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2016.6.29 WBS・ワールドビジネスサテライト

2016年06月29日 23時59分59秒 | WBS
■シリーズ企画 英EU離脱の衝撃! イギリス不在のEU、議論の行方
ベルギー・ブリュッセルのEU=ヨーロッパ連合本部で29日、EU首脳会議が開かれました。2日目となるこの日は、英キャメロン首相が不在の中、各国首脳がEUと英国の今後の関係などについて議論。またEU議会では、ヨーロッパ委員会のユンケル委員長と、イギリス独立党のファラージ党首が舌戦を繰り広げる場面も。一方、イギリスに帰国したキャメロン首相は、議会でEU離脱の影響について説明。なるべくEU市場とのつながりを確保し、自動車などの産業を守る姿勢を示しました。また、英EU離脱問題は日本の産業にも様々な形で影を落としています。ある千葉の園芸卸会社は、欧州への植木の輸出について「EU共通の検疫ルールが、イギリスだけ変更されると困る」と指摘。またイギリスの不動産に投資する日本企業にとっては、今後ロンドンの機能が低下すれば、不動産市況の悪化やオフィス需要の減退につながるのではないかという懸念も出ています。



【イギリス不在のEU、議論の行方】
英国がEU(ヨーロッパ連合)からの離脱を選択した国民投票から5日が経ったが、世界を巻き込んだ混乱は今も続いている。EUの本部があるベルギー・ブリュッセルではEU首脳会議が開かれ、この問題について各国のリーダーが議論を繰り広げた。そのブリュッセルでは今日も豊島記者が取材を続けている。

《中継:ベルギー・ブリュッセル/豊島晋作記者》
【欧州首脳の“結論”は】
今日から事実上、英国のいないEUが始まったと言える。今日のEU首脳会議は英国のキャメロン首相抜きで行われ、英国が会議の場から消えるのはEUの歴史上初めてのことだ。まず日本時間の今朝終わった初日のEU首脳会議ではEU側がキャメロン首相に対し、今後のEUとの関係について早く方針を決めるよう求めた。ただEUは英国国内が混乱している事に配慮し、離脱交渉を始めるのは次期首相が決まる9月以降まで待つことを容認した。そして先程まで英国抜きで開かれていた2日目の会議では今後のEU、英国との関係などが中心に議論された。
《ドイツ/メルケル首相》
「今後イギリスがEUとの関係をどう定義していくかまだ分からない。それが早くはっきりすれば、不安定な状況は改善される。」
EUと英国の首脳達の間では大人のやり取りが交わされたと言えるが、やや大人げないやりとりもあった。
--EUと英国との間では表向きにはひとまず円満にお別れの会が執り行われたということか。
首脳たちの間では大人のやり取りが交わされたと思う。ただこれとは別にやや大人げないやり取りもあった。実はこのEU本部から少し離れた場所にEU議会というEU各国から選ばれた議員たちの、いわば国会のような場所でのやりとりだ。
《ヨーロッパ委員会/ユンケル委員長》
「あなたがここにいるのに非常に驚いている。あなたはEU離脱のために戦った。何故ここにいるのか。」
EU議会ではヨーロッパ委員会のユンケル委員長がEU離脱運動を進めてきた英国選出のナイジェル・ファラージ議員にいわば議場から出ていけと言ったわけだ。これに対してはファラージ議員も黙っておらず、次のように応戦した。
《イギリス独立党党首/ファラージ議員》
「私がEU離脱の運動を始めた時、あなた方は私を笑いものにしたが、今は誰も笑っていない。英国はEUを離脱する最後の国ではない。」

【帰国後のキャメロン首相、何を語った?】
一方、EU本部から英国にとんぼ返りしたキャメロン首相は早速議会に出席し、今後の英国経済の影響について、次のように語った。
《イギリス/キャメロン首相》
「間違いなく経済は厳しい状況を迎える。英国にとってベストな条件を引き出さなければいけない。それはEUの単一市場へのアクセスを確保すること。GM、日産、トヨタの様な会社はその為に英国に投資しているからだ。」
キャメロン首相は統合されたEUという単一市場とのつながりは失わずに自動車など産業を守る構えだが、その先行きは極めて不透明だと言える。以上ブリュッセルからでした。

【英国不在のEU、議論の行方】
--キャメロン首相の議会での答弁でも日本企業の名前が挙がっていたが、英国EU離脱を巡って気になるのが日本企業への影響だ。
《大浜キャスター》eu1.JPG
日本企業への影響はいろいろ言われているが、その懸念材料は大きくは2つある。1つはEU内での人、モノ、カネの流れが滞ることだ。現状はEU内自由に行き来できるため世界有数の金融街を抱えるロンドンに多くのグローバル企業が拠点を置いているが、EU離脱で行き来がしづらくなるとロンドンの重要性が低下するのではないかと言われている。もう1つがEU共通のルールが使えなくなること。日本から製品を輸出しようとすると1つの基準を満たしていればEU各国で同じ様に輸出ができるが、仮に英国が独自のルールを作る事になると企業にとっては手間やコストが余計にかかる事になる。

【「共通ルール」変更の痛手】
--そこで実際に日本企業の間でもこうした影響への懸念が広がっている。
千葉県東部の匝瑳市にある共種園。並んでいるのは全てヨーロッパへの輸出向けの五葉松の木。こうした植木はヨーロッパでは「マクロボンサイ」と呼ばれ人気上昇中で、1本40万円前後で海外の輸入業者に販売している。この会社にとってEU向けの輸出は売り上げの1割を占める重要なビジネスだ。しかし英国がEU離脱となればある心配事がある。実はここにある木は全て、地面から隔離して2年かけて害虫を完全に排除するEU共通の検疫ルールに則って保管されている。これをクリアすれば木を土と一緒に輸出でき、輸送中に枯らすリスクが減る。しかし英国だけルールが変わると保管や輸送の方法を変えるなど様々な対応が必要になるかもしれない。
《江波戸光一社長》
「2年後と聞いているが、変更するならその前に速い段階で提示してもらいたい。離脱後にルールを言われてもそれから何年か先の準備をしなければいけない。」

【「地位低下」で不動産が・・・】
一方、1980年代から英国での事業を展開している三井不動産は現在、英国国内に総額1300億円程度の物件を保有している。また4年前に始まったロンドンの大規模再開発事業に約1800億円を投資するなど、事業の拡大を進めてきた。そうした中で起きた今回のEU離脱問題。EU経済の中心として機能してきた英国が離脱すると不動産価値やテナント需要が目減りすると見られている。ただ今日開かれた三井不動産の株主総会では菰田社長が自ら「影響は軽微」と説明した。英国の収益が全体の数%に留まる為だとしている。しかし英国に不動産投資をしている他の企業も同様のリスクを抱えていて、こうした面でも離脱問題は日本企業に影を落としている。





■マーケット

「お家騒動」出光 株価急落
イギリスの国民投票のショックが和らぎ、日経平均株価は今日も大幅な値上がりとなりました。しかし来年4月の経営統合を目指している出光興産(出光)と昭和シェル石油の株価は、昨日出光の「お家騒動」が表面化した後から急落しており、今日も下落しました。合併に対して臨時株主総会で拒否権を発言できる3分の1以上の株式を保有している出光昭介など創業家関係者は「現時点では合併に反対票を投じる」との姿勢を明確にしている。
きょう経営側が「第三者割当増資」によって新たな株式を発行して創業家の保有比率を下げる検討しているとの一部報道が伝わったことも要因です。新たに株式を発行すると一株当たりの価値が薄まり、既存の株主の価値が損なわれるためです。
これについて経営側は「検討しているという事実はない」とのコメントを発表しています。しかし2社の合併の手続きには不透明感が増しています。昭和シェル石油はマイナス2.8%、出光興産はマイナス6.5%大きく値下がりしました。ただ持ち株比率を巡って創業家側は33.92%と主張していますが、経営側は出光昭介氏が代表を務める公益財団法人や美術館が保有している分を除く21.17%程度にとどまると主張しています。



トランプ氏 支持率が低迷
--米大統領選で共和党の指名を確実にしているドナルド・トランプ氏の支持率が低迷しています。
《中継:ワシントン、丸紅米国会社/今村卓氏》
移民やイスラム教への差別的な発言を繰り返し、労働者階級を中心に支持を広げてきたトランプ氏ですが、本選に向けた選挙運動の見直しがうまくいってないようです。トランプ氏の裁判を担当するメキシコ系米国人の判事判事への差別的な発言やフロリダ銃乱射事件後のイスラム社会を敵視する発言に大統領不適切と批判が浴びせられています。最近の世論調査ではトランプ氏を好き34.1%に対して嫌いが60.7%、支持率はトランプ氏39.1%・クリントン氏45.3%と6ポイント以上の差をつけられています。tramp.JPG
--トランプ氏、ここからの立て直しは可能なのでしょうか。
このままではトランプ氏の巻き返しは厳しいと思います。会場の熱気や支持者との一体感ではクリントンの方がはるかに上回っていると印象です。ペンシルベニア州ピッツバーグでトランプ氏は「私が大統領になればピッツバーグの製造業や石炭産業は復活する」と熱く語ったものの、拍手は多くありませんでした。最近では、トランプ氏の数々の発言に対して党派を超えて「大統領に不適格」との非難が浴びせられています。トランプ氏は英国のEU離脱決定を支持したり、TPP=環太平洋経済連携協定からの離脱を訴えるなど、ポピュリスト的な発言に拍車がかかっていますが、苦戦は続きそうです。以上ワシントンからでした。





■【コメンテーター】高田創氏(みずほ総研チーフエコノミスト)
(東京五輪組織委の専門委員を務める)

・活況続いた英国不動産市況・ロンドンは底堅さ続く?
--イギリスの不動産需要、今後どうなると見ていますか。come1.JPG
「一部金融機関は他の所に場所を移すという議論があるので、それなりにマイナスの影響はあると思う。ただ言われている程本当に英国が立場を失ってしまうのかという事になると、そこまでは思っていない。」
--これまで英国の不動産市場は活況でした。
「そうですね。2012~2013年頃からイギリス全土で住宅価格指数がずいぶん上がってきている。ロンドンに限ればもっと上がっている。」
--このグラフの先がどうなるかですが・・・
「不動産のバリエーションを考える時にはキャップレートという言葉があるんですが、それが上がったりする。キャップレートというのは割引率で、それが上がるということは不確実性が高まるということになるので、そういう意味ではその部分で押される部分、価格の低下要因はあるんです。ただ英国の場合、特にロンドンはもちろん金融の部分が大きいですが、例えばテレコムなどのIT産業、プロフェッショナルな会計士、弁護士やコンサルタントのニーズが非常に強くなっている。だからその部分は逆にブレグジットによってニーズが高まる可能性もある。世界的にも英語圏でしかもインフラが整っている所は、世界からの注目は集まったままなのではないか。英国はそれなりに厳しさはあると思うが、意外とロンドン(の不動産需要)はその中では高いニーズを集めたまま続くのではないかと思う。」



・企業統治改革・実質元年・「内紛」表明化も効果の1つ
--今日が株主総会のピークだったんですが、実は去年より集中率は下がっているんですね。
「そうですね。今日は3割強だったが昨年は41%ぐらいでしたから、そういう意味では分散化は進んだんですね。」
--どうして分散化が進んでいるんでしょうね。
「分散化が進んでよかった点は、コーポレートガバナンスのある意味では実質的な元年とも言えると思う。その中で建設的な対話「エンゲージメント」というのが重視されているので、それをやるためにはあまり集中してしまうとやりずらい。」
--株主がいろんな株主総会に出られるように分散化というのは重要ですね。コーポレートガバナンスが進んで、企業の稼ぐ力はは今どうなっていますか。
「もうちょっとそこは(足りない)。ROEが目安となっているが、そこはもうちょっと頑張る余地がある。」
--最近、創業家と経営陣の対立も目立つ。
「その辺も私は一つのある面で今回のコーポレートガバナンスであぶり出したというか、例えば社外取締役などもそうですが、そういうものも含めて、そういうものが表面化してきた。今まで表に出なかったものが出てきた。そういう意味では一つの効果と考えることもできる。」



・世界経済の不確実性高まる
--イギリスの国民投票後、先行き不透明感が世界的に高まっているんですが、企業の経営判断にももちろん影響を与えることになるんでしょうね。
「先行き期待が落ちているので、例えば投資計画が落ちる可能性もある。」
--そうしますと企業の今後の成長にも影響を与えることになるんでしょうか。
「個別の企業はそうしないといけないということなんでしょうけど、合わさってしまうと世界的にも全体的に先行きの見通しが下がる。特に不確実性が高まるということは、どうしてもリスク・プレミアムが高まりますし、投資を落とす要因になりますね。」
--あとは円高が一段と進んだ場合ですね。
「日本の場合はもう一回、空洞化の懸念が出てくる。」
--国内に工場などが回帰してきた流れが・・・
「やっとその流れがあったのに、やっぱり慎重にしようかなという動きもあるし、設備投資を下振れさせようという動きも出てくる可能性もある。」
--でも海外投資については積極的になる可能性がある。
「そうですね。もっと買いやすくなりますから、国内はちょっと抑えても、海外へのM&Aなどを積極的にやっていこうという動きは出てくるでしょうね。」
--為替に対して影響を与えるトピックは?
「やはりアメリカだと思う。来週の雇用統計で米国が下振れした場合、場合によっては次に一手は利下げではないか、なんていう話が出てくると、その場合は為替がどっと落ちたり、長期金利がグッと低下する可能性がある。」




■ニュース

シャープの太陽光事業 “日本初の商品”で再生なるか!?
経営再建中のシャープが、太陽光発電に関する展示会に日本初のソーラー充電スタンドを出展しました。このソーラー充電スタンドは太陽光パネルと蓄電池がついていて溜まった電気でスマートフォンの充電や照明として利用することが可能です。シャープはこの充電スタンドによって、消費者に太陽光のおもしろさや利便性を提供していきたいと考えています。

【シャープ“再建”の切り札?】
台湾の鴻海精密工業の傘下で経営再建を目指すシャープ。液晶事業ばかりに注目が集まりがちだが、今回は太陽光事業に焦点を当てる。シャープの太陽光事業は不振が続いていて、一時はシャープからの切り離しも検討されていたが先月、継続が発表された。こうした中、ある日本初の商品で再生を目指すという事だが果たして再生できるのか。

【日本初の商品が登場!】
今日から始まった日本最大級の太陽光発電に関する展示会「PV Japan2016」。国内外107の企業や団体が太陽光に関する様々な商品を出展している。その会場にシャープもブースを構えていた。そこにシャープの太陽光の技術を活用した日本初となる商品があった。
《シャープエネルギーソリューション/河田亮さん》
「市場をどんどん開拓していかないといけないので、こういう商品を担いで私自身も販路を広げていって、シャープの再生に少しでも力になれたらなと考えております。」
2007年にシャープに入社した河田さん、周囲の社員が続々と退職していくなか、何故残ることを決めたのか。
「全く不安が無いと言ったらみなウソになると思う。しかし私が選んだ会社というところがあるので、そこで何とか育ててもらったという恩もある。」
さらに河田さんにはある意識の変化があった。
「今までは売り上げを上げてればいいと思っていた。しかし営業マン自身も利益を確保しながら売り上げも確保しないといけないという意識の変化が大きい。危機感が無い社員はないと思う。」

【無料で充電できるスタンドとは】
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シャープの太陽光を利用したスマートフォンの充電スタンド。iPhoneやアンドロイド端末などスマートフォンの他、USBを使えば様々な端末が充電できる。さらに貯めた電気は夜間に照明として利用する事もできる。シャープはこの充電スタンドを去年から東京都内3か所で試験的に設置して、外国人観光客を中心に人気を集めている。1ヶ月で1000人以上の利用があるなど大好評だ。シャープは8月から人が集まる場所や自治体への売り込みを始める事にした。
《シャープ/佐々岡浩執行役員》
「(充電スタンドで)面白さや利便性を提供し、もっと身近に太陽光を感じてほしい。」
実は国内の太陽光市場は電気の買い取り価格が下落した事から需要が低迷し、そのためシャープの2015年度の太陽光事業の営業損益は184億円の赤字となった。シャープを買収した鴻海精密工業の郭会長は一時は太陽光事業の切り離しも検討したが、突如先月、事業の継続を決めた。佐々岡氏は充電スタンドをきっかけに低迷する日本の太陽光市場に新たなマーケットを作りたいと考えていた。充電スタンドをどんなところに販売していくのか。販売先の候補は大学や鉄道会社(JRなど)、コンビニなどが挙げられている。
《シャープ/佐々岡浩執行役員》
--Q.1年で黒字化できないと(鴻海から)存在意義が問われかねないが・・・
「しっかりと太陽光を育てる。やはりシャープの今まで築いてきた1つの技術として、何としても黒字化を達成し、次のステップに進んでいきたい。」
シャープは太陽光事業を今年度中に黒字化する事を目指している。

《大浜キャスター》
まさにこれから先というのは国内だけだはなく、海外展開というのも改めて見直す必要があるんですけれども、実は10年前はシャープの太陽光パネルのシェアはナンバー1だった。それがいろんな価格競争などがあってだんだん存在感が無くなっていった。これから先は鴻海と組んで鴻海のネットワークを使ってどれだけ安く材料を集められるか、これが大事になってくるし、あとは地域ごとにニーズが違うということだ。それに合わせたきめの細かい対応をどれだけできるか、これも重要になってくる。
--ニッチなニーズの掘り起こしは本来シャープは得意なはずですね。
太陽光と太陽熱のセットとか、いろんなニーズがあるらしいです。






都知事選 小池百合子氏が出馬表明
自民党の小池百合子元防衛大臣はきょう、来月の東京都知事選挙に出馬する意向を表明しました。ただ、自民党の東京都連は、政治資金問題の指摘を受ける可能性の低い国会議員以外から候補者を選ぶ方針のため、自民党の支持を得られなかった場合の対応を問われた小池氏は、「状況を見極めたい」と述べるにとどめました。こうしたなか、自民党の東京都連会長を務める石原経済再生担当大臣は、きょう、擁立論が高まっている総務省の前の事務次官、桜井俊氏と会い、出馬を直接要請しました。しかし、関係者によりますと、桜井氏は、「家族に迷惑をかける」として、出馬を固辞する考えを改めて伝えたということです。



株主総会がピーク
3月期決算企業およそ760社がきょう、株主総会を行い、ピークを迎えました。都内で開かれた三菱UFJフィナンシャル・グループの株主総会の中では、マイナス金利政策撤廃の要望書を日銀総裁に手渡すよう株主が提案しました。浜松市では、燃費データ不正問題が発覚したスズキが株主総会を開き、鈴木修会長が「株主には大変ご心配とご迷惑をおかけした」と陳謝しました。



ソニー ロボットに再参入
ソニーは経営方針説明会で、AI=人工知能を搭載した家庭用ロボット事業に再び参入すると明らかにしました。事業化の時期は未定ですが、5月に出資したアメリカのAIベンチャーと共同で開発を進めており、ゲームや半導体に次ぐ事業の柱に育てる考えです。ソニーはかつて犬型ロボットの「AIBO」を手がけていましたが、2006年に生産を終了し、事業から撤退していました。



65歳以上 4人に1人超す
総務省が発表した2015年国勢調査の速報によりますと、65歳以上の人口は3,342万人で、総人口に占める割合は26.7%となり、初めて4人に1人を超えました。前回の調査から3.7ポイント上昇し、世界で最も高い水準です。一方、15歳未満の人口の割合は12.7%となり、少子高齢化が一段と進んだことがわかりました。



人工知能を搭載したマッサージチェア
業界で初めて人工知能を搭載したマッサージチェアが発表されました。きょう、マッサージチェアメーカーの「ファミリーイナダ」が発表したのは、人工知能を搭載したマッサージチェアです。骨格や、筋肉の状態を、センサーが自動で調べ、ひとりひとりにあったモミ加減を実現します。さらに、ネットワーク通信機器も搭載されており、利用者の健康情報を記録し、内臓脂肪の状態なども確認することができます。来年には、海外にも展開していく予定です。




■「カイシャの鑑」 給料はすべての社員で決める!
独自の制度やビジネスで好業績を誇る企業をシリーズで伝える「カイシャの鑑」。
横浜市にあるIT企業「アクロクエストテクノロジー」は、社員が提案し、すでに50以上の独自の制度をつくっています。その最たる制度が「給料は社員たちの話し合いで決める」というものです。給料は2日間の査定会議で決まりますが、そこでは辛辣な言葉が飛び交い、涙を流す社員も。アクロクエストテクノロジーの新免社長は、社員が自ら給料を決定することで「社員の給与に対する納得性が高まる」とみています。納得性が高まれば、自分が会社に参加しているという意識が高まり、一生懸命に勉強しようという意欲も高まるといいます。

【IT企業「アクロクエストテクノロジー」】

社員1人1人の給料を全ての社員で話し合って決める異色の会社がある。横浜市のIT企業、1991年設立のアクロクエストテクノロジー。売り上げは年間約10億円。
手掛けているのは星野リゾートの予約システムや鉄道のITシステムなど。社員は約80人で、その半数が東大などの国立大学出身者。この会社は社員の提案で様々な制度を作る仕組みになっている。例えば、上司への相談は砂時計を使い5分以内、午後3時から15分間全社員が強制的に取る休憩など社員の提案から実現した制度は50以上にも上る。こうした取り組みは新免流社長の、若い頃に会社をクビになった苦い経験が元になっている。

アクロクエストテクノロジーの新免流社長は若い頃に会社をクビになった悔しさから社員が自由に意見を言えて社内の制度を社員が作るという自由な社風の会社を立ち上げた。その最たる制度が給料を社員たちの話し合いで決めようということだ。年に1度の給料を決定する会議が行われた。給料の決定は過去1年間の自己評価から始まる。プログラムの開発力やサービス、コンサルティングの営業力など約50項目のポイントが給料に連動する。そしてそのポイントに基づいて1人の社員の給料を全社員で話し合って決めていく。給料を決める査定会議は2日間に渡って開かれる。初日は1人1人がこの1年間の実績をプレゼンするが、他の社員からは厳しい意見が連発していく。2日目はついに給料をけってしていく。この日は全員が赤いポロシャツ姿だ。初日の評価を参考に1人1人の給料の額を全員で話し合って決める。この日は7時間の話し合いで16人分の給料を決めた。
《新免社長》
--Q.給料をお互いにみんなで決めるというのは、禍根が生まれないのか。
「長い目で見るとそういうのもあったのかもしれない。ただ基本的には皆の納得性が高まるほうが大きいと思っている。納得性が高まれば自分が参加している意識も高まる。じゃあ自分もそれに対して一生懸命勉強しようとか意欲が高まってくる。」




■【トレたま】洗濯機で作るぬいぐるみ

洗濯機で作るぬいぐるみ、時間はかかるがつくり方は簡単。型枠に目と鼻を取り付けウールをほぐし石鹸水でなじませながら繊維同士をくっつける。お好みで模様も加える楽しみもある。洗濯機に入れる時にはほかの洗濯物と回しても問題ない。
《ポーネルランド商品部/新居紀子》
「洗濯機に入れることで水でかき混ぜ絡ませる。乾燥機で熱を加え固める、ウールの原理を使った楽しさが詰まった商品です。」

【商品名】ファジーズ
【商品の特徴】洗濯機でウールを絡ませ、乾燥機の熱でウールを固めて作る新発想のぬいぐるみ
【企業名】ボーネルンド
【住所】渋谷区神宮前1-3-12ジブラルタ生命原宿ビル1F
【価格】2,400円(税別)
【発売日】7月15日
【トレたまキャスター】北村まあさ






2016.6.29 Newsモーニングサテライト

2016年06月29日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

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ニューヨーク株式市場は落ち着きを取り戻しています。もちろん市場の懸念が晴れたわけではありませんが、一旦、買い戻す動きが優勢です。イタリアが金融システムの混乱を防ぐため、資金支援を準備したことで安心感が広がり、ヨーロッパの主要株価が2%前後上昇しました。この流れを受けてダウも朝から3桁の上昇となりました。1月から3月期のGDP確定値や消費者マインドの改善も下支えになり、引けにかけて上げ幅を拡大しました。市場の不安心理を示すVIX指数も20を下回り、投資家心理は少し和らいでいるようです。株価の終値はそろって3日ぶりの反発です。ダウは269ドル高の1万7,409ドル。ナスダックは97ポイント上昇し4,691。S&P500は35ポイントプラスの2,036でした。
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【世界の株価】
28日の終値
















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【NY証券取引所中継】金価格上昇 今度も続く?
解説は米国みずほ証券の中川義裕氏

--今日はやっと安心感が出てきましたね
そうですね。ブレグジットをきっかけとした前日までのパニック的な売りが一巡し、エネルギーや金融、ハイテクセクターなどの銘柄が中心に買い戻しが入りました。


--ただまだ市場の不安心理の高まりで金価格はこのところ上昇していますよね。
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はい、金は年初来で2割上昇しています。もちろんブレグジットで世界の投資家が安全資産へ目を向けたことが大きな理由です。ただ一方で宝飾品向けの金需要が伸び悩んでいて、今後の金の価格は通貨としての需要がカギを握りそうです。
--具体的にはどんな点なんでしょうか。
中国での需要がカギを握ると思います。足下の景気の減速などを理由に人民元の下落が続く中国では金貨などの現物需要が高まっています。また米ドル以外の資産の多様化を目指す中国政府でも金準備が増加しています。もちろんブレグジット懸念がしばらく晴れないということもあり、金の価格の上昇はしばらく続きそうです。
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【NY証券取引所中継】米景気の先行きは?
解説は米国みずほ証券の中川義裕氏

--ブレグジットへの懸念がくすぶる中で、アメリカの景気の先行きが気になりますよね。ny2.JPG
アメリカの1-3月期の実質GDPはプラス1.1%と市場予想を上回りました。一方でアトランタ連銀が算出しているGDPナウによりますと、4-6月期はプラス2.6%と比較的高い伸びが見込まれています。

--つまりそんなに心配ないということでいいんでしょうか。ny2-2.JPG
いえ、実は先日の議会証言でFRBのイエレン議長も指摘していましたが、内需の低迷には注意を払う必要がありそうです。イエレン議長は証言で最新の労働市場の指標や冴えない投資ペースは内需低迷の可能性という一つの下向きリスクの存在を示すと話していました。

--これは具体的な数字でその状況を確認できるものなんでしょうか。
このところアメリカ経済は個人消費が支える一方で、設備投資が足を引っ張る状況が続いています。4-6月期のGDPナウの内訳を見ても、個人消費がプラス4.1%となる一方、設備投資はマイナス0.4%です。ブレグジットの影響で世界経済の先行き不透明感が高まり、アメリカ企業が設備投資に対してさらに消極的になることも考えられ、内需低迷が今後のアメリカ経済の足かせになるかもしれません。








【為替見通し】注目ポイントは「英EU離脱ショックの余韻」kw1.JPG
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作氏

昨日の外国為替市場ではイギリスのEU離脱を受けた株安ショックがひとまず収まったことに対する安堵感から、クロス円が軒並み上昇、ドル円もつられて102円台後半へ持ち直しました。政府・日銀に対する対策への期待もサポートになったようです。

--今日の予想レンジが、101.90円~103.40円です。
本日は要人発言がたくさんります。FRBの理事やECBの総裁を含む要人たちkw2.JPGがイギリスのEU離脱の決定を受けて、どのような政策対応の可能性を示唆するのかに注目です。FRBが利上げに慎重、ECBが緩和に前向きな姿勢を示すなら、初期反応としてはドル安、ユーロ安、円高に振れそうなんですが、株価がそれを好感すればリスクを取る動きから円安で切り返してくる可能性もあり、非常に読みが難しい1日になりそうです。

--市場が落ち着きを取り戻しつつある中で、注目ポイントは「英EU離脱ショックの余韻」です。
ブレグジットが決まった先週金曜日に、ドル円は最大高低差で7円82銭、下落率では7.32%も暴落しました。この記録は1日の下げ率で見ると90年代以降では第2位で、リーマン以上、LTCM未満の歴史的円高ショックでした。金融システム不安はいkw3.JPGま発生していないため、世界経済への下押し圧力はリーマン級とまでは言えませんけれども、これだけ派手な急落劇に巻き込まれた人々の心理的ショックはすぐには癒えないと思います。チャートを見ても一段と右肩下がりの傾向が強まっていて、今後短期的な自立反発があっても、長続きせずしばらくはドル安円高基調が続きそうです。0為替.JPG






















【日本株見通し】注目ポイントは「ヘッジ資産の値動き」
解説はソシエテジェネラル証券の杉原龍馬氏

--今日の予想レンジは、15400~15600円です。
欧米市場は行き過ぎた調整の自律反発と政策期待から反発しました。これを受けて日本株も寄付きから上昇するとみています。ただ為替の円高圧力が強く、流動性も低いことから、寄付き後は上下ともに振れやすい展開を予想します。

--注目ポイントは「ヘッジ資産の値動き」ですね。nk1.JPG
英国国民投票前から、米国のヴィックス指数連動ETFや日本円金先物などリスク回避のための資産、いわゆるヘッジ資産への資金流入が目立っていました。これらの資産はイベント通過後、若干低下傾向ですがまだ高止まりしています。いまの下げ過ぎた株価水準から反発するには、リスク回避でヘッジ資産に流れ込んでいた資金に巻き戻しが起き、株式市場に流入する必要があります。

--それは具体的にはどんなところを見ればいいんでしょうか。
最も注目しているのはアメリカのヴィックス指数です。ヴィックス指数は今週月曜日の日中に直近高値の26.72を付けました。ただ昨年8月の中国人民元切り下げや年初の世界株式市場の調整局面と比べると、今回は相対的に上昇幅が小さく、短期間の値動きとなっています。本日も19以下まで低下していることから、このまま落ち着きを取り戻せば株式市場の反発につながると見ています。



■【コメンテーター】三井住友銀行/西岡純子氏

・ブレグジットショック、影響は欧州に限定?
--市場の方はずいぶん落ち着きを取り戻してはいますけれども、ただそうはいっても様々な影響、証券取引所の合併計画に影響が出たりとか、ありました。日本への影響はどうですか。
日本に問題が波及する上でのカギとなるのは、金融システム不安につながるとか、流動性の問題が露呈すると、いよいよグローバルに経済に対して影響が及ぶということだと思います。ただ今のマーケットの動きから見ると、例えばドル建てで株価指数の変化を6月23日対比でみても、日本はさほどドル建てでは下がっていないというのが実態ですので、今のところの評価としては、今回のブレグジットの問題というのは、ヨーロッパに今のところ留まっている問題であるというふうに解釈できるんじゃないかと思います。
--実際に銀行へのシステム不安も今のところはないということですね
イタリアの今回の資本注入の話も一例です。



・日刊モーサテジャーナル/本当のポンド安はこれから?、英経済への影響深刻
--ポンド安が進むと将来的にはイギリスが恩恵を受けるのではないかという声もあります。
イギリスは経済構造上、付加価値ではサービス業が非常に多い国ですので、通貨が安くなって輸出が刺激されるというのは、期待しにくいところではあります。
--となるとポンド安によるインフレの方が心配になってくる。
そうですね。やはりイギリスの中央銀行BOEにとっては、もともと利上げを視野に入れていた中央銀行でしたけれども、ポンド安によって今度はインフレ率が上がって、本来ならば経済を支えるためには利下げをするはずなんですが、それもできない、やりにくい状況なのではないかと思います。



・今日の経済視点 「リスクの所在」
今の議論でいうと、まだマーケットはブレグジットの動向に非常に関心が集まるんですが、もともと変わらない問題は新興国経済が減速しているという事実だと思っています。特にリスクがどこになるのかが見えにくいというのが今回の景気減速の特徴だと思っています。だから原油価格が下がってもアメリカの個人消費が盛り上がらない。やはりリスクの所在が薄く広く最終投資家に分散されてしまっているので、はっきりとわかりにくいというのが今回の調整局面の特徴なんだと思っています。





■特集 眠れる宝で新薬を

--既存の薬、または開発中止となった薬を別の病気の薬として再活用する手法「ドラッグリポジショニング」。この手法に製薬企業が熱視線を送っています。

【既存薬を再活用へ、研究開発進む】
《創薬分子プロファイリング研究センター/堀本勝久副研究センター長》
「これは前立せんがんの細胞をネズミに移植して大きくしたもの。ビバリディという肝炎ウィルスの薬を一緒に投与すると、ドセタキセルがよく効くようになってサイズが小さくなった。」
 江東区の産業技術総合研究所に勤める堀本勝久さんは自身のネズミに移植した前立腺癌の細胞の研究では「抗癌剤ドセタキセルのみ」を投与したものに比べ、「抗癌剤ドセタキセルと肝炎ウイルスの薬ビバリディ」を一緒に投与した癌が小さくなっていることがわかった。
「既存薬いわゆる売られている薬を肝炎ウィルスではなく、悪性のがんに適用するので、そういうのがドラッグリポジショニングです。」
 こうした研究は欧米を中心に行われている。例えばバイアグラは元は狭心症の薬として開発されたものだが、勃起不全の治療薬として製品化された。ドラッグリポジショニングでできた薬の1つである。研究所ではこうしたドラッグリポジショニングを行うために、既存の薬の作用を解析している。t1.JPG
「この薬の化合物は何ですか、といったら化合物が1700種類ぐらいあり、データに対して1つずつ、この病気に化合物が効くかどうか、コンピュータで見積もっているわけです。」
 研究所では高性能のコンピューターを使うことで、病気に作用する薬の候補を効率的に探すことができるようになったという。現在は国内外から十数社の引き合いがあり増えてきているという。堀本さんはドラッグリポジショニングのメリットについて、こう話す。
「一度既に厳しい臨床試験をくぐり抜けた薬なので、たとえ違う病気に使用するとしても、人間の安全性、毒性はある程度保証されている。そういうところで非常に莫大な費用がかかる臨床試験を安くできる。」
現在一つの薬を出すのに数百億から一千億かかるといわれている。また薬価の引き下げやジェネリック医薬品の普及で新薬を開発する製薬会社には逆風が吹いている。

【眠れる化合物を再活用、専門部署で注力】t2.JPG
そうしたなか、アステラス製薬は去年、開発を中止した薬の元となる化合物を再活用するために専門部署「ドラッグリパーパシング部」を設置した。この部署では様々なデータから開発中止となった化合物を別の病気へ適用できないかを考え、どのようにすれば最も早く患者の元へ届けることができるのか検討する。新薬の開発は3万分の1の確率と言われている。一般的に製品になるまでに9~17年かかるが、製品化までに開発中止となることもある。製薬会社はそういった日の目を見ない化合物を抱えている。
《ドラッグリパーパシング部/齋藤みのり部長》
「すでにある化合物を使うことで、5~8年の非臨床期間を短縮できるのではないかと思っている。社内だけではなく社外とも一緒に取り組むことで、ドラッグリパーパシング(化合物の再活用)の可能性も大きくなっていくと思っている。」
アステラス製薬ではより早く開発するために、国内外を問わず他の企業とも積極的に提携行く考えだ。眠れる宝の再活用。新たな薬の可能性が広がっていくのかもしれない。t3.JPG

--製薬会社は一から開発する手間が省けるということなんですね。そしてほかにも、武田薬品工業も専門部署を設置、大日本住友製薬、ノーベルファーマもドラッグリポジショニングの取組を進めています。大学や研究所などと共同開発するということも増えてきたということです。






■【プロの眼】ブレグジット後の焦点は?
ブレグジットの余波が冷めやらないが、英国がEUから離脱するには早くて2年。その間に市場の関心はブレグジット前のテーマ「中国の過剰投資はどう解消されるのか」「アメリカの利上げが世界経済にどの程度影響するのか」に移ると見る。
解説は三井住友銀行の西岡純子氏

--ブレグジットに目を奪われていますけれども、今は見るべきところをしっかり見よう、抑えようということですね。
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ちょっと気が早いかもしれませんが、あとの焦点が何になるのかということを考えてみたいと思います。

(フリップ1) (フリップ2)
--2つありますね。まずは「中国の過剰投資の行方」ですか。
やはり中国の問題だと思います。改めて考えてみると、まず総固定資本形成というものがあります。設備投資とか建設投資などが入るものですが、それが世界全体のボリュームがどれぐらいなのpro2.JPGか、国別にみると実は4分の1ぐらいが中国が占めるというのが実態です。アメリカよりも多い状況で、渦中のイギリスはわずか3%ぐらいしか無いです。ですのでもともとブレグジットの前から、中国は過剰生産能力は圧縮していきましょうというのが国策ですので、ここから先毎年少しずつ下がっていくという実態を考えると、実はグローバル経済に及ぼす影響という意味で考えると、中国の投資萎縮の方がイギリスに対する投資が減るということよりも、圧倒的に大きい問題だということになります。

--世界に与える影響が大きい、さらにその委縮のペースがどうなるのかまだ分からないというところもやはり不透明さが残るリスクですね。
ずっと見ておかなければいけない問題となります。



--それから「主要国経済の連動性」とあります。これを見ることができるのがこちらに指標ですね。
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まず、何故その連動性を気にしなければいけないか、なんですが、ブレグジットの後というのは、待ち控えているのは、アメリカ経済がいつピークアウトするのかという問題です。もしリスクシナリオでアメリカ経済が大幅に下がった時に、グローバル経済が大丈夫なのかということが焦点になるんですが、その点、いま世界経済の連動性が下がっているというのが実態なんです。

--これはOECDの景気先行指数の平均と主要国経済がどれだけ連動しているのかを見るもの、ということなんですね。
リーマンショックの前までは非常に世界経済の連動性が高くて、中国を中心とした新興国経済を軸にいろんな国がその恩恵を共有し合ってきたという構造でした。ところがリーマンショックの後リバレッジが進んで、積極的に投資をする主体が無くなってくると、結局軸になる経済が非常に少なくなってきているというのが実態です。

--連動性が低いということは結果的にはどういうことをもたらしますか。
仮にアメリカ経済ないしどこかの国が大幅に落ちたところで、世界経済全体がもろとも全部下を向くというわけではないというのが一つのインプリケーションかと思います。

--一方向に行くわけではないということですね。ということは考えようによってはリスクを分散できているということも言える。
逆に言うと全体的に成長率というか利回りが上がりにくいという評価もできます。






■今日の予定

株主総会集中日(スズキ他)
5月自動車各社 生産・販売実績
ソニー経営方針説明会
独6月消費者物価
米5月個人消費支出



■ニュース

EU首脳会議 現在も続く
EU=ヨーロッパ連合の首脳会議が28日、ベルギーのブリュッセルで開かれ、キャメロン首相とEU各国首脳が国民投票後初めて顔を合わせました。現在も、EU離脱交渉に向けた話し合いが続いています。EU側は、他の加盟国に動揺が広がるのを防ぐため公式の離脱交渉を一刻も早く進めたい意向です。このため、イギリスに対し、交渉を始めるための「離脱通知」を早急に出すよう求めています。しかし、キャメロン首相は、今回の会議では、国民投票の結果や次期首相の選出など今後のスケジュールを説明するにとどまる見通しで、今後のEUとの通商交渉などを有利に進めるため、時間を稼ぐ思惑もあると見られています。離脱交渉の長期化が懸念される中、ECB=ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁は、ユーロ圏のGDP成長率は、今後3年間で最大0.5%低下するとの見方を示しました。



イタリア 最大400億ユーロ投入検討
ブレグジットを受けて銀行株が急落したイタリアでは、政府が一部の銀行に400億ユーロ、およそ4兆5,000億円相当の資本注入または政府保証を検討していることが分かりました。関係者が明らかにしたもので、これにより、イタリア政府は自国の金融システムの安定化を図りたい考えです。



英独取引所 合併計画見直しか
証券取引所の合併計画にも影響が出てきました。3月に合併に合意したロンドン証券取引所とドイツ取引所は、持ち株会社をイギリスに設け、取引所があるロンドンとフランクフルトの2拠点体制にする計画でした。しかし、ドイツの連邦金融監督局、フーフェルト長官は28日、「ユーロ圏で最も重要な取引所が、EUの外から経営されることは想像しがたい」と話し、計画の見直しを示唆しました。



米1-3月期GDP↑1.1%に上方修正
アメリカの1月から3月期のGDP=国内総生産の確定値は、年率換算で前の期に比べ1.1%増となり、改定値から0.3ポイント上方修正されました。市場予想を上回りましたが、3四半期連続で減速しました。輸出がプラスに転じたほか、設備投資がマイナスながら上方修正され全体を押し上げた一方、GDPのおよそ7割を占める個人消費は、改定値から下方修正されました。
《米1-3月期GDP(前期比)↑1.1%》
輸出(+0.3%) 設備投資(-4.5%) 個人消費(+1.5%)



独VW 1.5兆円支払いで和解
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンは28日、排ガス不正問題で最大147億ドル、およそ1兆5,000億円を支払うことでアメリカの環境保護局などと和解しました。このうちおよそ100億ドルは、排気量2,000CCの不正車の買い戻しや集団訴訟の和解金などに充てられます。ただ、今回の合意には民事制裁金や3,000CCの車への補償金は含まれていません。



政府・日銀 きょう再会合
イギリスのEU離脱問題を受けて政府と日銀はきょう午前、総理官邸で再び会合を開き、対策を話し合います。また、政府はきのう、臨時の経済財政諮問会議を開き、日本経済への影響などを協議しました。「東京市場はひとまず落ち着きを取り戻したがまだ不透明感、リスク懸念も残っている。為替、株式市場をしっかりウォッチし、細心の注意を払っていく」安倍総理大臣はこのように述べ、市場の安定に務める考えを強調したうえで、「中小企業の活動に影響が出ないよう万全を期す」と述べました。また、経団連の榊原会長は経済活動が委縮しないよう「官民挙げて対応する必要がある」と訴えました。政府と日銀はきょう午前再び会合を開き、連携して市場を注視する姿勢を改めてアピールしたい考えです。



出光創業家 合併に反対
石油元売り大手・出光興産の創業家はきのう、来年4月に予定している出光興産と昭和シェル石油の合併計画に反対すると表明しました。創業家側の持ち株比率は33.92%にのぼるということです。これにより、今後開かれる出光興産の臨時株主総会で、合併の承認に必要な議決権の3分の2以上の賛成を得ることが困難な情勢となりました。創業家側は反対する理由として、「両社は異質の企業体質を持つ」などとしています。これに対して出光興産は「経営統合は最善の策」とし、引き続き昭和シェル石油との統合に向けた協議を続けていくとしています。



長期金利 マイナス0.23%
28日の国債市場で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りがマイナス0.23%まで低下し、過去最低を更新しました。イギリスのEU離脱をめぐる混乱で、比較的安全な資産の国債が買われました。一方、三井住友信託銀行は来月に適用する住宅ローンの10年固定の最優遇金利を過去最低の年0.4%に、三菱東京UFJ銀行も0.55%に引き下げると発表しました。



東電 炉心溶融問題を謝罪
東京電力ホールディングスはきのう、都内で株主総会を開きました。広瀬直己社長は福島第一原発事故が起きた当初、当時の社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と指示していた問題を受け、連絡体制に不備があったと謝罪しました。きのうの総会では、株主から脱原発など10の議案が提案されていましたが、すべて否決されました。



韓国 経済対策1.7兆円
韓国政府はきのう、今年下半期に20兆ウォン、およそ1兆7,000億円を超える規模の経済対策を実施すると発表しました。海外経済の減速で輸出が落ち込んでいることに加え、イギリスのEU離脱をめぐる混乱で、景気に悪影響が及ぶのを回避するためです。雇用対策や生活支援などおよそ10兆ウォン規模の補正予算を組んで財政出動に踏み切るほか、政策金融の拡大や政府系企業への投資なども実施します。



トルコ空港で爆発 28人死亡
トルコ最大の都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で日本時間のきょう未明、2度の爆発と銃撃があり、地元政府によりますと28人が死亡、およそ60人が負傷しました。爆発があったのは国際線の出発ロビーで、機内持ち込みの手荷物を検査するX線装置の前だったということです。現場では3人の容疑者が自爆していて、テロの可能性があるということです。



東海地震対策 抜本見直し
政府は、静岡県の駿河湾周辺を震源とする東海地震対策の抜本的な見直しを決めました。現行の法律では、地震の発生を予知し、新幹線の運行中止などの強制措置を取って被害を防ぐ防災を重点に置いてきました。しかし、「地震の正確な予知は困難」との見解を示す声が専門家から多く、地震の被害を最小限に抑える減災に重点を置いた法改正の検討に入ります。



森山大臣 団体から20万円
森山農水大臣はきのう、自民党のTPP対策委員長だった去年9月に、国から補助金を受けている日本養鶏協会の会長から現金20万円を受け取っていたと明らかにしました。政治資金規正法では、国の補助金を受けた団体からの寄付を制限しています。森山氏は会見で、「餞別のようなものだと思って預かったが、その後、事務所に返金を指示した」としています。



トランプ氏「イスラム教徒排除」修正
アメリカのメディアによりますとトランプ氏はイスラム教徒の入国を禁止するとしてきた自らの主張を、事実上、修正する発言をしました。トランプ氏はメディアのインタビューに答える中で、「イスラム教徒の中でもテロを生み出す国の出身者に限って入国を禁止する」としていて、さらに、厳しい審査を通れば入国を認めることも示唆しています。比較的、穏健な姿勢を見せることでこのところ低迷している支持率を回復する狙いがあるとみられます。




■日経朝特急

①出光・創業家が合併反対
出光興産創業家が昭和シェル石油との合併に反対を表明。



②離脱派VS残留派再び
EUからの離脱を決めた英国で、キャメロン首相の後継選びが始まる。与党・保守党は29~30日に党首選の立候補者を募り、9月上旬までに新しい党首を選ぶ予定だ。今のところ党内の離脱派と残留派が対決する構図が軸になりそうで、党首選はEU離脱の行方を大きく左右する。離脱派の本命とされるのは国民投票で離脱派のリーダー格を務めたジョンソン前ロンドン市長。一方、残留派の候補として有力視されているのはメイ内相。選出された新首相は10月の党大会で正式に就任する。



③邦銀・ドル調達不安視
英国のEU離脱決定による混乱で、邦銀によるドル調達が不安視されている。日銀がきのう実施したドル供給オペは約14億ドルと1年半ぶりの規模に膨らんだ。足元での資金繰りに問題は生じていないが、海外融資を拡大してきた邦銀はドル不足に神経質になっている。



④中国産ジェット就航
中国初の国産ジェット旅客機ARJが運航を開始した。航空機産業の育成をめざす中国の国家プロジェクトで、すでに約20の航空会社から300機以上の受注を得たという。ただほとんどが中国国内の受注で、米国航空当局の型式証明を取得できていないなど、海外展開には多くの課題を抱えている。ARJは近距離を低コストで飛ぶのに最適なリージョナルジェットと呼ばれる小型機で、三菱航空機が開発中のMRJと同じクラス。





■日刊モーサテジャーナル

①本当のポンド安はこれから?(フィナンシャルタイムズ)
ブレグジットでポンド急落が進んでいるが、本当のポンド安はこれからかもしれない。「世界有数のヘッジファンドは、ブレグジット決定のときは待ち伏せをしていて、最近になって一斉にポンド売りを始めた。」と報じている。ヘッジファンドに匿名で聞いた話として、ブレグジット決定直後、ポンドは急落したが多くのヘッジファンドは結果に対する不透明感から静観していた、と報道。実際、1992年にポンド安に賭けて10億ドル以上の利益を得た著名投資家のジョージ・ソロス氏もブレグジット決定以降、現時点でポンド安の恩恵は受けていないと明らかにした。一部のヘッジファンドは今後、現在の1ポンド=1.3ドルから1.1ドルまで下がる余地があると予想している。



②米国「会計手法に問題あり」SECに動き(ウォールストリートジャーナル)
米国企業の会計手法が利益見通しをあやふやにしている。米国の政府当局が定める正式な会計基準ではない会計手法を併用する企業が増えていることに懸念を示している。アメリカでは金融危機以来、ギャープという正式な会計基準のほかに、為替変動や一時的コストなどを除外するノン・ギャーブという会計基準を採用する企業が急増。ノン・ギャーブにすると利益が平均で4割水増しされるとの調査もある。2006年の会計年度でノン・ギャーブを採用する企業はS&P500社全体の70%だったが、15年度は96%に増加した。こうした会計方法は世界経済の低迷に苦しむ企業が収益の悪化を隠すことになる指摘。アメリカの証券取引委員会も投資家が誤解しかねないと事態を重く見ていて、新たな規制案を発表するするかもしれないということだ。



③ブレグジット後ソニーは買い?(ウォールストリートジャーナル)
「 Post-Brexit Buy 」ブレグジット後に上昇する銘柄としてソニー株が注目している。ブレグジット後に急激な円高が進んでいて、為替変動による損失額は約170億円とみられるが、実はこれは今年のソニーの予想利益の4%未満だと指摘。ところが23日以降、ソニー株価は8%も下落、時価総額1700億円近くが吹き飛んだ計算で、下げすぎと解説している。プレステ4が13年の発売以来、4000万台以上売り上げるなど、ゲーム機の分野が好調ということもあり、ブレグジット後にソニー株反発を予想している。