南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

セマダラナガシンクイ

2024-08-20 12:50:40 | その他の甲虫
昨日は夕方突然激しい雷雨で、大きな落雷も近くであり、これは停電になるかもしれないとあわてて、パソコンの電源を切ってコンセントを抜いた。

そして今日はまた猛暑に戻った。

台風は多いし、猛暑は続くし、異常気象が異常ではなくなるのが何とも恐ろしい。



1ヶ月ほど前の昆虫の話です。

緑地に横たわっている大きな伐採木が1年ほど経ち、樹皮が剥がれるようになって、その下に見慣れない甲虫がいた。




複数でいたのは、10mm強のセマダラナガシンクイ。

それほど珍しくはないようだが、初めて見る。

触角の先端3節が丸く膨らんでいる。




2本の角のような前胸も特徴というので、うまく写っている写真がないかと探したが、なかなか良いのがない。




頭はあまり出さず、この下に隠れている。

実はたくさん写真撮ったのだが、よく見るとものすごい数のダニが付いていてとてもここに載せたくない写真ばかり。

撮っている時はあまり気が付かなかったのだが。

ダニが何匹もついていたらいやだろうが、脚で払うでもなく平気でいる。

また見た時にはもう少しきちんと撮りたい。



ヒメクチキムシダマシ

2024-07-08 16:06:36 | その他の甲虫

今日は今年一番の猛暑のようだ。

無理して外出せず諸々室内作業。

5月から6月にかけては、なにか虫が出ていないかと、頻繁に伐採木めぐりをしていた。

そんな時、じっとしていると全く見つけにくいが、歩き始めると何だこれはあまり見たことがない、というのがいた。

大きさは5mm弱。





中央付近にいるのだが、黒い樹肌のところではとても見にくい。

拡大して画面を明るくすると2匹いた。




違う場所にもいたので撮影し、もう少し拡大。




眼玉は大きく、触角は短く、背の模様は独特である。

更に別の日には横からの撮影ができた。




調べてみると、クチキムシダマシ科のヒメクチキムシダマシのようだ。

今まで撮影した記録がない。

似たのに触角が細く長いオサムシ科のメダカチビカワゴミムシというのがいるようだ。

調べてみると、過去に撮っていたのが出てきたが、よく見るとこれらは全てヒメクチキムシダマシだった。

どうも間違えて画像保管してしまったようだ。

今後も地元で、まだまだいくらでも新しい虫はでてきそうだ。




チビケカツオブシムシ??

2024-06-21 11:40:09 | その他の甲虫

昨日の午後、たまに行く公園に寄ってみた。

森の中は昼間でも暗く、遊歩道でもほとんど人がいない。

ここもやはり伐採木が沢山あり、40cmくらいの丸太が切断面を上にいくつも置いてあった。

カミキリムシがいないかと見たが何もいない。

よく見ると小さな黒い点がゆっくり移動している。






フラッシュ撮影なのでこのように見えるが、肉眼では切断面は暗くコントラストがなく、更に2mm位なのでしゃがみ込まないと見つからない。

帰宅後、拡大してみるとこんな感じで、これは見たことがない。





小さな甲虫で毛があるのもいるが、こんなに多いのは珍しい。

もう一枚撮っていたので、こちらも最大に拡大してみると、さらにびっくり。



まるで小さなハリネズミのようだ。

検索してみると、「チビケカツオブシムシ」というのが出てきたが、これだろうか?





ルイスホソカタムシ (2)

2024-05-23 22:25:29 | その他の甲虫

5月7日にルイスホソカタムシを載せた。

この時は、Tさんが捕獲したのを撮らせてもらった。

自然状態でもこの近所で見られそうだということで、その後気にかけていたのだが、やっと見つけた。

今日は、切られたばかりのコナラ伐採木に、クビアカトラカミキリが走り回っているのをTさんと撮影していた。

その時に見つけたのだが、残念なことに見つけたのは自分ではなく、またもやTさん。

10mmほどの細い黒いゴミのようなものが伐採木の木端にいて、ゆっくり歩きまわっている。





もう一匹はその上のコケのはえた樹皮にいて、触ったので、手足を隠してじっと死んだふりをしているところ。





顔の部分の拡大。




最初のが、どんどん伐採木の下の方に回り込んで行ったので、撮影しようと苦労していたら、この寝たふりをしていたのが眼を離したすきに、あっという間にどこかにいなくなってしまった。

木くずが付いていたので、羽脱したばかりなのかもしれない。

これから見られるチャンスがまだありそうだ。







ルイスホソカタムシ

2024-05-07 20:35:32 | その他の甲虫

「海外には、こんな奇妙な形の虫がいるのか?」と、驚くことがあるが、今日の虫はとても奇妙な形だが、この辺りにいる虫である。




名前はルイスホソカタムシ。

Tさんのブログに載ったのを観て、「なにこれ、見てみたい!」と思っていたら、Tさんから「またマンションの壁にいたから確保したけれど撮影しますか?」と連絡が来た。
喜んでと返事をして撮影させてもらった。

10mm程だが、最初見た時は、まるで細い棒。




肢をたたんで、固まっている。

拡大しているので虫に見えるが、肉眼では全く虫とは思えない。

横から見てもまがった棒である




触角が上から見たのと横から見たのではずいぶん違う。

上半身を拡大するとこんな形で、やはり角度によって触角の見えが違う。




このルイスホソカタムシは以前は少なかったが、ナラ枯れが拡大したことで見られるようになったようだ。

というのも、ナラ菌を運ぶカシノナガキクイムシが大量に増えてナラ枯れが問題になったが、そのカシノナガキクイムシを食べるのがルイスホソカタムシである。

つまり天敵なのだ。

餌が増えてこの虫も増えたようだ。

カシノナガキクイムシが幹に穴をあけて中に入り込むが、ルイスホソカタムシはその穴に入り込むために、体の幅がこんな細い。

ナラ枯れは落ち着いてきたというが、今年はどうなのだろうか?


2年前にナラ枯れとカシノナガキクイムシの記事を載せましたが、興味ある方はこちらをご覧ください。 → クリック





ツノブトホタルモドキ 2024

2024-03-13 10:53:37 | その他の甲虫

10年程前に突然見られるようになったツノブトホタルモドキですが、今年も現れました。

しかも手すりの上に10m間隔ぐらいに6匹も。

以前は希少種と言われていたようなのだが。





10年程前から何度かこのブログに登場していますが、なぜホタルモドキという名がついているのか?幼虫はどんな形でどこに棲んでいるのか?など、10年経って調べても相変わらず以前同様よくわからない。




決まって毎年2月か3月に現れる。

その後どこにいるのだろうか?

最初に登場した記事。 → クリック
 



ムネアカセンチコガネ 2023

2023-11-07 17:18:18 | その他の甲虫

数日前の午前中、撮影に行こうと玄関を出ると、階段踊り場の床に何やら虫がいた。

逆さになってバタバタともがいているが、いつまでたっても起き上がれない。

しゃがんでよく見ると、何と見つけたくてもなかなか見つからないムネアカセンチコガネだった。




とりあえず確保してみたら、何ともきれいなので部屋に戻り白バックで深度合成撮影してみた。








1年前に初めて撮影してこのブログに載せたのだが、調べるとやはり11月だった。→ クリック

12mmくらいなのだが、何ともかわいい。

そして、床の上で逆さになると半球状の体なので、なかなか起き上がれないが、最後には上翅を広げてやっと下向きになった。

最初からそうすればいいのにと思ってしまうが、きっといつもいる土の上ではデコボコしたり、草があるので簡単に起き上がれるのだろう。

近所の芝生の上の土の部分に置いたら30秒ほどでもぐって見えなくなってしまった。




動画はこちらです。→ https://youtu.be/FE-zob9_5xI

公園の芝生は結構遠いのだが、よくぞ我が家に飛んで来てくれたとものだと思う。






ハガタヨツモンナガクチキ (ハガタホソナガクチキ)

2023-05-21 11:54:55 | その他の甲虫

初めて見る甲虫が、伐採木の下側にしがみ付いてじっとしていた。




15mmくらいあるだろうか?




このような模様のある甲虫は結構多いが、こんなに長細いのは見たことがない。

どうやら、ハガタヨツモンナガクチキのようだ。

ハガタホソナガクチキともいうようだ。

ハガタとは、いったい何の事なのだろう?






オオクロホソナガクチキ

2023-05-15 13:32:22 | その他の甲虫

4月の下旬に緑地の伐採木置き場に行ってみた。

大きめの伐採木の木端のところに、黒い虫がじっとしていた。




15mmくらいはありそうだが、触角は見えるのだが顔が見えない。

少し触るとゆっくり動いてまた静止。

やはり顔を隠しているので、横からのぞいてみた。




大きな眼はあるが、下向きで何とも恥ずかしそうにしている。

見たことがない虫で、調べてもわからなかった。



それから2週間ほどたった時、同じ場所でまた見かけた。

伐採木の上にあった太めの折れ枝を持ち上げると、へこみにじっとしている黒い大きめの先日の虫がいた。同じ個体かどうかはわからないが。




やはりじっと下向きである。

正面から顔を撮らせてもらった。




Wさんに問い合わせたのだが、オオクロホソナガクチキではとメールで連絡が来た。

なるほど、これみたいだ。

クロホソナガクチキという少し小さいのがいるようだが、15mm以上あったので、たぶんオオクロホソナガクチキであろう。

ゴミムシダマシ上科には、まだまだ見ていないのが沢山あるようだ。




アカモンホソアリモドキ

2023-04-24 21:25:53 | その他の甲虫

つい先日、落ち葉置き場で、見たことがあるような、ないような小さな甲虫を見つけた。

木の板で囲ってあるところで、上の板の下側に隠れたようにじっとしていて見にくいし撮りにくいのだが、フラッシュで液晶を見ながら苦しい形で撮った。




じっとしていたが、指で触ると動き始め、板の上に出てきた。





飛びそうに翅を少し開いたが、飛ばずに歩いて隠れてしまった。

手すりを歩いているのをよく見かけるアカホソアリモドキとは、形が少し違うような気がする。

調べてみると、アカホソアリモドキのアカとホソの間にモンが入った、アカモンホソアリモドキのようだ。

4mmほどで、何とも頭と胸が特徴的な形である。

ちなみにアカホソアリモドキはこんな昆虫。




そして、これは2018年にこのブログに載せていた。

アリモドキ科にはたくさん似たような形のものがいるのですね。




ムネアカセンチコガネ

2022-11-14 18:13:56 | その他の甲虫

南大沢季節便り同様、こちらもずいぶん長い間未更新でしたが、これから少しづつ記事を載せていこうと思っています。
 
2年ほどから心房細動で調子が悪く薬で押さえていたのですが、9月中旬にちょっと入院して手術をしました。
でも、思ったよりも復帰に時間がかかってしまった。
 
現在は、自転車でゆっくりと周辺を回って、写真撮影を始めたところです。


さて、ムネアカセンチコガネですが、数年前に長池公園で見つけたという報告を聞いて、何とか見たいと思っていながら、出会えていなかった。

9月初めに、このムネアカセンチコガネを手に入れた人のを撮影させてもらった。

名前にコガネとついていますが、コガネムシ科ではなくセンチコガネ科で、10mmより少し大きいくらいで、こんな色でなかなかいい。



逆さになって死んだふりをするとこんな感じ。




でもやがて動き出すと、やわらかい土の上ではすぐに潜り始めた。




夜行性で、昼間は土の中にいて、芝生や牧場などにいると言う。

来年は、ぜひ自分で見つけてみたい。





ヒロオビジョウカイモドキ ♂

2022-07-07 19:13:40 | その他の甲虫

このところあまりの暑さだったので、ほとんど昆虫の写真は撮影していない。

この日も、図書館に本を借りに行ったのだが、帰りにちょっとだけ公園に回ってみた。

でも、行くつもりはなかったので、レンズは標準ズームだけである。

カミキリなどもほとんどいなかったが、足元に小さな3mm程の黒と赤の虫が動いていた。

肉眼では何かの幼虫なのか甲虫なのかもわからない。





すぐ飛ばれてしまったが、すぐそばの葉の上にいるのを見つけた。

標準レンズで最大に接近して撮影し、拡大すると今までに撮ったことがない甲虫だった。





いやにきれいな色で、触角が少しおかしい。





そのうち首を振り始めた。





触角の手入れをしているようだ。





これは普通にいるヒロオビジョウカイモドキの♂で、この触角の第2節と3節が膨らんでいるのが特徴とか。

メスは普通の触角らしい。

何しろ3mmほどなので、これが限界だったが、今度見つけたら、触角を接写してみようと思う。大変複雑な形状をしているようなので。

これは前回のホソチビゾウムシと異なり、沢山の記事や写真が出てきたので本当に普通種らしいが、今まで何故か出会っていなかった。




ナラ枯れとカシノナガキクイムシ

2022-06-28 15:19:42 | その他の甲虫

昨年7月に、南大沢周辺の公園や緑地のコナラが急に沢山枯れ始めた。

これはナラ枯れと呼ばれ、カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が媒介した共生菌(ナラ菌)により寄主が枯死すると言う。

それを記事にしたのがこちらです。 → クリック

冬の間に大量にナラ枯れの木が伐採されたが、今年もナラ枯れが大量に発生するのだろうか?

きっと、まだこの地域で、信じられないほどのカシナガがいるであろうが、これが見つけられない。

ほとんどが木の中の冬を過ごして、6月に飛び出して移動するという。

そう、6月が撮影のチャンスなのだが、見つからない。

今年長池公園では、そのカシナガのトラップが仕掛けられた。




沢山のペットボトルをカットしてつなぎ、下の容器に捕獲するというもの。




落ち込む容器は黒いテープが巻かれて、隣の透明の容器と通れるように穴をあけてシリコンで接着してある。

明るい部屋に行きたがるので、透明の容器に入って行きそこのアルコールに落ちて死んでしまうという仕組みだと言う。

このトラップにも少しは底に入っていたが、実は前日大量に捕れていて、交換したばかり。

その時に、天気の良い朝方にたくさん飛んでくるということを聞いたので、午前中来たのだが少し遅かったか全くいない。

捕獲されたのも少ないので、もう6月中旬では移動も終わり頃なのか?

まわりをぐるぐると探し回って、やっとどうにか5mmくらいのこれかなと言うのを見つけた。






しかし、全く動かないし、少し触れても動かない。

死んでいる。

やはり動いているのを探したい。

先ほどのトラップの、下の2本の捕獲ビンの間のシリコン部分に動いているのがいた。





コナラの幹にのせて撮影。






これはオスのようだ。

実は前日のトラップで捕獲されて佃煮のようになったのを撮影したが、ここにメスがいた。

それがこれです。




メスの前胸背板には共生菌を貯蔵する器官(マイカンギア)である円形の小孔があると言うが、まさにはっきり見えた。

自分が生まれた木の中で共生していた菌を運ぶ器官だと言う。


ネットでもう少し詳しく調べると、次々と面白い記事が出て来る。

オスは、まず穴を少し掘って自分の巣を作り、メスを誘うフェロモンを出す。

メスが来たら巣の中を見せ、メスは気に入ったら巣を広げそのオスと子育てをする。

最初の子は、ワーカーとして弟妹の世話をする。

幼虫は越冬後にサナギとなる。


孔の壁につけた菌が繁殖し餌となり、また菌は木の水分の移動を阻止することで木が枯れてしまいます。

その他本当に興味深い生活実態がいろいろと出てきます。

参考にしたサイトを載せますので興味ある方はご覧ください。





昨年は、こんな感じにナラ枯れが発生したのだが、今年もなるのだろうか?





お知らせ
昆虫の話題ではないので、「南大沢季節便り」に載せましたが、アナグマの観察記録です。興味ある方は是非ご覧いただきたいと思います。→ クリック










ハネカクシ

2022-01-25 18:43:27 | その他の甲虫

へなちょこ何でも写真」というブログの旅姿さんが、最近盛んにやっているのがシフティング。
森に積もった枯葉や、その下の表面の土をふるいにかけて採集するというもの。
小さな昆虫を次々と見つけて写真に撮っているのをみて、以前やっていた道具を持ち出してまたやってみた。

アリヅカムシというのは知らなかったが、たくさん種類があるらしい。
これを見つけたかったが、まずいたのはハネカクシ。

ハネカクシは、甲虫の中では大きなグループで全体の15%もこの仲間がいるらしい。
上翅の下に巧妙に折りたたんだ下翅が入っている。
以前毒のあるアオバアリガタハネカクシというのが話題になった事で知られている。


今回やってみて早速いたのがこれで、枯葉の上に置いて撮影。
コチビホソハネカクシかなと教えてもらった。





次に少し大きな4mmほどのハネカクシが出てきた。
これは容器に入れて撮影してみた。





なかなか特徴的だが、これがまた種がわからない。
まあ、いろいろ調べているのも楽しいのだが、もう少しWeb上で出てこないのだろうか?

たぶん近所の森や遊歩道脇の土壌にもたくさんの小さな虫がいるのだろうが、まだ探し方がよくわからない。


クロモンキスイ

2022-01-10 20:56:21 | その他の甲虫

今年に入ってはや10日である。

今年も、気ままな更新になりますが、「南大沢昆虫便り」をよろしくお願いいたします。

なかなかこのブログの更新に手が付かなかったのは、元旦は家族が2年ぶりに集まって賑やかに過ごして、翌2日に腰痛が発生し、それが長引いてだらだらした新年になってしまったのである。

こんなことは今までになかったと思うが、せっかくの雪景色も撮らず、それどころか今日までほとんど外出せず、シャッターを切ったのは元日のみである。

そこで今日は、先月撮影したものの掲載です。

冬になると昆虫探しは、手すり観察か、樹皮の下に隠れているのを探したりすることになる。

これは手すりの上にいた数ミリの甲虫だが、名前がわからず不明甲虫となっていた。



これを拡大すると。



ちょっと調べたが名前がわからなかったもので、いつも見るのが楽しみなブログの「へなちょこなんでも写真」を今日見たらクロモンキスイというのが載っていた。

これみたいだ。

上からも撮ったものはこちら。



寒いが動き回っていた。



小さいが良い色で、脇は結構毛深い。

調べると、これもお世話になっているブログの「甲虫三昧」にも載っていた。

まだまだ知らないのはいくらでも出て来そうな昆虫たちを、今年も楽しんで撮っていこうと思っています。