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2016.6.7 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年06月07日 23時59分59秒 | WBS
■マーケット

「6月利上げ見送り」を示唆 円高は一服
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は日本時間7日午前1時半からフィラデルフィアで講演を行いました。イエレン議長は「雇用統計の結果を受け、景気の見通しに新たな疑問が生じた」と述べたあと、景気の動向を示す非農業部門の雇用者数が低調だったことについては「失望した」と懸念を示しました。市場では来週14・15日に開かれるFOMC=連邦公開市場委員会での利上げは見送られるだろうとの見方が強まっています。ただイエレン議長が「景気全体については非常に前向きな状態にある。徐々に利上げすることが望ましい」と改めて強調したことにより、東京外国為替市場では一時1ドル=107円87銭まで円安ドル高が進みました。SBIリクイディティ・マーケットの藤田行生氏は「(イエレン議長が)利上げが遠のく、利上げをしないと言ったわけではないので市場は落ち着きを取り戻している」と話しました。






■【コメンテーター】ロバート・A・フェルドマン氏(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト)

・農家を支える食品機械/中小事業者の機械化・大企業に勝つ競争力に
--最近は6次産業と言って、農家は生産だけではなく加工もやって販売もやらなくてはいけない。いくら人手があっても足りなくて大変な状況です。
「人手不足の問題。今の展示機械の話は、これまでと同じ事もあるし違う事もある。同じ事は食品産業はどうしても労働集約的で人をいっぱい使う。労働不足になってくると当然、機械化する。一方、違うのは小型の機械が使いやすくなっているということだ。機械化は普通は大企業が行うが、小型化になっているという事は中小企業、個人でも十分競争力を持つことができる。そうすると農業改革が技術革新を起こしてもっと良いビジネスが出来るようになってくる。従って中小企業や個人は元気を出せばチャンスがある。」
--消費者のほうも大量生産でないものも食べたいというニーズが間違いなくある。
「新鮮な農作物ができるということだから、美味しそうですね。」



・景気指標2か月連続上昇・日本経済は大丈夫?
--4月の景気動向指数をどう評価していますか。
「上昇であり下落よりはいい。中身も悪くない。最終需要財の在庫も減っているとか、投資財出荷が増えているとか、いいことだが、一方で2カ月連続プラスでも、今月は2ポイント上がったが、先月は0.2ポイントしか上がっておらず、トレンドが変わったという兆しはまだないので、やはり足踏みという判断が正しいと思う。
--本当はもっと何がつよくなってくれると、トレンドが変わったなという雰囲気になるのか。
やはり投資財です。長期的に日本経済を回復させるのは生産性が必要で、投資財がグンと増えていかないと生産性があがらないから、それが一番大きいと思う。」



・「クールジャパン」も民間主導で
--外国では「クールジャパン」とい言葉は浸透してきているんですか。
「あまりない。グーグル検索でも日本のサイトしか出てこない。でも概念としては正しい。日本にも素晴らしいものがたくさんあるので、いっぱいみんなが使いたい。但しこれは民間が広げるべきだ。政府の仕事ではない。良いものを作って自信を持って売りましょう、ということがポイントなので、民間がやるべき。テレビもちょっと民放が頑張ってほしい。」




■ニュース

農家を支える食品機械
東京ビッグサイトで国内外から686社が出展するアジア最大級の食品工業展「FOOMAJAPAN2016」が始まりました。中でも注目が集まっていたのは、価格が安く中小型の食品機械です。今、農家が自分で育てた作物を使って加工食品を作ることが増えているからです。木原製作所は業務用の食品乾燥機メーカーですが、価格が10万円ほどの卓上型の食品乾燥機を開発しました。農家が低コストでドライフルーツなどを作ることができ、加工食品作りに参入するきっかけになっていると言います。兼八産業は、柿農家が干し柿をつくるための自動皮むき機や、乾燥機を製造しています。実は干し柿で最も難しいのが乾燥工程で、水分がうまく取り除けないとカビが発生しやすくなります。熟練の農家が行っていた乾燥工程の一部を自動化することで、農業未経験者でも参入しやすくなっていると言います。
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最新の食品機械を一堂に集めた展示会がきょう開催されました。相内キャスターの取材です。日々進化を続けている食品機械ですが、こうした機械を求めているのは食品を加工する工場だけではない。最近では農家が栽培した作物を自ら加工して販売することも増えてきていて、そうした農家の食品づくりをサポートする小型の食品機械が充実してきている。食に関する技術展には国内外から700店が会社が集まっている。

【アジア最大級・食品機械展・ロボットから3Dチョコまで】
今日から始まったアジア最大級の食の技術展「FOOMA JAPAN2016(国際食品工業展)」。会場ではカボチャカッターや業界初というジャガイモの目を取り除く機械、さらには職人技を再現するロボットまで様々な機械が集まった。またチョコオーナメント製造システム(3Dオーナメント造形システム)は、いわばチョコレート版3Dプリンターで、約5分で立体的なチョコレートのカボチャが出来上がる。これを作ったのは武蔵エンジニアリングで、半導体などの電子基板に正確な量の接着剤を塗布する機械を作っているメーカーである。さらに食品の中の異物を取る機械もあり、小麦粉に混ざった50ミクロン程度の異物でも取り除く事が出来る。
《服部製作所・服部勝洋専務》
「人手をかけて目視検査をしているので、人手を減らして省力化するために、異物除去機械の需要は増えている。」

【アジア最大級・食品機械展“低価格”“中小型”で農家支援】
「FOOMA JAPAN2016(国際食品工業展)」で特に注目が集まっていたのは価格が安く中小型の食品機械である。これは今、農家が自分で育てた作物を使って加工食品を作る事が増えているからだ。ドライフルーツなどを作る事が出来る食品乾燥機メーカー・木原製作所で見つけたのは卓上型の食品乾燥機だ。業務用の機械が80万円以上するのに対し、卓上型は10万円程だ。
《木原製作所/木原利昌専務》
「自治体が農家に紹介したいというところで、価格が安いというところもあり、少量で作業ができるので、試作づくりに使われることが多い。」
さらに農業未経験の人でも参入しやすい機械も登場している。兼八産業の自動皮むき機(91万8000円)は、人を雇う手間と時間を考えると数年で元が取れるという。また干し柿乾燥機(約208万円)もある。ここ数年、地球温暖化で異常気象が続き、昨年の冬は乾燥工程でカビが大量発生したという。そこでこの機械では乾燥工程の一部を自動化した。温度や湿度、風の強さを自動調節し水分を効率よく取り除く事が出来るという。価格は200万円程するが、熟練の農家が行っていた難しい工程を機械化する事で農業への新規参入にも役立てるという。兼八産業・合野充泰営業部長は「若い人が起業してこの乾燥機を導入するケースが増えている」と話した。

会場はかなり熱気を帯びていた。若い世代が増えてきているという話もあったが、農家の親世代が子供へ食品機械を買い与えているというのも結構多くなってきている。




米クリントン氏 指名確実に
大統領選挙に向けた民主党の候補者指名争いで、アメリカのメディアはクリントン前国務長官が指名獲得を確実にしたと伝えました。しかし、両氏の支持率は2ポイント差まで縮まっていて、11月の本選挙は予想以上の接戦になるとも伝えています。既存政治への不満からトランプ氏を新しい指導者として期待する一方で、クリントン氏を「新味のない政治家」と見る傾向が強くなっているほか、トランプ氏に有利に働いているもう一つの理由は、経済格差の拡大です。去年、中間所得層の割合が半分まで減少したアメリカでは、「まずは我々の生活を守ることが最優先だ」という思いからトランプ氏の内向きな主張が一定の支持を集めている。そんな中、中南米出身のヒスパニックが「打倒トランプ」に向けて投票するために市民権を得ようと動きだしています。本選挙でトランプ氏が勝てば排他的な道へ、クリントン氏が勝っても国民同士の融和と難しい課題に直面しそうです。

民主党の候補者指名争いで、アメリカのメディアは6日、クリントン前国務長官が指名獲得を確実にしたと一斉に報じた。先ほどから予備選挙の投票が始まった。
《カリフォルニア州から内田広大記者の報告》
クリントン氏は指名獲得を確実にしたものの、まだ勝利宣言はしていない。全米最大の人口を誇るカリフォルニア州の予備選が残っているからだ。こちらでは先ほどから多くの市民が投票に来ている。クリントン氏はここで確実に勝利を収めてトランプ氏との決戦に備えたい考えだ。ただクリントン氏とトランプ氏の支持率の差はわずか2ポイントに縮まっていて、アメリカのメディアは11月の本選挙は予想以上の接戦になると伝えている。tramp.JPG
--確かにトランプ氏の勢いが増しているようだが、大きな理由はどういったところか。
一つはアメリカ国内に充満している既存の政治への不満だ。過激な発言を繰り返すトランプ氏を新しい指導者として期待する一方で、クリントン氏を「新味のない既存の政治家とみる傾向」が強くなっている。これは同じ民主党のサンダース氏の支持者からも厳しい見方が出ていた。トランプ氏に有利に働いているもう一つの理由が経済格差の拡大だ。アメリカでは去年中間所得層の割合がついに半分にまで減少した。まず我々の生活を守ることが最優先だと言った人々の想いから、トランプ氏の内向きの主張が一定の支持を集めている。そんな中、中南米出身のヒスパニックが妥当トランプに向けて、新しい動きを始めている。

【「打倒トランプ」で結集】
全米最大のヒスパニック人口を抱えるカリフォルニア州、先月反トランプの大規模デモが起きた。参加者のほとんどはスペイン語を話す中南米の出身者ヒスパニック。メキシコの旗を掲げながら「トランプを止めろ」と叫んでいた。共和党のトランプ氏は「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込むレイプ犯だ」と人種差別的に発言を今も続ける。ヒスパニックたちの怒りが全米各地で異例の事態を引き起こしている。ニューヨークのマンハッタンで先月、多くのメキシコ、ドミニカ、エクアドルなどの出身者ヒスパニックによる長蛇の列ができていた。これはアメリカの市民権取得をサポートする市民団体のイベントで、複雑な書類の書き方の指導から写真撮影まで無料で行う。何故いま市民権を取得するのか、聞いてみると「価値のないトランプが大統領にならないように投票するためだ。選挙が無ければ、申請をもう1年先延ばししていたよ。」「トランプなんてありえない。特にメキシコ人にとって最悪な人よ。」という答え。大統領選で反トランプ票を投じるためだ。日本の国籍に当たる市民権の申請には、原則5年間の永グリーンカード(永住権)保持が条件だ。メキシコ出身のベロニカ・ロペスさんはグリーンカードを取得して8年、市民権がないと選挙で投票できないため、市民権の申請に踏み切った。
《ベロニカ・ロペスさん》
「私だけでなくここにいるすべての人が醜いトランプでなく、クリントン候補に投票することを願っている。」tramp2.JPG
アメリカにいるヒスパニックの多くは工事現場やレストランの出前など肉体労働で経済を支えている。一方。市民権取得の資格があるのに取得していない人は全米で880万人、うち約44%以上はヒスパニック、手続きが英語で手数料が680ドルかかるので申請する人が少ない。こうした状況を変えようと全米最大のヒスパニック向けテレビ局univisionが投票を呼び掛けるキャンペーンを開始した。実際、1-3月の市民権申請数は前期比34%急増、まさにトランプ効果だ。米国に来て22年ロペス一家、息子のアランも3月に市民権を申請した。「大統領は人を脅してはいけない、国を1つにまとめて前進させるべき。市民権を取ったらトランプではなく、いい大統領に投票してそれを実現させる。」とアランは語る。打倒トランプで動き出したヒスパニック。果たして11月の本選の行方は?。
11月の本選挙でトランプ氏が勝ては米国は「排他的で孤立主義的な道へ」と大きく舵を切ることになる。一方クリントン氏が勝ったとしても「国民同士を融和させるという難しい課題へ直面」する。そういう意味ではアメリカという国の行き詰まりが透けて見える大統領選挙と言えそうだ。





東京都議会 舛添知事 与野党から激しい追及
東京都の舛添知事は、都議会の代表質問で自らの政治資金を巡る一連の問題について、与野党から厳しい追及を受けました。一方、舛添知事は「改めて、都民・都議会としっかり向き合ってまいりたい」と述べ続投する考えを強調しました。都議会各会派はあすの一般質問でも知事を厳しく追及する方針です。



韓国日産社長を刑事告発
韓国環境省は、日産のディーゼル車に排ガス不正があるとして、韓国日産の菊池毅彦社長を刑事告発しました。同時に不正があるとされるSUV「キャッシュカイ」を販売停止にするとともに、すでに販売したおよそ800台をリコールするよう命じました。日産は「不正はない」と主張していますが、韓国環境省は、「日産に恣意的な操作があった」と指摘しています。



原宿 新駅舎建設へ
JR東日本は山手線・原宿駅の南側に新たな駅舎を建設することを決めました。現在の駅舎は、1924年に建設された大正モダン建築が特徴ですが、外国人観光客の増加などにより手狭になっていました。JR東日本は、現在ある駅舎を保存するかなどを検討し、来月までに計画を発表するとしています。



米中対話“南シナ海”で物別れ
中国・北京市で開かれていた米中戦略・経済対話で、最大の焦点となっていた南シナ海の問題について、アメリカは「法にのっとり解決すべきだ」と主張したのに対し、中国は「南シナ海の島々は古くから中国の領土」だと譲らず、議論は物別れのまま終了しました。この問題をめぐり近くフィリピンが提訴した仲裁裁判の結果が出る見通しですが、中国側は裁判には従わないと表明していて、こう着状態が続く見通しです。



景気指数 2ヵ月連続改善
内閣府が発表した4月の景気動向指数によりますと、景気の現状を示す一致指数は前の月に比べ2.0ポイント上昇し、2ヵ月連続で改善しました。企業の国内での生産活動が持ち直しているほか、消費関連の指標もすべてプラスに寄与しました。一致指数の基調判断は「足踏みを示している」に据え置きました。また、数ヵ月先の景気を示す先行指数は1.4ポイント上昇しました。



アサヒ飲料 乳酸菌入り「おいしい水」発売へ
「アサヒ飲料」は、ミネラルウォーター「おいしい水」ブランドの新商品として「カルピス」の乳酸菌が入ったフレーバーウォーターを来月発売すると発表しました。ミネラルウォーター市場は、味がほんのりとついたフレーバーウォーターのジャンルがこの4年ほどで、およそ2倍に伸びています。アサヒ飲料は、乳酸菌が持つ、健康的なイメージを武器に今回の新商品でさらなる売り上げの拡大を目指します。




三越伊勢丹HD マレーシアに「クールジャパン」店舗
三越伊勢丹ホールディングスは、マレーシアのクアラルンプールで「クールジャパン」をテーマにした店舗を10月末にオープンすると発表しました。三越伊勢丹は官民ファンドのクールジャパン機構と共同でマレーシアの店舗の全面改装を進めてきました。品揃えのおよそ9割を日本製や日本人デザイナーの手掛ける商品にして、日本ならではの優れたモノやサービスを紹介します。漆塗りの食器など地方の工芸品のほか、若手デザイナーによる最先端のファッション製品を充実させ、マレーシアをはじめASEAN諸国の富裕層や、中東からくる観光客に売り込みます。オープンから一年間で35億円の売り上げを目指します。
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■日経MJ 2016年上半期ヒット商品番付
明るいニュースが少ない上、消費もどこか曇り空な今年の上期。そんな中、ヒット商品番付の横綱に輝いたのは「安値ミクス」と「マイナスス金利特需」でした。脱デフレへと向かっているはずのアベノミクスですが、今年に入り、消費は低調。「格安」や「値下げ」といったキーワードのものが好調でした。また、マイナス金利の影響で、少しでも得をしたい、損をしたくない、そういった消費者の思いが表れたランキングとなりました。そんな中でも、ヒットした商品やサービスには自分だけの特別な体験につながる傾向が強く表れているものもありました。







■【トレたま】スマホが落ちないポケット

スマホが落ちないポケットには入り口に秘密があり、ポケットの入り口の折り返し部分がねじれているため入れる時には入れやすく、取り出すときには引っかかり落ちにくい仕組み。大阪のテーラーが10年前に開発したポケットの特許を初めて製品化した作業服メーカー「アグロワークス」の安黒千能社長は「簡単にものが入れられ取り出すことができる機能を見た時これだと思った」と語った。スマホ以外を入れても落ちない。「夏場に着る服は入れるところがないのが一番の悩み。収納が確実にできる服として売りたい」と安黒社長は言う。

【商品名】「アンチドロップポケット」シャツ
【商品の特徴】スマホを入れても落ちないポケット付きシャツ
【企業名】アグロワークス
【住所】兵庫県神戸市長田区南駒栄町1-7
【価格】1,999円~
【発売日】今後全国販売を目指す
【トレたまキャスター】北村まあさ





2016.6.7 Newsモーニングサテライト

2016年06月07日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NY株 そろって反発
FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は、「アメリカ経済は依然として回復基調にある」としたものの早期の利上げにはコメントしませんでした。金曜日の雇用統計を受け、早期利上げに慎重なコメントを期待していた市場は、上げ幅縮小で反応したものの、その後、持ち直し。「ここ数ヵ月のうちに」といったタイミングの言及がなかった事は安心感だったようです、複数の連銀総裁のコメントは、利上げに積極的、慎重と見方が別れたものの結局は、今後もデータ次第で緩やかに利上げするとのスタンスに変化はなく、為替もドル高円安の動きです。株価の終値、揃って反発です。ダウが113ドル高、1万7,920ドル。ナスダックが26ポイントの上昇、4,968。S&P500が10ポイントプラス、2,109でした。0指標.jpg



【世界の株価】
6日の終値























【NY証券取引所中継】FRB議長発言を分析
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏

--週明け、結局しっかりした動きでしたね。
上昇して始まりまして、イエレン議長の講演のあと少し弱含む場面もありましたけれども、引けにかけては回復しましてダウは最高値まであと2%ちょっとのところまで来ています。
--週初めにして最大の注目、イエレン議長の発言をどう見ますか。
一言でいえばイエレン議長はアメリカ経済に楽観的で、今後時間をかけて利上げをしていくことは妥当だと考えているということです。ただ海外情勢を含め様々なリスクがあるので、いま決まった道筋を決めることは妥当ではないということです。
--特に注目すべきポイントはありましたか。
特に今回まず今月の利上げはないのは間違いないということが確認されたと思います。第一に、先日ハーバード大学で質疑応答があって、「今後数カ月のうちに利上げ」というコメントがありましたけれども、今回の講演では時期に関する言及が消えていました。これはおそらく5月の雇用統計に落胆したという講演の内容もありましたので、おそらく雇用統計を見て時期に関する言及を消したんだと思います。第2にリスク要因の一つとして、イギリスの国民投票を挙げていました。今回のFOMCはイギリスの国民投票の前ですので、これはやはり6月のFOMCで利上げするというのはないと思います。




【NY証券取引所中継】雇用から見る利上げ時期
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏

--改めて金曜日の雇用統計が思わぬ波乱要因になりましたね。
FOMCの4月の議事録で数名のメンバーが「市場は早期の利上げを織り込んでないというところに憂慮している」というコメントがありましたので、ここ数週間は強い数字が出た時に早期利上げも有るよというのを市場に織り込ませるような動きの発言が続いたんだと思いますが、ただマーケットはこれを強気を受け止めて、当然織り込んできていましたので、雇用統計でカウンターパンチを食らったような感じになっていると思います。
--ただこの雇用統計は単なるブレという見方もありますけど・・・ny2.JPG
今回はその言い訳もできなくて、チャートを見ると、非農業部門雇用者数増加数(3カ月平均)が約4年ぶりの低水準に来ております。ちなみに去年の12月に利上げした時には、この平均が28万を超えてました。FRBの使命は物価の安定のほかに、雇用の最大化というのがありまして、やはり雇用の最大化をまた重視しないといけない状況になってきていると思います。
--3ヶ月平均のグラフを元に考えますと、利上げはいつごろになると思いますか。
やはりこの平均が20万にならないといけないと思うんですけれども、5月はほぼセロだったことからすると、6,7,8月と20万づつをコンスタントに超えてくると、これはかなり高いハードルだと思いますし、それが実現すれば9月もありうるかもしれませんが、フェデラル・ファンド金利先物の水準を見ても、せいぜい年1回という感じですので、それがせいぜいじゃないかと思います。
《米利上げ予想確率》
50%超えるのは12月 → 利上げ実施は年1回か




【為替見通し】注目は「ポンドのボラティリティ」kw1.JPG
解説はSMBC信託銀行プレスティアの尾河眞樹氏
--イエレン議長の発言もありましたが、これまでの相場はいかがでしょうか。
イエレン議長は「一回のデータを重視しすぎるべきではなく、雇用は改善傾向にある。」と述べていまして、雇用統計のショックを和らげるようにだいぶ配慮していたと思います。これを好感してドル円は堅調に推移しています。
--今日の予想レンジは、107.00~108.00です。この後のドル円相場ですが、雇用時計のショックから少し持ち直している様にも感じられるんですがいかがですか。
はい、非農業部門雇用者数はしばしば大きなブレが生じますので、今後上方修正される可能性もあって、今回市場の利上げの折込が11月のFOMCまで5割を切るほどに利上げ観測が急激に後退したのはやや過剰反応だったと見ています。また利上げの先送りは株式相kw2.JPG場にはプラスですから、これがドル円相場を支えると思います。ただ23日にイギリスの国民投票が控える中で、今月はまだ円高リスクが払拭されずにドル円の上値は限定的になりそうです。
--そして注目は「ポンドのボラティリティ」です。これはもちろんイギリスの国民投票に関するデータということですね。
ポンドドルの1カ月物のボラティリティですが、足下21.5%とリーマンショック後、久々の高水準に急騰しています。一方、一週間物は12%と低水準にとどまっていまして、この差は明らかに国民投票を意識していまして、ポンドの一カ月物のプットオプションつまり一ヶ月先にポンドを売却する権利が買われているということを示しています。今後不確実性がさらに高まって、ポンドのボラティリティが一段と上昇すれば、リスク回避の流れから円高が進みやすくなって、一時的とはいえドル円も再び年初来安値の105円台半ばを試すリスクもありますので注意が必要です。0為替.JPG















【日本株見通し】注目は「クリントン・キャッシュ」nk1.JPG
解説は楽天証券経済研究所の香川睦氏

--今日の予想レンジは、16500~16900です。
今朝はアメリカ株、原油相場、ドル円がともにしっかりでした。昨日は一時大幅に下落しましたけれども、東京市場は本日反発基調を予想しています。日経平均は昨日、75日移動平均線である16600円を若干割り込みましたけれども、本日これを上回れば逆に下値支持線として意識されそうです。目先的には為替をにらみつつ16000円台後半で値を固める動きとなりそうです。
--そしてアメリカ大統領選も注目ですね。
大統領選挙動向は市場に潜在的影響が大きいとされていますけれども、従来はトランプ氏が大統領候補になっても1月の本選ではクリントン氏が勝利するとの見方が有力でした。ただ選挙結果の予測を公nk2.JPG表しているプレディクション・マーケッツ(Prediction Markets)によれば、最近この見方が大きく揺らいでいるのが分かります。
--そうした中、注目は「クリントン・キャッシュ」です。
5月中旬のカンヌ国際映画祭で話題となったドキュメンタリー映画のタイトルで、クリントン夫妻の慈善団体であるクリントン財団が外国の政府や企業から多額の寄付を受け、見返りに政治的便宜図ったとの疑惑を暴こうとするドキュメンタリーです。民主党大会が開催される前日の7月24に全米公開される予定で、クリントン陣営には頭の痛い問題です。筋金入りの保護貿易主義者とされるトランプ氏が本格的に優勢となれば、内外市場のリスク要因となりかねず、注意したいと思っています。










■【コメンテーター】SMBC日興証券/森田長太郎氏

・米FRBイエレン議長、早期利上げに慎重姿勢
--目先利上げされると嫌なんですね。こうして先延ばしされると好感される。
昨日の日本市場なんか典型だと思う。意外に株が下がらなかったのは、利上げが無いということで安心したんだと思う。逆に利上げはそれなりにいろんなものを引き起こすリスクはまだあるとマーケットは見ている。
--世界の安定のためにはいいんだろうということですが、ただ本当にアメリカの景気の先々どうなんだろうというところ、楽観的に見ていいのか、債券の動きはどうですか。
金曜日の動きを見ても、米国の金利は結構長めの金利も下がった。だから6月か7月かという議論だけではなくて、来年位までの景気もどうなんだろうか、という若干そういう疑念があることは確かです。



・日経超特急/国債格付け見通し下げ(R&I)
--R&Iは厳しい方向なんですが、海外の格付けはそうでもないですね。
一部の会社は当面引き下げないという方向をはっきり出していますね。ここは日本と海外は若干違うと思います。海外からは、欧米を中心に日本は少し財政を拡張した方がいいのではないかという世論や意見がかなりあるので、海外の格付け会社には若干そういうバイアスがあるのかもしれない。



・日刊モーサテジャーナル/熱い投資先・米国地方債
--アメリカの自治領であるプエルトリコが債務不履行に陥ったわけですが、こういった増え続ける地方債への投資で、懸念材料にはならないのでしょうか。
「プエルトリコはちょっと特殊なケースで、それぞれ個別の信用問題はある。ただ(米国地方債の)市場自体は非常に堅調だ。」
--そういうところのリスクが見えづらくなっているのもリスクですね。
そうですね。そもそも発端は金融緩和なので、米国債の金利自体もたぶん適正水準よりはだいぶ低い。そもそもJGBの金利も適正水準をはるかに下回っている。ゆがみが世界に広がっているという状況ではある。」
--となるとアメリカの利上げが本当に強く見えてきたときには、金利上昇というリスクが見えてい来る。
そいいう意味ではマーケットの織り込みが適正かどうかもそこで判断される。



・今日の経済視点 「出口の難しさ」
いまアメリカが金融政策の正常化という出口に苦しんでいると思う。なかなか難しい、それを考えるとわが日本はまだ緩和をやるかもしれないという段階ですから、ここから先数年後の出口は大変だと思う。
--本来なら短期でやって、2年2%で軌道に乗せたかったはず。
修正しなかったので、先伸ばしのどんどんな手いるところが今非常に苦しくなっているところです。マイナス金利も本当は長く続けたくないものだが、いまや数年間続くだろうといい期待になりつつある。




■プロの眼】日銀の取り得る政策とはpro1.JPG
昨年から日銀の重視してきた「基調的なCPI」が足元で転換点を迎え、ドル円がこの先横ばいで推移したとしても来年前半にかけて「基調的なCPI」は大きく鈍化していくと予想される。こうして少なくとも来年前半まで日銀には金融緩和の圧力が加わり続けるが、この先日銀の取り得る選択肢は限られてきており、限られた選択肢のいずれを選択するのかが、緩和のタイミング以上に重要になってくるといいます。
解説はSMBC日興証券の森田長太郎氏。

--アメリカの6月利上げの見通しが遠のく中で、日銀への期待が若干出てきたんでしょうか。
為替が一時110円だったものがちょっと円高に振れましたので、昨日のマーケットでは若干6月もというような見方も出てきている。
--それは10年債の動きを見ればわかるわけですね。若干、6月初めにに下がっている。前回の決定会合は4月の下旬で、ここも直前に金利が下がって(会合を)迎えた。では実際にどういったことが取りえるんだろうか、ということで上げて頂きました。
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まず第一に①3次元(マイナス金利、長期国債買い入れ、ETF買い入れ)を小幅に増やすんじゃないか。というか小幅にしかできない。マイナス金利はあまり評判が良くないですし、長期国債の買入れは限界が近いと言われているので、少し小粒になるという感じです。そうなるとどうしても『インパクトが乏しい』。

--いま株式市場で注目されているのは②リスク資産へ傾斜していくのではないか。ETF買入れ倍増ということですね。
こちらの方は限界はすぐには見えてこないので、インパクトは出しやすい。ただ問題は中央銀行が株式を大量に保有するということは、中央銀行そのものに対するリスク、『バランスシート懸念』が出てきてしまう。

--そして③日銀保有国債を永久国債へ。こんな話まで今出てきているようですね。
金融緩和の強化がそろそろ難しくなってきていることの裏腹でもあるんですが、そうであればこれだけ膨大に膨らませた中央銀行のバランスシートを固定化してしまう。拡大したままにするということを宣言する。
--これは要するに借金をチャラにしてしまうという考え方ですよね。
これは国の債務を日銀がたくさん保有していることになるので、それをもう返さないという話です。
--それは美味しい話ではありますけれども、それが果たして実現可能かというところですが・・・。
なかなか難しいと思います。国としてはもちろんそれはいいんですが、日本銀行自体も国の機関ですし、しかも300兆円のマネーが供給されているものが、永遠に供給され続けるということになるので、インフレなどのコントロールが将来だんだん難しくなるリスクがある。『コントロール不能に』

--こうしてみるとどれも一長一短というかインパクトに欠けるというか、今後の動きとしてはどう見ていますか。
可能性としては①→②→③だと思う。順番で行くが、ただいずれも一長一短ありということなんで、どれで100%とは言い難い状況だと思います。4月よりは(緩和をやる)確率は高いと思います。物価の状況が4月よりももう少し厳しくなっている。




■今日の予定

4月景気動向指数
5月外貨準備高
オーストラリア中銀理事会
インド中銀金融政策決定会合
米大統領選カリフォルニア州など



■ニュース

FRB議長 早期利上げに慎重姿勢
予想外に弱かった雇用指標をどう判断するのでしょうか。FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は6日講演し、早期の利上げに慎重な姿勢をにじませました。イエレン議長は先週発表された5月の雇用統計の結果は一時的なものか確認する必要があると強調しました。今回の講演で、イエレン議長は雇用や景気の先行きについて楽観的な見方を示しましたが、利上げを急ぐコメントはありませんでした。また、これまでの発言にあった「今後数ヵ月での利上げは妥当」など次の利上げの時期を示唆する文言は使いませんでした。これを受け、市場では、今月の利上げは無いとの見方が強まりました。




ボストン連銀総裁「緩やかな利上げ可能」
ボストン連銀のローゼングレン総裁は6日、「緩やかな利上げは可能だ」との見解を示しました。ローゼングレン総裁は、フィンランドのヘルシンキで行った講演の中で、「最近のアメリカの経済指標はむらがある」と述べた上で、「4月から6月期については雇用の指標に弱さがみられるものの、緩やかな利上げを正当化するために十分な成長は確保できる」と強調しました。



米労働市場情勢指数 低水準
アメリカの雇用情勢に新たな不安材料です。FRBが公表した5月の労働市場情勢指数は景気後退に陥っていた2009年5月以来の低水準に悪化しました。5月は改善を予想していた市場予想に反し、マイナス4.8となり7ヵ月連続で低下しました。また、4月分も大幅に下方修正されました。



ペルー大統領選 大接戦
5日に行われたペルー大統領選挙の決選投票は、大接戦となっています。ペルー選挙管理委員会の発表によりますと、開票率92.6%時点で、クチンスキ元首相が得票率50.3%で、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏の49.7%をわずかにリードしています。



世界初 他人のiPS移植へ
理化学研究所と京都大学などは、世界で初めて、他人のiPS細胞を使って目の難病の治療を目指す臨床研究を始めると発表しました。この臨床研究では、他人に移植しても拒絶反応を起こしにくい特殊な型のiPS細胞を京大が提供し、理研が網膜の細胞に育てたうえで、大阪大学などのチームが患者に移植します。移植手術は来年前半にも実施する予定です。京大はこうした特殊な型の細胞を備蓄していて、患者自身の細胞を使う場合に比べ、治療の期間を大幅に短くできたり、費用を安くできたりする可能性があります。



不正の4車種が5月販売“ゼロ”
日本自動車販売協会連合会などがまとめた5月の車名別国内新車販売台数は、三菱自動車が燃費データを改ざんした軽自動車「ekワゴン」「ekスペース」と日産自動車が三菱自動車から供給を受けていた「デイズ」「デイズルークス」4車種の販売がいずれもゼロでした。三菱自動車が4月20日に、燃費データの不正を公表し、生産・販売を中止していたためです。また、首位はトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」でした。



米中“南シナ海”で平行線
北京できのうから始まった米中戦略・経済対話でアメリカのケリー国務長官は南シナ海の問題について、「法と外交、協議を通じて解決されるべきだ」として中国を激しくけん制しました。これに対し、中国のヨウ・ケツチ国務委員は、アメリカの介入を念頭に「当事国間での協議により、友好的に解決する問題」だと強調し、議論は平行線となりました。



不適切な使用“あった”
東京都の舛添知事は自身の政治資金などに関して弁護士2人に依頼していた調査の結果を発表しました。調査では違法な支出は認められなかったものの宿泊費や飲食代の一部などを政治資金から支出したことは不適切と判断されました。きのう夕方、弁護士が同席して行われた会見で、舛添知事は改めて謝罪しました。調査した弁護士は舛添知事がインターネットで購入した多くの美術品について不適切な支出だったと指摘しました。また、舛添知事が家族と泊まった千葉県木更津市のホテルなど6件の宿泊費や、自宅や別荘近くの飲食店での14件の支出は不適切だったと判断しました。舛添知事はこれらの支出に関しては返金する考えを明らかにしました。都議会ではきょう代表質問が行われる予定で、各会派が舛添知事を厳しく追及する方針です。




米企業番付 ウォルマートが首位
経済誌のフォーチュンは6日、毎年恒例となっているアメリカ企業の上位500社を発表し小売り世界最大手ウォルマート・ストアーズが4年連続でトップでした。500社のランキングは去年1年間の売上高が基準です。およそ4,820億ドル、日本円で50兆円以上を売り上げたウォルマートが1位で2位は石油大手エクソンモービル、前の年5位のアップルが3位に浮上しました。またアマゾン・ドットコムやフェイスブックなども急上昇しました。500社の売上高はあわせて12兆ドルとアメリカの国内総生産のおよそ3分の2に相当します。





■【リーダーの栞】相模屋食料 鳥越淳司氏
豆腐メーカー最大手の相模屋食料を率いる、鳥越淳司社長が紹介するのは、松田修一氏の「会社の読み方入門」。会社の仕組みや、経営の基礎知識を大手企業の成功例・失敗例などをまじえながら、分かりやすく解説しています。鳥越社長は、この本と出会ったことで、いずれ経営者になることを決意したといいます。




■ビジネス書最新ランキング
紀伊國屋書店調べ(5月30日~6月5日)のビジネス書最新ランキングを発表。

1位 「嫌われる勇気」 岸見一郎と古賀史健
2位 「外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣」 竹下雄真
3位 「自分を操る超集中力」 DaiGo
4位 「幸せになる勇気」 岸見一郎と古賀史健
5位 「結局すぐやる人がすべてを手に入れる」 藤由達蔵





■【ネタのたね】イオン イオンタウンユーカリが丘 
イオンは、今週金曜日に千葉県佐倉市にオープンする「イオンタウンユーカリが丘」の内覧会を開いた。近隣には30代から40代のファミリー層が多く、イオンタウン最大級の延床面積の建物に148の専門店が集まる。中でも力を入れたのは、ベビー・キッズ向け商品の売り場。イオンの調査によると、このエリアでは子どもの数が5年前と比べ3割ほど増加しているとのこと。そうした子育て世代を狙って衣服売り場の隣に、医薬品や衛生用品を扱う店舗を配置したり、休憩室に個室2部屋と共有スペースを設けるなど、これまでにない試みを行い、差別化を図った。イオンタウンユーカリが丘では初年度に300万人の来客者を見込んでいる。





■日経超特急

①JFE、全製鉄所を一体運営 需給変動に即応 
JFEスチールは4製鉄所を含む国内全生産拠点の基幹システムを統合する。2022年度までに約700億円を投じる。拠点ごとに異なるシステムを一体運営する。世界の鉄鋼市場の先行きが不透明ななか、需給変動に対応する。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」を活用して生産コストを最大1割削減する。巨大な設備を抱える製造業に同じ動きが広がりそうだ。



②日本国債の格付け見通し引き下げ R&I、増税再延期受け
格付投資情報センター(R&I)は6日、日本国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げたと発表した。消費税率10%への引き上げが再び先送りされたことで「財政再建の先行き不透明感が高まった」と判断した。安倍晋三首相が1日に再延期を表明してから、格付け会社が格付け見通しを変更したのは初めて。 安倍政権の成長戦略について「十分な成果を得ていない」と指摘。2020年度の財政健全化目標の「達成のハードルと不確実性をさらに引き上げた」とした。



③日本人の現金志向と将来不安 マイナス金利の効果そぐ 
日銀の資金循環統計によると、家計の金融資産に占める現金預金の割合は去年時点で日本が52%、ヨーロッパは34%と日本の現預金の突出ぶりが目立つ。日本人のこうした現金志向の強さに加え、内閣府が調査した将来に希望を持っている若者の割合は日本は6割台にとどまり、将来不安を感じやすい性向がある。こうした意識が緩和効果を抑える壁になっているとの見方が出ていて、仮にマイナス金利をいくら深堀りしても力強い効果を発揮できるか微妙だと記事は指摘している。




■日刊モーサテジャーナル

①問題発言続くトランプ氏
ワシントンポストは、メキシコ系アメリカ人などの判事について、人種を理由に判断の妥当性を認めないと相次いで発言し、共和党内で大統領選挙に悪影響が出るという懸念が広がっていると報じている。自身が運営していたトランプ大学に対する集団訴訟を担当するメキシコ系の判事について、トランプ氏はメキシコとの国境に壁を作るという公約に反発するあまり、公正な判断ができない状況になると主張。この判事を集団訴訟の担当から外すよう要求した。このほかトランプ氏は判事がイスラム教徒だった場合も、中立の立場を守れるか疑問だと発言した。共和党からはこれまでの暴言の中で最悪の発言の一つなどと批判が噴出。
ニューヨークタイムズは、大統領に選ばれた場合、司法の独立を脅かすのではないかという懸念を伝えている。



②米民間企業が月の探査に(ウォールストリートジャーナル)
これまで米国の民間の宇宙開発企業は地球観測衛星の軌道内でしか活動できなかったが、米国政府が初めてこのハードルを下げ、月の探査ミッションもできるようにする方針だと報じている。今回認可を受けると見られるのはアメリカの新興企業ムーンエクスプレスで、来月、月表面に探査用ロボットを設置する計画だ。民間企業の営利目的の宇宙開発事業の範囲が広がる可能性が高まることから、記事は歴史的な出来事だと伝えている。最近民間による宇宙船開発やロケットの打ち上げコストが急激に下がってきていて、政府もこれを利用する構えだが、一方で宇宙開発における国際的なルールづくりなどの課題が残ると記事は指摘している。




③熱い投資先・米国地方債(ウォールストリートジャーナル)
最近、熱い投資先として最近注目されているのが、米国の州や地方政府が発行する地方債だと伝えている。今年これまでに地方債ファンドに流入した資金は225億ドル(約2兆4000億円)でここ7年で最高額。背景には、世界経済の低迷や低金利が続く中、地方債は税収や公共サービスの収入に支えられているため、比較的に安定して高いリターンが見込めるという。世界的な低金利で外国人投資家からの投資も増加しているが、一方で資金が流入しすぎて地方債の価格が上昇し利回りが下がり、リターンがマイナスになるのは時間の問題という声もあるという。