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できた!言葉の理解を促す教材(物の名前・名詞の獲得)

2018年11月13日 | 教育
できた!言葉の理解を促す教材(ことばと物を一致させる)

<言葉の理解を促す教材>

1 対象児童生徒の実態 
 ・発語がほとんどなく,言葉の獲得が曖昧な子。
 ・日常生活の中での指示(「靴を履いて」「立って」など)
  はよく通っていると感じられる子。
 ・太田ステージの発達評価ではⅢ-1
 (シンボル表象思考期に入ったところ)
 ・感覚と運動の高次化から見た発達水準はⅤ水準
 (対応知覚水準)
  このような子に言葉を教えていく場合,
  有効であった教材を紹介します。
   ※ 認知の発達年齢的には2歳半から3歳程度です。

2 絵と言葉を合わせる教材での実態
 「身近な物の名前の字が分かるようになってほしい」。
 それが面談で保護者からあった言葉でした。
  実際に課題学習で,プリントに書かれた写真・
 イラストと対象の文字を線で結ぶものを行うと
 まったくできませんでした。
  しかし,文字の下に写真・イラスト
 を小さくして載せるとすぐつなぎます。

<実態分析>
 ・マッチングは完璧だ。
 ・線で同じものをつなぐということも良く理解している。
 ・しかし,プリント教材では理解が進まない。なぜか。

  →視空間認知の弱さを抱えているためではないか。

  →そこで,平面から立体へ,視空間認知を補う教材の開発

3 ウレタン教材の開発
 ・写真・イラスト・言葉をパウチしたカードを作り,合わせる教材。
  マジックテープを後ろに付けて,ビリッ,ペタッと貼り付けていく教材。
  よく使われるものです。パウチのカードは掴み心地がよくない,
  マジックテープのものは付けたり,はがしたりすることに抵抗感がある。
  触覚過敏などを残していることが多いこの発達段階の子どもたちには,
  ウレタンを付けた教材がぴったりです。


4 作り方
 ① 写真・絵・文字を切り抜いてパウチします。
  (ネットで探してワードに3cm位で貼ります。)
 ② 写真・絵・文字と同じ形にウレタンを切り抜きます。
  (ダイソー:5mm幅のA4サイズがあり。)
 ③ マグネットシートを小さく切ってウレタン教材の裏にテープで付けます。

5 使い方
 ① ホワイトボードに一つずつウレタン教材を貼り付けます。
 ② ホワイトボードの脇に,言葉のカードをいくつか置きます。
 ③ 「これは?」と聞くか,「○○○はどれ?」と聞いても文字カードを選ん
   で貼るよう促します。
 ④ できたら,「正解!すごい!」と目を見てほめたり,頭をなでたりします。
  
  ※ はじめは輪郭ひらがなカードを使うと効果的です。

<お問い合わせ> motoka@mx4.ttcn.ne.jp 河村宛



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どの子もリレーバトンパスが上達するステップ指導法

2018年11月13日 | 教育
☆バトンパスの練習


○短距離は1秒で5m位軽く進んでしまう。
○従って,リレーはバトンパスが命である。
○次の走者が後ろを向いてバトンを受け取り,バトンを持ちかえ走り出すのでは遅い。
○前の走者が近づいたら次の走者は全力で走る。
○「はい」のかけ声で手を伸ばしてバトンを受け取る。
○バトンは持ちかえず,そのまま走り続ける。
○一人の走者が400mトラックを全力で走り抜けるイメージである。

1 その場パス練習
・立ったまま 「1走:右手→2走:左手→3走:右手→4走左手」を練習する。
4走までバトンが言ったら,バトンを1走に戻し繰り返しその場練習。

①その場腕ふりをする。
②渡す方が「はい!」と言う。
③もらう方は手を開いてのばす。
④渡す。
⑤その場腕ふりを続ける。

2 ジョギングパス練習

①一列になってジョギングをする。
②「はい!」と言ってバトンを渡したら一番前に移動する。
③先頭に移動した人が来たら,次の人が「はい!」と言って渡す。
④グラウンド一周繰り返す。

3 バトンパス練習
①2人ずつ行う。
②もらう方は歩数を数えて線をひいておく。
③渡す方は20m位下がりスタートする。
④もらう方は渡す方が線まで来たら走る。
⑤渡す方は「はい!」と言って渡す。

○その後,グラウンド一周ずつで通して行う。
(実際,グラウンド一周くらいの距離を走って渡すこととなる。)


<お問い合わせ:motoka@mx4.ttcn.ne.jp 河村宛>
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どの子も自転車に乗れるようになるステップ指導法

2018年11月13日 | 教育
どの子も自転車に乗れるようになるステップ指導法

☆2004年5月4日 NHK「生き生きホットライン」で生放送!50分間自転車の魅力を語りました。

○きっと乗れるようになります!

 知的障害のある子が8日間で自転車に乗ることができました。
 その子はずっと,補助なし自転車に乗りたがっていました。2年生の頃,
補助つき自転車で一生懸命補助なしに乗る友達を追いかけていましたが,
やがて置いていかれてしまいます。乗せてあげようと,荷台をつかんで
押しましたがうまくいきません。そして一度転んでからは,「いや」と
いってやらなくなってしまいました。
 そして,4年生のとき,まだ,補助つき自転車を一生懸命こいでいました。
のせなければ」と決心して行う中で生まれたのが,「ステップ指導法」です。
8日間で見事に乗ることができました。さらに続けて5人の子が8日間から
16日間で乗ることができるようになっていきました。 たくさんの子ども達
に自転車を乗る楽しさを味わってほしいと思います。

ステップは次の2つの指導法で成り立っている

○ステップ指導法1「直線・カーブ」 
○ステップ指導法2「乗り出し」

※詳しくは,
1週間でマスターできる体育教科書シリーズ
「どの子も自転車に乗れるようになる新ドリル」
TOSS体育 根本正雄 企画 河村要和著 明治図書
をぜひご覧ください。

順番は,1をマスターしてから2に移ることが 大切である。

 運動の習得課題は次の3点である

第1段階 姿勢を保持する力   (直 線)
第2段階 ハンドルを調整する力(カーブ)
第3段階 バランス+推進力   (乗り出し)
 指導の方法のポイントは自転車の後ろではなく,脇に立つことである。そして,
1.ハンドルと子どもの体を両手で支えて,初めは子どもを自転車に乗せた運ぶ。
2.そしてバランスが取れそうになってきたら,徐々に補助の手を緩めていく。
3.20分もすると,直線だけなら,一人で5m以上は乗れるようになる。
4.うまく補助をすると,3日間で,直線だけなら一人で乗れるようになる。
  ※ただしこの段階ではまだ,乗り出しはできません。
5.カーブで乗れるように練習する。※やり方は1・2と同様。
6.足けりのりを練習する。※地面を足でけって前へ進む。
7.「1・2・3と地面をけって足をペダルの乗せて漕ぎ出す。
   ※カーブの練習2日間,乗り出しの練習3日間,1日20分程度の練習で乗れるようになりました。

<お問い合わせ:motoka@mx4.ttcn.ne.jp 河村宛>

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