■マーケット
三菱自動車に買い注文殺到 自動車株に明暗
三菱自動車と日産の資本業務提携発表に市場も反応しました。燃費不正問題の発覚後、下落が続いていた三菱自動車の株ですがこの発表をうけて買い注文が殺到。前日に比べて株価は16.1%と大幅に上昇しました。一方、日産の株価は小幅な下落となり、出資に見合う効果が得られるか市場は慎重な見方をしています。また、富士重工業は来年4月1日から「株式会社スバル」に社名を変更することや、480億円を上限とする自社株買いを発表したことにより、株価は3.7%上昇しました。きのう今期の大幅な減益予想を発表したトヨタの株価は一時4%以上下落しました。
米雇用市場に不安
--アメリカ市場を支えてきた雇用市場への不安が高まってきています。
先週末の雇用統計は市場予想を大きく下回りました。金融政策の行方を左右する雇用市場の先行きには少し注意が必要かもしれません。雇用統計が発表された次の週に、労働市場情勢指数という指標が発表されます。失業率や平均時給、企業の採用計画など19項目から算出され、雇用統計を補足するデータとして市場でも注目されています。この指数はゼロ以上が改善を示しますが、月曜日に発表された4月の指標は-0.9と4カ月連続マイナスでした。これは2009年6月以来です。さらにこの指標は長期的に見ると雇用統計の先行指標との見方もあり、現在の状況を見るとこの先雇用統計の悪化が心配されます。
--この雇用市場の停滞の主な要因は何なんでしょうか。
個人消費の先行きが影響しているとの見方もあります。最近小売売上高や消費者マインドがさえない動きをしていますが、先週末の雇用統計の中身を見てみても、雇用者数の多い業種の一つ、小売業が急速に減少しました。9日にカジュアル衣料大手のギャップが発表した1-3月期の既存店売上高も1年前から悪化し、国内の店舗閉鎖を考える必要があるのではと見方も出ている。雇用市場の悪化はアメリカの金融政策にもし、円高圧力の高まりにもつながります。明日13日(金)発表の小売売上高や今月中旬から本格化する小売企業の決算(18日、ターゲット・19日、ウォルマート)がますます注目です。
■【コメンテーター】高田創氏(みずほ総研 チーフエコノミスト)
・景気回復83ヶ月目、続けるために何が必要か?
--雇用、個人消費はアメリカ経済にとってとても重要なファクターですから、ここに陰りが見えると、先行きが心配になってくるんですが、高田さんはどう見通していますか。
実は今のアメリカの回復局面は、83ヶ月目なんです。前回の回復局面は73ヶ月だったので、今回はそれを超えてしまっている。ですからそろそろ時期的に言ってもという見方が出てきてもおかしくない。
--これまでは景気の拡張期間という、何カ月も続いたものが終わるのは、どういう・・・
だいたいバブルの崩壊が大きい。例えば不動産バブル、商業用のものが90年頃にあった。2000年のころはITバブル。2007円頃は住宅バブル。今回もしあるとすると、中国などの資源バブルとかの海外要因だと思う。
--これまで国内要因だったのが海外要因になると・・・そうすると対処の仕方も変わってくると・・・
だとすると今回の場合はドル高をアメリカとしては回避しておく。だから今年に入ってから10%近くそういう調整をしたというのが、そのための対処だったと思う。
--そのドル安の効果は出てきていますか
ある程度輸出が底入れした感じはあります。ただこの効果を続けていかざるを得ないので、なかなかアメリカは利上げをできない。今年は日本にとってはある程度円高は覚悟する必要がある。
・“金利低下”企業業績にどう影響?
--昨日は為替が企業業績を直撃しているという話をしました。特に円高は輸出企業の業績を押し下げますけど、では金利の低下は企業業績にどう影響するんでしょうか。
基本的には企業は借りているケースが多いですから、金利の低下は基本的にはプラスです。ただ現実には最近例えば上場企業などの場合は、半分近くが実質無借金なんです。
--ということは影響がないというか関係が無い・・・
関係が前に比べると低下している。無借金の会社に取っては預金金利が下がってマイナスになる。それからもう一つ重要なのは退職給付債務というのがありまして、これは退職金を払うために予備をしておくお金ですが、金利が低下した場合には退職給付債務が大きくなる。
--その分たくさん用意をしないといけなくなるということですね。
その分を損失処理をする、償却をしないといけなくなる。だから従業員が多い企業になると、こういう負担が大きくなりやすい。とりわけ超長期金利という金利が相当下がっていまして、例えば20~30年金利が下がっていてその影響を受けやすい。
■ニュース
三菱自と電撃提携 日産 ゴーン社長生出演!
日産は2,370億円を投じ、三菱自動車の株式の34%を取得すると発表。三菱自動車は今後、日産の傘下で再建を目指すことになります。燃費データの不正問題でユーザーの信頼を失墜させた代償は三菱自動車に重くのしかかっています。4月の軽自動車の国内新車販売台数は去年と比べて44.9%減の1,477台とほぼ半減しました。そんな中、なぜ日産は三菱自動車、再建の道を選んだのか。その理由は三菱自動車が強みをもつ東南アジアでのビジネスを優位にすすめるためです。今後は両社が連携して電気自動車の研究なども進めていきます。しかし今回、違法な燃費測定が25年も続いていたことが判明し、長く隠ぺい体質だったことが分かっています。2度のリコール隠しで経営危機になった時には三菱グループが救済しました。今回は日産が筆頭株主になることで役員などを派遣し、経営体質の改善にも関わります。
【三菱自動車、日産と電撃提携】
--提携発表会見--
《日産/ゴーン社長》
提携は両社にとってウィンウィンになりうる。私たちには成功の実績がある。
《三菱/益子修会長》
日産との資本業務提携は信頼の回復、経営の安定を目指すうえで、重要な道筋と考えている。
今日、日産自動車は2370億円を投じ三菱自動車の株式の34%を取得すると発表した。つまり三菱自動車は今後、日産の傘下で再建を目指す事になったのだ。これによって日産、ルノー、三菱自動車を合わせた世界での販売台数はトヨタやフォルクスワーゲンに迫る規模となる。
--今回の出資を決めたのいつだったのか。
《ゴーン社長》「明らかに今回の自称で早まった。」
出資を決めた裏には何があったのか。そして株式市場も揺れた。三菱自動車の株に投資家が殺到し、今日はストップ高になった。この歴史的再編のシナリオを描いたのは誰だったのか。日産・カルロスゴーン社長が今日、全てを語る。
★ 【日産・ゴーン社長生出演】
【スピード決定のワケは?】
日産自動車が三菱自動車を事実上傘下に入れるという決断をした。その決断の裏には何があったのか。今日は日産自動車のカルロス・ゴーン社長にスタジオで生で話を聞く。
--今回の出資をするという大きな決断、その引き金となった三菱自動車の燃費不正問題の発覚から約3週間という早さで、不正問題の全容も損失規模も分からない中で、スピード感を持って出資を決めるという、これはリスクも多いと思うが、そんな中でも決断をしたのは何故か。
《ゴーン社長》
「まず第一に、もう長い間、三菱とはやっている。軽自動車の協力は2011年から始まっているから、三菱・益子会長とは長期に渡る良い関係だった。いまでもいい関係だ。大変不幸な事象が起こって、それはみんなが驚いた。我々の方のエンジニアが三菱の方のエンジニアに、少し数字の差があるよと言って、そこから全てがスタートしたわけだが、こんなことになるとはだれも予想していなかった。益子さんは本当に紳士だった。本当にこの状況を何とかしようと真剣に対応していた。根っこの理由に対処しようと思っていらっしゃった。何が起こったか、ちゃんと手直ししようとしてらっしゃった。トップの経営陣が状況に対処しようと思ったということが何よりも大事だ。
2つ目に我々は協力を三菱とは拡大しようと話していたが、そんなに緊急性のない話だった。インフォーマルな話をしながら、軽自動車で協力しようという話をしていた。でもこれが起こった時に三菱には2つのチャレンジがありました。短期的な課題、チャレンジは信頼を失くしたこと、それから長期的なチャレンジはこの企業がもつかという問題だ。そこから話が始まった。我々はもちろんすぐに行動しようと思った。何故ならば透明性を持ちたかった。我々は議論をしながら会社が大変な時にとにかく原理原則だけ合意するというのではなくて、全ての株主、日産の株主、三菱の株主、皆さんのステークホルダー、会社の全ての関係者の目の前に明らかにしようとした。みんなに我々がどのような意図を持っているかを分かってもらおうと思った。そして細かい事は後で詰めようということになり、覚書を交わした。そしてディールが行われた。しかしディールを完結するためには数字などを精査しなけれなならない。それがあって当局などの許可を得たうえで、はっきりと全体が分かってくる。日本国外にもどうなっているか、知らせなけれなならない。益子会長から聞いたことに疑いを持っていない。彼は知っていることを全て我々に言ってくれた。彼が知っていることは、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアでは問題はなく、問題は主として日本の問題なんだと言ってくれた。それからどういう性質の問題かということも説明してくれた。それらを聞いた上でサポートをしたい、協力したいと思った。」
--日産がとても怒っていると想像していたが、最初から三菱と縁を切る選択肢はなかったのか。
《ゴーン社長》
「もちろん我々は損をする立場に立つわけだから本当に不快だった。我々の車が売れないわけだから、例えばデイズというわが社の軽自動車が売れないんだ。ですから我々は腹が立った。それと同時に三菱から確認をもらった。日産に対して全ての損失に関して補償をしてくれると言われた。そして助けてくれ、問題解決するために手伝ってくれと言われた。だから我々はある意味において、こういう状況だから協力しようということになった。これは誠実にやろうということだ。彼らが保障するから問題解決を手伝ってくれと言われたので、我々はパートナーだからやりたいと思った。」
【ゴーン社長・真の思惑とは!?】
日産が三菱自動車を傘下に入れた狙いを専門家はどう見ているのか。
《ナカニシ自動車産業リサーチ/中西孝樹代表(自動車業界の動向に詳しいアナリスト)》
「三菱自動車にとって経営の先行きも不透明だった。日産にとっても。
皆が丸くおさまる解決策を提示した」
燃費データの不正問題でユーザーの信頼を失墜させた代償は三菱自動車に重くのしかかっている。4月の軽自動車の国内新車販売台数(4月)は去年と比べて44.9%減の1477台とほぼ半減した(全国軽自動車協会連合会)。なぜ日産は三菱自動車に手を差し伸べたのか。
《中西孝樹代表》
「アジアでは日産が苦戦しているタイやインドネシア、そういったところで三菱はもう既に強いブランドバリューを持っている。」
三菱自動車のパジェロなどのSUV車はタイやインドネシアで人気が高く、日産にはない販売網を手に入れることが出来る。さらに両社は5年前から軽自動車を共同開発しているが、今後は電気自動車や自動運転車の開発でも協力する事でコスト削減などにつなげたい考えだ。
《中西孝樹代表》
「(日産は)うまいタイミングで話を決めてきた。今の状態で行けば、
三菱の経営権を実質上握るのに2300億円程度の資金でできることも経済的に非常にメリットがある。そういうタイミングをうまくついてきたのは、さすがゴーン社長だという印象だ。」
【三菱自動車を傘下へ】
--絶妙のタイミングで2300億円で傘下に収めることができた。結果論かもしれないが、うまいタイミングだったという思いはありますか。
《ゴーン社長》
「タイミングはこちらが選んだのではない。タイミングは危機の後にやって来た。危機がまず起こって、そしたら危機を脱するために決定をしなければならない状況になった。我々は塀の上に立ち止っているわけにはいかない。どっち側に行くかということを決めなくてはいけない。三菱に協力するのかしないのかということだ。経済的な理由だけで協力すると決めた訳ではない。社会的な理由もある。なぜならば我々もトラブルを経験した事がある。トラブルがある時にはそのトラブルの原因が何だろうとも、社会の中に大変大きな心配を引き起こす。サプライヤーも社員もディーラーたちも、それから工場のある街も心配する。なぜなら税収が無くなるからだ。みんなが心配するんだ。だから状況に対処するために早く動かなければならなかった。だから決定を早く下さなければならなかったし、我々は早く決定した。」
--日産がまず不正を見つけた。その瞬間からこうした流れにしようという戦略だったのか。
《ゴーン社長》
「そんな事は無い。我々は数字に差があるということは見つけた。エンジニアが結果が変だということを見つけた。でもそれの解釈はしなかった。彼らは三菱へ行って、なんで数字にこんな差があるんだ、説明してくださいと聞いただけだ。だから我々は何がどういうことなのか知らなかった。それは三菱側で何が原因か分かったんだ。それで問題が分かった。それで自発的にこれが問題だと言ってくれた。日産側は数字の差を見つけただけであり、(数字の差が)理解できないから手伝ってくれと言った。それがスタートだった。」
【「三菱ブランド」本当に必要?】
--三菱のブランドを残したのはどうしてなのか。三菱のブランドにメリットがあるのか。
《ゴーン社長》
「我々の個人的な経験から言うと、人のやる気はやはり会社によって、ブランドよって、そして歴史によってやる気が出る。自動車産業では全てそうだが、企業がどういうアイデンティティーをもっているか、そしてそれが駄目になってしまうとやる気がなくなってしまう。そして結局はベストを発揮できない。三菱の人達は会社が好き、ブランドが好き、自分達のアイデンティティーを持っていることを知った。例えばブランド力が世界各地で強く、特に東南アジアでは名前としてとても強い。だからそれを変える理由はない。それを再構築する、あるいは強化する、私はそっちのルートの方がいいと思った。今あるものを再建するということ、壊すのではなく再強化するということ。色んなポテンシャルがこの会社にはあると思う。こういった潜在能力と言うのは、我々のサポートで三菱自動車の経営陣が発揮できると思う。」
【新たな自動車連合の誕生・目指すは世界トップ?】
--今後、世界戦略としてどうしていきたいのか。日産自動車、ルノー、三菱自動車を合わせた販売台数が世界のトップ3(トヨタ、フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズ)に肉薄することになる。これからどこまで上がっていきたいか。
《ゴーン社長》
「4位はやる気が出るいい位置。我々はチャレンジャーでありたいから。4位というのはチャレンジをかける、やる気が出るいい位置だ。これは目標なのか、いや、これは結果なんだ。これが目的ではなく、これは我々が良い仕事をした結果なんだ。いい仕事をすれば、魅力的な車を作れば、ブランドを強化すれば、サービスをちゃんとすれば、ちゃんとと上の方へ行ける。しかしそれをしなければ我々は下の方へ行ってしまう。だから社員にはここに集中してほしくない。社員に集中してほしいのは、いったいこれの陰に何があるのか。この魅力的な車の背後にはサービス、信頼などそういったことに集中してほしい。この位置になるのは当然ではない。トヨタは偶然1位にいるのではない。フォルクスワーゲンも偶然2位にあるわけではない。GMも一生懸命やったらこの位置にあるんだ。我々も前進したければ、それに値する仕事をしなければならない。でも4位はそんなに遠くないから良いことだ。我々は別に上位と敵対して競争しているのではない。そうではなくて消費者の注意を求めて戦って、競争している。消費者に選んでほしい。その結果、上位にいけるということだ。」
【三菱自動車・再建の道は!?】
世界のトップも狙える規模になる新たな自動車連合だが、課題は残っている。今回の不正の根底にあったのが三菱自動車の長きに渡る隠ぺい体質だ。
《三菱自動車/中尾龍吾副社長》
「1991年に惰行法を採用することに変わった。本来はそこで日本向けに関しては、惰行法で測定すべきところをそれをしなかった。」
軽自動車4車種の燃費データ改ざんに加え、25年にも渡って違法な燃費測定が行われていた事が発覚した。2000年と2004年の2度に渡るリコール隠しで経営危機に陥った三菱自動車。その時は三菱グループが約6000億円を出資し救済。再建への道を歩んでいたはずだった。だがその間も不正は続いていた。今回ばかりは三菱グループの反応も冷ややかだった。今回の提携で日産自動車は約20%の株式を持つ三菱重工(20%)を上回り、34%保有する筆頭株主になる。
《日産/ゴーン社長》
「今回の合意では取締役会の3分の1は日産から派遣し、会長も日産から送り込む。これは支配ではなく、一緒に手を組むということだ。」
今後、日産から役員を派遣し、経営体質の改善にも関わる。日産は三菱自動車を変える事が出来るのか。
【経営にはどう関わる?】
--今回、三菱自動車に出資するにあたって、三菱グループとはどのような話し合いをしたのか。
《ゴーン社長》
「彼らは全てを知っている。交渉は透明ですから何でも知っている。我々は全体の三菱グループの承認なしには何も決定しなかった。だからすべて調印をする前にはそれを担保するようにした。三菱グループには残っていてくれと、そして非常に強い株保有をしてほしいと思った。三菱と日産が株を保有するということは協力になる。両方合わせれば50%以上になる。だから一体性というものがあるべきだ。」
--ゴーンさん自身はこれから三菱グループとやりたいことはたくさんあるんですか。
《ゴーン社長》
「三菱グループとはビジネス上のいろんなチャンスがある。我々はオープンだ。どんな種類の協業であってもオープンだが、今は集中するのは三菱自動車だ。なぜなら三菱自動車は我々の業界だから、我々はどういう会社かということをよく知っている。特に我々は何をしなければいけないかということも分かっている。それは過去に我々も経験したからだ。我々は会社を再建した。ブランドも弱かったけれど再強化した。三菱が持っているいろんな問題を我々も持っていた。だかか良く知っているし、助けることが出来ると思う。ぜひ理解してほしいのは我々の見解では、日産が三菱を変えるのではない。三菱は自らを変えるんだ。そうでなければ本当の持続性のある変化にはならない。三菱のトップの経営者が我々のヘルプと我々のサポートと我々のガイダンスでやるのだが、変えるのは彼らの仕事だ。そうでなければ持続性が無い。」
--彼らの仕事と言いますが、ただこれまで三菱は3度不正を働いてきたわけです。体質改善するためには日産はどうかかわっていくんですか。役員を入れるという話もありますけれども・・・。
《ゴーン社長》
「そうです。もちろん役員も派遣するし、取締役会の議長も送る。マネージメントをサポートするようなこともする。でもリスクとチャンスがどういうものがあるかということに注目してほしい。益子会長から人材も派遣してくれと言われるかもしれない。そしたらそれをする。益子会長からは既にエンジニアを助けてくれを言われている。それはちゃんと人材を送ってサポートする。でも全ては彼がやらなければいけない。誰も他の人はできない。彼に会社のCEOだから、その変化は彼がやらなければならない。でも彼に手を貸してサポートするのが我々の役割だと思っている。我々はこういったことをやるということについて長い実績を持っている。この種のことをするにはお互いにお互いのアイデンティティを尊重する必要がある。」
【提携成功まで経営トップを務める?】
--ゴーンさんは日産の体質を変えた。経験則で言うと、三菱が本当に体質が変わるのは、何年くらいかかると思いますか。それを最後まで見届けますか。
《ゴーン社長》
「それは長いプロセスだ。でもそのプロセスの中で強みを生かしていく。三菱には強みがある。だからその強みを特定し、それを利用していくということをしなければならない。それと同時に経営陣に手を貸して、弱点を克服するようにする。日産の変貌にもずいぶん時間がかかったがパワフルになった。2016年の日産は1999年の日産とは全然違う。バランスシートやキャッシュとか、そういうことだけではなくて、モノの考え方も違う。今の日産の考え方というのは勝利者の考え方なんだ。今は自分たちの力に自信を持っている。1999年当時はなかった。だからこれは変化のプロセスだったんだけれど、これは日産がやったんだ。日産のために日産がやった。最初はもちろんルノーの支援があった。でもいろんなサポートはあったが、これは日産の社員がやったんだ。だからそれを再現することはできると思うが、三菱がやらなければいけない。」
--最近ゴーンさんの退任論が毎年出てくるから、最後まで見届けるか気になっているがどうですか。
《ゴーン社長》
「いい質問だ。それはいつでも確実には言えないことだ。でもとにかく何かを投入することができる人間であると思う限りにおいては留まるべきだと思う。貢献することができればとどまるべきだ。」
--三菱再建には何年くらいを目途にみているか。
《ゴーン社長》
「ちょっとあまりにも時期尚早で言えない。十分にいろんなことが分かっていないので言えないと思う。でも大事なことがある。株価が上がり、少なくとも三菱の株主はハッピーだ。」
--三菱の一番のメリット、魅力は何ですか。技術ですか、販売網ですか、ブランドですか。
《ゴーン社長》
「我々にとって最大の三菱の強さというのは、疑いもなくそれは東南アジアで強いということだ。それからピックアップトラックが強いということ。SUVも強いということ。それからプラグインハイブリッドなんか面白い技術を持っている。三菱の技術はとても面白い。日産にとっても三菱にとっても大きな一歩だ。」
シャープ再建に“大きな問題”
経営再建中のシャープは、決算発表を行いました。2016年3月期の連結決算は、最終損益が2,559億円の赤字、加えて3月末時点の自己資本は連結ベースで430億円のマイナス、資産全てを売却しても負債を返せない債務超過に陥るという厳しい内容でした。さらにシャープ高橋社長は次期社長に鴻海の戴正呉副総裁を迎えることも発表しました。再生に向けて地ならしが進む中で社員に対しても株式を活用した報酬制度「ストックオプション」を導入します。社員に対してインセンティブを与えなければならない背景には、幹部や社員たちの相次ぐ離職があります。社員数は2015年9月末時点で4万8856人ほど、その後およそ半年で希望退職や自主退職で約5,000人が退職しているのです。ある関係者は、シャープが債券に向けて注力しようとしているロボット分野での退色が多いと不安を漏らす。
Q.--(大浜キャスター)一連のリストラの過程の中で優秀な人材がかなり流出し、これから力を入れたい事業でも現場は弱体化している。どんな認識と危機感があるのか。
A.(高橋社長)「非常に危機感は持っている。中長期的な目で見ると優秀な人材のリテンション(つなぎ止め)を続けることがシャープの再生に大きな意味を持つ。」
これ以上人材の流出が続くと、ディスプレイや白物家電といった既存事業に大きな影響が出ると専門家はいう。
《みずほ証券/中根康夫シニアアナリスト》
「資金不足で開発が遅れるだけでなく、開発のキーマンが抜けたり、プロジェクトリーダーが抜けたりするることで、新製品を出すタイミングが遅れたり、新製品の発売自体をしなくなってしまうなど、短期的な1~2年のビジネスや業績への影響が出るリスクがある。」
東芝 過去最大の赤字
経営再建中の東芝が発表した2016年3月期の連結決算は最終損益が4,832億円のマイナスと、過去最大の赤字額となりました。原子力事業の資産価値が低下したことや不正会計の発覚後に行った人員削減などの構造改革費用を計上したことが響きました。ただ今期については、さらなるリストラで収益構造が改善するほか、家電事業の売却益などで1,000億円の最終黒字に転換する見通しだとしています。
富士重 社名「SUBARU」に
「SUBARU(スバル)」のブランド名で知られる自動車大手、富士重工業が社名を「スバル」に変更すると発表しました。来年4月に統一する予定です。富士重工業の2016年3月期の連結決算は、売上高が3兆2,322億円と初めて3兆円を超えました。北米市場でのスポーツ用多目的車=SUVの販売が好調だったということです。富士重工業は現在、世界90ヵ国以上で事業展開をしていて、来年、創業100周年を迎えるの機に社名を「スバル」に統一し、さらなるグローバル化を目指す方針です。
熊本支援に長い行列
東京・大手町できょう、熊本地震の被災地を支援しようとする人たちの長い行列ができました。並んだ人たちが購入していたのは、トマトやナスなどの野菜です。開催されているのは震災で被災した熊本を応援するためのイベント、「熊本応援まるしぇ」です。メロンに大きなスイカなど販売されている食材は、すべて熊本県産。さらに、こちらの行列の先にはお弁当です。熊本産の炊き立てのおコメが使われています。
■【トレたま】破る用の名刺
【商品名】破る用の名刺 株式会社
【商品の特徴】破って渡せる名刺
【団体名】やってみたいことやってみる協会
【価格】100枚 3,000円(予定)
【発売日】7月発売予定
【トレたまキャスター】相内優香