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2016.5.25 wbs・ワールドビジネスサテライト

2016年05月25日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

ガソリン価格 11週連続値上がり
きょう経済産業省が発表した今月23日時点のレギュラーガソリン1リットルあたりの平均価格は119円20銭でした。“11週連続の値上がり”です。ガソリンの小売価格の上昇は石油の元売り会社が卸売価格を引き上げたためで、調査を行った石油情報センターは「元売り各社は今後も卸売価格を引き上げる方針なので、来週も値上がりする見通し」としています。カナダの大規模な森林火災などで供給が減るとの見方から、足元のWTI原油先物価格は1バレル=50ドル近辺まで上昇しています。ただ、長引く原油安による影響も広がっています。
長引く原油安の影響で、コカ・コーラは23日一部の飲料の製造を停止した。コカ・コーラによると「ベネズエラの砂糖の供給業者が一時的に事業を停止したため」としている。ベネズエラは原油価格の下落で外貨不足になり輸入による砂糖の確保が難航している。日本コカ・コーラは国内生産のため日本の供給に影響はないとしている。




米元国防次官補 日本のロシア接近にクギ
米国の元国防次官補でハーバード大教授のジョセフ・ナイ氏がテレビ東京のインタビューに応えました。ナイ氏は今月、ロシアを訪れた安倍総理大臣について、訪問自体は理解できるし日米関係は良好だとしましたが、ロシアが制裁対象になっていることを忘れてはならないと述べ、日本のロシア接近にくぎを刺しました。
《ハーバード大/ジョセフ・ナイ教授》
「現在日米関係はとても順調。安倍総理のロシア訪問については北方領土問題の解決のためで、ロシアに対して譲歩しすぎない限り日米関係は大きな問題は生じない。ただ留意すべきことはウクライナを侵攻したロシアに対し引き続き制裁が課されていること。」
一方、米大統領選と今後の日米関係をめぐっては、トランプ氏の外交政策に批判的です。
「トランプが大統領にえらばれる可能性は低いとみているがもし選ばれた場合、政策アドバイザーが必要でありアドバイザーは日本の貢献などについて正確に説明すべき。」
中継担当:NY支局 影山秀伸記者






■【コメンテーター】梅澤高明氏(A.T. カーニー 日本法人会長)

・旅行業界の巨人が狙う“旅館”の可能性
--宿泊予約サイトが独自サービスを追求していくと旅館側にとっても新しいチャンスになるのか。
「なると思う。そもそもインバウンドがこれだけ急増している中で、外国人客の旅館のシェアはまだ11%しかない。外国人客が増える中でホテルの価格が上がってしまい顧客満足度という意味でも良くないので、旅館のキャパシティーをもっと有効活用するのが大事なテーマになってきている。さらにモノからコトへ、買い物だけでなく体験が大事という話もあるし、それから地方にどんどん送客をしていくのがこれからもインバウンド戦略の大事なポイントなので、そう考えると旅館の役割はどんどん上がっていく。」



・トランプ大統領・増す不確実性
--最近トランプ氏が大統領になったら、というのを前提に話をすることが増えてきた。
「考えなければいけないシナリオになってきたと思う。トランプが大統領になったら経済分野では日本にとっては厳しい。自由貿易反対、TPP反対、日本は為替操作国だと非難し自国の経済利益を徹底的に追及する。不確実性が高いのが安全保障。トランプが大統領になった場合は議会との関係はどうなるのか?共和党と民主党の議員が一つになって大統領にプレッシャーをかける。トランプ大統領が誕生した場合は民主党の優勢の下院になる可能性も高い。軍の方向性などもねじ伏せてトランプが大統領になった場合やりたいことをできるのかは難しい。」




・「トヨタ×ウーバー」の狙い
「バークレイズが出したレポートでカーシェアやライドシェアが普及すると新車販売が4割減るかもしれないと言われている。カーシェアやライドシェアで社会にある車の稼働率が上がり、新車を買う人が減る、所有から利用へという流れになっていく。トヨタにとっては大きな脅威となるためインサイダーになり新車の製造販売だけでなく様々なサービスを取り込むことを学びにいっているのではないだろうか。」




■ニュース

日米首脳会談開催
安倍総理とオバマ大統領はおよそ一時間にわたって会談しました。沖縄県で発生した元アメリカ海兵隊員による死体遺棄事件について、安倍総理の強い抗議に対しオバマ大統領は犠牲者に対する哀悼の意を示し、再発防止に向けてできることは全てやると応じました。さらに会談では、伊勢志摩サミットでの議論についても協力を確認しました。安倍総理としては「財政出動」の必要性で一致するオバマ大統領と協力してサミットの議論をリードし、世界経済の成長に向けた積極的な対応をG7として一致して打ち出したい考えです。世界各国のメディアが訪れるサミット。今回、国際メディアセンターの目玉として総工費28億円で建てられたのが、「アネックス」と呼ばれる建物です。建物の中には日本の最新技術を紹介するブースが。少子高齢化が進む日本を「課題先進国」と位置づけ、医療や介護などの現場で活躍する最新技術をアピールしているのです。

【伊勢志摩サミット・池上彰が解説!総理がこだわるキーワードは】
ジャーナリスト・池上彰と相内優香が伊勢志摩サミットについて解説する。G7(主要7か国)首脳会議(伊勢志摩サミット)が間もなく始まる。日本では8年ぶりのサミットとなる。それに先立ち、安倍総理大臣と米国・オバマ大統領による日米首脳会談を受けた共同会見が開かれた。ジャーナリスト・池上彰が取材、伊勢志摩サミットの注目ポイントは財政出動。これを世界的にやろうと安倍総理はG7各国に呼び掛けている。「日本がそんな事を言えるのか」という声も聞こえてきそうだが、財政出動を求める理由は世界経済の低迷。
ここ数年世界経済の低成長を中国などの新興国がカバーしてきたわけだが、今度は新興国の成長も鈍い。とりわけ中国の経済が停滞している。そこで改めて先進国が力を合わせて、世界の景気を良くしよう、そのためにG7各国が財政出動してほしいと安倍総理は考えており、それを呼びかけようとしている。
では先ほどの日米首脳会談で財政出動に関してはどんな話が出たんでしょうか。

【日米首脳会談・何を語り合った?】
安倍総理大臣と米国・オバマ大統領との日米首脳会談は午後9時40分から約1時間行われた。会談の大部分は沖縄県で発生した元米国海兵隊員による死体遺棄事件にさかれた。安倍総理の強い抗議に対しオバマ大統領は犠牲者に対する哀悼の意を示し、再発防止に向けて「できる事は全てやる」と応じた。ただ安倍総理は日米地位協定の改定の議論をしたかについては「あるべき姿を不断に追求したい」と述べるに留めた。またオバマ大統領の広島訪問について安倍総理は歓迎の意を伝えた上で「核兵器のない世界に向けた大きな力になると確信する」と述べた。さらに会談では伊勢志摩サミットでの議論についても協力を確認した。安倍総理としては財政出動の必要性で一致するオバマ大統領と協力してサミットの議論をリードし、世界経済の成長に向けた積極的な対応をG7として一致して打ち出したい考え。そんな中、日米首脳会談に同席した安倍総理の側近の世耕官房副長官が単独インタビューに応じ、「財政出動の必要性はオバマ大統領と明確に意見の一致を見た。これは既に先日、核セキュリティーサミットで訪米した際にも合意できているが、今回改めてしっかりとしたメッセージを出そうとオバマ大統領と完全に合意した」と話した。

【「財政出動」異なる各国の思惑】
というわけで、財政出動に関しては(オバマ大統領とは)明確に(意見が)一致した。今回、日米首脳会談がサミットの前に開かれたのは、事前に沖縄の問題を一段落させてからサミットの本題に入りたいとの思惑もある。
財政出動への各国のスタンスの違い。安倍総理と米国・オバマ大統領は積極的に財政出動したい。それに対して英国・キャメロン首相とドイツ・メルケル首相は消極的である。英国はEUから離脱するかどうかの国民投票を控えている為それどころではない状況だ。そして財政に最も余裕があるドイツは財政出動に最も消極的で、難民対策も財政出動の1つと考えている。7か国で財政出動での一致は難しいが、金融政策や構造改革を通じて景気浮揚を図るという言い方では一致できるのはないか。
つまり消費活動を活発にする、その為には消費税増税を先送りをする必要があるという事になり、「G7のお墨付きを得た。これはアベノミクスの失敗ではない。世界経済が落ち込んでいるから日本としても消費増税を先送りしなければいけない」という理屈をつけようとしている。そこには理屈をつけようという安倍総理の裏の狙いがあるのではないか。

【安倍総理の“ウラの狙い”とは?】
サミットの成果を選挙の追い風にと考えている。安倍総理のウラの狙いは選挙。7月には参議院選挙が予定されている。さらに安倍総理の判断次第では解散総選挙の可能性がまだ残っている。その為、伊勢志摩サミットの成果を選挙の追い風にと考えている。世耕官房副長官は衆院解散、W選挙の可能性について「あくまでも安倍総理が決断すること。総理は国会答弁や記者会見では解散のかの字も考えていないと言っているが、最終的には安倍総理の判断。
私も何も聞かされていない」と話した。与党の幹部の中には「総理はまだ6月1日の国会会期末ぎりぎりまで判断を先送りしているのではないか。最後の最後に判断するのではないか」と見ている人もいる。

【世界に売り込め!日本の“宝”】
(相内優香レポート)
伊勢志摩サミットの開催を前に一足先にオープンした国際メディアセンターを取材、日本が世界に売り込みたいものが見えて来た。今回、メディアセンターの目玉として総工費28億円で建てられたのがアネックス。入り口には、デザインやテクノロジーなど様々な分野の専門家で構成するチームラボが手掛けたプロジェクションマッピングが出迎える。そして奥にある日本の最新技術の展示ブースでは、少子高齢化が進む日本を課題先進国と位置づけ医療や介護などの現場で活躍する最新技術をアピールしている。新薬開発に使われるロボットや人工知能を搭載したアザラシ型ロボット・パロなど。海外メディアの反応は上々。一方、記者に食事を提供するフードコートでは、海外のメディアに伊勢志摩の食をアピールする。使う食材の8割が三重県産で、今日は寿司や伊勢うどんが提供された。G7主要国の各国首脳が伊勢神宮を訪問するのに当たり、その案内役を務める安倍総理は視察も兼ねて伊勢神宮を参拝した。そしていよいよサミットが始まる。





旅行界の“巨人”の新戦略
世界最大のオンライン旅行会社「エクスペディア」は今年、日本市場を積極的に強化しています。エクスペディアは世界約70ヵ国で展開し、年間2億以上の宿泊予約を受けていますが、日本での登録宿泊施設の数は、数千軒で全体の10分の1以下です。来日したダラ・コスロシャヒCEOは、インタビューで、営業スタッフの増員などして日本でのさらなる成長に期待するとともに、旅館など一般のホテル以外の宿泊施設が今後の成長の鍵になると語りました。神奈川県湯河原町の旅館「ご縁の杜」で営業活動するエクスぺディアの担当者の姿がありました。まだ海外の旅行サイトに掲載されていない旅館はエクスペディアにとって新規開拓の大きなチャンスとなります。ダラCEOは数年で掲載する旅館を倍にしたいと話します。

【旅行会の“巨人”の新戦略】
日本は2020年に4000万人の訪日客数を目指しているが、拡大するインバウンド市場を取り込もうとする旅行業界の動きが活発になっている。こうした中で、世界最大のオンライン旅行会社のエクスペディアが日本市場で新たな戦略に出ている。

【旅行サイトの巨人・ニッポンに熱視線】
今日、エクスペディアは宿泊関係者を集めてイベントを開いた。エクスペディアは航空券やホテルを割安でオンラインできるサイト。世界約70か国で展開し、年間2億以上の宿泊予約を受けている。そのエクスペディアが今年強化するのが日本市場。
《ダラ・コスロシャヒCEO》
「(日本戦略について)アジアの中では日本の旅行の予約が最も多い。毎年、前年80%増のプラス、営業スタッフを積極的に増やしていく。日本での成長はこれからも続く。」
海外からの集客力を誇るエクスペディアだが、日本で取り扱っている宿泊施設はわずか数千軒。日本には8万軒の宿泊施設があると言われているため10分の1以下にしかすぎない。そこで成長のカギと見ているのが旅館。

【旅行サイトの巨人“リョカン”を攻略せよ】
エクスペディアは旅館への営業を強化し、登録数を増やす取り組みを行っている。旅館は新規開拓を狙うエクスペディアにとっても大きなチャンスとなる。エクスペディアに登録している旅館の数は少ない。例えば老舗旅館が多い箱根の宿泊施設数を見てみると楽天トラベルやじゃらんでは200軒を超えるが、エクスペディアでは約3分の1。エクスペディアに掲載して外国人が増えた旅館があった。神奈川県箱根町の老舗旅館・龍宮殿。2013年からエクスペディアに掲載し、7%台だった外国人の割合は今では30%台近くまで高まった。リピーターを増やすため浴衣のレンタルやWi-Fi環境を整え、サービス強化を図っている。
《ダラ・コスロシャヒCEO》
「数年で倍にしたい。世界で勝ち抜くにはアジアで勝ち、さらに日本で勝つ事が必須。」




鴻海×シャープ 相次ぐ方針転換に社員は…
シャープは住宅用の新しい太陽光パネルを発表しました。太陽光エネルギーを電気エネルギーに変える変換効率を業界トップクラスに高めたものです。実はこの太陽光パネル事業は2015年度の決算で営業損益が184億円の赤字です。不振が続いたことから鴻海の郭会長は売却を示唆していましたが、一転、23日、事業継続する方針を固めたのです。社員にとって嬉しい経営方針です。しかし、一方で社員たちが恐れている方針転換も。郭会長ばシャープの買収にあたっては雇用維持を約束してきましたが、リストラを示唆し始めました。その数は7,000人規模ともいわれています。社員からは不満や不安の声が聞かれます。6月末にも新たな経営陣のもとで再生に向かうシャープですが、ここで鴻海の真の実力が試されます。



舛添知事「元検事に調査依頼」
東京都の舛添知事はきょう、自身の政治資金疑惑などに関して元検事の弁護士2人に調査を依頼したと明らかにしました。ただ弁護士の名前は公表せず、調査結果の公表時期についても「できるだけ早く」と述べるにとどまりました。2人はきょうから調査を始めたということです。
《舛添知事》
「私も個人事務所も一度も付き合ったことのない方々。法的側面だが倫理的道義的な面でも厳しいアドバイスがあると思う。」


五輪招致疑惑 調査チームを設置
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致をめぐる金銭授受疑惑を調べるため日本オリンピック委員会が外部の有識者による調査チームを設置しました。メンバーは弁護士や公認会計士など3人であす、初会合を開くということです。招致活動めぐっては、当時の国際オリンピック委員会の委員の息子とつながりのある会社に2億円余りが支払われていて、フランスの検察当局が資金の流れを調べています。



キリン健康アプリ公開
飲料大手のキリンがスマートフォン向けの無料アプリ「KIRIN お酒と食事の健康サポーター」を公開しました。体重や食事内容、運動量などを入力すると管理栄養士が監修したおよそ200万通りあるアドバイスの中から最適なものが対話形式で表示され、健康管理ができます。また、飲酒量を管理できるほか体調にあったキリン商品も表示されるようになっています。
《キリンCSV推進部/林田昌也部長》
「適正な形で楽しい飲食をしていただくためサポートも我々のビジネスにとって重要。長く楽しくずっとみんなで笑いながら飲んでほしい。」



トヨタ 米ウーバーと提携
トヨタ自動車は、アメリカの配車サービス大手、ウーバー・テクノロジーズと提携し、今月末までに出資すると発表しました。トヨタは、ウーバーの運転手に自動車をリース販売します。自家用車を使って有料で客を運ぶライドシェアの分野でウーバーと競合する「リフト」に出資を発表しているGM=ゼネラル・モーターズに対抗します。



三菱自動車 開発担当副社長に日産出身者
三菱自動車は開発担当の副社長に日産自動車元副社長の山下光彦氏が就任すると発表しました。不正をおこした開発部門のトップに外部の人材を起用することで、社内体質の改善を進めます。また、三菱自動車はユーザーへの補償費用として前期の連結決算を修正し191億円の特別損失を計上しています。



奇跡の一本松… 万年筆を引き渡し
東日本大震災を耐えた「奇跡の一本松」を使った万年筆がオークションに出品され、きょう、落札した女性に引き渡されました。落札された万年筆は、モンブランが去年発売した、限定製品のサンプルです。見本として使われ、社内での永年保存を予定していましたが、震災から5年という節目を迎え出品されていました。
《モンブランジャパン/マキシムアラールCEO》
「震災を忘れないためにオークションをしようと思った。」
落札したのは愛媛県に住む篠原さん落札額は92万6,000円で全額、陸前高田市に寄付されます。
《落札者の篠原さん》
「いずれ万年質を寄付して陸前高田のことを知ってもらいたいし、こういうことを祈っている人がいるとわかってもらって頑張ってもらえれば・・・。」




日米共同記者会見(5月25日)

2016年05月25日 23時00分00秒 | 特集
日米共同記者会見(5月25日)

安倍総理 G7伊勢志摩サミット開催に関する会見
日米共同記者会見(5月25日)
1. 安倍総理冒頭発言
2. オバマ大統領冒頭発言
3. 質疑応答
 ① 安倍首相
 ② オバマ大統領
 ③ オバマ大統領
 ④ 安倍首相



160525 日米共同記者会見2
安倍総理冒頭発言

まず冒頭、先般、沖縄で発生した事件について、私からオバマ大統領に対し、日本の総理大臣として断固抗議をいたしました。

そして少人数の会談では、全ての時間を割いて、この問題についてお話をいたしました。

身勝手で卑劣極まりない犯行に、非常に強い憤りを覚えます。沖縄だけでなく日本全体に大きな衝撃を与えており、こうした日本国民の感情を、オバマ大統領にはしっかりと受け止めてもらいたい、と申し上げました。その上で、実効的な再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めました。

米軍再編に当たっても、沖縄の皆さんの気持ちに真に寄り添うことができなければ、前に進めていくことはできません。今回の事件で失われた信頼を回復していくことは困難な道のりではありますが、日米で協力して、沖縄の基地負担の軽減など、全力を尽くしていくことで一致をいたしました。

全体会合では、まず私から、オバマ大統領が米国のリーダーとして初めて、被爆地・広島を訪問する決断をされたことについて、心から歓迎している旨をお伝えいたしました。

核兵器を使用した唯一の国のリーダーが、唯一の戦争被爆国のリーダーと共に、犠牲となった全ての市民に哀悼の誠を捧げることは「核兵器のない世界」に向けた大きな力になると確信しています。

日米が手を携えて、世界の平和と繁栄に今後とも力を尽くしていく。その力強いメッセージを広島から発信していきたいと思っています。

いよいよ明日から、伊勢志摩サミットがスタートします。
不透明感を増す世界経済、国際秩序に対する挑戦など、世界が直面している様々な課題に、G7としてどのように世界をリードしていくか、オバマ大統領と考えをすり合わせることができたと考えています。

特に、最大のテーマである世界経済については、世界の持続的かつ力強い成長を、G7でしっかりと牽引していかなければならないとの認識で一致をいたしました。

サミットでは、日米で緊密に連携をし、国際的な諸課題の解決に向けた道筋をしっかりと示していきたいと考えています。

日米が、深い絆の下に、これからも「希望の同盟」として力を合わせ、地域そして世界の平和と繁栄に貢献をしていく。オバマ大統領と共に、その決意を新たにいたしました。

オバマ大統領冒頭発言

「安倍首相、日本の皆様に対し、私どもを歓迎してくれましたことに対してお礼を申し上げたい。安倍首相と首相のチームがサミット準備に素晴らしい仕事をしてくださっています。そして私どもはこれから引き続き世界経済の成長を促進し、またTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を前進させることの必要性について話し合いました。

そして、日本と米国の同盟というのは私ども2カ国の安全保障につきまして、非常に肝要なる基盤です。そして、この同盟関係はこの地域の平和と安全保障というものを強化することができます」

「安倍総理が言及なさったように、私どもは沖縄で起こった悲劇について話をしました。心の底からのお悔やみの気持ちと、深い哀悼の意を表明させていただきました。

米国としては、日本の司法制度の下できちんとした捜査がなされることを確保するため、全面的に捜査の協力をするということを申し上げました」

「いろいろな地域の諸問題についても話をしました。特に北朝鮮について、私どもは北朝鮮に対する抑止力を高め、防衛能力を引き続き強化していくことを合意しました。

また、海洋問題について、私どもは航行の自由、そして紛争の平和的解決を支持して、ともに協力することを話しました。そして私どもは移民、難民の方々に対して、追加的な財政支援をする必要があるということ、そしてイラクを支持してサポートしていくことが必要だということを含め、幅広いグローバルな問題点をディスカッションしました。パリ気候協定、これを早期に実施するため、さまざまな2カ国が果たすべき役割を話し合いました」

「そして最後に、私は、米国と日本の軍の方々の何人かと会い、彼らの業績について感謝する機会を楽しみにしているということです。私どもが広島を訪問させていただくことにより、第二次世界大戦で命を失った方々に敬意を表し、そして核兵器のない世界の実現というのを再確認し、日本の友人の皆様と卓越した同盟関係を強化し、さらに強調することができるということを申し上げました」

質疑応答

--沖縄県で非常に悲劇的な事件が起きた。事件が起きる度に日本政府は再発防止求め、日米両政府が地位協定の改定ではなくて、運用改善を進めてきた。安倍晋三首相は、日米首脳会談でオバマ大統領に日米地位協定の改定を求めたのか。また、在沖縄米軍基地問題を前に進めるため今後、どのような対応をしていくのか

安倍首相

「私も強い憤りを覚えています。被害にあわれた方の、そのときの恐怖と無念さを思うと言葉もありません。身勝手で卑劣きわまりない犯罪者に対して、わが国の裁判権の下、わが国の法律にのっとって厳正な捜査を行います。厳正な捜査については、オバマ大統領から全面的に協力をしていくという約束を頂きました。

今回の事件に日本全体が大きな衝撃を受けています。オバマ大統領には、こうした日本国民の感情をしっかりと受け止めてもらい、実効的な再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めました」

「日米地位協定については、一つ一つの問題について、目に見える改善を着実に具体化し、しっかりと結果を積み上げます。そうした中で、日米双方が努力を重ね、地位協定のあるべき姿を不断に追求していきたい。

今回の事件を受けて、沖縄の皆さんが治安面で強い不安を感じています。犯罪を抑止し、沖縄の皆さんの安全、安心を確保するための対策を徹底的に講じる考えです。早急に検討するよう、菅義偉官房長官に指示をしました。

日本国民の命と財産を守るのは、総理大臣である私の責任であります。その責任を果たしていくため、二度とこのような悲惨な出来事を起こさないために、あらゆる手を尽くしていく決意です」

オバマ大統領

「沖縄の件について私からお話させて頂きたい。この沖縄の事件ですけれど、沖縄の人々だけでなく、日本中の人々の気持ちを震撼させたというぐらいの大きな恐ろしい事件だったと思います。ここで強調したいのは、米国側も、このような暴力に満ちた犯罪が起こったということに、非常にショックをうけている。このような犯罪は決して許せない。

そして、このような犯罪が再発しないように、われわれは全ての努力をするつもりである。また、犯罪が起こらないような手立てを取る準備があります。そのために、いろいろな手順を見直し、再発防止策を打ち、必要な見直し措置をするつもりです。

また、日米地位協定ですけど、これが存在するからといって、このような犯罪を犯した者が日本の司法制度におきまして、しかるべき裁判を受ける、訴追を受けることを妨害するというようなことはない。首相にも強調しましたけれど、日本側の捜査に対しては全面的に米国側は協力をするつもりです。この人間が、しかるべき法の裁きを受けて、そして司法の正義が成立するために協力をしていきたいと思います。

このような犯罪は、日本で起きても、米国で起きても同じです。このような恐ろしい犯罪はしかるべく司法制度の下で裁かれるべきです。家族に対しても、そのような正義を実施できるような形で行うべきであると思います。

「私は、先程までベトナムに行かせていただきましたが、そこで学んだ教訓を話させていただくと、できる限り、ベトナムの例で分かりますように、外交ルートを通じることによって、成果を上げるということが望ましいということです。

7年間ベトナムと外交関係を続けてきたおかげで、ベトナムと米国は前の敵国同士であったわけですが、以前の敵国が今のパートナーシップを結ぶことになったということです。これはやはり外交の成果だと、努力の成果だと思います。経済的な機会が増え、そして貿易や商業というものも増大したわけです。

若いベトナムの人々とお話をさせていただきました。私どもは是非こういった時間やエネルギーや財政的なまた色々な資源を使って、こういう教育だとか若い人を育てるその他の外交的なイニシアチブにできる限り力を入れていくことが重要だと思います。

こういった外交的なイニシアチブが成功すればするほど、紛争地域は小さくなり、そしてまた軍事的な行動の必要性は少なくなるということだと確信しているわけであります。ですから、それを続けていくことが必要ですけれども、なんと言っても世界は危険な所であるという事実は変わらない。

時には、われわれ米国が兵士を送り、そして兵力を展開するということも必要になることもあり、また軍事行動とらなければならないという必要性に迫られることもあるわけです。そのような場合は、できる限り適切なやり方で、慎重なやり方でやらなければいけない。特に武器を使う攻撃・行動ということをする場合はいくら標的絞って正確にやろうと思っても、そのような行動が正当性があると確信したとしても、必ず悲劇が起こるかもしれないことを否定できない。

そのような反省の気持ちを秘めてベトナムにも行ってきましたし、広島にも行かせていただき、戦争は両方が苦しむんだということを改めて痛感をしたわけです。

ですから、広島に行きましても、戦争を防ぐということが先決であるということを考えていきたい。

私はノーベル平和賞いただきました。私は、この世界において、リスクは想像の世界ではない、そういう世界に住んでいるわけで、必要な時には軍事行動をとらなければならばないということも認識しています。しかし、そのことが必要ではないように防いでいく努力をしたいと思います」

オバマ大統領

「中国と、今回のベトナムとわれわれが親交を結んでいくということについては中国と全く関係のない独立した事象であるということを申し上げたいと思います。これは米国とベトナムとの相互の関心を拡大していこうと、そして貿易を振興させていこうという両国の関心によって行われているものであって、あらゆる分野において協力を高めていこうという望みの表れであり、そしてその努力を30年間続けている延長であるということを申し上げたいと思います。

こういった私どもの行動を中国は挑発とみているようですが、これは中国が勝手にそのような態度を表明しているということであって、私どもはそのような考えは全く持っていません。そして中国とベトナムとの間の紛争、中国とフィリピンとの間の問題、そしてまた中国とその他の領有権を主張している国との間の南シナ海におけるところのいろいろな緊張問題があるが、これらはわれわれが狙ってそういった状態を作り出しているのでは全くないのであります。

米国として、このような国々同士の領有権の争いを平和的に解決していただきたいということを望んでいるわけであります。

なぜこのような紛争が解決されないのかということについてはわれわれの行っている活動とは全く関係のないことであり、これは中国はベトナムとの間の関係を改善しようとすれば中国はそれをする立場にあるということ、中国次第であると考えている。

このような形でわれわれは南シナ海に対して米国が望んでいることは自由な航海が許されるということ、そして上空飛行が自由にできるということ、そして国際的な規則や規律が尊重され維持されるということでありまして、これが実現されれば世界各国、中国を含めての各諸国に対して安定した状況がつくられると確信をしています」

安倍首相

「中国について言えば、われわれは中国の平和的な台頭は歓迎します。同時に私たちが述べることは、何か主張するときは国際法にのっとって主張すべきであり、同時にまた武力による威嚇は行わない、あるいは、また一方的な現状変更は行うべきではない。そして問題は国際法にのっとって平和的に解決すべきであることに尽きるわけであります。

また、オバマ大統領の広島訪問についてでありますが、71年前、原子爆弾によって、あまたの無辜(むこ)の民の命が失われ、今も苦しんでいる人々がいます。この犠牲者、被害者が望むことは、世界のどこであっても、この悲劇を繰り返させてはならないということでありまして、オバマ大統領の広島訪問は間違いなく核兵器のない世界に向けて、大きな力を与えるものになる、このように確信しています。
」また現在、私はハワイを訪問するという計画はございませんが、昨年、戦後70年の節目に米国を訪問し、米国の上下両院合同会議でスピーチを行いました。その際、私は先の大戦に対する悔悟の念とともに、かつて敵であった国同士が今、同盟国となってきた。この日米の和解に尽力されてきた人々に対する敬意と尊敬の念を表明し、感謝を申し上げたところでございます。

同時に第二次大戦の戦没者のメモリアルを訪問いたしまして、花を手向け、戦没者のすべての方々に対して哀悼の誠をささげました。今後は、まさに心の紐帯(ちゅうたい)で結ばれた希望の同盟、同盟国として世界のさまざまな課題の解決に協力をしていきたいと思います」





2016.5.25 Newsモーニングサテライト

2016年05月25日 07時00分00秒 | MS
■マーケット
NY株□そろって大幅反発
ダウは200ドル以上の上昇です。きのう、動くに動けないもどかしさがあっただけに、きょうは住宅関連の強い指標に大きく反応しました。新築住宅販売の記録的な伸びに加え住宅メーカー大手の決算もそれを裏付ける内容で、投資家心理を軽くしました。早期利上げ観測の盛り上がりはマイナス面もある一方で、銀行などには収益改善の期待もあり金融セクターが上昇。相場のけん引役の一つになっています。原油価格が48ドル台で安定している事も市場の安心感につながっているようです。株価終値、揃って大幅反発です。ダウが213ドル高、1万7,706ドル。ナスダックが95ポイント上昇、4,861。S&P500が28ポイントプラスの2,076でした。0指標.jpg




【世界の株価】
24日の終値























【NY証券取引所中継】米住宅市場|堅調
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏
欧州株や原油相場が堅調な動きになったことに加えまして、朝方発表されました新築住宅販売件数や市場予想を大幅に上回ったことなどが支援材料視されました。セクター別ではテクノロジーセクターの上昇が目立っております。
--その新築住宅販売、本当に強い数字でしたね。
今回の特徴としましては、50万ドル以上の新築住宅の販売比率が全体の20%に上昇するなど、高級物件の販売が好調です。株価が落ち着いているということもいわゆる資産効果でプラス要因となった可能性がありそうです。一方で在庫が4.7ヶ月とおよそ1年ぶりの低水準と供給不足感もありまして、この先年率60万戸の水準を維持できるか注目されそうです。
--そして高級住宅を手掛けるトール・ブラザーズの決算もそれに沿った内容でしたねny1.JPG
《トール・ブラザーズ 2-4月期》
 ・ 販売件数 1304戸(前年比 +9%)
 ・ 平均販売価格 85万ドル超
販売件数も堅調な伸び、そして平均販売価格も85万ドルを超えてきております。先行指標とされる受注件数もご覧のとおり増加基調が続いておりまして、アメリカの高級住宅市場は堅調さを維持しているとコメントしております。株式市場でも住宅市場の堅調さが続くということが期待されております。




【NY証券取引所中継】米リフォーム市場|拡大へ
解説は岡三証券NYの坂下尚人氏
--今日も含めて先週から住宅関連の指標は本当にいい内容ですね。ny2.JPG
構造的な追い風も吹いていると見られまして、中古住宅に価値を見出すような動きもさらに広がってきていると見られます。今日の新築住宅も良好な内容となりましたけれども、金融危機前の水準に比べますと、依然低水準で住宅市場全体としては築年数の長い住宅の比率が高まっておりまして、築年数30年を超えている住宅が全体の3分の2に上っております。
--ただそこにビジネスチャンスがあるわけですよね。
リフォーム市場の成長率が加速する見通しです。住宅価格の上昇や労働市場の改善などを受けまして、今までリフォームされてこなかった住宅についても今後大幅なリフォームが行われてくることが期待されまして、来年は2ケタ成長に迫ると予想されております。
--それで関連企業の決算もこれを反映していたわけですね。ny2-2.JPG
先週発表されたホームセンター大手のホー・デポやローズなどの決算でも、既存店売上高の好調さが確認されております。またホーム・デポは5月に入ってからの販売トレンドが想定を上回っているということなどを理由に、業績予想を上方修正したほか、住宅の老朽化などに伴い住宅関連支出は増加傾向であるといったような強気な見通しを示しております。今後もホームセンターをはじめとしてリフォーム関連企業の業績拡大が期待できそうです。






【為替見通し】注目ポイントは「米利上げvs中国動向」kw1.JPG
解説はドイツ証券の小川和宏氏
アメリカの強い住宅指標を背景に米株米金利上昇、為替は対ユーロ対円でドル買いととなり、ドル円も一旦|110円を回復しました。
--今日の予想レンジは、109.40円|-|110.40円|です。
足元しばらくはアメリカの利上げ観測を背景にこじっかりとした展開が続くと見ています。
--注目ポイントは「米利上げvs中国動向」です。
市場の注目はアメリカの利上げが|6月なのか|7月もしくは|9月なのか、もしくはそれ以降になるかと言う件に加えて、それによる新興国通貨に対するドル高の反応、とりわけ中国の動向を警戒しています。中国の外貨準備は第1四半期がドル高修正局面だったこともあり、資本流出の圧力も少なく、それほど減少しkw2.JPGてませんでした。しかし第1四半期の成長を支えていた銀行の新規貸し出しが|4月は当局の極端な引き締め政策で前月比|6割減と大幅減少となっており、この先ドル高地合い復活で再び資金流出圧力が高まった場合に、昨年夏と同様に人民元切り下げなどの政策リスクが意識されています。
--そうなると今後のスケジュールに注目ですね。
6月の初旬に米中の戦略経済対話に加えて、4月に四川省で行われる|G20財務省・中央銀行総裁会議、9月の|G20浙江省杭州サミットなど中国を中心とした政治日程が目白押しであり、アメリカの利上げのタイミングとともに中国のソフトランディングの確信を高められるかが市場のリスク許容度のカギとなりそうです。0為替.jpg















【日本株見通し】注目ポイントは「政策イベント待ち」
解説はBNPパリバ証券の丸山俊氏
--今日の予想レンジは、16600~16800円です。
アメリカの利上げの折込が一段と進み、1ドル110円台に再び円安が進んでいることから、日経平均はひとまずは反発して始まりそうです。ただアメリカの2年債利回りは0.9%台に乗せたものの、10年債の利回りは1.8%台での推移が続いておりまして、国債の利回り曲線(イールドカーブ)はフラットニングの傾向にあります。為替政策をめぐり日米間の見解の相違もあり、1ドル110円を超えて円安が進み、さらに株価が上値を追うには次の材料待ちといったところでしょうか。
--注目ポイントは「政策イベント待ち」です。
期待は高まっています。国内では2014年の秋のように、日銀は追加緩和、政府は財政出動・増税延期・解散総選挙と、こういったことが繰り返されるとの観測から、サミット後のアナウンス待ち、海外では6月のアメリカのFOMC、イギリスの国民投票の結果待ちという状態です。ただ今の株価水準を一段と押し上げるには、日銀に関してはETFの大規模な買い増し、財政出動を最低でも10兆円、増税延期ではなく消費税率引き下げぐらいのサプライズが必要だと思います。その場合は17000円以上という上昇が見込める一方で、政策イベントの内容が期待以上でない場合は、夏に向けて15000円割れという展開も想定しておいた方がいいと思われます。




■【コメンテーター】ソシエテジェネラル証券/島本幸治氏

・米新築販売、24年ぶりの伸び率、利上げのタイミングは?
--住宅が非常に堅調で、住宅関連も強くなってきている。これは金利動向に非常に敏感なところですよね。
6月利上げの方向でしょうから、その場合、金利がどこまで上がるかというのも焦点です。最近はアメリカが利上げをしても長期金利についてはあまり上がらない、という見方が増えています。
--今も1.86%ということですからね。こうなると何が起きますか。
短期債の利回りが上がっても、長期債の利回りはそんなに上がらないという状況が続けば、利上げをしても景気には悪影響はでないという好循環が出てくる可能性があります。



・オーストリア大統領選、「反難民」候補が善戦
6月はブリグジットも注目されますが、世界的にナショナリズムが台頭しているというのは最近の潮流で、やはり格差がそれだけ拡大しているということでしょう。



・大統領選
トランプがまだ人気が続いているので、マーケットからすればリスクです。



・今日の経済視点 「政策サプライズ」
規模もさることながら中身が大事だと思います。間接税である消費税というのはいずれ上げていかざるを得ない。直接税である所得税を下げていくという判断があってもいいと思う。使い道がないのであれば、減税をするという判断があってもいいと思う。一部でそういう話も出てきていますが、これが広がるかどうかに注目したいと思います。







■【プロの眼】サミット後の財政政策
市場では消費税増税の先送りがメインシナリオですが、伊勢志摩サミット後にアメリカのオバマ大統領が広島を訪問する点を評価して安倍政権の支持率が上がれば、消費増税を行う可能性が出てくるといいます。その場合の財政政策はどうなるのでしょうか。
解説はソシエテジェネラル証券の島本幸治氏。

(ニュース)伊勢志摩サミット|首脳外交スタート
G7=主要7ヵ国による伊勢志摩サミットをあすに控え、前哨ともいえる首脳外交がスタートしました。安倍総理大臣はきのう夜、総理官邸で一足早く来日したカナダのトルドー首相と首脳会談を行いました。両首脳は、世界経済の持続的な成長のために財政出動が必要との認識で一致、サミットの主要議題と位置づけし各国で討議する方針を確認しました。
《安倍総理》
「G7伊勢志摩サミットの成功に向けて、世界経済を始めサミットの主要議題について、しっかりと認識を一致させることができ嬉しく思います。」
一方、国内外のメディアの取材拠点となる国際メディアセンターもきのう、プレオープンしました。2億円相当の松が飾られるなど、随所に工夫が凝らされ、日本らしさを外国人記者にアピールします。

--いよいよ始まりますけれども、島本さんはどういったところに注目されますか。pro1.JPG
これだけ華やかな政治イベントの後なので、例えばアメリカの大統領が広島を訪問するというのは戦後初めてのことですし、各国首脳が伊勢神宮に公式参拝するのではないか、という報道もありました。実際にそういう絵を見ると内閣の支持率は上がると思います。内閣の支持率が上がるとおそらく政治判断の自由度が増すと思います。
--現在はこういう状況で、ただ不支持も40%もある。この支持率がもし今よりも上がることによって、安倍総理の政策の自由度が増すと・・・。
6月は日米で中央銀行の会合があったり、いろんな政策が注目されるんですが、私が注目するのは日本の財政政策なんです。
--ということで「サミット後の財政政策」に注目です。何をすべきですか。
最近の自民党内の議論を見ていますと、一般には消費税率引き上げを先送りと言われていますが、中には消費税率は予定通り上げてその分財政出動を大型化すべきだという議論も出ています。
--にわかに出始めたんですが、なんで急に出始めたんですか。山本幸三議員が提唱しているという話もありますけれども・・・
野党もこぞって消費税率引き上げは先送るべきだと言っているので、消費税率引き上げの先送りで信を問うという選挙はできなくなっている。政治判断の自由度が増すということは選挙のタイミングも含めて、いろんなことができる、特に財政政策については、消費税率の引き上げを例えば予定通りやるんであれば、どういう財政出動をするかという中身がこれから問われてくるんだと思います。
--いろんな規模が言われています。5兆、10兆、20兆・・・どうなんでしょう。
規模的には2ケタ超えるか、というのが注目されていますけど、やはり中身が大事だと思います。目先の景気対策とは別に、日本経済の構造改革に合わせた政策対応が出てくるか、ここに注目したいと思います。
--この表は「構造変化に対応した財政政策」です。pro2.JPG
自民党のとある小委員会が出している提言の中を抜粋したものなんですが、例えば戦後の日本経済が置かれている状況というのは人口も増えていましたし、製造業のキャッチアップをテコに経済成長してきました。財政の分配の役割は主に社会保障については高齢者、リタイヤした人に給付していくという目的があったんですが、おそらくこれからは人口も減ってくる、製造業のキャッチアップの時代は終わって、技術革新で成長していくという、新しい時代になっていく。分配のあり方も、高齢者でも豊かな人もいるし、若い人でも恵まれていない人がいる。ですから本当に困っている人を助ける効率的な社会保障の在り方が求められていると思います。ですからやみくもに財政出動をするということではなくて、しっかりと技術革新を促す、企業のリスクテイクを促すと同時に社会保障ももっと効率的な在り方を考えるべきだと思います。
--となると消費増税をしたとしても、こういったものが出てくれば大丈夫、本当にそれだけで大丈夫でしょうか。
ええ、消費税率そのものは景気にとってマイナスですけれども、必要な構造改革を進めることの方がもっと大事だと思います。



■今日の予定

株主総会 良品計画、イオン
独5月Ifo景況感指数
欧州EU財務省理事会
米2-4月期決算 HP



■ニュース

米新築販売|24年ぶり伸び率
本格的な販売シーズンを迎えたアメリカの住宅販売が好調なスタートを切りました。商務省が24日発表した4月の新築住宅販売件数は24年ぶりの伸び率を記録しました。販売件数は市場予想を大きく上回る61万9,000戸となり前の月と比べ16.6%増えました。これは1992年1月以来の伸び率です。また、販売価格の中央値は32万1,100ドルで過去最高でした。地域別では、北東部が5割以上上昇するなど多くの地域で販売が大きく伸びています。一方、好調な販売を受け在庫は前の月に比べ14.5%減少しています。
《4月新築住宅販売件数(前月比)》
 ・ 年率61万9,000戸(予想を上回る)
 ・ +16.6%(92年1月以来の伸び率)
 ・ 販売価格の中央値 32万1,100ドル(過去最高)
 ・ 在庫 -14.5%
(地域別)
 北東部 +52.8% 中西部 -4.8%
 南部  +15.8% 西部  +18.8%




高級住宅メーカー|増収増益
アメリカの高級住宅メーカートール・ブラザーズが24日発表した2月から4月期の決算は増収増益で市場予想を上回りました。カリフォルニアでの販売が好調で売上高、純利益ともに前の年に比べ3割増えました。トール会長は「供給が需要に追い付いていない状況で今後も住宅市場は緩やかながら着実に回復する」としました。好決算を受けトールブラザーズの株価は最大で9%ほど上昇しました。
《トール・ブラザーズ 2-4月期決算(前年比)》
売上高 11億1555万ドル(+31%)
純利益    8905万ドル(+31%)
1株利益     51セント(予想を上回る)



ベストバイ|減益見通し
アメリカの家電量販店最大手ベストバイは24日、5月から7月期の決算が減益となる見通しを発表しました。売上高は最大で2.1%のマイナスで1株利益は前年より減少すると予想しました。大型投資の影響や日本の熊本地震を受け利益率の高いカメラなどデジタル製品の供給が減っているためとしています。弱い業績見通しを受けベストバイの株価は一時8%以上下落しました。
《ベストバイ 5-7月期見通し》
売上高 -0.9%~-2.1%
1株利益38セント~42セント



仏捜査当局|グーグルに家宅捜索
フランスの捜査当局は24日、検索最大手グーグルのパリにあるフランス法人などを家宅捜索しました。フランスのメディアによりますと16億ユーロ、およそ2,000億円の税金を逃れた疑いがあるとしています。検察当局は声明で「納税などについて説明を求めたが、十分な回答が得られなかった」と指摘しました。



改正確定拠出年金法が成立
自営業者などに限られている個人型の確定拠出年金の対象を主婦や公務員などにも広げる改正確定拠出年金法がきのう、衆議院本会議で可決され、成立しました。個人型確定拠出年金とは、任意で加入する私的年金の一種で、掛け金の運用先を自分で選び、運用次第で将来受け取る年金の額が変わる制度です。現行では、制度の対象者が自営業者などに限られていましたが来年1月1日から主婦や公務員なども入ることが可能になります。政府は、今後目減りしていく公的年金を補完する制度を充実させ、老後の備えを促す狙いです。また、今回の改正により新たにおよそ2,600万人が制度に加入できる対象となり市場には最大5兆円が入ってくるといわれ、新たな投資家を市場に呼び込めるのではと期待されています。



ソニー|熊本地震で1,150億円
ソニーはきのう、熊本地震でデジタルカメラなどの画像センサーの製造工場が被災し、生産停止による売上減少や復旧費用の影響で、2017年3月期の営業利益がおよそ1,150億円減少すると発表しました。ただ、ゲーム事業の好調やスマートフォン事業の採算改善により、結果的に営業利益は前の期に比べて2%増の3,000億円になるということです。



安倍総理|解散考えていない
安倍総理大臣は、きのう公明党の山口代表と党首会談し、衆議院解散の可能性について「解散の『か』の字も考えていない」と述べました。一方、自民党の高村副総裁は民進党など野党4党が内閣不信任決議案を提出した場合、安倍総理が衆議院の解散に踏み切り、衆参ダブル選挙になる可能性があるとの認識を示しています。



米親離れできない若者増加
アメリカで親離れできない若者が増えていることが分かりました。ピュー・リサーチセンターが24日発表したデータによると18歳から34歳の若者で親と同居している人の割合が、結婚して自分たちで家を持ち独立している人の割合を過去130年で初めて上回りました。特に、若い男性が両親と暮らす割合が増えていて、35%に上るということです。若者の失業率は依然として高く、賃金の上昇も不十分でさらに、住宅価格も高騰していることが背景にあるそうです。
《米・若者(18~34歳)の暮らし方》
 ・ 親と同居   32.1%
 ・ 結婚して独立 31.6%
《米・親と同居する若者(18~34歳)》
  男性 35% 女性 29%




■植物由来の新素材「セルロースナノファイバー」
植物から作られる新たな素材「セルロースナノファイバー」が注目を集めています。様々な分野での利用をめざし世界中で研究開発が進められる中、日本では早くも最終製品が出始めています。

三菱鉛筆が明日、発売するボールペン「ユニボールシグノ307」(200円)。いま世界が注目するある素材がインクに混ぜられている。
《三菱鉛筆/小笠原恵子氏》
「次世代の新素材である『セルロースナノファイバー』をインクに加えたことで、従来よりなめらかな書き心地になった。」
セルロースナノファイバーとは植物繊維をナノレベル、髪の毛の1万分の1程度にほぐしたもの、ゲル状にしたものをインクに加えた。ナノレベルの大きさの繊維のおかげで、ペン先のボールが回るときだけインクがスムーズに出る。先行発売した欧米では、早く書いてもかすれないと人気を得た。この『セルロースナノファイバー』は日本の将来を担う新素材として、様々な分野で開発が進んでいる。
京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授は植物からセルロースナノファイバーを作り出す方法を開発した第一人者だ。
《京都大学生存圏研究所/矢野浩之教授(京都・宇治市)》
「植物の細胞壁はすべてセルロースナノファイバーでできている。もともとナノのレベルで存在している細胞の壁をさらにほぐして、独立した繊維の状態にしている。」
どんな植物からも作れる環境に優しい新素材。その特徴は軽さと強さの両立だ。ナノファイバーは分子レベルでつながっているので、乾燥させると鋼鉄の5分の1の軽さで、5倍の強度を持たせることができるという。開発が進めば自動車などの部品に使えると期待されている。
この軽さと強度の両立を生かした製品の発売を目指すのがオンキヨー(東京中央区)。セルロースナノファイバー使用の高級ヘッドホンを20万~30万円で今年の秋に発売をめざす。音を出す重要な部品・振動板をセルロースナノファイバーで作った。
《オンキョー/雲浩靖氏》
「(スピーカー作りで大変なことは)振動板でいえば軽くて強い素材を探すこと。振動板は軽いと大きな音を出す、強いと低域から高域まで広帯域の音を出す。セルロースナノファイバーは強さと軽さを兼ね備えた良い材料だ。」
セルロースナノファイバーのもう一つの特徴は、表面積が大きくさまざまな物質を大量に抱え込めること。王子ホールディングス(江東区)はセルロースナノファイバーを使った化粧品開発をニッコーグループ(板橋区)と共同で進めている。
《ニッコーグループ/宮本敬子氏》
「増粘性と感触のよさを備えた素材はこれまでなかなかなかった。」
開発は最終段階、化粧品としての安全性の確認を経て、数年以内の製品化を目指す。
《王子ホールディングス/本間郁絵氏》
「パルプを作る製糸会社だからこそ、リーディングカンパニーにならなければいけない。紙の需要が減るなか、紙以外の用途でパルプをどう使っていくか。セルロースナノファイバーは今後、伸ばしていける用途だと思います。」
世界が注目する植物由来の新素材が私たちの身近な存在になるのはそう遠くないかもしれない。




■【ネタのたね】西武池袋本店「お中元商戦スタート」
お中元商戦をきのうスタートさせた西武池袋本店。今年は伊勢志摩サミットを前に、「三重ざんまい」と銘打って三重の物産品を数多く揃えました。毎年オープン前に目玉商品の試食をするお中元担当スタッフのおススメは、「あわびカレー」。そしてお中元センターを取り仕切るセンター長がおススメするのは「伊勢海老」。そして「るみ子の酒」という三重の日本酒ブランドもこの催事に参加。伊勢志摩サミットで認識が広まるのはありがたいと考えています。この三重の物産品展示は来週月曜日まで行われます。




■日経超特急

①インフラ開発 日本と加速 、インドネシア大統領、中国への傾斜修正
インドネシアのジョコ大統領は伊勢志摩サミットの拡大会合に参加するための訪日に先立ち、24日、日本経済新聞の取材に応じ「インドネシアの最優先課題はインフラ開発だ」と述べ、「日本とは経済面での協力を強化したい」と語った。インドネシアは日本と進めてきた高速鉄道の建設計画を中国に発注したことで、隙間風が吹いていた日本との関係を修復し、遅れが出ていたインフラ開発で中国への傾斜を軌道修正する狙いがありそうだ。



②貸出金利低下 地銀にも 
3月平均、最低の0.69% マイナス金利が競争に拍車
マイナス金利政策の影響で、3月の銀行の新規貸出金利は0.69%と過去最低を更新した。とくに低下が目立つのは地銀で、比較的利ざやが大きい中小企業や住宅ローンへの融資比率が高いことが影響している。ただ、4月の銀行融資の伸び率は鈍化するなど、金利低下の恩恵がどこまで広がるかは不透明だ。



③外食「価格据え置き」半数
日本経済新聞社がまとめた飲食業調査によると、昨年度は6割以上の企業が値上げしたが、今年度は半数が価格を据え置く。人件費が高水準を維持する一方で、節約志向の高まりなどで強気の値決めが難しくなっており、各社の収益を圧迫しそうだ。




■日刊モーサテジャーナル

①伊勢志摩サミット前に安倍総理が意気込み
26日から始まる伊勢志摩サミットを前に安倍総理が議題についてウォールストリートジャーナルに寄稿している。タイトルは「世界の繁栄を取り戻す」。安倍総理は、世界の先行き不透明感や難民問題など、世界は激動に見舞われているとしたうえで、G7の首脳がこうした位雰囲気を払拭して、世界経済を再び活性化させるため、各国が協力し合いながら、金融政策や機動的な財政出動などをバランスよく組み合わせていくこと目指したいとしている。



②オーストリア大統領選、「反難民」候補が善戦
オーストリア大統領選決選投票で、反難民・移民を掲げる極右候補ホーファーが勝利目前まで善戦したことについて、欧米各紙が伝えている。ホーファーは選挙戦で「国の伝統・治安を難民から守る」と主張し、受け入れ派に対してわずか0.6%の僅差で敗れた。ニューヨークタイムズは「今回の結果は難民に対する国民の意識の深刻さを浮き彫りにした」と指摘。こした極右的な動きがさらにヨーロッパで波及することを示唆している、としている。またフィナンシャルタイムズは「今回の結果は反難民だけでなく反政府の意識の表れだ」との専門家の声を紹介している。



③ブロードウェー、観客・収入が過去最高
2015年度のブロードウェーの観客数・興業収入がともに過去最高と、ニューヨークタイムズなどが報じている。昨シーズンの観客数は1年前から1.6%増えた約1332万人、総興業収入は約13億7300万ドル(約1500億円)。
《15年度ブロードウェー》
 ・ 観客数 約1332万人
 ・ 総興業収入 約13億7300万ドル(約1500億円)
米初代財務長官の生涯をヒップホップで表現したミュージカル「ハミルトン」は、トニー賞の授賞式で史上最多の16部門でノミネートされている。当然チケットも入手困難で、今売っているいわゆる2次販売のチケットは900ドル。ちなみに最高額は3500ドルということです。