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2016.6.16 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年06月16日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

円急伸!一時1ドル103円台
きょう日銀の金融政策が発表されました。日銀は金融政策を「維持」として追加緩和を見送りました。そのことが市場に伝わった直後から急速に円高が進行して、15日にアメリカのFRB=連邦準備制度理事会が利上げを見送ったことによって進んでいた円高は、日銀が追加緩和を見送ったことで、さらに加速することとなりました。ドル円相場は一時1ドル=103円台をつけて1年10ヵ月ぶりの円高水準となりました。また急激な円高によって企業業績への懸念が高まり、日経平均株価の終値は1万5,434円08銭と約4ヵ月ぶりの安値となりました。株安を招いた急激な円高に日銀の黒田総裁は「円高が行き過ぎた場合に物価上昇率に対する影響が大きく出てくる可能性があることは十分認識している。経済や物価にどのような影響を与えるか十分に注視して2%の物価安定目標の実現のために、必要になれば躊躇なく追加的な緩和措置をとる必要がある」と話しました。



米利上げ見送りで今後は…
--米国の中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は追加の利上げを見送りました。
今回の会合では次の利上げのヒントはなかった上に中期的な利上げのペースがさらに緩やかになることが示されました。FOMC声明文で雇用については「鈍化」を指摘、経済活動には「加速」したと上方修正、次の利上げの時期に関する文言は盛り込まれませんでした。年内あと2回の利上げが想定されたものの2017年や2018年の利上げペースは引き下げられ、FRBが景気先行きを慎重に見ていることが示されました。
--今年ももう半分が過ぎようとしています。年内に2回の利上げはできるのでしょうか。
確かにFRBの中にもそのシナリオに懐疑的なメンバーも多くなってきているようです。実は17人のFOMCメンバーで3月時点では年内1回の利上げ予想が1人でしたが、今回は6人に急増しました。これは大きな変化です。
会見でイエレン議長は「7月の利上げは不可能ではない」と述べたものの、市場の7月利上げ予想は会合前日の15.7%から5.8%に急落し、事実上7月に利上げは無いとの見方が大勢です。もし1回となれば次の利上げは、11月大統領選後の12月FOMC会合との見方です。利上げのペースが緩やかになるということはドル安要因で、日本にとっては円高への懸念がくすぶる事になります。
取材先・NY支局池谷亨キャスター





■【コメンテーター】熊谷亮丸氏(大和総研執行役員経済分析室長チーフエコノミスト)

・日銀、今回は動かず 円高はどこまで進むのか
--かなり円高が急激に進んでいますけれども、そうしますと100というのも視野に入ってきましたよね。これを試す展開にはなりますか。
来週、イギリスの国民投票があってもしEUからの離脱が決まるようであれば、その時はやはり100円割れの可能性が出てくると思います。
--これだけの円高だと日本経済にどう影響してきますか。
10円円高になりますと日本の国内総生産GDPが0.5%(2.5兆円ぐらい)落ちてくる。企業収益についてはだいたい10円の円高で大手企業の経常利益が6%ぐらい落ちてしまいますので、いま私どもの見通しは来年度については8%増益を見ているが、これがほぼなくなってしまってほぼ企業収益が横ばいになる可能性が出てくるということです。
--そうしますと、この先半年、1年ぐらいのスパンで考えた時、円相場はどうなりますか。
私は100円台の後半、105~110に戻るのではないかと思っている。一つは絶対的購買力平価、日本とアメリカで同じものが買えるとしたら106円ぐらいが適正である。それから金融政策はアメリカは方向は引き締めで、日本は緩和をするわけですから、素直に見れば緩やかな円安に戻るのではないか、と考えています。



・選択肢狭まる日銀、次の一手を読むと・・・
--今回は日米どちらの金融政策も現状維持ということになりましたけれども、アメリカはなかなかこの先の利上げは難しそうな感じもするんですが、日本は緩和方向ではあるわけですけれども、では次の一手を打つとしたらどういうことが考えられますか。そもそも3つの手段があるわけです。まずは量の緩和、つまり国債をどんどん買い増すのはそろそろもう限界にきている。それから2つ目としてマイナス金利幅を拡大するのもいろいろと批判がありますから難しい。そうなってくると質の緩和で、Jリートを買い増して行ったり、ETFという上場投信などを買っていく。もしくは新しい商品を買という議論も今出てきている。例えばリバースモーゲージという、自宅を担保にして老後の資金を調達する方法があるんですけれども、これを集めて証券化した商品とか、もしくは中小企業向けの貸し出しを集めて証券化したものだとか、さらにはインフラに対して投資するファンド、こういう新たなものを買って景気回復の呼び水にする。こういうアイデアが出てくるかもしれない。
--来月7月には日銀は動きそうですか。
今のところ市場は5割以上の確率で緩和をするのではないか。経済見通し、物価見通しを引き下げたうえで緩和をするだろうという見方です。



・近づく医療費の「2025年問題」
--今日は健康診断の数値を打ち込むと健康年齢が出て、それによって保険料が決まるというものを取材したんですが、この健康年齢を意識することによって変化が起こるのはどういうとこなんでしょうか。
日本の場合は医療費の2025年問題というのがあって、2025年になると団塊の世代が全て75歳以上になるということです。75歳以上の人はだいたい一人当たり年間で90万円ぐらい医療費を使っていて、国民の平均と比べると3倍ぐらい使っている。かなり深刻な問題があるわけです。
--医療費が膨らむ可能性があるということなんですね。
その意味では糖尿病や高血圧など生活習慣病を予防したり、重症化を防止する、これは非常に大きな効果があって、一つはまず産業ということで言えば、年間で4兆円近い市場に育つ可能性がある。もう一つは医療費の削減ということで言えば、1年間で1.2兆円ぐらいの削減効果が期待できる。その意味では結局、経済成長と財政再建を一石二鳥で実現できるというようなかなり有効な方策だと思います。
--それから個人にとっても健康年齢を目標にして引き下げようという努力をすることにつながるかもしれませんね。
健康になることはいいことですからね。





■特集 ラブホテルに公的融資!?菅官房長官の秘策
政府は2020年に訪日外国人を4,000万人に増やす目標を掲げていますが、宿泊施設不足が指摘されています。これに対して、菅官房長官がある策を打ち出していました。それは、「ラブホテルの活用」です。訪日外国人数は増えていますが、ラブホテルの稼働率は依然高くありません。その理由は風営法で18歳未満の利用が禁じられているため家族連れが泊まることができず、客の誘致に限界があるためだと言います。ラブホテルを32店展開するビッググループは、自己資金で1棟を改装し風営法の適応を外したところアジアから団体旅行客が殺到しました。そこで、会長の金沢さんは半数をビジネスホテルに業務転換しようと考えています。交渉を始めたのが、政府系金融機関の日本政策金融公庫。政府は4月1日、日本政策金融公庫に対してラブホテルの改築費用を融資するよう通達していました。これが菅官房長官の指示だったのです。
取材先・ビッググループ

【菅官房長官の秘策・ラブホテルに公的融資】
政府は2020年に訪日外国人を4000万人に増やす目標を掲げている。その際に10000室の宿泊施設が足りなくなる試算がある。そこで政府のある幹部が打ち出したある秘策を取材した。

神奈川県逗子市の一軒家にアメリカの2家族が民泊していた。大人4人子供4人で1泊3万2000円だ。建物の外には宿泊手続きを行うフロントという木製の小屋があり、こうした事でここは一般のホテルと同じ旅館業の営業許可を取得している合法的な民泊物件である。この民泊を紹介したのは世界最大の民泊サイト「エアビーアンドビー」、日本国内だけで約3万5000件の物件を掲載している。物件の多くが違法民泊とも言われている。2日政府は民泊の全面解禁を閣議決定したが、8日新宿区ではホテル・旅館業界が民泊に反対を唱える集会を行った。政府の検討会でも賛成派と反対派の利害は対立したままとなっている。しかし菅官房長官は2月上旬に大変な宿泊施設不足だったので、ラブホテルを普通のホテルに改装し、宿泊施設に活用するよう指示したと話した。ラブホテルの活用とは一体どのような政策なのか。

大阪の道頓堀の繁華街に近いラブホテル「みなとまちホテル」(大阪市浪速区)に訪日外国人が訪れていた。ここを運営するビッググループの金沢孝晃会長は国内で32店舗を展開している。近年、訪日外国人の増加で客数は若干増えているが、稼働率は半分だ。金沢会長は「ラブホテルというのは稼働は半分ぐらいしか平均でしません」という。ラブホテルは風営法で18歳未満は利用禁止されているので、家族では利用できない。このため訪日外国人客の誘致にも限界があるという。
《金沢会長》「アジアの客は家族連れが多い。だから28歳未満の方でも来られるようにした方がインバウンドの客をたくさん入れられる。」
奈良県香芝市。金沢さんが自己資金で改装したホテルでは常設フロントやベッドや内装を変え、風営法適用をはずれることで、18歳未満でも利用できるようにした。するとアジアから団体旅行客が殺到する人気ホテルに変身した。そこで、金沢さんは32の半数をビジネスホテルに業態転換しようと考えた。ラブホテルをビジネスホテルに転換するには、派手なネオンや外観を変更したり、大きなベッドを家族向けのツインベッドに変更したりと、1棟当たり数千万円が必要という。しかし金沢さんは金融機関が積極的に貸してくれないと話した。
《金沢会長》「(ラブホテルに)良い印象を金融機関は持っていない。積極的には貸してくれない。メガバンク、地方銀行は今までの過去を振り返るとほぼダメです。」
そこで、日本政策金融公庫と交渉。4月1日に政府はラブホテル改装費には積極融資を通達していた。実はこの通達は菅官房長官の指示だった。
《菅官房長官》
「(ラブホテルは)融資を民間の金融機関から受けるのが難しいので、政府系の金融機関の融資を呼び水にする。世界で最も観光客の多いフランスと匹敵するくらい、あるいはそれ以上に日本には魅力がある。2020年には訪日外国人数4000万人の目標を掲げていから、それに対応できるように宿泊施設もしっかり整備していきたい。」
業界団体などによると現在まで7社が日本政策金融公庫の改装費用の融資を申し込んでいて、総額はおよそ16億円に上っている。





■ニュース

国内初! 健康だと安くなる医療保険
きょう都内で「健康になるほど保険料が安くなる」という新しい保険が発表されました。その名も「健康年齢少額短期保険」。がんや脳卒中など、指定された5つの病気で入院したら、80万円の保険金が受け取れます。最大の特徴は「健康年齢」という独自の指標を使う点。健康状態を年齢で示すもので、これが「何歳か」で保険料が決まります。悪影響を及ぼした数値を改善すれば「健康年齢」は下げられます。提供企業は300万人分の健康診断や診察の情報、ビッグデータを蓄積。約100の健康保険組合からデータを取得しています。その規模は国内最大級だといいます。すでに世界では、健康改善に取り組むことで得になる保険が人気です。米国の医療保険ベンチャー・オスカー社は、ウエアラブル端末で計測した1日の歩数の結果によって、アマゾンの商品券に還元できる保険サービスを提供しています。

【健康になればなるほど安くなる!?医療保険】kh0.JPG
健康になればなるほど安くなるという今までにない医療保険が登場した。今日、発表されたのは健康年齢少額短期保険。がんや脳卒中など指定された5つの病気で入院したら、80万円の保険金が受け取れるという保険だ。最大の特徴は健康年齢という独自の指標を使う点である。健康年齢とは健康状態を年齢で示すもので、これが何歳かで保険料が決まる。その健康年齢を割り出すのに使うのが職場などで受ける健康診断の結果だ。健康年齢を算出するのは今回の保険会社のグループ会社、日本医療データセンター。そして算出に使うのが健康診断結果のうち、血圧や脂肪、肝機能などの12項目で、大江キャスターのデータを入力くしてみた。その結果は健康年齢が32.6歳、実際より4.4歳若く、もし実年齢通りなら保険料は月1433円だが、大江キャスターは1194円で239円安くなる。悪影響を及ぼした数値を改善すれば健康年齢は下げられ、この保険では健康年齢は毎年見直すため改善すれば保険料を安くできる。本当に12項目でいいのか。

《健康年齢の算出の仕組み》kh1.JPG
まず入力され12項目の数値からその人が①どんな病気にかかる可能性があるか、そして②医療費がいくらかかりそうか、を予測する。③その予測した金額を年齢ごとにかかることが多い医療費と照らし合わせ、金額の近い年齢を健康年齢として割り出すのだ。
《日本医療データセンター/上沢仁社長》
「生保や医療保険の大手からも大きな興味をいただいておりまして、きょうぎょうですとか、あるいは同じようなコンセプトの商品を作れないかという相談は多くいただいております。」
この会社にそんな分析できるのは300万人分の健康診断や診察の情報、ビッグデータを蓄積しているからだ。約100の健康保険組合からデータを取得していて、その規模は国内最大級という。
--この分野の成長性というのはどう見ていますか。
《上沢仁社長》「運動用品を買うだけで割引やキャッシュバックが付くといったように、さまざまな健康産業全体に影響を与えていくと思っております。これからますます多くの産業が絡んだ成長性の高い分野になっていくと思います。」

【“商品券”や“旅行”が特典に!?健康改善で得する保険】
健康になる事にインセンティブを働かせる保険は米国では既に人気となっている。今、急速に加入者を増やしている医療保険ベンチャー・オスカー社。この保険会社では健康になると得をする仕組みを去年導入した。保険加入者にウェアラブル端末を配布し、専用のスマホアプリと連動させて歩数を計測する。1日の歩数目標を達成する毎に1ドル、20ドル貯まるとアマゾンの商品券と交換できる仕組みだ。他にも健康改善に取り組む事でスポーツ用品や旅行などが安くなる得点が獲得でき、世界で600万人の加入者を集めた保険プログラムもある(ディスカバリー社バイタリティー)。健康なら得をする商品やサービスは今や世界の潮流で今後、様々な可能性が広がりそうだ。
《大江キャスター》
これだけはっきりと健康年齢が出てしまうと、実年齢よりも随分高いと保険に入れない人が増えるのではないか、と心配になったんですが、聞いてみるとその逆だという。今まで健康状態が悪くて通常の保険に入れなかった人が、その健康年齢に応じた保険料を払えば入ることができるようになる。門前払いされなくなる。そして1年後また健康年齢をチェックして改善していれば、保険料を下げることもできる。





広がるカフェインレス市場
いまカフェインを取り除いて体に負担なく飲めるコーヒー「デカフェ」が注目されています。きょうサントリーは今月28日に発売される新商品「デカフェブラック」の試飲会を開きました。デカフェとは、通常含まれているカフェインを90%以上取り除いた飲料のこと。サントリーは量を気にせず飲めることを強調し、新商品は500ミリリットルのペットボトルで販売します。すでに「デカフェ」で人気を集めているカフェもあります。カフェインを除去しても風味の落ちにくいコロンビア産の豆を自家焙煎し「イノセントコーヒー」の名で提供しています。店では客の10パーセントが頼む人気商品だといいます。数十年前からデカフェを販売しているのが「UCC上島珈琲」です。去年秋に、二酸化炭素抽出法という抽出法のリニューアルをしたところ、シェアが4割にまで拡大しました。技術革新で2020年までに現在の3倍まで売り上げが拡大すると見込んでいます。

【カフェイン90%カット!人気コーヒーの新潮流】
コーヒーを飲んで眠れなくなったり胃が痛くなったりするのはカフェインの影響だと言われているが、最近、カフェインレスで体に負担なく飲めるコーヒー「デカフェコーヒー」が注目されている。

今日、サントリーが開いた「ボス・デカフェブラック」新商品体験会。新商品の最大の特長はカフェインレスで、28日に発売される。デカフェとは通常含まれているカフェインを90%以上除去した飲料のこと。
《サントリー食品インターナショナル/川口洋之さん》
「従来のカフェインレスコーヒーは妊婦や女性の為の飲み物を思っている客もいる。そこにあえて男性的なボスブランド、男性的なイメージのあるブランドを使うことで、男性にも女性にも広くアピールできる商品に仕立てることができるのかなと思っている。」
サントリーはカフェインレスなので量を気にせず飲める事を強調し500mlのペットボトルで商品化、価格も129円と抑えている。デカフェは欧米ではコーヒー消費量の10%を超えている。
《川口さん》「(カフェインレスのニーズは)高まっている。ゴクゴク飲めるストレスフリーみたいなニーズが高まっていて、昼食後や夜寝る前に家に帰ってからカフェインレスという選び方もある。」

【カフェイン90%カット!“デカフェコーヒー”が人気に】
東京都内には既にデカフェコーヒーで人気のカフェがある。東京都墨田区にあるカフェシュクレ。価格は1杯594円。カフェインを除去しても風味の落ちにくいコロンビア産の豆を輸入し、自家焙煎して提供している。楡井有子オーナーは人気の高まりなどから去年、デカフェ専門の豆を「イノセントコーヒー」の名でブランド化した。店では欧米並みに客の10%がデカフェコーヒーを注文するという。
《楡井オーナー》
「以前は物足りない、美味しくないというイメージの人が多かったが、イノセントコーヒーを飲んでもらうと『デカフェとは分からない』という声を聞いている。年々美味しくなっていて、飲む人もどんどん増えている。」

今、急拡大中のデカフェコーヒー市場でレギュラーコーヒーのトップシェアを誇るのがUCC上島珈琲だ。実はUCCは数十年前からデカフェコーヒーを販売している。ところが去年の秋にあるリニューアルをしたところ、それまでデカフェ市場の1割程度だったシェアが4割にまで拡大した。cafe1.JPG
《UCC上島珈琲マーケティング部/梨本陽子ブランドディレクター》
「今までの方法だとカフェインの除去と共においしい成分も失われていたんですけれども、新しい製法ではカフェインを除去できて、コーヒーの美味しい成分や香りをそのまま残せるようになりました。」
それが二酸化炭素抽出法だ。生豆に二酸化炭素を吹きかけ圧力をかけることでカフェインが二酸化炭素と結合しカフェインだけが抜ける。これにより珈琲の醍醐味、旨味や香りはそのまま残せるという。今回の技術革新によって2020年までに現在の3倍まで売り上げが拡大すると見込んでいる。
《梨本陽子ブランドマネージャー》
「普段飲んでいる珈琲と味が変わらないというところを、カフェインの除去方法だけではなくて、焙煎方法とか、味の作り方においても弊社のノウハウがたくさんあるので、本格的な味わいが提供できるという自信がある。」





最新鋭!「スマート治療室」の実力sc.JPG
きょう、日本医療研究開発機構などが初めて発表したのは、IoTを活用した手術室、「スマート治療室」です。中では、最新の医療機器を使った模擬手術が行われていました。医師が使っていたのは、メスを持つ手の震えを軽減するサポートアームです。この手術室の最大の特徴が、この巨大なモニター。多くの医療機器の情報を一つにまとめて表示します。これまで医師が目にしていた情報は、手術前のMRI画像だけでしたが、このスマート治療室では、切除の際に触れている箇所の神経の活動具合なども見ることができ、危険にいち早く気づくことができます。腫瘍の悪性度合も表示されるので、切残しや切過ぎのリスクも減るといいます。室内にMRIを併設、手術後に、体内の腫瘍が取りきれたかどうかを、すぐに確認でき、取り残しがあれば、再手術をその場で行えます。脳外科手術を想定し、3年後の本格稼働を目指します。
《東京女子医科大学先端生命医療科学研究所/村垣善浩教授》
「手術室の機器がネットワークで繋がってこれ自体が一つの医療機器になっている。日本の素晴らしい医療機器を世界に販売し健康福祉に貢献できればなと思います。」



上海ディズニーランドが開園
中国本土で初となる上海ディズニーランドがきょう、開園しました。あいにくの雨にもかかわらず大勢の中国人客が訪れ開園と同時にアトラクションへと一目散に向かう姿が見られました。開園式典では、アメリカのオバマ大統領と、中国の習近平国家主席の祝辞が読み上げられ、友好ムードが演出されました。上海ディズニーランドは米中合弁で、55億ドル、日本円で5,700億円以上を投じた巨額プロジェクトです。景気減速に直面する中国は、新たな成長の柱としてサービス産業の拡大を掲げています。外資誘致にも力を入れていて、上海ディズニーランドは、サービス産業の対外開放拡大の象徴となりそうです。



東電 第3者委 報告書“メルトダウン”使わぬよう指示
東京電力の福島第一原発事故で、原子炉内で核燃料が溶け落ちるメルトダウン=炉心溶融の公表が遅れた問題で、第三者検証委員会がきょう報告書をまとめました。報告書では当時の清水社長が総理官邸からの指示として記者会見で炉心溶融という言葉を使わないように伝えていたことを明らかにしました。また、炉心溶融としなかったことは地元自治体などに対しては不十分とは言えるが意図的でなく隠ぺいにあたらないと結論付けています。



【野球】日米通算最多・イチロー4257安打
イチローが偉業を成し遂げた。第5打席、ツーベースヒットを放ち日米通算4257安打となり、ピートローズの持つメジャー最多安打4256本を上回った。
《イチロー》
「このこと(4257安打)をゴールに設定したことは全くなかったし、チームメートやファンの反応が一番うれしいことなので・・・。」



西友がネットスーパー専用フロア
西友は、通常の店舗とネットスーパー専用フロアを一体化させた「ハイブリッド型店舗」をあすから本格的に展開します。1階には生鮮食品なども扱う通常の売り場、2階にはネットでよく注文される商品の在庫をまとめておくことで迅速に配送できるようになります。受注能力はこれまでの3~4倍となり、急増するネットスーパー利用者の需要に応えたいということです。



中国情報収集艦 接続水域航行china.JPG
きょう午後3時すぎ、中国海軍の情報収集艦1隻が沖縄県の北大東島付近で、領土から44キロメートル以内を示す「接続水域」に入ったと、先ほど防衛省が発表しました。この情報収集艦はきのう口永良部島の領海に侵入した船と同じで、近くで共同訓練を行っていた自衛隊、アメリカ軍、インド軍の艦船を追う形で接続水域に入りました。情報収集艦は現在も自衛隊などの艦船の追尾を続けているということです。中谷防衛大臣は「行動をエスカレートさせている最近の中国軍の活動全般に対し懸念を申し入れた」とコメントし、国際法上の違反行為ではありませんが、緊張を高める行為だとして、政府は外交ルートで中国に懸念を伝えました。



北海道で震度6弱
きょう、午後、北海道の南部を中心に最大震度6弱を観測する強い地震がありました。地震が発生したのは午後2時21分ごろです。震源地は内浦湾で震源の深さはおよそ11キロ、地震の規模はマグニチュード5.3と推定されています。この地震による津波はありませんでした。函館市内の病院によりますと、函館市川汲町の老人ホームで、地震のため落ちた物が頭に当たり、80代の女性が軽い切り傷を負ったということです。気象庁は、「当面の間、同程度の地震が発生する恐れがある」として警戒を呼びかけています。また、函館市はあすにかけて雨の予報で、土砂災害や浸水への注意も必要です。




■【トレたま】着るバッグ

バッグの荷物を全部収納できるコート、タブレットは内側に、外側には飲み物、デジカメやパスポートもポケットに入る。ポケットは2重にならず着ぶくれを最小限に防ぎ、傘の3~4倍水をはじく素材で出来ている。そごう西武ではアパレルのPBを展開し、製造コストを4割近く低減した。
《そごう西武/鶴沢良二さん》
「ベストには22ポケット、コートに8ポケット。全部で30ポケットが搭載されている。女性はスマホを両手で持つのでかばんが邪魔だ。スマホを使うことでファッションも変わり、30~40代のOLで手ぶらで出勤したい人やアクティブな行動をする人にはぴったり。」

【商品名】着るバッグ
【商品の特徴】バッグの中身をすべて入れられるコート
【企業名】そごう・西武
【住所】東京都千代田区二番町5番地25
【価格】3万8,000円(予定)
【発売日】7月下旬【トレたまキャスター】北村まあさ





2016.6.16 Newsモーニングサテライト

2016年06月16日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

7月利上げヒント見当たらずNY株続落
注目のFOMC=連邦公開市場委員会で、7月利上げのヒントは見当たらず、株価は、もみ合ったあと引けにかけてマイナスです。声明文で何らかのヒントを期待していた株式市場は、少し肩すかしを食らった印象です。会見でイエレン議長は、7月の利上げも不可能でないと述べるにとどまり、時期に関して明確な言及は避けました。株価終値、揃って5日続落です。ダウが34ドル安、1万7,640ドル。ナスダックが8ポイント下落、4,834。S&P500が3ポイントマイナスの2,071でした。金利は、声明文公表後、下げ幅を拡大。2017年、18年の利上げ見通しが引き下げられ、中期的に、より緩やかな利上げペースになることが示唆されました。現在の金利水準です。10年債利回りは1.575%に低下です。為替は、ドル安円高が進みました。一時105円40銭台と2014年10月以来の水準まで円が買われました。年内の利上げは一回とみるメンバーが大幅に増加しました。0指標.jpg







【世界の株価】
15日の終値



















【NY証券取引所中継】FOMCを分析
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏

--さてFOMCの決定、声明文をどう見ましたか。
FOMCが市場に全面降伏したような内容だったと私は思っております。5月にFRBの高官が6月利上げという話を連発しておりましたけれども、これを市場はまともに受け止めていなかった。その後結局5月の雇用統計が市場予想を大幅に下回りまして、結局今回のFOMCではこういう市場の認識にさや寄せされる形の決定だったと思います。またドット・チャートですけれども、長期的なフェデラル・ファンド金利の見通しがこれまでずっとコンスタントに引き下げられてきていますけれども、今回もその例外ではなくて、市場の認識に近づく形で引き下げられてきている。

--会見で何か気づいた点はありましたか。
やはり海外情勢に対する配慮をFOMCのきょうの議論の中でも、来週行われる国民投票は議論に上がったという言及がありましたし、それから世界経済の脆弱さが残っているという発言もありました。こうした世界経済も考えあわせると、利上げのハードルはかなり高いと考えざるをえないと思います。




【NY証券取引所中継】今後の利上げ見通し

解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏
--引けにかけてマイナスに落ち込んでしまいましたね。ny2.JPG
FOMCの決定後、小動きだったんですけれども最後の約30分でマイナスに転じまして引けております。

--今日のドット・チャートでは年内2回の利上げを見ているようなんですが、堀古さんはどう見ていますか。
私は年内1回というのも怪しくなってきたと思います。去年の今頃、(今日ですね)、去年は実際12月に利上げされましたけれども、その半年前の状況はどうだったかと言うと、ご覧いただいているように(フリップ1)、だいたい12月の利上げの格る津が80%ぐらい織り込まれていて、当時は2ヶ月連続で非農業部門の雇用者数が20万人を超えていましたし、年末にかけて増加が加速しましたので、12月の利上げというのは妥当だったと思います。ny2-2.JPG

--対して今はどんな状況なんでしょうか
いま市場の予想する利上げ確率というのは12月でさえ40%しかない。それで雇用のほうは非農業部門の雇用増加数は発表ベースでは3カ月連続で20万人を下回っていますので、今後年末にかけてかなり雇用が回復しないと、もう利上げというのは厳しいという状況だと思います。

--これは市場への影響はどう見たらいいのでしょうか。
これは経済実態に対してどうかという相対的な問題だと思いますけれども、そういう点では実質金利を見るべきだと思うんです。実質金利の推移をご覧いただきたい(フリップ2)。この半年かなり緩和的というか、低下してきております。ny2-3.JPGこれはもう去年の同じ時期よりも低い状態です。この状態ですとドルに対してはドル安になるでしょうし、株式のような資産価格にとっては追い風になって上昇する材料になると思います。逆にもしFOMCの方針が経済状況が良くないのに上げようという方針だと実質金利が上がってしまうんですけれども、今日のFOMCの決定を見てもわかるように、市場はそういうことはFOMCは今はしないという信頼がありますので、そういう点でこういう実質金利になっているのだと思います。




【為替見通し】注目ポイントは「日銀金融政策決定会合」
解説はみずほ証券の鈴木健吾氏

--FOMCへの為替相場の反応はいかがだったでしょうか。
金融政策の現状維持や成長率予想の引き下げを受け、ドル円は 105円台前半までドル売りとなる場面がありましたが、声明での景気判断の上方修正やイエレン FRB議長が 7月利上げも不可能ではないとしたことなどから反発に転じ、現状 106円挟みの水準を回復する動きとなっています。kw1.JPG

--今日の予想レンジが、105.40円 - 106.40円です。
本日も日銀金融政策決定会合などのイベントがありますが、基本的には 106円挟みでももみ合いの継続を想定しています。

--注目ポイントは「日銀金融政策決定会合」です。
結果としてドル円は 106円近辺、日経平均株価も 16000円近辺といづれも安値圏ながら大崩れといった状況は回避していることや来週に英国の EU離脱をめぐる国民投票といったリスクイベントを控えていることなどから、今回日銀は金融政策の変更を見送るとみています。ただ、ドル円は円高ドル安トレンドが鮮明となっており、投機筋を中心に昨日抜けきれなかった心理的節目 105円ちょうどを攻めたいとの同意がくすぶっている状況です。声明や黒田総裁の発言がタカ派的なものとなり、追加緩和期待が後退すれば一気に円高を攻める流れになる可能性には注意が必要な状況です。0為替.JPG















【日本株見通し】注目ポイントは「追加緩和の有無」
解説は大和証券の木野内栄治氏

--今日の予想レンジは、15800~16500です。nk1.JPG
ニューヨーク為替市場で5月安値を一時割り込むような円高でしたので、本日の日本株は警戒感が残る始まりだと思います。その後は日銀次第の1日となるでしょう。
--注目ポイントは「追加緩和の有無」、日銀決定会合で追加緩和があるや無しや、さてどう見立てていますか。
私は追加緩和があると見ています。黒田日銀総裁は先月1ドル105円の為替相場に対しまして、今のような円高は経済に悪い影響があると指摘されました。現在も当時と変わらない水準で経済にとって悪い状況なわけですから、様子見との選択肢はあり得ないと思います。ここで緩和が実施されれば株式や為替レートは大きく値を戻し、日経平均は5週線あるいは13週移動平均線が集中しています16000円台半ばまでは簡単に戻ると思います。

--ただ追加緩和が無かった場合はどう見ますか。nk2.JPG
逆にここで手を打ちませんと、日経平均は4月安値の15500円どころまでは少なくとも下落すると思います。英国の国民投票に向けて緩和カードを温存しておきたいというつもりでも、本日丁寧な説明をしませんと他の中央銀行に比べてタカ派に見えてしまい、為替レートで円独歩高も懸念されます。その場合は日経平均も年初来安値15000円割れをトライするリスクが出てきてしまいます。いずれにしましても市場とのコミュニケーションを上手くやっていただきたいと期待しています。





■【コメンテーター】三菱東京UFJ銀行/鈴木敏之氏

・FOMC、鈴木氏はどう見る?come1-1.JPG
--それではFEDウォッチャーの鈴木さんに聞いていきましょう。年2回の利上げの見方は変えていないんだけれども、中を見ると違う姿が見えてくるということなんですか。
はい、かなりハトですね。(フリップ1:FOMC今回のポイント 表示)
①雇用の減速を強調
②7月利上げの布石打たず
③利上げに消極化
まず、先ほどニュースの冒頭にもありましたが、雇用の減速が声明の最初に出てきましpro1.JPG
た。この文のところで、「失業率は下がったけれども雇用は鈍った」というふうに言っているので、これは「失業率が下がったから良い」、という発想を消してしまったんですね。それから前回まではずいぶん利上げに積極的な人たちがいたんですけれども、今回の声明で7月に利上げしますということが見当たる文言はなかった。
--それでりあげに消極化ということになるんですが、こちら(フリップ2:FFレート見通し 表示)。2016年の金利見通しは年2回として変わっていないんだけれども、中を見るとこちらのドットチャート(フリップ3:FF金利見通しドットチャート)では、3月には一人しか「1回しか利上げしないでいいですよ」と言っていた、たぶんブレナード理事ですけれども、これが今回は6人に増えました(最下段)。これは2つ問題がありまして、利上げしましょうと言っていた人たちがずいぶん消極化したんだろうということもありますし、本来だったらそんなにタカ派じゃない人たちが「利上げ!利上げ!」と言っていたわけですけど変わったというセンチメントがありますね。そしてもう一つはこの6人の中にひょっとして執行部の人達が入っているのでないcome1-3.JPG
か、ということになると「2回やるけれどもそれは条件が良かった時で、もう一回しかやりませんよというシグナルがここに入ってしまった」という感じですね。








・日刊モーサテジャーナル/舛添知事の辞職決定、東京五輪に逆風
--海外で「セコイ」という言葉が開設されるのも、残念な話ですね。
それよりも cheep というのを普段の会話で使いづらくなりますね。ただこの一連の話ではオリンピックというのはもうちょっと前向きに高揚するものとしてプロモートしていかないといけないというふうに感じます。私は50年前のを知っていますので、その時の高揚感みたいなのが無いのが非常に残念ですね。



・今日の経済視点 「ニホニウム」
新しい元素を作るというのが人類の夢だった錬金術に通ずるということは言われているんだと思います。錬金術の話と言えば、我々が思い出すのはこの2つの本なんです。

①The ALCHEMISTS(NEIL IRWIN)come3.JPG
1つは危機の時にそれまでなかった錬金術を駆使して人類を恐慌から救ったという華々しい成果がありました。

②MERVYN KING THE END OF ALCHEMY
ところがその後、セロ金利やマイナス金利というのは必ずしもいい面ばかりではないのではないか、そろそろやめた方がいいのではないか、ということが今、問題になってきている。これがKINGさんが提言をされているところであります。

日本の人はもうちょっと考えて、新しい錬金術で今の経済の問題を打破して、出来れば兵がも除去できるいう自信を持つような仕組みを考えられないか。これが今の日本の錬金術の夢だと思いますね。金融政策で是非それをやってほしいと思いますね。今回は特にイギリスの国民投票がありますので、動かない方がいいのではないかと思います。





■特集 FOMCを読み解くpro1.JPG
今回も利上げを見送ったFRB、今後の利上げのタイミングをどう読むのか?声明文、議長会見から読み解きます。解説は三菱東京UFJ銀行、鈴木敏之氏。

--先ほどはとてもハト派だったというお話でした。それがわかるのがこちらですね(フリップ1:FFレートの見通し)。
(長期の部分の数字が)毎回下がっている。今年は何回利上げがあるんですか、と皆さん聞かれるんですが、実際にFED(FRB)がやってきたことはこれを通じて長期金利を引き下げる緩和なんですね。その辺が今回もかなり強く出てきたという感じです。
--緩和が強く出てきたと・・・。やはりただ市場が気にするのは次の利上げがどうなのか、その今後の予想をする前に、最近の二転三転する利上げへの道のりというものを確認していきたいと思います。

《森田キャスター解説》(フリップ2:利上げへの道のり)pro2.JPG
3月のFOMCで利上げ見通しが年4回から2回に引き下げられました。そして4月のFOMCでも利上げは見送られ、6月の利上げ確率は一時4%まで低下します。しかし4月分の議事要旨な中で大半の委員が6月会合での利上げが適切になる可能性が高いと判断していたことが分かり、利上げ確率は12%から32%に上昇します。そして5月27日にイエレン議長が「今後数ヶ月のうちに利上げは適切」との発言。今月利上げの可能性も残っていました。ですが5月の雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想をはるかに下回る結果になり、利上げ確率は4%に低下します。さらに6日のイエレン議長の発言を受けて、6月の利上げ確率というのは0%にまで下がっていました。

--これを見ますとイエレン議長の言葉、コメントもずいぶん利上げ回数への確率に影響する感じがしますね。
そうですね。そもそも中央銀行の総裁が言い方を変えた時というのが市場が一番大きく反応するというところがありますので、今までの経験通りのことが起きているということは間違いない。ただここでいうと5月27日なんですけど、言わなくてもいいのにわざわざイエレン議長が(グレッグ・マンキュー教授との対話だったと思うんですが)利上げをするということを言って、相当皆さんに強く織り込ませようとしたわけです。それだけ雇用統計というのはショッキングだったので、今回もまた次の雇用統計が強いとまた利上げするのかなという話が出てくる可能性というのは見ておかないといけないですね。
pro3.JPG
--そうですね。まさにイエレン議長のコメントを見れば、「次の雇用統計を見たい。内容が良ければどの会合でも利上げは可能だ」というふうに言っています。ただ市場の織り込み具合というのは、先ほどのニューヨークの堀古さんは12月でも40%(と言っていた)。次の7月はどうでしょうか。織り込みは昨日までは15.7%でした。
たぶん4~5%に下がっていると思いますけれども、ほとんど7月というのが無いです。もし7月にやるのであれば、今日の声明に次回にやるのが適当だという表現を入れるとか、それから会見でもそういった表現を入れるべきなんですけれども、入らなかったので、7月の利上げは事実上消えてしまったというのが今の段階だと思います。
--ではそのスケジュールを見ていきたいと思います。こちら(フリップ3)。やはりイエレン議長もイギリスの国民投票は気にしていますと・・・。
今日の記者会見の最初の質問がこの話が出てきたので、やはり重大なイベントということだと思うんです。多分これは日本の新聞やメディアの方が伝える内容よりももっと世界経済や世界の枠組みそのものに重要な問題だと意識されているんだろうと思います。次に雇用統計があって、これも3万8000人という数字が実態ではなくて、他の強めの指標と合った雇用者数の増加が見えてくるか、というところを見極めて、その2つがうまく行ったらまた利上げを考えだしますというような今の状態だと思います。
--今回は、いつも鈴木さんが指摘されます「gradual(徐々に)」という言葉がありました。ということは連続して利上げをするということは作法としては無いと・・・
そうなんです。ここは言い方なんですけれども、もしこれを入れているのであれば、一番多い時でも年4回でしたから、FOMCは年8回ありますから2回に1回ということになりますので、もう半年しか残っていないので、2回続けてやれないとなると本当に限られたタイミングしかないわけです。せいぜい7月と、大統領選挙直前はやらないとすると12月しか残っていないです。でも今回ので7月はよほど雇用統計が強くない限りできないとなると、1回あるかないかということになる。pro4.JPG
--ただ、こちら(フリップ4)はFOMCの経済見通しです。2016年は今回3月に比べて、GDPは若干下方修正をしましたけれども、GDPナウという最近の速報値のようなものを見ると強い。
そうです。今回下げたのは第1四半期が弱かったということで、今は上がっていないんですけど、経済成長については大丈夫だろうという見方はおそらく変わっていないんだと思う。悩ましいのはこういった数字がそんなに外れていないのに、最後の長期のところを下げて事実上の緩和をやっている。これはいったい何なんだろうというのが、外から見てよくわからなくなっているところです。
--景気は堅調で目標通りに来ているのに、利上げはできないのかということになりますと、さてそういう状況になった時にイエレン議長はどういう行動をとるのでしょうか。(再びフリップ3)。
特にここに書いて頂いているんですが、8月26日ジャクソンホールというところであるシンポジウムなんですが、早々とイエレン議長が講演の日程を入れました。このタイミングというところでおそらくこれまでやってきた「徐々に利上げをしていきます」というのが、仮にできなくなった場合(国民投票で荒れたり、雇用統計がそれほど強くなかった場合)に、その先の金融政策の進め方についてある程度の戦略全体の修正を入れる必要がある。それを説明するには、この8月26日というタイミングは非常にぴったり合うタイミングでありますので、ここに大きな節目が来るかなという感じですね。









■今日の予定

日銀金融政策決定会合 結果発表
ユーロ圏財務相会合
米5月消費者物価指数
米1-3月経常収支



■ニューズ

米利上げ「年内2回」を維持
アメリカのFOMC=連邦公開市場委員会は15日、4会合連続で利上げを見送った上で年内の利上げ見通しについては2回を維持しました。FOMCは声明文で「経済活動は上向いたようだ」として前回の「減速している」から景気見通しを上向きに修正しました。ただ労働市場については改善ペースが減速したとして前回よりも表現を下向きに修正しました。注目されていた7月に利上げを示唆する新たな表現は盛り込まれませんでした。しかしイエレン議長は今回の利上げ見送りの要因に来週実施されるEU離脱を問うイギリスの国民投票があったとした上で利上げの時期については次のように指摘しました。「次の雇用統計を見たい。もし内容が良ければどの会合でも利上げは可能だ。7月も不可能ではない」合わせて公表されたFOMC参加者による今後の政策金利の見通し「ドットチャート」では年末の金利見通しの中央値が0.875%で参加者が年内2回の利上げを想定しているとの見方が維持されました。ただ年1回と予想する参加者は3月時点の1人から6人に増えました。
一方、アメリカのエコノミストは、今回、政策金利見通しが下方修正されるなど、FRBは利上げにより慎重になったと指摘します。
《バークレイズ・キャピタル/マイケル・ゲイペン氏》
「今回2つの驚きがあった。6人も『年内利上げは1度』と見ていること。1度利上げした後、2018年まで利上げしないという参加者がいたことだ。かなり慎重な内容だった。利上げに前向きだが将来の回数は減った。」
一方、ゲイペン氏は、イエレン議長が会見で言及した7月利上げについて、「極めて難しい」との見方を示し、次の利上げは早くても9月と予想します。
「(7月利上げは)とてもハードルが高い。6月の雇用者数が20万人以上で、5月も2.5万人~5万人の上方修正が必要な上、イギリスのEU残留が決まり、リスク不安から立ち直る必要がある。7月利上げは議論はされても実現しないだろう。なので年内の利上げは9月の1度だと思う。」



米鉱工業生産 ↓0.4
アメリカの5月の鉱工業生産指数は前の月に比べ0.4ポイント低下の103.6で、市場予想を下回りました。また、4月分も0.1ポイント下方修正されました。部門別でみると、製造業が0.4ポイントの低下で、特に「自動車関連」の落ち込みが目立ちました。また、鉱工業生産とあわせて発表された5月の設備稼働率は、0.4ポイントのマイナスでした。
《米5月 米鉱工業生産(前月比) ↓0.4》
 ・ 製造業 -0.4
 ・ 自動車・自動車部品 -4.2



米生産者物価 2ヵ月連続プラス
アメリカの5月の生産者物価指数は、前の月に比べ0.4%上昇し、市場予想を上回りました。2ヵ月連続のプラスです。項目別でみると、原油価格の回復基調を背景にエネルギー価格が上昇したほか、食品価格もプラスに転じました。一方、変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は0.3%の上昇でした。
《米5月 米生産者物価(前月比)》
 ・ エネルギー +2.8%
 ・ 食品 +0.3%
 ・ コア(食品・エネルギー除く) +0.3%



舛添氏が引責辞職
東京都の舛添知事はきのう、政治資金などを巡る一連の問題の責任を取り、都議会議長に辞職願を提出。都議会の本会議で了承されました。舛添知事はきのう午前、職員を通じて都議会議長に辞職願を提出しました。これを受けて都議会は全会一致で可決する見通しだった舛添知事の不信任決議案の提出を取り下げました。本会議では、舛添知事の辞職が承認され、今月21日付けでの辞職が決まりました。一方、共産党などが全容解明を求めて出した百条委員会の設置は自民党や公明党、民進党などの反対で否決されました。辞職の理由について舛添知事は。「これ以上、都政の停滞を長引かせることは、私にとっても耐え難いこと。従って、私が身を引くことが一番だと考えるに至り、都知事の職を辞す決意をした」都議会はこのあと、20日に予定されていた知事の疑惑に関する集中審議を取りやめることを決めました。また、舛添知事は今後退任会見を行わない方針で、一連の疑惑の真相解明は行われないままの幕引きとなりそうです。



プリウスPHV 日本初公開
トヨタ自動車は家庭で充電できるプラグインハイブリッド車、「プリウスPHV」の新型モデルを日本で初公開しました。電池の容量が現行モデルのおよそ2倍になったことで、EV=電気自動車モードで走行できる距離がおよそ60kmになったほか、最高速度も、時速135kmに向上しました。新型モデルは、秋頃の発売を予定しています。



上海ディズニーランドを公開
中国本土で初となるディズニーランドがきょう、上海にオープンします。園内は中国風の衣装をまとったディズニーのキャラクターや、中国風の装飾、食事も7割が中華料理と、いたるところに中国風の演出が取り入れられています。ウォルト・ディズニー・カンパニーのロバート・アイガーCEOは「中国は、非常に大きな可能性がある」と期待を示しました。



領海侵入「航行の自由」主張
鹿児島県口永良部島周辺で中国海軍の情報収集艦が日本の領海に侵入したことについて、中国の外務省は会見で、「国際法上航行できる権利があり、事前に通達する必要はない」と反発しました。沖縄周辺の海域では日本とアメリカ、インドが共同訓練を行っていて、中国の艦船はインド軍の艦船を追う形で領海に侵入したことからインド艦の情報を収集していたと見られます。





■【ネタのたね】“暗闇”ボクシングフィットネス
銀座に6月16日にオープンする新しいスタイルのボクシングフィットネス。最大の特徴は“暗闇の中”でやることです。大音量の音楽にのって、ボクシングの動きを中心とした1レッスン45分のプログラムを行います。暗闇なので人目が気にならず集中力が高まり、女性にとっては、激しい運動で歪んだ顔を見られないで済むのもポイントです。





■日経朝特急

①舛添知事 辞職決定 「心残りの念尽きぬ」 与野党、後任選び急ぐ
後任を決める都知事選は7月14日告示、31日投開票か、7月21日告示、8月7日投開票になる見通し。



②離脱なら歳出削減・増税
イギリスのEU離脱の国民投票に向けて、両陣営の論争が一段と過熱している。オズボーン財務相は離脱が国民生活に及ぼす「痛み」を強調し、残留を訴えたことに対し、離脱派の議員らは「とんでもない脅しだ」と猛反発した。オズボーン氏は15日、離脱による財政への悪影響を補うために、増税や歳出削減の必要性を訴え、300億ポンド(約4兆5000億円)の緊急予算を組む必要が出てくると訴えた。これに対し、離脱派議員は「オズボーンの緊急予算案はばかげている」とする声明を共同で発表した。またジョンソン前ロンドン市長らが率いる離脱派は、離脱を決めた場合のその後の工程表や主な法案を発表した。2020年5月の次の総選挙までにEUとの貿易協定の再交渉にメドをつけ、EUからの移民の削減などに関する法制度を整えると主張している。



③株オプション・建玉急増
日経平均オプション市場で株価の急変動に備える動きが強まってきた。日銀金融政策決定会合や英国の国民投票などの重要イベントが控えていることなどを背景に、先安感があると買われる傾向がある売る権利、プットの建玉が増え、とくに1万4000円のプットの建玉は10日に比べ2倍に増えた。同時に、先高感が強いと需要が縮まる傾向がある買う権利、コールも1万8000円の建玉が膨らんでいる。





■日刊モーサテジャーナル

①舛添知事の辞職決定「東京五輪に逆風」
東京都の舛添知事の辞職決定について、欧米の新聞各紙は電子版で速報している。ワシントンポストは「2020年東京五輪にまた逆風。新国立競技場、ロゴ問題に続くマイナス要因になる。」と見ている。記事は「舛添知事は五輪開催費用を抑えるために既存の競技場の利用を促進したほか、英語とフランス語が話せるのは利点と考えられていたのに」と紹介。一方ニューヨークタイムズは不適切な政治資金の使い方について「ほかの例に比べて巨額ではないのに、ここまで日本人を怒らせたのは知事のせこさだった」と指摘。セコイをわざわざローマ字( sekoi )で紹介し、英語で cheep や petty という意味だと解説している。



②上海ディズニー開園へ・ご機嫌取りは成功する?(ニューヨークタイムズ)
上海ディズニーランドがオープンする。ケーブルテレビの収益が落ち込むなか、ディズニーの命運を左右する。カギを握るのは中国政府へのご機嫌取りが成功するかどうかだという。開園にこぎつけるため、入場料やアトラクションの決定について、中国政府が関与できるよう譲歩したという。その結果、ディズニーランドのシンボル的なアトラクションであるスペースマウンテンやイッツアスモールワールドなどは米国文化の侵略と受け止められる配慮からなのか、上海には無い。一方、アトラクションの8割が中国文化との融合をテーマにした他国にないものだ。権利関係に厳しいディズニーにとって考えられない動き、と指摘。専門家は、ビジネスを成功させるために中国政府に譲歩することをチャイナトレードオフと呼んでいて、記事は「ディズニーにとって地雷を踏みに行くようなものかもしれない」と見ている。



③アリババ・マーCEO「ニセ物のほうが良質」
中国・アリババグループのサイトでニセ物が流通しているとの批判が出ていることに対し、ジャックマーCEOは「ニセ物は本物より品質がよくて安い」と反論し、高級ブランドから反感を買うだろうと伝えている。記事によるとマーCEOは「ニセ物の多くはブランド商品と同じ工場で同じ素材を使って作られていて、違うのはそのブランド名を使っていないことだけだ」と話した。ルヴィトンなどからはコメントを得られていないものの、あるイタリアの高級ブランド創業者は匿名で「マーCEOの発言には強い衝撃を受けている」と話したそうだ。