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2016.6.23 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年06月23日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

米NY株式相場 上昇↑SP500.JPG
NY株式市場は英国を始め、欧州の主要株価が上昇している流れを受け、上昇で始まりました。現在、ダウは2桁の上昇となっています。世論調査で残留派がリードしていると伝わり安心感に繋がっているようです。ナスダック、S&P500も上昇しています。
こうした中、NY市場は英国のEU離脱の影響を織り込めていないのではとの警戒感も漂っています。例えば、英国の売上げ比率の多いS&P500のエネルギー分野の値動きはイギリスの国民投票が発表されてから6月22日までS&P全体を大きく上回っています。原油価格が上昇した事が大きな要因ですが、もし離脱が決まった場合には、大幅に下落する可能性があります。さらにS&P500を構成する企業の国別売り上げを見ると、英国が3位となっており、割合はわずか3%ですが影響は無視できません。
《S&P構成銘柄の売上比率》
1位 アメリカ 68.8%
2位 中国 4.9%
3位 イギリス 2.9%

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「残留優勢」で円安進む
為替市場ではイギリスのEU「残留」が優勢との見方が強まり、急速に円安が進んでいます。ドル円相場は一時106円台に乗せました。ユーロ円はおよそ10日ぶりに120円台、ポンド円も一気に3円ほど円安が進んでいます。これまで安全資産として買われていた円を売る動きが加速しています。最新の世論調査やブックメーカーの予想で「残留」との見方が強まっているためです。一方、イギリスで国民投票が始まった日本時間午後3時には一気に1円ほどポンド安円高が進み、一時1ポンド=153円台をつける場面がありました。ロンドンではこの時間帯は激しい雷雨で、天気予報では現地時間の夕方以降も激しい雨や雷雨が予想されていました。天気が悪くて投票率が下がれば「離脱派に有利」との見方もあったことから、投資家のポンドを売る動きにつながったとの声が一部london-tenki.JPGの市場関係者から出ていました。








■【コメンテーター】高橋進氏(日本総研理事長)

・EU残留か・離脱か・国民投票の後で何が起こる?
--経済的メリットと自由になりたいという気持ちを天秤にかけて、一体どちらをイギリス国民は選ぶのか。
「残留派が優勢とのことだが、残留が決まったらメデタシメデタシなのかというと決してそんなことはなくて、英国やEUが抱えているジレンマはまだ残ると思う。EUは域内の人、物、金の移動を自由化して統合していく、法律など色々なものも統一していく。言い換えれば、国家の主権を少しずつ制限して一つにしていくというのがEUをつくる理念だ。それに対して英国は自由貿易は欲しいが人の流れは勘弁してほしいと一種のわがままを言っている。ここでもし英国にわがままを言わせてしまえば、今度は英国以上に困っているEUの国がたくさんあるわけで、彼らそれぞれ火種を抱えている人たちが『じゃあうちも』と言い出す。そうするとEUの統合を進めていくという理念そのものが止まってしまうわけです。でもEUというのは少しづつ国家主権を制限しながら統合していくことがEUの存在意義なので、これを止めるということはある意味で走っている自転車を止めてしまうようなものなので、一挙に後退して瓦解してしまう危険性がある。そういう意味では英国が残ったとしても、英国がいろいろ文句を言う限り、あるいはわがままを言う限りこの問題はずっと残っている。EUの中でも移民が増えてきて各国が同じ問題を抱えている。そこで考えると、米国も実は似ているのではないかと思う。米国も移民が入ってきてトランプが移民がなかった良き時代に戻したいと言っている。でもそれって、EUの人達あるいはイギリスの一部の人達が言っていることと似ているんですけど、果たしてグローバル化した社会の中でもう1回、国家だけの社会に戻っていくのがいいことなのか。そこで西洋全体の民主主義に共通したジレンマが今出て来ているように思う。」



・カリスマの後継者育成・失敗しないための鉄則
--大戸屋のいわゆるお家騒動、昨日はソフトバンクの副社長退任の話もありましたし、どこの会社もカリスマの後の体制を作るのは本当に難しいんですね。
「創業者がカリスマのオーナーが辞めた後、どういうふうにするのかというところは非常に問題で、孫さんの場合も孫さんのカリスマ性が強いから、二百数十億円以上を払って連れてきた後継者を放り出しても、それで済んじゃってますけど、普通の会社だったら大変なことだと思う。そう考えていくと、なぜ最近このような後継問題が色々出てくるのかというと、多分、日本の会社を取り巻く環境が変わって来たんです。例えば創業者が株を持っていること、それから社外取締役が増えてきたこと、それからガバナンスを求める声がものすごい強くなって来たこと、それからファンドなどが株主になって物を言うようになってきたこと。従って経営者が自分の好き勝手に後継者を思惑で選ぶということがやりづらくなってきているというのがあると思う。これから日本の会社はしっかりとどこの会社であっても次のオーナーはどうやって育てるのかという後継者育成プログラムを作って、社長だけでなく取締役・部長・課長・全てのレベルでそのプログラムに則って育てていくことが求められる。よしんば外部からスカウトしてくる場合でも、社内にそういう人的資源がないから外部から連れてくるという風に透明性が高まる。だから日本はこれからコーポレートガバナンスを強化して、後継者選びについてもきちっとシステマチックに対応していくことが求めらえているのではないか。」
--外から連れてきた場合もある程度時間をかけて社内になじんでおかないと、急に陣頭指揮を執るというのは難しいことですね。
「だからやはりプログラムが必要だと思うんですね。」




・ シャープ再建問題から何を学ぶか
--シャープの調査で「シャープ製品を買いたいと思わない」との答えが30%を超えたということだが、この原因をどう見ますか。
「外資と組んだ事が問題ではなくて、組まざるをえないくらい経営陣が有効な手を打てなかったことが問題だろうと指摘している株主が多い。概して日本企業は撤退が後手に回り、攻めの再編をするチャンスを逃してしまって最後の最後でどうしようもなくなって組む。そうすると誰も勝ち組になれない。もともとシャープは消費者目線で「目の付け所がシャープ」と言われていた。だからやはり有機ELなどもあるが、家電にこだわらないで消費者目線であらゆる分野に打って出ればいいのではないか。」




■ニュース

英国民投票 最新情報
イギリスのEU=ヨーロッパ連合離脱を問う国民投票がいよいよ始まりました。投票は、日本時間の24日午前6時に終了し、昼頃には大勢が判明するものと見られます。最新の世論調査では、残留が52%、離脱が48%で、EU残留派がややリードしている情勢です。イギリスの通貨・ポンドも値上がりをしていて、市場はすでにEUの離脱はないものと見込んでいるという見方もあります。そんな中、イギリスの自転車メーカー最大手「ブロンプトン」のCEOはEU残留を希望。会社の売り上げの8割は海外で、そのうち3分の1がEU圏への輸出だからです。また、FX取引システムの開発・販売会社「エルマックス」のCEOは、EUの枠組みから脱し、英政府が自由な政策を決めれば、経済にプラスだとして、離脱すべきと考えています。

【英国・EU離脱か?残留か?世界が見守る「運命の日」】
英国・ロンドン。世界が注目する運命の日。EU離脱か残留か。キャメロン首相、ヴァージングループのリチャード・ブランソン、元サッカー選手のベッカムは残留を支持。一方、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長、家電大手のダイソン創業者のジェームズ・ダイソン、ミュージシャンのミック・ジャガーは離脱を支持している。国は真っ二つに分かれた。午前7時、ついに国民投票が始まった。これまで残留派と離脱派の支持率は五分五分。世界が固唾を飲んで見守る有権者4650万人の決断。その先に何が待っているのか。

【「国民投票」優勢なのは】《中継:ロンドン支局/豊島晋作記者》EU.JPG
英国のEU離脱を問う国民投票が日本時間の午後3時から始まった。投票が始まった時は雨が降っていたが今は雨が上がっている。雨が降らないとより多くの人が投票に行くのではないか、もし残留派が多いと言われている若い人達が投票に行けば残留派に追い風になるのではないかと言われている。投票方式は残留なら上の四角( Remain )に×、離脱なら下の四角( Leave )に×を付ける。
早速20人以上にどちらに投票したのか聞くと、ほとんどの人が残留に入れたとのことだった。ロンドンはEUの国々と仕事上の繋がりがある人も多く、残留支持が多数のようだ。また夕刊紙「イブニングスタンダード」の世論調査によると残留支持が52%、離脱支持が48%で、残留支持がややリードする展開となっている。投票は日本時間の明日午前6時に終わり、昼頃には大勢が判明すると見られる。ただそれより前に為替相場からある程度の結果が見えてくるかもしれない。というのは一部の金融機関やヘッジファンドが独自の出口調査を行っていると言われていて、彼らがその調査に基づいて売買を行う可能性があるためだ。既に英国の通貨ポンドは全ての通貨に対して現在値上がりしている。早くも市場がEU離脱はないと見込んでいるとの見方もあり、この後のポンドの動きに注目だ。

【選択の裏に「損得勘定」】
いずれにせよ日本を含む世界にとって大きな決断となるが、国民投票を前に揺れ動く企業と人々を取材した。

英国西部の保養地・ブラックプールの店でコインが売れていた。それは銅でできていて、それぞれの面にEU離脱を差すOUTと残留を差すINが刻印してある。日本円で350円程の手頃な価格とあって購入する客が後を絶たない。EU離脱の是非を問う国民投票は人々にとって歴史的イベントだ。ただ売れているのはコインだけではなく、金も売れる。1kgの巨大な金貨の価格は約450万円だが、国民投票で仮にEU離脱が決まると将来が見通せなくなるため安全資産として買われている。

一方イギリスの企業はどう考えているのか。英国最大の自転車メーカー「ブロンプトン」。最大の特長は簡単に折り畳みができる独自の構造で、電車やバスにも持ち込む事ができる。日本の店舗では価格は1台17万~19万円と高額ながら自転車通勤の広がりなどを追い風に人気を集めている。商品は全て英国の工場で作られ、骨組みの溶接は全て職人の手作業だ。接合部分を滑らかに仕上げるのが腕の見せ所だという。まさにメイドインUKを象徴する商品だ。ブロンプトンは残留を望んでいる。
《ブロンプトン/ウィル・バトラー・アダムズCEO》
「会社としては残留を望んでいる。我々は日本・韓国・中国・カナダなどに輸出している。関税や安全基準などの書類、手続きが何度も必要だ。しかしEUへの輸出は全てが一度で済む。」
ブロンプトンの売り上げの8割は海外でその内3分の1はEU圏への輸出。EUにいる事で関税や安全基準などの書類や手続きなど国内とほぼ同じ手間で巨大なヨーロッパ市場に参入できる。しかし離脱すればそのメリットは消えてしまう。英国を拠点にする大企業が集まる商談会「国際ビジネスフェスティバル」でも残留を望む声が多く聞かれた。
《エネルギー業界関係者》
「イギリス企業の多くは残留を希望している。離脱すれば、先行きが不透明になる。」
《人材業界関係者》
「離脱すれば従業員の移動も難しくなる。」
実際、主要英国企業の約80%がEU残留を望んでいるとのデータもある。

EUからの離脱を訴える企業もある。エルマックスは世界中の金融機関などを相手にFX取引のシステムを開発、提供するIT企業だ。デイビッド・マーサーCEOはEUから離脱すべきと考えている。会社の利益だけでなく英国経済全体の為にも離脱が必要という。
《エルマックス/デイビッド・マーサーCEO》
「離脱すれば短期的に為替市場の変動は激しくなる。市場が大きく動けば会社の収益にはプラスだ。さらに離脱派は英国に長期的なメリットをもたらす。中国やインド、米国などと直接、貿易協定を結べるからだ。」
EUの枠組みに縛られた現状を脱し、英国政府が自由に政策を決めれば、経済はプラスと離脱派の経営者たちは主張する。自分の国の進路は自分で決める。それが離脱を求める人々の最大の主張だ。
《ジョンソン前ロンドン市長》
「我々はEUから民主主義を取り戻す。英国は偉大な国だ。自分たちの進むべき道がある。」
いよいよ始まった国民投票。離脱か残留か、英国は今、大きな決断を迫られている。

【「EU離脱」は合理的か?】
とにかくEUに縛られずに自分達で物事を決めたいというのが離脱派の主張の根幹にある。ただ自由に他国と貿易協定を結びたいと言ったとしても過去の例を見ると4~10年と非常に長い期間かかるのが実情だ。このため残留が合理的と言われている。こうした経済的メリットと自由になりたいという気持ちを天秤にかけて人々は判断していると言えそうだ。以上ロンドンからお伝えしました。




株主総会で“承認”も… シャープ 新たな課題
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シャープが開いた株主総会で、台湾の鴻海精密工業への傘下入りが正式に決まりました。シャープな月内にも鴻海による出資を受け新体制が発足するが、新たな課題も出始めています。
冒頭、髙橋社長が業績不振について株主に謝罪しました。そして、鴻海の傘下入りする理由について説明し、株主に理解を求めました。シャープが再生と成長の柱に据えるディスプレー事業。鴻海から出資される3888億円の内2000億円を有機ELに投資する計画で、シャープが培った技術力と鴻海が持つ海外への販売網で起死回生を図ります。一方で、鴻海は当初は雇用の維持を強調していたが昨日、シャープ社員について7000人の削減を示唆しました。

シャープが行ったアンケート調査では30%超の人がシャープ製品を買いたいと思わないと答え、街の人からは外資傘下への懸念の声が多く聞かれました。実は同じ様な傾向は過去にもありました。日本でのブランドイメージのランキングでIBMは2005年度以降、下落傾向が続いています。その1年前にパソコン事業を中国メーカー・レノボに売却すると発表しています。ブランドイメージのランキングでもシャープは146位と大幅に下落しています(日経BPコンサルティング「ブランドジャパン」より)。外資とブランドイメージは何か関
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係があるのか。しかし株主からは「鴻海は有機ELが欲しいだけだ」「成長戦略が見えない」など不満の声が上がりました。株主からの質問は途切れず途中で打ち切られ、総会は3時間23分で終了。鴻海への傘下入りや新経営体制など6つの議案はすべて賛成多数で承認されたものの、シャープには厳しい現実も待ち受けます。
《ブランド総合研究所/田中章雄社長》
「(シャープのブランドイメージ低下について)外国資本が入りシャープのブランドイメージがどうなるかという不安がある。そして経営やコンセプト、DNAが非常に分かりにくい。ブランド的には分かりにくいことが良くない。」
田中社長はブランド力を回復させる為にはシャープの顔となるような新たな商品作り、「今後の経営方針」や「コンセプト」をわかるようにすることが必要だと話しています。
「多くの消費者がこれからシャー王はどうなっていくのだろうか、どんな賞品が出るのか、ということが分からない。その分からないというマイナスイメージをどう払しょくしていくのかということがすごく重要になってくる。」

《大江キャスター》
シャープでは再生に向けて有機ELに2000億円を投資する計画です。スマートフォンを劇的に進化させると言われている有機ELとはいったいどんなものなのでしょうか。
《大浜キャスター》
今iPoneのディスプレイが液晶が使われているんですが、実は早ければ来年にも有機ELが採用されるというふうに言われているんです。そうなるとスマートフォンは画面を曲げてみたり、折りたたんでみたりできると言われているんです。今の液晶画面は落とすと割れてしまったりするので、そういったリスクも減るんじゃないかと期待されている。世界中のスマートフォンに有機ELが採用されると言われているんですが、実はそうなると日本企業にとっても大きな生まれると見られている。

スマホ激変で日本企業にチャンス
今月、都内で開催された電子機器の展示会。有機ELの専門家の話を聞こうと様々な企業の人がつめかけていたのです。世界の有機EL市場は、2020年に現在のほぼ倍、およそ3兆円にまで急拡大する見通しです。従来の液晶の電子回路の基盤はガラスが使われていましたが、有機ELの基盤は、軽くて柔らかいプラスチック製のフィルムになります。実は、この金色のフィルムをつくっているのは、化学メーカーの宇部興産。500度を超す高熱に耐え得るフィルムを独自に開発。アップルがスマートフォンに有機ELを採用すると、事業の大きな拡大に期待が持てるといいます。そして従来の液晶では、バックライトが点灯することで、映像が映し出されていました。これが有機ELに変わると、フィルムに付着させた発光材料が自ら点灯し、映像を映し出すのです。発光材料を製造する出光興産。生産能力をこれまでの2.5倍に引き上げます。EL.JPG

【割れない!?軽い!?“スマホ”が“有機EL”で激変!】
東京ビッグサイトで開催された「電子機器トータルソリューション展」の会場には大勢の人が集まっている一角があった。有機ELの専門家の話を聞こうと様々な企業の人が詰めかけていた。世界の有機EL市場は2020年に現在のほぼ倍の約3兆円にまで急拡大する見通し(IHSテクノロジー調べ)。セミナーで講演していたモトローラの元技術者、セミコンサルトの上田弘孝代表に話を聞いた。
「液晶というのは基本的にガラスをベースにしたものですから、そういったところがプラスチック化されることで大分割れにくくなる。」
スマートフォンの画面が有機ELになってプラスチック化されることで大分割れにくくなるという。有機ELになると液晶とは全く違う部品が使われるようになる。例えば従来の液晶の電子回路の基盤はガラスが使われていたが、有機ELの基盤は軽くて柔らかいプラスチック製のフィルムになる。この金色のフィルムを作っているのは日本企業だ。

【“スマホ”が“有機EL”で激変!ニッポン企業にも大チャンス!?】EL2.JPG
化学メーカーの宇部興産は、スマートフォンが有機ELに変わる事をチャンスと捉えていた。ポリイミドフィルムはプラスチックの一種で薄くて丈夫な性質を持っている。その中でも宇部興産のフィルムには大きな特徴があるという。電子回路を焼き付ける際、その温度は400℃以上とされ通常のフィルムでは形状が保てないが、宇部興産は500℃を超す高熱に耐えるフィルムを開発した。宇部興産はこのフィルムを30年以上前から生産してきたが、アップルがスマートフォンに有機ELを採用すると事業の大きな拡大に期待が持てる。
《杉下秀幸専務》
「アップルはスマホの業界でガリバーなわけです。そこが有機ELを採用する。フィルムの開発意欲が急激に高まっている。やっと来たって感じです。」

【“スマホ”が“有機EL”で激変!ニッポン企業にも大チャンス!?】EL3.JPG
液晶が有機ELに変わるとこんな違いもある。液晶ではバックライトが点灯する事で映像が映し出されていた。これが有機ELに変わるとフィルムに付着させた発光材料が自ら点灯し映像を映し出す。その発光材料を製造しているのは出光興産の子会社、出光電子材料だ。電気を流す事で発光材料が自ら光るため、従来に比べて消費電力を最大3分の1まで抑えられる可能性があるという。出光興産は発光材料の生産能力をこれまでの2.5倍に引き上げる。
《出光興産電子材料部/河村祐一郎》
「今後予想される需要の高まりをキャッチアップできる様に社内の態勢を整えているところです。」
スマートフォンが有機ELに変わる事を睨み、様々な日本企業が動きだしている。

《大浜メモ(日本の部品メーカー、生き残る道は)》
当面は韓国のサムスンがアップル向けに有機ELディスプレイを作ると見られているんですが、韓国メーカーは以前はディスプレイの主要部品を自分たちで研究開発して作っていたが、今は中国企業の追い上げが激しいので、外から買ってくるようになった。だから日本のこういう部品メーカーは技術も持っているので、大きなチャンスが来ているということなんです。ただこの業界はすごく変化のスピードが激しいので、絶えず新しいものを出していかないといけないし、サムスン以外にもシャープも参入したいといっているので、そこからどういう発注が来るのか、ということも見極めなくてはいけないし、この変化への対応力がとても難しいし、それを一歩間違えると着いていけなくなるというその恐怖感が今からあるということなんです。





防衛省 漂着ミサイルを公開
先週鳥取県の海岸で見つかった北朝鮮のミサイルの破片とみられる漂着物が、調査のため防衛省に運ばれました。漂着物は北朝鮮が2月に発射したミサイル「テポドン2」の可能性もあり、筒の中にはケーブルなども確認できます。防衛省は今後材質や加工技術を分析します。



不正会計問題めぐり GPIFが東芝提訴
東芝の不正会計問題を巡り、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人が資産管理を委託する信託銀行を通じ、東芝を提訴したことが分かりました。一連の問題で、保有する東芝株が下落し、損失を被ったとしておよそ9億6,000万円の損害賠償を求めています。今回求めた賠償額は、損害の一部で、残りに関しては、今後、提訴することを検討していると言います。



“創業家”が反対も… 大戸屋HD 役員大幅刷新
定食屋「大戸屋ごはん処」を運営する大戸屋ホールディングスはきょう、都内で株主総会を開き大株主である創業家が反対を表明していた取締役の人事案を、原案通り可決しました。去年実質的な創業者が死去したあと、株式を18%余り持つ妻や長男が、取締役を大幅に入れ替える今回の人事案について、「創業の理念が失われる」と反対を表明し、創業家と経営陣の間で対立が深まっていました。総会では、窪田健一社長が一連の「お家騒動」についてときおり涙ぐみながら謝罪し、株主からは、「対立によってブランドイメージが損なわれた」などと厳しい指摘が出ていました。



三菱重工 株主総会 「株主として誠に遺憾」
三菱重工業はきょう、東京都内で株主総会を開きました。宮永俊一社長は総会の中で、三菱自動車の不正燃費問題について、「株主として誠に遺憾」としたうえで、日産の傘下入りについては、「相乗効果で企業価値が上がれば、出資も安全になるので、ある程度見守っていきたい」と述べ、当面は株式を売却しない考えを示しました。



沖縄慰霊の日
「今回の非人間的で凶悪な事件に対し、不安と強い憤りを感じています」太平洋戦争の沖縄戦での犠牲者を追悼する「慰霊の日」の式典で、沖縄県の翁長知事はこのように述べた上で、日米地位協定の抜本的な見直しを求めました。安倍総理大臣は式典後、「県民の気持ちに寄り添いながら成果を上げたい」と述べ、協定の見直しに意欲を示しました。



NYで人気 新たな“BBQスタイル”
アメリカのニューヨークなどで、人気が高まっている「新しいBBQスタイル」を広めようと、あるキャンペーンが始まりました。東京・青山に期間限定でオープンした「アーバンBBQカフェ」。「アーバンBBQ」とは、場所を選ばず、特別な調理器具も使わず、キッチンで作れるBBQ料理のことです。厚切りにしたアメリカ産牛肉のサーロインと、特製ソースに漬け込んで焼き上げたスペアリブがセットで楽しめるものなど、5種類のBBQメニューを提供します。このキャンペーンを仕掛けたのは、「米国食肉輸出連合会」。背景には、日本市場でアメリカ産牛肉が、オーストラリア産牛肉に押されている現状があります。2003年にアメリカでBSEに感染した牛が見つかり、日本への輸出が一時禁止されて以降、伸び悩んでいるのです。手軽にできるBBQスタイルを提案し、巻き返しを図ります。
《米国食肉輸出連合会ジャパンディレクター/山庄司岳道さん》
「需要は沢山あると思う。BBQブームで肉もブームになっているので日本の消費者に喜んでもらい輸出量を伸ばしていきたい。」



北朝鮮 核兵器「運搬手段整った」
中国・北京で国際会議に出席した北朝鮮外務省のチェ・ソンヒ副局長は、きのうのミサイル発射実験で、核兵器の運搬手段が整ったと強調しました。その上で北朝鮮の非核化について話し合う6ヵ国協議については、改めて参加しない考えを表明しました。これに先立ち、北朝鮮のメディアは、きょう、朝鮮労働党の金正恩委員長の立ち会いのもと、中長距離戦略弾道ミサイルの発射実験に「成功」したと報じました。これは、きのう発射された、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」を指すとみられます。





■【トレたま】蚊を寄せ付けないマスクtoretama.JPG

秘密は中に入っているフィルターで、蚊の嫌いな植物由来の成分が含まれている。口から吐かれた二酸化炭素とその成分がくっつく事で蚊を寄せ付けなくするという。効果を検証してみると、二酸化炭素を検知しにくくなっているため蚊は人間の存在に気づかないようだ。
《くればぁ/中河原毅社長》
「吸水速乾で汗を吸い取ってさらさらするガーゼとひんやりするガーゼ、湿度を放出するフィルターを使っているので蒸れにくい状態になっている。」
一番のターゲットはスポーツ選手だという。
「虫よけスプレーにはアルコールなどドーピングで引っかかる成分を使っている物が多く、このマスクはドーピングに引っかからない成分だけで作っているため三つの競技団体から注文をもらっている。」
さらに蚊以外にもPM2.5やタバコ、ウイルスなど様々なものを防ぐことができるという。

【商品名】bo-biPRO再利用タイプ
【商品の特徴】特殊なフィルターで蚊を寄せ付けなくするマスク
【企業名】くればぁ
【住所】愛知県豊橋市大村町藤田4番1
【価格】1万4,980円
【発売日】7月6日
【その他】使い捨てタイプも有り
【トレたまキャスター】相内優香





2016.6.23 Newsモーニングサテライト

2016年06月23日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NY株 反落
いよいよ目前に迫ったイギリスの国民投票を控えて、株価は当然のように様子見。引けにかけては、膠着感が強まり3指数とも3日ぶり反落です。投票を翌日に控えた最新の世論調査でも離脱派が僅差でリードするなど、国民投票の行方はぎりぎりまで読めない状況が続いています。朝方発表の中古住宅販売が強い内容で、寄り付き直後は上昇していた株価も午後には勢いを失いマイナスに転じました。市場の不安心理を示すVIX指数もじりじり上昇し、再び警戒感の高まりを示す20を超えました。ダウが48ドル安、1万7,780ドル。ナスダックが10ポイントの下落、4,833。S&P500が3ポイントマイナスの2,085でした。0指標.jpg






【世界の株価】
22日の終値





















【NY証券取引所中継】米住宅市場 堅調さ続く
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏

イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票を明日に控え、積極的な売買が手控えられ、終日小動きでした。イエレン議長の2日目の議会証言も目新しさに欠け、材料に乏しい一日との印象です。ny1.JPG

--そんな中で中古住宅販売はいい内容でしたね。
戸建て・集合住宅ともに堅調な伸びを記録しました。とりわけ特徴的なのは需要の強さです。例えば在庫は低水準の状態が続いており、販売価格は上昇を続けていることから、需給の引き締まりが見てとれます。住宅市場全体の需要の強さは、昨日発表された住宅建設大手レナーの良好な決算とも整合性が取れています。

--この先も楽観的に見ていいのでしょうか。
住宅向けに建材を提供している企業の経営陣も、建材需要は引き続き強いとコメントしています。こういった住宅市場の業界内部の環境に加え、利上げの先送りによる金融緩和環境の長期化といった外部環境も追い風となり、今後もアメリカの住宅市場は堅調な回復が期待されます。





【NY証券取引所中継】ブラジル経済支える有望企業ny2.JPG
解説は三井住友アセットマネジメントNYの三浦仁孝氏

--オリンピックを間近に控えたブラジル、景気低迷が心配されているんですが、実際はどうなんでしょうか。
先日リオデジャネイロなどの企業を取材してきましたが、政治の変化にはあまり期待できないものの、景気悪化の中で生き残ったブラジルの企業のたくましさは増している印象です。マクロ経済はだめ、支持も不透明で、期待だけが先行するなか、しっかりと自分の足で立っている会社が結構あるのがブラジルの強みだと考えています。

--具体的にはどんな企業なんでしょうか。ny2-2.JPG
例えば資源大手ヴァーレは中国の需要減退とグローバルな供給拡大など厳しい環境のなか、徹底したコストカット、非中核資産の売却を進めていて、商品価格低迷でも耐えられるビジネスモデルへと変革が進んでいます。またドラッグストア大手ライア・ドロガジルはブラジル国民の高齢化に伴うテレス・ケア市場の拡大を背景に過去最高の収益を更新し続けています。

--ただこれはオリンピックの開催が景気回復のきっかけになりそうなんですか。
いえ、残念ながらオリンピックの効果は個別企業レベルでは全くないと全社が口を揃えて言っていました。むしろ深刻な渋滞がさらに悪化することを心配していました。高インフレ低成長に苦しむブラジルですが、一方で先ほどのようにキラリと光る会社もあり、こういった個別企業の踏ん張りがどこまで持続するかがブラジル景気回復のカギになると考えています。





【為替見通し】注目ポイントは「英国民投票」
解説は野村証券の池田雄之輔氏

--海外市場はいかがでしたか。
イエレン議長の議会証言は2日目が行われましたけれども、初日とほぼ同じ内容で新味ある発言は行われませんでした。

--今日の予想レンジは、104.00円~106.50円です。広めのレンジですね。kw1.JPG
いよいよ本日イギリスの国民投票ですので、日本時間のあす朝6時台から相場が動き出すというところまで考慮しています。向こう24時間に関しては市場はかたずを飲んで見守るという状況かと思います。

--そのイギリスの国民投票ですが、結果から為替はどう動くと見ていますか。
ブックメーカーの掛け率から計算されている残留の確率は約8割まで上がっています。つまりほぼ織り込まれているぶんだけに残留という結果に対しての市場の反応は小さそうです。ポンドや高金利通貨はある程度上昇すると思いますが、先週のFOMC以降イエレン議長のハト派姿勢が再び鮮明になっていますので、ドル円は106円台で上値が重くなると予想しています。

--仮に離脱となった時の動きはどうなるんでしょうか。
円高が進み102円台に入ると麻生財務大臣が口先介入を強めてくると予想しています。おそらく日米のファンダメンタルズを反映していない、無秩序である、場合によっては断固たる措置を取るといった強い牽制があり、100円割れ目前でドル円は止まると予想しています。万が一止まらない場合は97円から98円台で大規模な円売りドル買いの単独介入に踏み切ると見ています。0為替.JPG















【日本株見通し】注目ポイントは「第1四半期決算」
解説はいちよし証券の大塚俊一氏

--今日の予想レンジは、15800~16200円です。
イギリスのEU離脱を問う国民投票の結果判明を明日に控えて、買い戻しも一巡しさすがにポジションを一方向に固めにくいことから、16000円前後で様子見となることが予想されます。ただドル円相場の動きによっては、株高株安のいずれにも振れるかもしれません。nk1.JPG

--注目ポイントは「第1四半期決算」です。
国民投票の結果が判明し、その内容一旦株価が織り込めば、市場は落ち着きを取り戻すと思います。そうなれば6月末を越え、7月に入り徐々に第1四半期の企業決算の内容が意識されるのではないでしょうか。輸出関連企業では円高がマイナス要因であることに加えて、内需関連企業でもインバウンド消費の減速が懸念されます。前期の第1四半期は利益水準が高いだけに今期の第1四半期純利益は前年同期に比べて28%減が予想されます。但し大幅減益ながら会社側の通期計画に対して、4分の1程度は確保できると見ております。仮に進捗率が高く、通期業績の上方修正の観測が高まれば、控えめに見ても年末に向けて日経平均は日銀が金融緩和に踏み出した以降の予想PER平均15.6倍の19000円程度への上昇が可能ではないかと考えております。




■【コメンテータ】野村総研/井上哲也氏

・注目度低い?イエレン議会証言
--イギリスの国民投票を前にしているとは言いましても、アメリカのイエレン議長の議会証言が本来ならもう少し注目されてもいいはずですよね。
そうですね。7月に向けて情報を得る大事な機会だったはずですよね。今回はあまり注目されなかった。もちろんブレグジットの話もありますけれども、ちょっとイエレンさんの経済に対する見方が振れているんじゃないかなという感じがあります。
--最近触れてきているという声が少し多くなってきた気がするんですが、それはどうしてもデータディペンデント、経済指標次第ということになったからですね。
本当はこれはデータの基調を読んでその中から判断しますということだったんですけど、ご自身がデータディペンデントにものすごく入ってしまっている感じがしますね。
--こうなると市場との対話というのが難しくなってしまいますね
何が満たされれば利上げするのかというのが分からなくなってしまいましたね。



・日経朝特急/6月短観の民間予測・景況感は2期連続悪化
--このチャートの形がちょっと気になるところですね。
収益とかのレベルは高いわけですけれども、この予想通りになってしまうと、大企業製造業の景況感が2013年6月以来の水準ということです。そうするとアベノミクスや量的質的緩和の最初の段階まで戻ってしまうということですので、気持ち的にちょっと良くないですね。イメージが悪いですね。



・日刊モーサテジャーナル/アローラ退任の背景・ソフトバンクの内部対立?
日本からすると結構当たり前のことかなと・・・。意外と欧米メディアがこの話を批判的に書いていますね。やはり株主総会直前にこういう話が出たというのは、ガバナンス的に問題があるのではないかという話もありますし、それからスプリントを持っていますから、アメリカでもかなり存在感のある企業なので、そろそろ孫さんの後継を考えたほうがいいんじゃないかという感覚があるのかもしれないですね。



・今日の経済視点 「危機感の共有」
あまり言いすぎると危機を煽ってしまう可能性もありますし、ただやはりちゃんとした判断をしてもらうためには、ちゃんとした材料を共有しないといけないということがあります。
--材料を提供しても伝え方次第では伝わらないということですね
そうですね。200ページの報告書ではなかなか読んでもらえないということですね。






■特集 イギリス国民投票目前 最新情報
--EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票が9時間後に迫っています。現地から豊島記者に最新情報を伝えてもらいます。

《中継:ロンドン支局豊島晋作記者》
ロンドンは現在夜の9時半です。投票は日本時間の今日午後3時に始まり、早ければ24日金曜の午前には大勢が判明すると見られます。きょう22日は、殺害された残留派のジョー・コックス議員の誕生日で、ロンドンの中心部では大規模な追悼集会が開かれました。残留派が盛り返すきっかけになった今回の事件ですが、改めてその影響の大きさを物語っていました。さて現時点でのブックメイカーのオッズは、残留派が大きくリードしていますが、最新の世論調査では依然として拮抗していています。
《ブックメーカーのオッズ(ウィリアム・ヒル社》 残留(1.3)離脱(3.4)
《世論調査(What Thinks 調べ)》 残留(51%)離脱(49%)

--離脱となると日本企業も大きな影響を受けると思うんですが、それに備える動きはあるんでしょうか。
仮に「EU離脱」という事態となった場合、企業はイギリス国外に拠点を移すことも検討しているようです。ロンドンに拠点がある日系の証券会社で話を聞いてきました。
《岡三証券ロンドン駐在員事務所/高橋知之所長》t1.JPG
「イギリスのメリットはやはり英語圏になりますので、その英語が使いやすいアイルランドのダブリンを選択肢として、実際に物件を見に行ったという会社もあると聞いた。あと米系の金融機関は結構ダブリンを見ているというふうに聞いたことがあります。」
移設先としては同じ英語圏で、EU加盟国であるアイルランドの首都ダブリンが候補に挙がっているようです。金融の中心地ロンドンではまさに国民投票の話題一色という状況なんですが、一方、地方では今回の投票をビジネスチャンスと捉える動きもあるようです。イギリス中部ナニートンはのどかな田園風景が広がる田舎町で、そこのパブではEU離脱ビールとEU残留ビールが置いてあり、客の大半は離脱ビールを注文するといいます。このビールを作った醸造所を訪ねました。ビール職人t1-2.JPGのカール・グレイブズさんは議論好きと言われるイギリス人に白熱した議論を期待してこの特別なビールを作ったといいます。離脱ビールにはイギリスらしい味を出すためイギリス産ホップを、残留ビールには外国産ホップを使っています。イギリス全土から引き合いがあるというこの2種類のビールは、国を二分した議論を象徴するかのように出荷量はほぼ半々だといいます。
《ビール職人のカール・グレイブズさん》
「客は50対50に分かれています。(私なら)残留ビールを選ぶ。私はEUが好きだし、イギリスは小国だから、離脱すればひどい状況になる。」
ビール職人のカールさんは残留指示でしたが、田舎では特に移民への反感が根強く、離脱を求める声が圧倒的に多いという印象です。結局は残留するというのが市場の一定のコンセンサスですが、こうした地方の声がどこまで力を持つのか、気になるところです。以上ロンドンからでした。

直近の世論調査では「残留」がやや優勢だが、万が一「離脱」となった場合でも、当局は今回の危機対応に十分備えている。例えば、株・為替相場が混乱に陥った場合は、08年末から主要国の中央銀行が導入した為替スワップを一時的に増額するといった対応など。しかし一方で、危機感を市場や家計、企業などと、どう共有するかという別の難しい課題を浮き彫りにした。
解説は野村総研の井上哲也氏。

《モーサテサーベイ(複数回答)》 英EU離脱の経済リスク
(期間:6月17日~19日、対象:番組出演者34人)t2.JPG
為替など相場の混乱 94%
EU内の離脱機運の台頭 88%
金融政策への影響 62%
製造業など企業活動への影響 56%
移民問題をめぐる各国のつばぜり合い 38%
その他 12%
マネックス証券/大槻氏
「金融機関の格下げや不動産価格の下落、それに伴う金融システムの打撃を指摘している。」
マーケット・リスク・アドバイザリー/新村氏
「残留を望むスコットランドの独立機運の再燃、スペインやイタリア、ベルギーの一部でも問題が噴出、さらにギリシャにも波及してユーロの信認が低下すると予想している。」

--専門家はこのようなリスクを考えているということなんですが、万が一の時の離脱への備えというものはEUやイギリス当局はしているんでしょうか。
(フリップ1:当局のEU離脱対応策)t3.JPG
まず短期の問題としては対応はできていると思う。一つは先ほどのアンケートにもありました金融市場の混乱です。これに対してはだいぶ報道されていますけれども、主要国の中央銀行による通貨スワップです。ポンドやドルが取りにくくなるという問題に対して対応するという仕組みでして、これはリーマンショックの時に入れられた仕組みとして存在していますので、必要に応じて強化するとかいう対応になると思います。
--そして2番目にEU内の離脱機運の台頭があります。
いま(モーサテ・サーベイで)新村さんがおっしゃっていたことに近いんですが、EUにあることによってブラッセルから財政規律を押し付けられているという部分もありますけれども、そこで保っているわけです。これがイギリスが出て行ってピンピンしていますということになると、それらの国々がもうEUから出てしまおうということになって、財政規律が悪化するんじゃないかという思惑から、国債が売られる可能性があるということなんですけれども、これに対してはECBがいろいろ買入れの手段というのを持っているので、これを使っていくことはできるかなと思います。

--ただ先ほど地方の声もありました。こうした危機感というのは共有できているのでしょうか。
ちょっとそこが分からないですよね。離脱派の方々はもう少しポリティカルな方を見ているのかもしれないですけれども、本当に経済のことを考えたら先ほどのビールの醸造業者の方ですら、残留と判断されるということだと思います。
--ですからその危機意識の共有方法というもの、一応当局もこんなに大変なんだというものを出しているわけですよね。
これがイングランド銀行(中央銀行)が去年の10月に出した分析です。それからイギリスの財務省が出したものが200ページあります。
--いかに経済的に合理的ではないのだということを、こういったところで一応アピールはしているけれども、さすがにそれだけ分厚いと読み切れないので、井上さんにひとつわかりやすい例を挙げて頂きました。(フリップ2:エアバスA350翼の部品供給の流れ)。t4.JPG例えばエアバスA350の翼の部品供給の流れです。どうやって作るか。
これは財務省の報告書の中に例として入っているんです。実際にイギリスの生産拠点に集めるのに、いろんなところから部品が集まってくるんです。それを羽として作った後にドイツに持って行って、最後はトゥールーズ(フランス)の組み立て工場で全部組み立てている。グローバル・サプライ・チェーンになっている。ですからもしイギリスが離脱してしまうと、関税がかかったりとか、安全基準ももしかしたら違うものになってしまうかもしれない。そうするとイギリスがこのグローバル・サプライ・チェーンから脱落しますよ、ということを警告している。
--そうなると大変な雇用ですとか、景気に影響を与えてしまうということが分かるわけですけれども、こいいうふうに説明すれば、おそらく分かると思うんですけれども・・・
これが200ページの中の1ページに埋もれているとなかなか読んでもらえないですよね。私が実際に5月にイギリスの財務省に行った時に、あなたはこれを本当に読んだんですかと驚かれた。
--読んでみて初めて分かることですけれども、その手法の難しさというのは、イギリスを通して日本でも言えることですよね。
日本でもこれから財政再建とかいろいろ難しい問題がありますけど、本当にどういうことが起こるのかというのをあまり危機を煽らない形で、伝えるというのはなかなか難しいなと思いますね。




■今日の予定

日銀 木内審議委員が講演
株主総会 シャープ、日本郵政
英国民投票
米5月新築住宅販売件数
米6月製造業PMI




■ニュース

米成長見通し下方修正
IMF=国際通貨基金は22日、アメリカ経済に関する年次審査報告を発表し、今年の経済成長見通しを下方修正しました。今年のアメリカ経済の成長見通しについてIMFは4月の時点で2.4%としていましたが、海外経済の減速やドル高の影響を背景に0.2ポイント引き下げました。一方、焦点の金融政策については「利上げは極めて緩やかにすべきだ」とする一方で、「賃金や物価が想定以上に上昇した場合は、利上げを前倒しすべき」と提言しました。



FRB議長 米経済に楽観的
FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は22日、議会下院で証言し、アメリカ経済の現状について楽観的な見方を示しました。5月の雇用統計で非農業部門の雇用者数の増加幅が大きく落ち込んだことについて、イエレン議長は「一時的な落ち込みだ」とし、アメリカの雇用情勢や経済の現状や先行きを反映したものではないとの見方を示しました。



中古住宅販売 9年3ヵ月ぶりの高水準
アメリカの5月の中古住宅販売件数は、前の月から1.8%増加の年換算で553万戸でした。9年3ヵ月ぶりの高水準です。5月の販売件数は市場の予想も上回り、アメリカの住宅市場の底堅さを示した形です。地域別に見ると中西部はマイナスに転じたものの、販売価格の上昇が目立つ西部をはじめ、北東部、南部では堅調な伸びでした。また販売価格の中央値は4.7%上昇して23万9,700ドルとなり過去最高を記録しました。
《米5月中古住宅販売件数(前月比)》
年換算 553万戸(+1.8%)(市場予想+1.1%)
中西部(-6.5%)北東部(+4.1%)南部(4.6%)西武(+5.4%)



ソフトバンク後継白紙
「ソフトバンクグループ」は、きのう、東京都内で株主総会を開き、孫正義社長の後継候補とされていたニケシュ・アローラ氏の副社長退任を承認しました。孫社長は、今後、5年から10年は続投する意向を説明し、株主に理解を求めました。



三菱自 赤字1,450億円
三菱自動車は、2017年3月期の最終損益が1,450億円の赤字に転落する見通しだと発表しました。燃費データ改ざんによる軽自動車の生産停止などにより、本業のもうけを示す営業利益は、550億円減る見込みです。さらに、顧客や部品メーカーへの補償費用として、1,500億円の特別損失を計上することが響きました。



東芝 新体制スタート
経営再建中の東芝は株主総会を開き、綱川智新社長ら10人を取締役として選任する議案を可決しました。新体制では取締役の過半数の6人を社外役員とし、経営の透明性を高めます。東芝は綱川社長のもとで、不正会計問題で悪化した財務体質の改善と業績回復を急ぎます。



東京五輪公式グッズ発表
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は4月に決定した新たな公式エンブレム「組市松門」を使った公式グッズを発表しました。グッズは、きょうからオンラインショップなどで購入することができます。大会組織委員会は今後、各メーカーなどとライセンス契約を結び、グッズを作ってもらうことでおよそ120億円の収益目標を掲げています。



北ミサイルにNSC
北朝鮮がきのう「ムスダン」とみられる弾道ミサイル2発を発射したことを受け、政府は総理官邸でNSC=国家安全保障会議を開き、情報の分析や今後の対応を協議しました。防衛省などによりますと、きのう発射されたミサイル2発のうち1発目は発射直後に不具合が起き空中分解しましたが、2発目は高度1,000キロメートルに達し日本海に落下したということです。「ムスダン」の発射をめぐっては、これまで発射直後に爆発するなど失敗が続いていましたが、今回、高い高度まで打ち上げられたことで、防衛省は「ミサイルとして一定の機能が示された」として警戒を強めています。



国連安保理 緊急会合へ
国連の安全保障理事会は緊急会合を開く方向です。日本時間のあす午前にも緊急会合を開く方向で調整していて、過去の安保理決議に対する違反に当たると判断し、発射を非難する報道声明の発表も検討しています。



北朝鮮高官「6ヵ国協議は死んだ」
北朝鮮の高官が北朝鮮の核問題をめぐる6ヵ国協議について「死んだ」と発言しました。6ヵ国協議参加国の外交官や研究者らが参加する「北東アジア協力対話」で日本やアメリカ、韓国が北朝鮮のミサイル発射について強く非難しました。消息筋によりますと、それに対し北朝鮮外務省の崔善姫米州局副局長は「6ヵ国協議は死んだ」と述べ核を放棄しないとの立場を改めて主張しました。北朝鮮と各国の溝の深さが浮き彫りになりました。



鳩山邦夫氏(67) 死去
法務大臣や総務大臣などを歴任した自民党の鳩山邦夫衆院議員がおととい、十二指腸潰瘍で東京都内の病院で亡くなりました。67歳でした。兄の鳩山由紀夫元総理大臣は「何事も兄を追い越した弟だったが、人生まで追い越すとは寂しい限りだ」と悼むコメントを発表しました。



独立記念日 支出見通し7,100億円
全米小売業協会が22日発表した調査によりますと来月4日の独立記念日を祝うための支出額が68億ドル=およそ7,100億円に上るということです。支出額は去年より1.4%増える見通しで、1家庭あたりの平均支出は71ドル34セントになる予想です。また独立記念日の過ごし方は家族でバーベキュー、また花火を見に行くという人が多いもようです。ニューヨークの小売店では星条旗が描かれたこのような商品がこの時期多く店頭に並びます。国旗のお皿に期間限定デザインの缶ビールなどお祭り気分が盛り上っています。





■日経朝特急

①英国離脱リスク、市場備え
英国のEU離脱に市場が備えている。結果次第ではポンド急落に見舞われる恐れもあり、メガバンクが手元の外貨を積み上げたり、個人などのFX取引も一時制限されたりなど危機への備えが広がっている。



②夏のセール・百貨店前倒し
大手百貨店が夏のセールの開始時期を前倒しする。東武百貨店は2週間、大丸松坂屋百貨店と高島屋、阪急阪神百貨店は1週間早め、7月1日にする。節約志向が高まるなか、需要喚起につなげる狙い。7月10日の参議院選挙によって集客に影響を与える可能性があることも背景にある。



③病児保育に財政支援
内閣府と厚生労働省は、病気になった子どもを一時的に預かる病児保育をテコ入れする。施設の増加を目指し、今年度から建設コストの9割までを国と地方自治体で賄う財政支援策を導入。共働き夫婦など利用者の使い勝手を高めるため、児童の送迎費も助成する。病院や保育所に併設しやすくするなど子育ての環境を整え、仕事と育児の両立を図る。政府は現状60万人弱にとどまる病児保育の利用を2019年度に150万人とする目標を掲げている。



④6月短観の民間予測・景況感は2期連続悪化
民間調査会社は日銀が来月1日に発表する6月の短観、全国企業短期経済観測調査で、大企業の景況感が2四半期連続で悪化するとの予測をまとめた。業況判断指数は3月の短観に比べて2ポイント低下する予測。輸出に不利な円高が一段と進み、大企業製造業で景気を慎重にみる見方が強まるとの見通しになった。また非製造業でも訪日外国人の消費伸び悩みなどで景況感が悪化する見込みだ。





■日刊モーサテジャーナル

①アローラ退任の背景・ソフトバンクの内部対立?
ソフトバンクグループ・孫正義社長の後継者候補だったニケシュ・アローラが退任。
フィナンシャルタイムズは「アローラの投資戦略などをめぐり、ソフトバンク内部で対立があったのではないか」と報じている。記事は、アリババ株やゲーム子会社の売却を決めたのはアローラ氏の判断だったと指摘。長期投資を好む孫社長の戦略と乖離がある、と解説している。
ウォールストリートジャーナルは「アローラは不振が続くアメリカの携帯大手スプリントの取締役を務めていたほか、アローラが担当したインドの配車アプリの新興企業などに対する投資がうまくいっていなかった」と指摘している。



②米国、アッパーミドルクラスが急増(ウォールストリートジャーナル)
米国では中間所得層が減り、所得格差の広がりが問題になっているが、「実はアッパーミドルクラスと呼ばれる中間所得層の上位にいる人たちの数は急増している」 という調査結果を紹介している。アッパーミドルクラスは3人家族で、年収が約1000万~3500万円ほどと定義されている。ほかの中間所得層や富裕層が横ばいのなか、アッパーミドルクラスは年々増加していて、2014年に約30%を占め、1979年の2倍以上に膨らんでいる。この調査を行ったエコノミストは、冨が上位1%に集中しているという解説の信ぴょう性が疑われることになる指摘。記事は、米国大統領選でも格差問題が一つの争点になる中、中間層すべてが没落したと訴えるのは少し的外れのようだ、と伝えている。



③空とぶ車・実現に一歩前進(ワシントンポスト)
空とぶ車がFAA(アメリカ連邦国局)から認可され実現に近づいた。記事によると、FAAはアメリカの新興企業テレフギア社が開発中の2人乗りの空飛ぶ車を「スポーツ用の軽量航空機」として認可。20時間の訓練を受けライセンスを取得すれば、空で操縦できるそうだ。一方現在申請中の道路の走行許可は、飛行許可を得るよりはるかに簡単という。関係者は今後10年での販売開始をめざすと話している。