■マーケット
「6月利上げ見送り」を示唆 円高は一服
アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長は日本時間7日午前1時半からフィラデルフィアで講演を行いました。イエレン議長は「雇用統計の結果を受け、景気の見通しに新たな疑問が生じた」と述べたあと、景気の動向を示す非農業部門の雇用者数が低調だったことについては「失望した」と懸念を示しました。市場では来週14・15日に開かれるFOMC=連邦公開市場委員会での利上げは見送られるだろうとの見方が強まっています。ただイエレン議長が「景気全体については非常に前向きな状態にある。徐々に利上げすることが望ましい」と改めて強調したことにより、東京外国為替市場では一時1ドル=107円87銭まで円安ドル高が進みました。SBIリクイディティ・マーケットの藤田行生氏は「(イエレン議長が)利上げが遠のく、利上げをしないと言ったわけではないので市場は落ち着きを取り戻している」と話しました。
■【コメンテーター】ロバート・A・フェルドマン氏(モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミスト)
・農家を支える食品機械/中小事業者の機械化・大企業に勝つ競争力に
--最近は6次産業と言って、農家は生産だけではなく加工もやって販売もやらなくてはいけない。いくら人手があっても足りなくて大変な状況です。
「人手不足の問題。今の展示機械の話は、これまでと同じ事もあるし違う事もある。同じ事は食品産業はどうしても労働集約的で人をいっぱい使う。労働不足になってくると当然、機械化する。一方、違うのは小型の機械が使いやすくなっているということだ。機械化は普通は大企業が行うが、小型化になっているという事は中小企業、個人でも十分競争力を持つことができる。そうすると農業改革が技術革新を起こしてもっと良いビジネスが出来るようになってくる。従って中小企業や個人は元気を出せばチャンスがある。」
--消費者のほうも大量生産でないものも食べたいというニーズが間違いなくある。
「新鮮な農作物ができるということだから、美味しそうですね。」
・景気指標2か月連続上昇・日本経済は大丈夫?
--4月の景気動向指数をどう評価していますか。
「上昇であり下落よりはいい。中身も悪くない。最終需要財の在庫も減っているとか、投資財出荷が増えているとか、いいことだが、一方で2カ月連続プラスでも、今月は2ポイント上がったが、先月は0.2ポイントしか上がっておらず、トレンドが変わったという兆しはまだないので、やはり足踏みという判断が正しいと思う。
--本当はもっと何がつよくなってくれると、トレンドが変わったなという雰囲気になるのか。
やはり投資財です。長期的に日本経済を回復させるのは生産性が必要で、投資財がグンと増えていかないと生産性があがらないから、それが一番大きいと思う。」
・「クールジャパン」も民間主導で
--外国では「クールジャパン」とい言葉は浸透してきているんですか。
「あまりない。グーグル検索でも日本のサイトしか出てこない。でも概念としては正しい。日本にも素晴らしいものがたくさんあるので、いっぱいみんなが使いたい。但しこれは民間が広げるべきだ。政府の仕事ではない。良いものを作って自信を持って売りましょう、ということがポイントなので、民間がやるべき。テレビもちょっと民放が頑張ってほしい。」
■ニュース
農家を支える食品機械
東京ビッグサイトで国内外から686社が出展するアジア最大級の食品工業展「FOOMAJAPAN2016」が始まりました。中でも注目が集まっていたのは、価格が安く中小型の食品機械です。今、農家が自分で育てた作物を使って加工食品を作ることが増えているからです。木原製作所は業務用の食品乾燥機メーカーですが、価格が10万円ほどの卓上型の食品乾燥機を開発しました。農家が低コストでドライフルーツなどを作ることができ、加工食品作りに参入するきっかけになっていると言います。兼八産業は、柿農家が干し柿をつくるための自動皮むき機や、乾燥機を製造しています。実は干し柿で最も難しいのが乾燥工程で、水分がうまく取り除けないとカビが発生しやすくなります。熟練の農家が行っていた乾燥工程の一部を自動化することで、農業未経験者でも参入しやすくなっていると言います。
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最新の食品機械を一堂に集めた展示会がきょう開催されました。相内キャスターの取材です。日々進化を続けている食品機械ですが、こうした機械を求めているのは食品を加工する工場だけではない。最近では農家が栽培した作物を自ら加工して販売することも増えてきていて、そうした農家の食品づくりをサポートする小型の食品機械が充実してきている。食に関する技術展には国内外から700店が会社が集まっている。
【アジア最大級・食品機械展・ロボットから3Dチョコまで】
今日から始まったアジア最大級の食の技術展「FOOMA JAPAN2016(国際食品工業展)」。会場ではカボチャカッターや業界初というジャガイモの目を取り除く機械、さらには職人技を再現するロボットまで様々な機械が集まった。またチョコオーナメント製造システム(3Dオーナメント造形システム)は、いわばチョコレート版3Dプリンターで、約5分で立体的なチョコレートのカボチャが出来上がる。これを作ったのは武蔵エンジニアリングで、半導体などの電子基板に正確な量の接着剤を塗布する機械を作っているメーカーである。さらに食品の中の異物を取る機械もあり、小麦粉に混ざった50ミクロン程度の異物でも取り除く事が出来る。
《服部製作所・服部勝洋専務》
「人手をかけて目視検査をしているので、人手を減らして省力化するために、異物除去機械の需要は増えている。」
【アジア最大級・食品機械展“低価格”“中小型”で農家支援】
「FOOMA JAPAN2016(国際食品工業展)」で特に注目が集まっていたのは価格が安く中小型の食品機械である。これは今、農家が自分で育てた作物を使って加工食品を作る事が増えているからだ。ドライフルーツなどを作る事が出来る食品乾燥機メーカー・木原製作所で見つけたのは卓上型の食品乾燥機だ。業務用の機械が80万円以上するのに対し、卓上型は10万円程だ。
《木原製作所/木原利昌専務》
「自治体が農家に紹介したいというところで、価格が安いというところもあり、少量で作業ができるので、試作づくりに使われることが多い。」
さらに農業未経験の人でも参入しやすい機械も登場している。兼八産業の自動皮むき機(91万8000円)は、人を雇う手間と時間を考えると数年で元が取れるという。また干し柿乾燥機(約208万円)もある。ここ数年、地球温暖化で異常気象が続き、昨年の冬は乾燥工程でカビが大量発生したという。そこでこの機械では乾燥工程の一部を自動化した。温度や湿度、風の強さを自動調節し水分を効率よく取り除く事が出来るという。価格は200万円程するが、熟練の農家が行っていた難しい工程を機械化する事で農業への新規参入にも役立てるという。兼八産業・合野充泰営業部長は「若い人が起業してこの乾燥機を導入するケースが増えている」と話した。
会場はかなり熱気を帯びていた。若い世代が増えてきているという話もあったが、農家の親世代が子供へ食品機械を買い与えているというのも結構多くなってきている。
米クリントン氏 指名確実に
大統領選挙に向けた民主党の候補者指名争いで、アメリカのメディアはクリントン前国務長官が指名獲得を確実にしたと伝えました。しかし、両氏の支持率は2ポイント差まで縮まっていて、11月の本選挙は予想以上の接戦になるとも伝えています。既存政治への不満からトランプ氏を新しい指導者として期待する一方で、クリントン氏を「新味のない政治家」と見る傾向が強くなっているほか、トランプ氏に有利に働いているもう一つの理由は、経済格差の拡大です。去年、中間所得層の割合が半分まで減少したアメリカでは、「まずは我々の生活を守ることが最優先だ」という思いからトランプ氏の内向きな主張が一定の支持を集めている。そんな中、中南米出身のヒスパニックが「打倒トランプ」に向けて投票するために市民権を得ようと動きだしています。本選挙でトランプ氏が勝てば排他的な道へ、クリントン氏が勝っても国民同士の融和と難しい課題に直面しそうです。
民主党の候補者指名争いで、アメリカのメディアは6日、クリントン前国務長官が指名獲得を確実にしたと一斉に報じた。先ほどから予備選挙の投票が始まった。
《カリフォルニア州から内田広大記者の報告》
クリントン氏は指名獲得を確実にしたものの、まだ勝利宣言はしていない。全米最大の人口を誇るカリフォルニア州の予備選が残っているからだ。こちらでは先ほどから多くの市民が投票に来ている。クリントン氏はここで確実に勝利を収めてトランプ氏との決戦に備えたい考えだ。ただクリントン氏とトランプ氏の支持率の差はわずか2ポイントに縮まっていて、アメリカのメディアは11月の本選挙は予想以上の接戦になると伝えている。
--確かにトランプ氏の勢いが増しているようだが、大きな理由はどういったところか。
一つはアメリカ国内に充満している既存の政治への不満だ。過激な発言を繰り返すトランプ氏を新しい指導者として期待する一方で、クリントン氏を「新味のない既存の政治家とみる傾向」が強くなっている。これは同じ民主党のサンダース氏の支持者からも厳しい見方が出ていた。トランプ氏に有利に働いているもう一つの理由が経済格差の拡大だ。アメリカでは去年中間所得層の割合がついに半分にまで減少した。まず我々の生活を守ることが最優先だと言った人々の想いから、トランプ氏の内向きの主張が一定の支持を集めている。そんな中、中南米出身のヒスパニックが妥当トランプに向けて、新しい動きを始めている。
【「打倒トランプ」で結集】
全米最大のヒスパニック人口を抱えるカリフォルニア州、先月反トランプの大規模デモが起きた。参加者のほとんどはスペイン語を話す中南米の出身者ヒスパニック。メキシコの旗を掲げながら「トランプを止めろ」と叫んでいた。共和党のトランプ氏は「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込むレイプ犯だ」と人種差別的に発言を今も続ける。ヒスパニックたちの怒りが全米各地で異例の事態を引き起こしている。ニューヨークのマンハッタンで先月、多くのメキシコ、ドミニカ、エクアドルなどの出身者ヒスパニックによる長蛇の列ができていた。これはアメリカの市民権取得をサポートする市民団体のイベントで、複雑な書類の書き方の指導から写真撮影まで無料で行う。何故いま市民権を取得するのか、聞いてみると「価値のないトランプが大統領にならないように投票するためだ。選挙が無ければ、申請をもう1年先延ばししていたよ。」「トランプなんてありえない。特にメキシコ人にとって最悪な人よ。」という答え。大統領選で反トランプ票を投じるためだ。日本の国籍に当たる市民権の申請には、原則5年間の永グリーンカード(永住権)保持が条件だ。メキシコ出身のベロニカ・ロペスさんはグリーンカードを取得して8年、市民権がないと選挙で投票できないため、市民権の申請に踏み切った。
《ベロニカ・ロペスさん》
「私だけでなくここにいるすべての人が醜いトランプでなく、クリントン候補に投票することを願っている。」
アメリカにいるヒスパニックの多くは工事現場やレストランの出前など肉体労働で経済を支えている。一方。市民権取得の資格があるのに取得していない人は全米で880万人、うち約44%以上はヒスパニック、手続きが英語で手数料が680ドルかかるので申請する人が少ない。こうした状況を変えようと全米最大のヒスパニック向けテレビ局univisionが投票を呼び掛けるキャンペーンを開始した。実際、1-3月の市民権申請数は前期比34%急増、まさにトランプ効果だ。米国に来て22年ロペス一家、息子のアランも3月に市民権を申請した。「大統領は人を脅してはいけない、国を1つにまとめて前進させるべき。市民権を取ったらトランプではなく、いい大統領に投票してそれを実現させる。」とアランは語る。打倒トランプで動き出したヒスパニック。果たして11月の本選の行方は?。
11月の本選挙でトランプ氏が勝ては米国は「排他的で孤立主義的な道へ」と大きく舵を切ることになる。一方クリントン氏が勝ったとしても「国民同士を融和させるという難しい課題へ直面」する。そういう意味ではアメリカという国の行き詰まりが透けて見える大統領選挙と言えそうだ。
東京都議会 舛添知事 与野党から激しい追及
東京都の舛添知事は、都議会の代表質問で自らの政治資金を巡る一連の問題について、与野党から厳しい追及を受けました。一方、舛添知事は「改めて、都民・都議会としっかり向き合ってまいりたい」と述べ続投する考えを強調しました。都議会各会派はあすの一般質問でも知事を厳しく追及する方針です。
韓国日産社長を刑事告発
韓国環境省は、日産のディーゼル車に排ガス不正があるとして、韓国日産の菊池毅彦社長を刑事告発しました。同時に不正があるとされるSUV「キャッシュカイ」を販売停止にするとともに、すでに販売したおよそ800台をリコールするよう命じました。日産は「不正はない」と主張していますが、韓国環境省は、「日産に恣意的な操作があった」と指摘しています。
原宿 新駅舎建設へ
JR東日本は山手線・原宿駅の南側に新たな駅舎を建設することを決めました。現在の駅舎は、1924年に建設された大正モダン建築が特徴ですが、外国人観光客の増加などにより手狭になっていました。JR東日本は、現在ある駅舎を保存するかなどを検討し、来月までに計画を発表するとしています。
米中対話“南シナ海”で物別れ
中国・北京市で開かれていた米中戦略・経済対話で、最大の焦点となっていた南シナ海の問題について、アメリカは「法にのっとり解決すべきだ」と主張したのに対し、中国は「南シナ海の島々は古くから中国の領土」だと譲らず、議論は物別れのまま終了しました。この問題をめぐり近くフィリピンが提訴した仲裁裁判の結果が出る見通しですが、中国側は裁判には従わないと表明していて、こう着状態が続く見通しです。
景気指数 2ヵ月連続改善
内閣府が発表した4月の景気動向指数によりますと、景気の現状を示す一致指数は前の月に比べ2.0ポイント上昇し、2ヵ月連続で改善しました。企業の国内での生産活動が持ち直しているほか、消費関連の指標もすべてプラスに寄与しました。一致指数の基調判断は「足踏みを示している」に据え置きました。また、数ヵ月先の景気を示す先行指数は1.4ポイント上昇しました。
アサヒ飲料 乳酸菌入り「おいしい水」発売へ
「アサヒ飲料」は、ミネラルウォーター「おいしい水」ブランドの新商品として「カルピス」の乳酸菌が入ったフレーバーウォーターを来月発売すると発表しました。ミネラルウォーター市場は、味がほんのりとついたフレーバーウォーターのジャンルがこの4年ほどで、およそ2倍に伸びています。アサヒ飲料は、乳酸菌が持つ、健康的なイメージを武器に今回の新商品でさらなる売り上げの拡大を目指します。
三越伊勢丹HD マレーシアに「クールジャパン」店舗
三越伊勢丹ホールディングスは、マレーシアのクアラルンプールで「クールジャパン」をテーマにした店舗を10月末にオープンすると発表しました。三越伊勢丹は官民ファンドのクールジャパン機構と共同でマレーシアの店舗の全面改装を進めてきました。品揃えのおよそ9割を日本製や日本人デザイナーの手掛ける商品にして、日本ならではの優れたモノやサービスを紹介します。漆塗りの食器など地方の工芸品のほか、若手デザイナーによる最先端のファッション製品を充実させ、マレーシアをはじめASEAN諸国の富裕層や、中東からくる観光客に売り込みます。オープンから一年間で35億円の売り上げを目指します。
■日経MJ 2016年上半期ヒット商品番付
明るいニュースが少ない上、消費もどこか曇り空な今年の上期。そんな中、ヒット商品番付の横綱に輝いたのは「安値ミクス」と「マイナスス金利特需」でした。脱デフレへと向かっているはずのアベノミクスですが、今年に入り、消費は低調。「格安」や「値下げ」といったキーワードのものが好調でした。また、マイナス金利の影響で、少しでも得をしたい、損をしたくない、そういった消費者の思いが表れたランキングとなりました。そんな中でも、ヒットした商品やサービスには自分だけの特別な体験につながる傾向が強く表れているものもありました。
■【トレたま】スマホが落ちないポケット
スマホが落ちないポケットには入り口に秘密があり、ポケットの入り口の折り返し部分がねじれているため入れる時には入れやすく、取り出すときには引っかかり落ちにくい仕組み。大阪のテーラーが10年前に開発したポケットの特許を初めて製品化した作業服メーカー「アグロワークス」の安黒千能社長は「簡単にものが入れられ取り出すことができる機能を見た時これだと思った」と語った。スマホ以外を入れても落ちない。「夏場に着る服は入れるところがないのが一番の悩み。収納が確実にできる服として売りたい」と安黒社長は言う。
【商品名】「アンチドロップポケット」シャツ
【商品の特徴】スマホを入れても落ちないポケット付きシャツ
【企業名】アグロワークス
【住所】兵庫県神戸市長田区南駒栄町1-7
【価格】1,999円~
【発売日】今後全国販売を目指す
【トレたまキャスター】北村まあさ