイヌビワの実(本当は果嚢 というようです)を6個もらったので、観察することにした。
翌日コバチが少し出てきた実があったが、ほとんどは元のまま。
もう出てしまったのかもしれないが、もう少し様子を見ることにした。
するとさらに翌日、イヌビワを入れた一つのビニール袋の中に数十匹のコバチが発生しており、イヌビワの上にも一匹いた。
でもこれは、イヌビワコバチではなくイヌビワオナガコバチのメスのようだ。
拡大してみる。
イヌビワ内に産卵するイヌビワコバチと、それに寄生するイヌビワオナガコバチがいるという事だが、産卵管が長いのでイヌビワオナガコバチみたい。
調べると、イヌビワコバチのオスは翅がなくイヌビワの中で産まれメスと交尾して一生を終え、メスは産卵の為外へ飛び出す。
ところがイヌビワには雄花嚢(かのう)と雌花嚢があり、雄花嚢に入ったメスは繁殖でき、雌花嚢に入ったメスはイヌビワの受粉を助けるだけで繁殖できない。
また、イヌビワオナガコバチは、そのイヌビワコバチに寄生するハチというからややこしい。
上の説明は受け売りですが、表現に間違いがあるかもしれないので、詳細は沢山あるネット上の記事を見てください。
そのイヌビワは20mmくらいの大きさですが、イヌビワオナガコバチは体調が2mmくらいでした。
2mmと小さいのですが、歩き回り飛び回りでなかなかじっくり撮れないが、なかなか見事な形。
そして、容器の中だが産卵のポーズもしていた。
袋の中には死んだ者もいたので、形の良いのを4倍マクロで深度合成してみた。
イヌビワの実には穴が開いていてここから脱出したようだ。
見ていると中から出ようとするのがいた。
メスが出てきた。
まだ中にいたのだ。
他の実を半分に切ってみた。
中で死んでいる者もいた。
オスはいないのかと探すと、それらしいのがいた。
2mmほどで、翅がなく、牙が大きく、これがイヌビワオナガコバチのオスではないだろうか?
それでは、イヌビワコバチはいないだろうか?
2mmよりは小さめで、産卵管が長くなくて、翅があり、これがイヌビワコバチのメスだろうか?
イヌビワコバチのオスはと探すが、よくわからない。
1mmほどと小さくて翅がなくてキバも小さいので、これだろうか?
それらしいのを4種撮影したが、もしかしたら違っているかもしれない。
イヌビワとイヌビワコバチはどちらもお互いがいなければ、存続できないのだが、これが気が遠くなるほどの期間続けられていることに驚く。
たまには、じっくりとこんな虫を観察するのもいい。
ここまで観察して写真を撮ってブログにアップするまで1週間かかった。
慣れないことでなかなか大変でしたが、わくわくしながらで楽しかった。
イヌビワをとってきてくれたTさんと、届けてくれたNさんに感謝いたします。