■マーケット
麻生財務大臣、介入の用意がある
きょう麻生財務大臣は参議院決算委員会で「為替の急激な変動は望ましくない」、「(為替)介入をする用意がある」と発言しました。また米国が先月下旬に為替報告書で日本などを監視対象に指定したことに対して「米国は日本の為替政策を不当と考えてはいない」との認識を示しました。先月、日銀が追加緩和を見送ったことにより急激にすすんだ円高について、麻生財務大臣はこれまで「必要な対応をとる」などの表現にとどめていました。「介入」という具体的な言葉を直接的に使うことは、今回の円高局面では初めてです。経済界からは政府の為替介入を支持する声が出ています。
《経団連/榊原会長》
「(急激な円高は)経済の実態を離れた投機的な動きによるものとしか思えない。こういった動きに対しては通貨当局がブレーキをかけるのは当然。財務省と日銀が市場介入を行うならば、経済界として支持したい。」
ドル円相場は、ロンドンの外国為替市場が開いた日本時間の夕方から108円まで円安方向に動いています。日経平均株価の終値は1万6,216円03銭で7日ぶりに上昇しました。しかし、決算発表に対して様子見の投資家も多く、東証1部の売買代金は今年最低となりました。
中国“菜の花畑”が消える?
上海の春の風物詩のひとつが一面に広がる菜の花畑です。菜種油をとるために栽培しています。しかし、最近は菜の花畑が次々と稲作や小麦畑に代わっています。背景にあるのは農業政策です。中国では食糧の需要が増える中、主食であるコメの栽培を推奨。稲作の場合は国から補助金が出ます。さらに、田植え開始までの間、稲の裏作として作る小麦も増加しています。中国の巨大な胃袋を満たすため今後も、街の景色が変わっていきそうです。
中継担当:上海支局 吉田知可記者
■【コメンテーター】高田創氏(みずほ総研 チーフエコノミスト)
・意外に健闘?GW消費、この先の展開どう読む。
--今回のゴールデンウィークはあまりカレンダーの日取りが良くないとも言われていましたけれども、消費動向の結果を見てどうですか。
その割には意外に強かったのかなという感じです。やはりメリハリというかこだわりというか、近場ではあるがプチ贅沢をするなど。
--そうすると今後の消費はこのまま上向いていくのでしょうか。
確かに目先は雇用もいいんですけど、先行きちょっと不透明感が出てきた感はします。株式も海外情勢も不透明ですし、しかも円高でこれまでのアベノミクスに対して少し変だなという感じも出てきています。先行き不透明感、ややデフレ的な不安がもう一回出てきたり、そんな感じも出てきています。
--マインドはどうなんですか。悪いままですか。
これまで上がるかなと思っていたところが、中々上がりにくいという感じが出てきたと思います。
--高田さんは10連休に築地、京都など各地を回られて、あまりにも人が多くて、ある提案が浮かんだそうですね。
やはりインバウンドの人がすごく多いです。せっかく日本に来るんだったらゴールデンウィークは避けてもらった方がインバウンドの方々向けにもいいんじゃないかと思います。日本からアナウンスをしたほうがいいと思う。日本はゴールデンウィークに行っても混み過ぎているとわかってもらった方がいいと思う。(日本人とインバウンドを)分散した方がいい。
・為替で続く攻防、円安による好循環は終わり!?
--麻生財務大臣が「介入」という踏み込んだ発言をしました。では実際に為替介入はあるのか。
アメリカが監視対象に入れているので、現実にするのは難しいと思っている。もしくは仮にしたとしても実効性のある効果がどこまで有るのか。やはり為替が効くのはアメリカのほうでもある面でその動きをサポートしているときです。そうでないとなかなか、急速な動きを止める効果はあるが、それ以上ではない。ただ口先介入でも、ポーズをとることは大切。いつもアメリカサイドで決めている部分が大きいです。
--そんな中、アベノミクス始まって以来のドル円相場、想定為替レートと比べてドル円相場がどうなっているか。
実際に2012年10月アベノミクスが始まって以来、初めて今年の2月に想定レートを上回る円高になってしまった。この3年間は常に想定レートを超える円安で、それが企業業績が良くなる、株高になるなど、好循環だったんですが、その好循環が崩れてしまったということです。今週、決算が出ますけれども、金融行政がマイナスになりやすいということです。
--今後ドル円相場はどうなると見ていますか。
この状況ですとアメリカがかなり円高の流れに対しての動きを止めてくるというのは、アメリカが利上げをするまでは、なかなか日本の動きは変わりそうにない。アメリカの利上げは私は今年はないと思っている。
--ということは年内は円高局面が続くと・・・
しかもトランプ氏が台頭してくるとますます円高の不安があります。
・健康付加価値で都市力アップ
--「健康」という切り口、今後どういうふうに拡がっていくでしょうか。
やはり街づくりの一つに使っていると思う。街を建てるというか、健康の街として不動産の価値を高めていくという、そういう効果もある。
--それはどんな問いにも当てはまりますか。
東京のようなところは、人も集まるし若者も多いし健康に気を使っている人も多い。一方で地方だと健康には医療機関とかを高めるほうがドライバーになるので良い。
■ニュース
“赤プリ”跡地など 健康付加価値レストラン
旧赤プリの跡地に西武ホールディングスが建設する「東京ガーデンテラス紀尾井町」の商業施設が公開されました。そこに出店したレストラン「ウォーターグリルキッチン」は、富山県沖で採取した海洋深層水を料理に使っています。ミネラルを豊富に含んだ海洋深層水は健康食材として注目されています。また、三菱地所が建設した大手町フィナンシャルシティグランキューブには、スポーツウエアのアンダーアーマーの販売を手がけるドームがカフェを出店しました。パスタやシェイクなどのメニューにタンパク質の源のプロテインが含まれているのが特徴です。ビジネスマンの健康管理に効果があるといいます。また、宅配弁当の「京香」は、弁当のご飯をブロッコリーに代えるサービスを始めていて女性客が急増しています。
【“赤プリ”跡地など・健康付加価値レストラン】
西武ホールディングスが今日、東京・千代田区にある旧赤坂プリンスホテルの跡地に建設した商業ビルを初めて公開した。一方、東京・大手町の高層ビルの商業施設も今日オープンした。両者に共通しているのは、健康に付加価値を見出した新しいレストランの出店である。
【健康レストラン“赤プリ”跡にオープン】
バブル時代に人気を誇り「赤プリ」の愛称で親しまれつつ老朽化で2011年に営業を終えた旧赤坂プリンスホテルの跡地に、西武ホールディングスが1040億円を投じて建設したのが「東京ガーデンテラス紀尾井町」である。地上36階建ての紀尾井タワーは、5~28階はオフィス棟で、ヤフーなどが入居する。30階以上は西武グループ最上位クラスのホテル「ザプリンスギャラリー東京紀尾井町」が7月に開業する。そして今日公開された1、2階の商業施設エリア・紀尾井テラスにはカフェやレストラン、菓子店などが並ぶ。その中の1つが関東初出店となるシーフードレストラン「ウォーターグリルキッチン」である。特色は料理の多くに富山県沖の水深380mの海底で採取した海洋深層水を使っていることだ。
「牡蠣の海洋深層水ボイルしゃぶしゃぶ風」(1944円)は海洋深層水で牡蠣をしゃぶしゃぶ風にゆでるユーニークな料理だ。ウイルスや菌が少ない海洋深層水に2日間カキをつける事で、牡蠣の身から食中毒を起こす菌を大幅に減らす事ができる。さらに豊富なミネラルを含んだ海洋深層水で茹でることで、安全と健康の両面から期待ができる。今後、海洋深層水カキのブランド化を進めるという。こうした健康面の付加価値を高めた商品が今、注目を集めている。
【健康レストラン・プロテインでパワー】
東京・大手町の三菱地所が開発し今日全店舗オープンした「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」も健康を意識している。その中の1つ、大手町温泉を利用した会員制のスパ&フィットネス「SPA OTEMACHI FITNESS CLUB」。岩盤浴などのリラクゼーション機能を備え、皇居ランナーやビジネスマンなどの取り込みを図る。さらに地下には758台を停める事ができる駐輪場があり、健康志向の強い自転車通勤のサラリーマンを呼び寄せる。
《三菱地所/小野尾博さん》
「近年企業において就業者の健康維持推進の取組が活発化している。三菱地所としても街づくりにおいて健康をテーマにして近年開発を進めている。」
そしていスポーツ用品・アンダーアーマーの販売を手掛けるドームが運営するカフェ「DNS POWER CAFE」では、メニューを見るとパワーハンバーガーやパワーサラダなどなぜかパワーが付くものばかり。パスタやパンなど小麦の代わりにプロテインを練り込む事で炭水化物を抑え、5大栄養素の一つでパワーの源、タンパク質を多くして通常の3倍摂取できるという。さらにシェイクにもプロテインが入っていて、他にコラーゲンやチロシンなど10種類のサプリメントが追加できる。ドームは今後、健康意識を高めパワーがつくこのカフェをビジネス街を中心に出店していく予定である。
【ご飯なしブロッコリーで、女性客が急増!】
一方、町中には驚きのヘルシー弁当が登場している。東京都渋谷区の「宅配弁当京香渋谷店」は42種類ある全ての弁当のご飯を茹でたブロッコリーに替えるサービスを始めている。内山真実店長によると「近くのスポーツジムでブロッコリーを使った野菜だけの弁当が人気で、店頭でも需要があるのではと思い始めた」という。1年前、野菜だけで作ったアスリート用弁当を始めて、そこからブロッコリー人気に火が付いたという。宅配で810円の肉野菜炒弁当を注文すると、プラス80円でご飯をブロッコリーに替えてくれる。「京香」は全8店でこのサービスを行っていて、店頭で買う場合はブロッコリーのサービスを無料で行っている。ブロッコリー効果で去年まで1割程度だった女性客が4割にまで増えた。
3月の実質賃金・2ヵ月連続プラス
厚生労働省が発表した毎月の勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた3月の実質賃金は1年前に比べ、1.4%増で2ヵ月連続の増加となりました。物価の上昇が横ばいとなったことや、一部企業で年度末に支払われた賞与が増加したことなどが要因です。また基本給や残業代などを合わせた現金給与総額も平均27万8501円と、1年前に比べ1.4%増加しました。厚労省は「基本給は堅調に増加しているが、賞与などの大幅な伸びが今後も続くか注視していく必要がある」としています。
GW消費総点検!何が好調だった?
今年のゴールデンウィーク期間中の消費を調べたところ、
(1)家電量販店のヤマダ電機は、今年の夏の五輪需要などでテレビやレコーダーなどの販売が好調、また2009年の家電エコポイント制度で購入した商品の買い替え需要で冷蔵庫や洗濯機などの白物家電が売れて、売り上げが去年に比べて2ケタ伸びました。
《ヤマダ電機/岡本潤専務》
「4月29日~5月8日、前年と比較すると2ケタ以上の伸びとなった。」
(2)百貨店の三越伊勢丹ホールディングスは苦戦となり、宝飾品や腕時計などの売り上げが減少した上、婦人服の落ち込みが厳しいままだと言います。
《三越伊勢丹ホールディングス/大西洋社長》
「10連休という去年と違う日取りで客が旅行に行ったりとかで、去年と比べると売り上げが少し落ちている。ここ半年ぐらい中間層の消費意欲、購買力が落ちている流れの中の結果だと思っている。」
(3)住宅関連メーカーのリクシルは、ショールームの来場者数が前年比120%だったといいます。好調だった要因はリフォーム需要です。水回りを中心にゴールデンウィークを活用してリフォームを計画する客が多かったということです。
《リクシル/瀬戸欣哉COO》
「(GWの)ショールームの来場者は前年比120%、手ごたえを感じている。」
(4)また海外旅行は好調で、ANAやピーチの国際線利用客が2ケタ伸びたほか、H.I.S.でも米国・オーストラリア方面や香港・台湾など東南アジア方面の申込数が軒並み2ケタ増となり好調でした。その一方で、近場でのレジャーに関する消費も好調で、出かける際に持って行く菓子や飲料などがスーパーでよく売れたほか、ファストフードや回転すしなど近場で楽しめる外食企業も売り上げを伸ばしました。
機能性表示食品 開始から1年 急拡大
特定保健用食品(特保)は1991年にスタートした制度で、国が効果や安全性を審査して許可した商品です。一方、2015年4月にスタートした機能性表示食品は、企業が機能性や安全性の科学的根拠を示す資料などを添えて届け出ると消費者庁が受理するというもので、機能性を分かり易く表示できる商品を増やしていく狙いで導入された制度です。「特定保健用食品(トクホ)」市場が減少傾向にあるのに対し、勢いのある「機能性表示食品」はこの1年で2.3倍に拡大するといわれています。
日本コカ・コーラは9日、機能性表示食品の「グラソースリープウォーター」を発売。L-テアニンという成分が配合され、寝起きの際の疲労感や眠気などが解消される効果があるといいます。グリコはトクホではなく機能性表示食品に力を入れています。乳製品の「ビフィックス1000」は、4月に機能性表示食品として受理されリニューアルして販売を開始しました。実は、ビフィックスはトクホとして国が許可した商品ですが、グリコは機能性食品として売りだすことを選択しました。トクホの場合、申請から受理されるまで半年かかると言われますが、機能性表示食品であれば早ければ2ヵ月ほどで受理されるため手間も時間もかかりません。グリコは機能性表示食品のさらなる商品展開を目指しています。
フィリピン大統領選 過激発言のドゥテルテ氏当確
きょう投開票が行われているフィリピンの大統領選挙は、民間の選挙監視団体による非公式の集計で、南部ミンダナオ島ダバオのロドリゴ・ドゥテルテ市長の当選が確実となりました。強権的な政治手法や暴言で批判を浴びる一方で、「殺人の都」と呼ばれたダバオの治安を国内で最も安全と評されるまでに回復させたドゥテルテ氏は、汚職撲滅も訴え、幅広い層の支持を集めていました。
北朝鮮 金正恩氏 党委員長に就任
北朝鮮で開かれている朝鮮労働党大会できょう、金正恩第1書記が、新たに設けられた、党の最高指導者である労働党委員長に就任しました。金正恩氏の権力基盤をさらに強固なものにする狙いがあるとみられています。さらに党最高指導部の政治局常務委員には、金正恩氏や金永南・最高人民会議常任委員長など5人が選ばれました。注目された、金正恩氏の妹、金与正党副部長は、政治局員には選出されませんでした。
「パナマ文書」三木谷氏の名前も
いわゆるタックスヘイブン=租税回避地の実態を記した「パナマ文書」に楽天の三木谷会長兼社長の名前が記載されていたことが分かりました。ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合に参加する共同通信の分析によりますと三木谷氏は1995年にイギリス領バージン諸島に設立された法人の株主になっていました。楽天によりますと三木谷氏は既に株を手放していて、「租税回避を目的としたわけではないし、株で利益も出ていない」と話しています。
補正予算 17日に成立へ
自民党と民進党はきょう、熊本県と大分県を中心とした地震の復旧、復興のための今年度補正予算案を、来週17日に成立させる方針で合意しました。政府は、補正予算案に、住宅の確保や生活再建支援金など地震の被災者支援に必要な経費を計上する考えで、野党も早期成立に協力する姿勢です。一方、地震対応で開催が延期されていた党首討論についても、18日に行うことで合意しました。
4月 消費者心理 2ヵ月ぶり悪化
内閣府が発表した4月の消費動向調査によりますと、消費者心理を表す消費者態度指数は前の月から0.9ポイント低い40.8と、2ヵ月ぶりに低下しました。基調判断は「足踏みがみられる」に据え置きました。円高・株安の傾向が続いていることなどが消費者心理の悪化の背景にあると見られます。
“持続可能社会”を提案
百貨店・大手の三越伊勢丹グループは、新しいライフスタイルを提案するキャンペーンをきょうから始めました。きょうから始まった、「グローバル・グリーンキャンペーン」は、自然と共生するキャンプを推奨し、伝説的な古着店を期間限定でオープンさせたり、また、いらなくなった革製品などをリメイクしたバッグを展開するなど、限りある資源を有効に使い、持続可能な社会の実現を提案しています。
■【THE行列】大都会のおにぎり
東京・六本木に出店するスーパー福島屋。昼時レジには長蛇の列、約30人が行列します。列に並ぶ多くの人が手手にしていたのは「おにぎり」。福島屋のおにぎりは店頭で丁寧に一つ一つ握られます。一番人気はサケのおにぎり。普通のスーパーではフレークが使われますが、ここでは昔ながらの製法で塩漬けしたサケの身をほぐして使用、ほかの具材も徹底して素材にこだわっています。しかし、人気の秘密はそれだけではありません。福島屋の本店で厨房の責任者に聞くと「ただ普通にやっているだけ」という答え。目指しているのは「家庭の味」だといいますが、六本木に出店すると、その「家庭の味」大ヒットしたのです。六本木という都会のど真ん中で、家庭で作ったようなようなおにぎり。そのギャップが人々を惹きつけていました。1人暮らしや忙しい人の多い都心部で、福島屋のおにぎりはほっと一息つく時間を提供していたのです。
取材先 ・福島屋
■【トレたま】超巨大巻物パズル
長さ13M、幅1M、重さ6キロの6万6665問の巨大クロスワードパズル。ヒントだけで本2冊分で一人で解くと1年はかかる。
【商品名】メガクロス
【商品の特徴】巻物のような、長さ13mの巨大クロスワードパズル
【企業名】ニコリ
【住所】東京都台東区蔵前4-17-10
【価格】25万円(税別)
【発売日】6月20日予定
【トレたまキャスター】北村まあさ