■マーケット
増税延期 国債の格付けへの影響は
政府の債務残高は今や、GDP=国内総生産の2倍を超えています。そんな中、消費税増税の先送りが日本の国債の信用に影響しかねないとの見方がでています。経団連の榊原会長は「国債の格付けは資金調達の面で非常に影響を及ぼすもの」と話しました。国債の格付けが下がると日本の企業が発行する社債などの格付けも下がる可能性があり、さらには企業の資金調整コストが増える恐れもあります。米格付け大手の担当者は「今回の増税による日本の格付けへの影響はない。安部総理は将来的に増税する姿勢を示していたし、仮に4月に増税すれば個人消費への影響はさけられず結果的に税収が減る可能性もあった」と話しました。しかし、かつて米格付け大手ムーディーズで格付け責任者を務めた森田氏は「財政規律の説明が不十分かつ増税延期後しばらくしても日本経済が好転しない場合には来年の後半までに2段階の格下げも十分ありうる」と話しました。
米製造業景気指数 予想上回る
米国では5月のISM製造業景気指数が発表されました。製造業の購買担当者に「良い」「変わらず」「悪い」の3択択一で聞くISM製造業景気指数は5月は51.3と前月を0.5ポイント上回りました。3ヵ月連続で好不況の節目「50」を上回りました。ただ製造業をめぐっては同じく発表された5月の新車販売台数が大きく落ち込みました。GM=ゼネラルモータースの販売台数は前年比18%減で、フォードは6%減でした。FRB・イエレン議長は恐らく数か月以内の利上げが適切と述べました。3日発表の米雇用統計が低迷すれば、利上げの判断が難しく、市場ではイエレン議長の発言は6月か7月の利上げと解釈されています。
中継担当:NY支局 影山秀伸記者
■【コメンテーター】木下智夫氏(野村証券チーフ・マーケット・エコノミスト)
・2年半後に増税できる?、海外景気は減速懸念も・・・
--増税をしない分、やらなければいけないことがかなり固まってきている。2年半後、増税をできる状況になっているでしょうか。
「世界経済の動きを見る上ではアメリカと中国の動きが焦点になる。アメリカはいま景気拡大期は84ヶ月続いている。仮に2019年10月まで続くとすると124ヶ月になる。ところがアメリカの長い歴史の中で、かって景気拡大期が一番長かった時でも120ヶ月です。かなりの難関だと思います。アメリカの景気は今よりも悪くなっている可能性が高い。一方で中国はいまは5カ年計画の最初なので、かなり財政政策も付加して6.5%という目標はおそらく2,3年は達成できると思いますが、その先は少し息切れして成長率も低下してくる可能背が高い。そういった意味では外部環境にはあまり多くは期待できない。そうするとこれから成長戦略を中心にいかに政策で景気を盛り上げていけるか、また今の人手不足を生かして設備投資を増やして好循環を作って行けるかどうか、そういったところが本当の意味で焦点になってくる。(2019年にはまた同じように参議院選挙があるので)そこでうまく増税が実行できるような環境に持って行けるかどうかが重要なポイントです。」
・不動産が支える中国経済、次の成長エンジンは?
--中国に進出して様々な商機を見出す日本企業は少なくない。そこで気になるのは中国経済の今後です。
「中国経済が短期的に大きく減速するリスクは限定的ではないかと思う。中国のGDPの約2割を占める不動産投資がいま前年比2桁の伸びに戻ってきている。そういったことが地方政府にとっては不動産の売却収入を増やして、インフラ投資の原資となっている。だからしばらくはこういった状況が続いて比較的うまく回るような状況になってくる。」
--不動産が何とか支えているということですか。
「短期的には景気が不動産を支える現状はうまくいっているが、長い目でみると過熱した状況になってきた市場については、やはり冷やさないといけない。中央政府はある程度それに気づいて、地方の実情に合わせて規制を強化するようにいっているが、それを任された地方政府は仮にきっちりと強化してしまうと収入も減ってしまってインフラ投資もできなくなる。だからなかなかそういったことが期待しにくくなっているので、逆に言えば落ち込むリスクも同時に高まっている状況である。」
・内需拡大実現の条件
--2年半消費税増税を延期したその間に内需を伸ばせるかどうか、といのがこれからの重要なカギを握っているということですが、そのためには成長戦略を進めなければいけない。何から手を付けますか。
「成長戦略は次々と実行していくしかないと思いますが、先ほどの超小型モビリティのケースですと、ルール整備が遅れているために実際の開発が遅れたりしている。こういった(ルール作りの)分野では日本は意外に遅れている部分があるのではないか。今までは欧米の先進的なルールを日本に合わせて取り込んでいくというのが多くのケースだったと思うが、今は国際競争の中で早くルールを作っていくことが重要です。そのためには海外の大使館での情報収集力を強めることが非常に重要だと思います。もっと人員を増やして十分な情報収集の体制にするというのが一つのカギになると思う。いち早く政策の運営に生かすという意味で重要性がある。」
■特集 中国中古車市場に商機 粗悪部品を再生する!
中古車市場の拡大政策を打ち出した中国政府。しかし、消費者や自動車修理業者から見て中古車のイメージは決して良いものではなかった。その理由が、中国に多く流通する粗悪な中古部品の存在だった。中古部品の販売業者の倉庫に行くと、古く、汚れた中古部品の山があった。ほぼそのままの状態で販売されていくという。その中国に、その中古の自動車部品を再生する技術をもつ日本企業の「アーネスト」が進出した。その再生方法は、中古部品をネジ1本まで完全に分解し、パーツを1つずつ研磨し、再び組み立てるというもの。さらに、すべての製品に対して検査証明書や長期の保証を付け、粗悪部品との差別化を図っていた。これまで粗悪部品に翻弄されてきた中国に徐々に受け入れられ始めている。
取材先・アーネスト
【中国中古車市場に商機・粗悪部品を再生する!】
中国経済は低迷しているものの、自動車の新車販売は年間約2500万台と好調が続いている。そこで中国政府は新車市場をさらに拡大させるため買い替え需要を促そうと、中古車市場を整備していく方針を打ち出した。ところが中国では中古車に粗悪な中古部品が使われる事があり、中古車市場に悪影響を与えている。そこにチャンスがあると動き始めた日本企業を取材した。
【中国の中古車市場・氾濫する粗悪部品】
中国の2016年の国家計画を決める全国人民代表大会で、中国政府は流通網を整備するなどして中古車市場を拡大していく方針を決めた。しかし新車販売は好調のようだが、中古車販売は中古車への不安から芳しくないという。中古車への不安とは一体何なのか。品質の悪い中古部品が多く出回っている事が中古車販売の足を引っ張っているという。
《自動車取引市場の責任者》
「中古車は新車の半分しか売れない。客は中古車を買うのが心配なんだ。」
《修理店オーナー》
「部品がどこから来ているのかよくわからないんだ。事故車のエンジンとか何だって使われているんだ。」
湖北省武漢は300近い店が並ぶ自動車部品の街だ。中古部品を求めて自動車修理店のほか、個人で買いに来る客もいるという。中国では中古部品がごく一般的に流通しているのだ。そこに現れたのが日本で中古部品の再生会社「アーネスト」を経営している永塚政義社長だ。この日中古部品の販売店を見学の訪れた。ある業者が店の倉庫に特別に案内してくれた。中にあったのはおびただしい数の中古部品だが、ほとんどの部品が汚れたまま新品の10分の1ほどの価格で販売されるという。永塚社長はこうした中国の中古部品を再生できれば、大きなビジネスチャンスになると考えている。
《アーネスト/永塚政義社長》
「(中国は)中古部品の販売に限界が来ている。やはりリビルト(部品再生)の分野が中国に必要になってくると思っている。」
【粗悪部品を技術で再生】
永塚さんは今年3月、武漢で再生工場を稼働させた。大手商社の三井物産・現地企業との合弁でGHM社を設立し、40人ほどの中国人スタッフを雇用している。永塚さんの会社の売りは古くなった部品をよみがえらせる技術力にある。作業はまず中古部品をねじ一つまで完全に分解する。そして細かなパーツを一つ一つ研磨して、これを再び組み立てる。ここで再生された部品は一般的な中古部品の5倍ほどの値段で売れるという。
《永塚社長》
「メーカーの新品と遜色ない品質に仕上げているという自負心はある。」
そして電気を通して再生した部品が本当に動くか、3回の品質検査をする。さらに全ての再生部品に検査証明書と保証書をつけ、これが中国企業との差別化になるという。
上海で開かれた自動車部品の展示会におよそ1000社が出展した。永塚さんの再生技術やサービスはどう評価されるのか。今回の商談会で10社の地元企業と契約交渉を開始した。いまや中国の自動車保有台数は約1億7000万台、再生部品市場は1兆円まで拡大すると言われている。
《永塚社長》
「中国がこれだけの保有台数になれば、ニッチな分野だけれどもボリュームが全然違うので、非常にこの市場に期待している。」
■ニュース
政策のキーパーソンを直撃! 「保育の充実を優先」と明言
安倍総理は消費増税を10%にすることを2年半延期すると正式発表しました。リーマンショック時に匹敵するレベルで商品価格が落ち込み、新興国の経済が大きく傷ついたためだと説明します。また、2年半延期する間にアベノミクスを加速し、税収を増やして、2020年度のプライマリーバランスの黒字化を堅持する姿勢も示しました。WBSは与党の経済政策のキーパーソン、自民党の稲田朋美政調会長を単独インタビュー。稲田氏は増税延期に伴い、これまで打ち出していた社会保障の充実策について「すべてできるということではない。優先順位をつける必要がある」としたうえで、保育士・介護士の待遇改善や保育所の整備は優先的に行う政策だとの認識を示しました。
【安倍総理“増税再延期”を発表・どうなる!?「保育」「介護」の充実】
安倍総理大臣は今日「2019年10月には消費税率を10%へ引き上げる事とし、30か月延期する。内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきと判断した」と述べ、消費税増税を再び2年半延期する事を正式に発表した。2年前には「再び延期する事はない」などと断言していた安倍総理がなぜ今回、増税の再延期に踏み切ったのか。安倍総理は「公約違反との批判がある事も真摯に受け止めている。リーマンショックの時に匹敵するレベルで原油などの商品価格が下落し、さらに投資が落ち込んだ事で新興国や途上国の経済が大きく傷ついている。リスクを正しく認識し危機に陥る事を回避するためしっかりと手を打つべきだ。」と説明した。安倍総理は増税をさらに2年半延期する間にアベノミクスを一段と加速させる事で税収を増やし、2020年度のプライマリーバランスの黒字化目標を堅持する姿勢を示した。また「今回の決断については7月10日に実施する参議院選挙で国民の信を問う」と宣言した。この安倍総理の決断に対し財界からは賛否両論の声が上がった。
《経団連/榊原会長》
「経済を最優先にするという強い決意、アベノミクスのエンジンを最大限に吹かすという表現をされましたが、我々経済界としては今回の総理・政府の決定を尊重したい。」
《日商/三村会頭》
「これについては残念なことだと思う。消費税を2年は先で上げられないなら、日本はおそらく財政破綻すると思う。」
【消費税増税先送りでどうなる!?社会保障】
今夜、記者会見した安倍総理大臣は来年4月に予定していた消費税増税を2019年10月まで2年半延期すると正式に表明した。この決断は安倍政権が抱える社会保障に充実策にどう影響するのか。
《大浜キャスター》
安倍政権が来年度からの導入を目指していた社会保障の充実プランの中で財源が決まっていない主で、その大半は今回増税が先送りされたことで財源が無くなってしまったということです。
①保育所の充実(増設した保育所にかかる人件費など) 約1000億円
②保育士・介護士の待遇改善 約2000億円
③低所得の年金生活者に年6万円の現金給付 約6000億円(増税の負担軽減)
④低所得者の保険料軽減など 約5000億円が必要
これらの社会保障の充実について安倍総理大臣は今日の会見で「全てを行う事はできない」と明言した。
【稲田政調会長/社会保障・何を優先?財源は!?】
与党の経済政策のキーパーソンの自民党・稲田朋美政調会長が単独インタビューに応じ、保育の充実に優先的に取り組んでいく考えを示した。稲田政調会長は消費税を来年4月に今の8%から9%へ引き上げる事を提案し続けていたという。また社会保障の拡充については「全て出来るという事ではなく優先順位をつけていく必要もあるが、1億総活躍プランに含まれている保育士と介護士の待遇改善は今回の消費税増税の先送りに関わらずしっかり確保していくべきものですし、また保育所についても50万人分の充実を約束しているので、しっかり確保していかなければならない」と話した。さらに子育て世代、若い世代の支援については「それも財源を確保した上でやっていく。歳出を切るという事ではなくてメリハリをつける、負担できる人には負担してもらう。アベノミクスの成果によって失業保険と社会保険の給付が抑えられているので、そういった事を全体的に進めていく事が必要であり、安易な赤字国債の発行に頼るべきではない」と話した。
【消費税増税先送りで日本国債「格下げ」懸念は?】
消費税増税の再延期で特に気になるのが日本の国債の格付け。今や政府の債務はGDP(国内総生産)の2.3倍と財政再建は待ったなし。その中で消費税増税の先送りは日本の国債の信用に影響しかねないとの見方が出ている。
《経団連/榊原会長》
「国債の格付けは資金調達の面で非常に影響を及ぼす。」
国債の格付けが下がった場合、日本の企業が発行する社債などの格付けも下がる可能性があり、企業の資金調達コストが上昇する恐れがある。日本の国債の格付けを上から5番目のシングルA+としている米国の格付け大手の担当者が取材に応じた。
《S&Pグローバルレーティング/キムエン・タン》
「(増税延期の格付けへの)影響はない。安倍総理が将来的に増税する姿勢を示したから。(仮に4月に増税すれば)個人消費への影響は避けられず、結果的に税収が減る可能性もあった」と話した。
しかし警鐘を鳴らす国債の専門家もいる。
《元ムーディーズ責任者/森田隆大氏》
「財政規律の説明が不十分且つ消費増税の再延期後しばらくして日本経済が好転しない場合は、来年の後半までに国債が2段階格下げになる可能性は否定できない。」
【稲田政調会長/増税先送り・国債の信認は?】
消費税増税の先送りにより市場で財政再建について懸念の声も上がる中、自民党・稲田朋美政調会長は「日本の財政がしっかりし世界からも信頼される為には2020年のプライマリーバランス黒字化は外せないと思っている。
それは安倍総理の今回の決断の中でも維持されていると思っている」と話した。
成長戦略はどこへ行った!? “超小型モビリティ”はいま…
安倍政権が、金融政策と財政出動に並んで実行を掲げるのが成長戦略です。その中で期待されている分野が「超小型モビリティ」というクルマですが、法整備が進まず関係者を悩ませています。車体が布製の超小型モビリティを作ろうとしている「リモノ」の伊藤社長が、開発中のクルマと共に、経済産業省と国土交通省を訪ねました。2人乗りの超小型モビリティの規格づくりを進めてもらうのが狙いです。一方、埼玉県上里町のベンチャー企業「HTM―Japan」は超小型モビリティ「こむぎっちカー」を開発し、販売に向け準備を始めていました。しかし法整備が進んでいないことから、予定していた超小型モビリティの生産を一時やめ、電動バイクの生産に切りかえると大村社長は話します。自動車メーカー最大手の「トヨタ自動車」では、超小型モビリティ「i-ROAD」の実証実験を国内外で行っていますが、いまだ日本での商品化のめどは立っていません。
【“超小型モビリティ”の行方】
東京のベンチャー企業が開発中の「リモノ」は、ボディーが布製の2人乗りの超小型モビリティ。伊藤慎介社長は2人乗りの小さな車が走れる制度を作ってもらう為、経済産業省の駐車場で試乗会を開いた。
《リモノ/伊藤慎介社長》
「2人のりの小さな車が走れる制度を作ってほしいというのが一番の要望。」
超小型モビリティのルール作りに取り組んでいる国土交通省へも行った。現在での法律では超小型モビリティは国に実証実験として認められた地域でしか走ることができない。伊藤社長は「超小型モビリティの規格を正式に定め、自由に走れるようにしてほしい」と訴える。各地の自治体が行った超小型モビリティの実証実験は、3年間で41か所にも上っている(超小型モビリティ導入促進事業)。
《国土交通省自動車使用適正化対策官/高井誠治さん》
「(実証実験では)通常の車より超小型モビリティを選ぶという魅力があるかというと、まだそこは発掘できていない。規格を作るとか、そういう所までは議論は至っていない。」
【方針転換を迫られる企業】
路線バスは1時間に1本程度と公共交通機関が少ない埼玉県上里町で超小型モビリティが走っていた。開発したのは地元のベンチャー企業HTM-Japan。大村広司社長は開発に多額の費用をかけたという。
《HTM-Japan/大村弘司社長》
「うちだけで億単位だからたぶん他の企業も合わせて30億~50億かかっているのではないか。」
現在は国土交通省などから許可を得て上里町だけで走る事ができる。2月までに実証実験も終え、全国販売に向けて準備を整えていた。しかし法案が決まらず販売できないという。
《大村社長》
「今年の3月には法案がOKになり、量産体制に入ろうと思っていたが、法案が決まらないでまだ宙ぶらりんの状態である。一緒に売りたいなど、問い合わせが来るが、法律が決まっていないから販売できませんと言っている。」
会社の近くに確保した工場で月に80~100台の小型モビリティを生産する予定だったが、急遽変更し来月から電動バイクの生産を始める事にした。
《大村社長》
「官からではなく民から発信して世の中を変えていく事がこれから必要だと思う。」
【大手企業もやきもき】
世界最大の自動車メーカー・トヨタ自動車は「i-ROAD」という超小型モビリティの実証実験を既に国内外で行っている。開発担当者の谷中壯弘さんは国内の実証実験で大きな手応えを感じたいう。
《トヨタ自動車は「i-ROAD」開発担当者/谷中壯弘さん》
「すぐ欲しいという意見をもらっている。ぜひ2人乗りだったらいいなという意見は大多数。」
ところが今の日本の法律ではニーズがある2人乗りの超小型モビリティの商品化は不可能だ。一方、同じく実証実験を行っているフランスでは2人乗りの超小型モビリティが認められているため商品化につなげやすいようだ。
2020年の東京五輪・パラリンピックを目標に開発を進めているが、果たして間に合うのか。
《谷中壯弘さん》
「法整備という意味ではフランスは今のままで使える。交通システムの一部と言っていいかもしれない。そんな使い方をしている。車両開発もある期間が必要だし、インフラやサービスも明日からやりますでは始まらない。とすると2020年のタイミングでうまく使ってもらう為には検討をより加速していく必要があると思う。」
【成長戦略はどこへ行った!?安倍総理の意気込みは】
成長戦略が軌道に乗る道筋が未だ見えないアベノミクス。総理は会見で「アベノミクス3本の矢をもう一度力一杯放つため、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋に講じる考え。アベノミクスを一段と加速する事によって、税収を一段と増やしていきたい」と強調した。経済の成長によって税収を増やし、社会保障の充実や財政再建につなげる。そのシナリオを実現する為の具体策が注目される。
“ファーストクラス利用しない”
東京都議会が始まり舛添知事が所信表明演説を行いました。公用車の問題や高額な海外出張費、政治資金の私的流用に批判が上がる中、舛添知事は今後航空機のファーストクラスやホテルのスイートルームを使用しないことを表明しました。ただ、自身の政治資金をめぐる疑惑については「本会議での審議に間に合うように公表し説明をしていく」と述べるにとどめました。議場では傍聴人から舛添知事に対しヤジが飛びました。都知事選で舛添知事を支援した自民党と公明党も今回の知事の話では都民に理解を得られないとし、来週の代表質問などで厳しく追及する構えを見せました。
LINEが来月上場へ
無料通信アプリ大手のLINEが来月にも東京証券取引所に上場する見通しとなりました。東証が近く正式に承認する方向で、時価総額は6,000億円規模と今年の新規上場としては最大となる見通しです。同じ時期にアメリカでの上場もめざしています。LINEは4月に、スマートフォン向けゲームで使われる有料アイテムが事実上の「通貨」にあたるかどうかをめぐって、関東財務局の立ち入り検査を受け、上場の遅れを懸念する声があがっていました。
法人企業統計 設備投資4.2%増
財務省が発表した1月から3月の法人企業統計によりますと、金融機関を除くすべての産業の設備投資額は1年前の同じ時期に比べて4.2%増え、13兆6,805億円でした。12四半期連続の増加ですが、伸び率は前の期より鈍化しました。一方、経常利益は円高などの影響で1年前に比べ9.3%減りましたが、利益額は1月から3月としては、過去4番目に高い水準でした。
アリババ株 一部売却へ
ソフトバンクグループは中国のネット通販大手アリババグループの株式を一部売却すると発表しました。売却額は79億ドル、およそ8,700億円相当で、調達資金はソフトバンクグループの財務体質の強化にあてるとしています。今回の売却でソフトバンクグループの持ち株比率は32.2%から28%に低下しますが、売却後も筆頭株主として「従来通り強固な関係を維持する」としています。
三菱自の軽自動車75%減
全国軽自動車協会連合会がきょう発表した三菱自動車の5月の軽自動車販売台数は、前の年と比べて75%減の912台でした。燃費データの不正問題を受けて、軽自動車4車種の販売を停止したことが響きました。また、先月18日に燃費試験データの測定での不正を公表したスズキは、15%減の3万8,094台でした。
女性の再婚禁止100日に短縮
女性の再婚を禁止する期間を6ヵ月から100日に短縮することを柱とする改正民法がきょう、参議院本会議で全会一致で可決し、成立しました。最高裁の違憲判決を受けた改正で、明治時代から続く規定が変更されることになります。離婚した時に妊娠していないと医師が証明すれば、100日以内の再婚も認められるようになります。
“日の丸エンジン”最新成果
政府が推進する自動車エンジンの研究チームが最新の研究の成果を発表しました。このプロジェクトは「戦略的イノベーション創造プログラム」の一つで、自動車メーカーや大学などが連携し、ガソリンエンジンの研究を行うものです。研究拠点では最新の設備を使い、エンジン内に送る空気の流れを変えるなどして熱効率を向上させます。現在のエンジンから10%の向上させ、熱効率50%を目指すということです。
■【トレたま】思い出の写真をデジタルに
iPhoneと組み合わせてアルバムの写真を簡単にデジタル化するアクセサリー。本体を写真の上に乗せシャッターを押すと左右交互に LEDライトが照射する。日付が印字された写真はそのまま日付が入り、赤目補正もされる。
《PFU/佐藤菜摘さん》
「2回シャッターが切られ片方に光を強くあてて、片方がてかっていない写真ができ、その2枚を組み合わせて1枚のてかりのない写真を合成している。20代以降の全世帯がアルバムを所有しているという調査があり、もっと思い出を身近にして楽しんでもらいたい。」
【商品名】オモイドリ
【商品の特徴】紙焼きの写真を瞬時にデジタル化するスキャナー
【企業名】PFU
【住所】神奈川県横浜市西区みなとみらい4-4-5
【価格】1万2,800円
【発売日】6月下旬
【その他】iPhone6s、6、SE、5s、5に対応
【トレたまキャスター】北村まあさ