南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

ハネカクシ

2015-12-14 09:06:21 | その他の昆虫

ハネカクシという昆虫は知っていたが、あまり興味を持っていなかった。 

これは11月に長池の手すりで撮ったハネカクシの仲間。

色や形から種名がわかるかと思ったが、例によってこれも調べても判明しなかった。

 

 

 

5月に小山内裏公園の森の中にいたものだが、これもわからない。

 

 

ハネカクシというと、アオバアリガタハナカクシしか名前を知らなかった。

強烈な毒をもっていて、大発生して人が被害にあって新聞に載ったこともある。

それ以外は知らなかったが、この甲虫目、ハネカクシ科は、ゾウムシと同じくらい種類が多いのだが、研究者が少ないので未発見種も大変多いとか。

ハネカクシは、「昆虫はすごい」の著者丸山宗利さんが専門家で、先日紹介した情熱大陸では、東南アジアにアリの巣の中にいるハネカクシを採集に行っていた。

改めて録画したのを見たが、ゾウのいるジャングルの中で、真夜中にサスライアリの引っ越しの時だけ出てくるハネカクシを採集するのはやっぱりすごい。

 

もう一つハネカクシで驚いたのは、カメムシでいうと幼虫のような形で翅があるように見えないが、小さな上翅に後翅を小さくたたんで入れていて、飛翔もできる。

ところがテントウムシやカメムシなどの甲虫は後翅をしまうのにモタモタとゆっくりだが、ハネカクシはさっと畳んでしまうそうだ。

それも、左右の後翅を重ねて畳んでお尻で短時間に押し込んでしまうみたいだ。

ということも、最近になってわかったことだとか。

いろいろと面白いので、俄然興味が出てきたのだが、なんとも小さいのが困る。

小さいのが見にくくなってきたこの時に興味が出てきてもねえ。

もっぱら、パソコンで検索して動画を見たりしている。

 

 

 

 

 

 

 

 


カマキリの単眼

2015-09-15 11:15:44 | その他の昆虫

遊歩道のハギの花が咲きだした。

先週の晴れた日に、そこでキタキチョウが何頭か飛び交っていた。

 

 

 

良く見るとカマキリがじっとしていた。

 

 

 

この体制でキタキチョウを待っているのだろうか?

キタキチョウはなかなか近くには来ない。

これでは一日待っていても、捕まえられそうにもないが。

ところで、これはオオカマキリなのかチョウセンカマキリなのか?

いつもあまり識別にこだわらないので、覚えられない。

 

おとなしいので、頭のアップを撮影した。

 

 

複眼の黒く見えるところの偽瞳孔は有名だが、単眼個眼をちゃんと撮ったことがなかった。

3個が前と左右を向いているように見える。

こんな風になっていたのか?

調べると、こんな記述があった。

「単眼は明るさだけを感知している。」

「飛ぶときに前方の単眼で身体の縦揺れ、後方の2つの単眼で横揺れを検知して、飛行姿勢を調整している。」

まあ、こんなに眼がたくさんあって、脳の中ではどういう風に見えているのだろうか?

眼が不自由になって、気になりだした!!

 

 

 


アオバハゴロモの幼虫

2015-08-30 16:06:14 | その他の昆虫

前回のアミガサハゴロモの幼虫のそばに、白っぽいゴミの様なものがあったが、スッスッと動いたように見えた。

アオバハゴロモの幼虫だろうが、肉眼ではどちらが頭なのかもよくわからない。

カメラのレンズを近づけると逃げる。

何とか撮影して、確認すると眼も脚も見えた。

 

尻の方から蝋物質を出して、全身に塗っているようだ。

 

成虫は、良く見かけるこんな虫。(以前の撮影)

 

 

子供の頃に、ハトと呼んでいたが、今でも言うのだろうか?

ハゴロモと言っても、アミガサハゴロモなどはハゴロモ科で、翅を平たくしてとまる。

このアオバハゴロモは、翅を立ててとまる。

調べるとアオバハゴロモ科で別であった。

 


アミガサハゴロモの幼虫

2015-08-28 16:13:41 | その他の昆虫

ムラサキツバメの幼虫がいたマテバシイに、こんな小さな虫もいた。

この幼虫を見かけると、やはり撮影してしまう。

なんで、こんなプラスチックの糸の様なものをお尻に付けて傘の様に開いているのだろう。

まるで、光ファイバーだ。

 

失礼してお尻側からも撮影してみた。

 

 

これを身体にかぶせたら、虫がいるとは思えないので、カモフラージュになる。

いよいよ危ないとなると、一瞬でジャンプして逃げてしまう。

 

 

似たような幼虫に、ベッコウハゴロモの幼虫がいるが、眼の模様が違う。

ちなみに以前撮影したベッコウハゴロモの幼虫はこちら。

 

 

アミガサハゴロモは、成虫になるとこんな形である。

 

 

ハゴロモの世界も不思議がいっぱいだ。

 


樹液の出るコナラ

2015-08-15 16:40:28 | その他の昆虫

入院3週間くらい経つと、建物から出て敷地内散歩可になった。

そして、玄関からたった50mくらいのところに、樹液がたくさん出るコナラがあるのを見つけた。

スズメバチの仲間が来るので注意喚起されている。

 

 

ここには、アカボシゴマダラがたくさん来ていた。

 

 

更に、カナブンやハナムグリの仲間が20くらいいつもいた。

 

 

当然ヨツボシケシキスイや、先日のノコギリクワガタ、カブトムシ、そしてサトキマダラヒカゲ、テングチョウなど日替わりでいろいろと見ることが出来た。

玄関前のプランターよりも、やはりこちらが面白い。ここはだいぶ楽しめた。

 

 

 


ヨツメトビケラ

2015-06-14 13:50:25 | その他の昆虫

1ヶ月ほど前の長池公園生き物図鑑の観察会のことです。

相模原市の谷戸で、葉の上に黒い虫がいるのをKさんが見つけた。

 

 

 

黒いし白線があるようだし、ホタルガかなと思った。

しかし、上から見ると何となく違う。

 

 

 

頭は黒いし、白い部分も線状ではない。

こんな蛾はいたかなと思った??

帰宅後Tさんからメールがあり、ヨツメトビケラと教えてもらった。

 

 

なるほど、蛾ではなくトビケラの仲間だったのか。

ここには、細い流れがあるので、幼虫はここで育ったようだ。

30才代のころフライフィッシングを少しやっていたので、水生昆虫にも興味はあるのだが、なかなかそこまで手が回らない。

 

 

トビケラ目 フトヒゲトビケラ科
撮影 2015/05/17   神奈川県相模原市  OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro 


 

 


クチキクシヒゲムシ

2015-05-14 16:55:47 | その他の昆虫
今回も、先週土曜日の観察会の話題です。

何しろこの日は、「なにこれ。なにこれ。」が多かった。

P君が見つけて、帽子に入れて見せてくれたのがこれ。

おー、腹が赤っぽくて、大きい甲虫だ。

20mmくらいの大きさ。






みんなで次々撮って、その後葉の上に載せて撮った。






しかし、この虫を見たことのある人がいない。

「何だろう??」と、みんなで考えるが、種もわからない。


帰宅後Kさんが、クシヒゲムシ科のクチキクシヒゲムシと調べて教えてくれた。

ところがこのクチキクシヒゲムシは、虫のベテランがいてもわからなかったくらい珍しいらしい。

クシヒゲムシ科は、日本には3種しかいなくて、世界でも50種くらい。

北海道から九州までいるが局所的のようである。

オスは見事な櫛状の触角のようで、今回のはメスのようだ。

メスは、小さな卵をたくさんまとめて産卵するらしい。

それは、ツチハンミョウや、カマキリモドキと同じで、幼虫は寄生するようだがはっきりしない。

アメリカではセミに寄生するのがいるようだ。

以上はみんな受け売りで、昆虫写真家新開孝さんのブログを参考にさせていただきました。

詳細はこちらをご覧ください。→クリック




そんなに珍しい虫なら、もっとよく撮影しておけばよかった。

しかし、このクチキクシヒゲムシを見つけてくれた、P君はすごい。

感謝です。




コウチュウ目 クシヒゲムシ科
体長 約20mm
撮影 2015/05/09 相模原市緑区 OLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡ  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro








ハロルドヒメコクヌスト

2015-03-25 20:48:10 | その他の昆虫
10日ほど前だが、ケヤキの樹皮下に集団で多種の虫たちが越冬していた。

ピンボケであるが、左側にも何か虫みたいのが??






頭隠して尻隠さずだが、これは虫だ。






ちょっと出てもらって、落ち葉の上に乗せてみた。






そのうちに元気に歩き始めてしまった。






ハロルドヒメコクヌストだった。コクヌストを漢字で書くと「穀盗人」。

自分でくぼみを作って越冬するらしい。つまり、頭の部分だけかじって突っ込んでいたのか??




コウチュウ目 コクヌスト科
大きさ 約5mm
撮影  2015/03/15 八王子市別所  OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro



ミツモンセマルヒラタムシ

2015-03-19 12:13:45 | その他の昆虫
伐採した小枝がまとめて積んである。

そろそろ虫も動き出す頃ではと、その粗朶(そだ)をゆすってみたら、小さな虫が落ちた。

3mm弱くらいで、何しろ小さくて肉眼では良くわからない。。

とりあえず撮影して、拡大してみると、甲虫だ。







わかりやすい形、色、模様、そして可愛い顔である。

初めて見るが、ホソヒラタムシ科のミツモンセマルヒラタムシという虫だった。

三紋は、つながっていたり、薄かったり、なかったりするようだ。

ゾウムシもいろいろと眼にするようになり、公園や雑木林の散策も楽しい季節になってきた。



コウチュウ目 ホソヒラタムシ科
大きさ 約3mm
撮影  2015/03/17 八王子市別所  OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro


オオクチキムシ

2015-03-17 18:14:46 | その他の昆虫
樹木についている表示板の裏には、越冬昆虫やクモがいることが多い。

表示板をめくったら、ポトッと落ちて遊歩道を走り回るのがいた。
15mmくらいで、結構速く走る。





オオクチキムシ(大朽木虫)のようだ。

走り疲れたか、立ち止まったところで撮影した。





コウチュウ目 ゴミムシダマシ科
体長 約15mm
撮影 2015/03/08 八王子市別所  OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough

エグリゴミムシダマシ

2015-03-08 23:03:06 | その他の昆虫
朽木が落ちていたので、ちょっと力を入れたら簡単に折れた。

なかから、見事な色の甲虫が出てきた。






何だか見たことがない。
と言うより、朽木を壊したことがほとんどないので、今までにない世界かもしれない。

横からも撮影。






全く動かないので、ひっくり返して一枚撮影。






それにしても、なかなかいい色だ。

調べてみると、エグリゴミムシダマシのオスのようだ。

前胸背板に凹みがあるのでオスと言う事だ。メスには凹みがない。

朽木で越冬する普通種のようだ。

このへこみは、コカブトムシのオスみたいだが、やや控えめだ。





コウチュウ目 ゴミムシダマシ科
体長 約8mm
撮影 2015/02/28 八王子市別所  OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough


ハナムグリの幼虫

2014-11-04 14:37:53 | その他の昆虫
こんなに寒くなったのに、ハナムグリの幼虫が歩いていた。

この幼虫は歩き方が面白い。

何しろ、ごろんと仰向けになって、腹を上にして、ちっちゃな脚を上に挙げて背中で歩いている。





コガネムシは普通に歩くが、ハナムグリの仲間は背中で歩くようだ。

この横じまのようにはえている毛で進むのだろうか?






でも、これは腹にもあるので、何も逆さにならなくても歩けそうだが…

蛇腹の前後動で動いて、この毛は単なる滑り止めなのか?

顔を見ると、逆さでは地面も見にくいし歩きにくそうだが、本人はこの方がいいのだろう。






でも、段差のあるところでは、そのまま進んでゴロンと落ちていた。

やっぱり、見にくそうだ。

動画でも撮ったので、ここに載せたいが、アップの仕方がわからない??

ユーチューブで見てください。




ネットで調べると、「腐葉土の様な幼虫が普段いるところで移動するにはこの方が楽」「地上に出た時は、天敵を見つけやすいから」などと出てきたが、どうなのだろう?




コウチュウ目 コガネムシ科
撮影 2014/11/04  八王子市別所  OLYMPUS E-P5  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro




ハラビロカマキリ

2014-10-10 10:28:52 | その他の昆虫
諸般の事情で、またまた更新が滞っております。

天候が悪いこともあったのですが、天気の良い日でもなかなか写真撮影が出来ていません。
そこで、8月下旬の写真ですが、ハラビロカマキリを載せます。

これを見つけた時、「なにこれは??」と、一瞬思ってしまった。






すぐに、ハラビロカマキリの幼虫とわかったが、普通ここまで腹を曲げるか?
体を低くして葉にピッタリくっつけている。
何のためにするのか??

ハラビロカマキリは、非常に好戦的と言われ、幼虫は腹を持ち上げることが知られている。
でも、U字型に腹を持ち上げている写真など見るが、ここまでピッタリとひっくり返すのがいるのだ。

葉を動かしたら、ハラビロカミキリも動き始めた。





それでも腹は持ち上げたままであった。



カマキリ目 カマキリ科
撮影 2014/08/29 町田市下小山田  OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough










スズバチネジレバネ

2014-07-14 16:06:18 | その他の昆虫

先月15日の、このブログに「オオフタオビドロバチ」の話題を載せた。

そのあと、大変興味深い展開となったのですが、写真等も多くすべては載せられないので概要となります。詳しくは別途HPに載せます。


6月15日には、オオフタオビドロバチの次の写真を載せた。








昆虫写真家の新開孝さんから、「このオオフタオビドロバチはスズバチネジレバネに寄生されている」とメールを頂いた。
確かに、尻のあたりにふくらみがあり、なんだろうとは思ったのだが、あまり気にしなかった。

このネジレバネと言うのは、大変不思議な生態らしい。
これは見てみたいと思ったが、すでに放してしまったので、次に出てくるのを待つしかない。

結果として、その後オオフタオビドロバチは5匹出てきて、3匹がスズバチネジレバネに寄生されていた。
それを、薄めた砂糖水でオオフタオビドロバチを飼育すると、8~9日後にスズバチネジレバネが羽化した。







背中と、腹から撮った写真で、約3.5㎜程の大きさでこれはオス。






眼は個眼が集まったもので、触角も変わっている。



そもそも、ネジレバネと言うのが良くわからなかったので調べてみると、これが想像できないくらい驚きの生態である。
まだわからない事が多いようなので、概要を簡単に書きます。

ネジレバネ目とは、撚翅目(ねんしもく)と書き、世界で数百種いる。
いろいろな昆虫類に寄生するが、スズメバチ類に寄生するスズメバチネジレバネが知られている。
ドロバチ類に寄生するのが、このスズバチネジレバネである。
オスは、羽化すると数時間の命だが、その間に飛び回ってドロバチの体内にいるメスを探して交尾する。
メスは、ウジ虫状で一生宿主の体内で過ごす。
メスは、数千ともいわれる卵を体内で孵化する。
一齢幼虫はメスの体外に次々と出て、奇跡的に別のドロバチのメスに取りつけたら産卵場所へ運ばれる。
ドロバチの幼虫に寄生する。

いろいろな文献からの受け売りなので、解釈が違っているところがあるかもしれないが、こんな驚きの生態である。
カマキリモドキやヒメツチハンミョウの生態を知ってびっくりしたが、それ以上だと思う。



今回1匹のオオフタオビドロバチに3匹寄生しているのがいたので、スズバチネジレバネは合計5匹出てきたが、なぜか全部オスであった。

メスも見てみたいし、これがどのように交尾するのかも見てみたい。

今回は、寄生していることを教えて頂いて、貴重な観察が出来たので、新開さんに感謝いたします。

詳しくは、HP南大沢の自然に載せたので、興味ある方はご覧いただきたいと思います。

クリック





ネジレバネ目 ハチネジレバネ科
体長 約3.5mm
撮影 2014/07/03 八王子市南大沢  OLYMPUS E-P5  M.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macro
              最後の写真のみ OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough