過去も未来もない。今一瞬一瞬を大事に,丁寧に冷静に慎重に美しく笑顔で生きること。
チェックの観点
1 笑顔をつくる (笑顔で安定した状態を教室に作っているか。)
① ほとんど笑顔が見られない。
② 時々(少ない)笑い顔を見せる。
③ しばしば笑顔を見せる。
④ 全体的に笑顔やほほえみで授業が進行している。
⑤ 全体的に笑顔やほほえみで授業が進行し,クラス全体に向けられている。
2 目線を合わせる (子供たちに授業に向かう集中力を維持しているか。)
① 子ども達とほとんど目が合わない。
② 手前の子ども達と時々目が合う。
③ 端や後ろの子とも目が合う。
④ 全員の子と何度も目が合っている。
⑤ 全員の子に優しい目線,伝えるときの強い目線が使い分けられている。
3 ほめる (子供の意欲と自己肯定感を高めているか。)
① ほめる言葉や様子が全く見られない。
② 1~2回ほめ言葉や様子が見られた。
③ 時々ほめ言葉や様子が見られる。
④ 全員に一度はほめ言葉をかけている。
⑤ 要所を押さえ,また,強弱を付け,全員に褒め言葉が向けられている。
4 作業指示を入れる (子どもの活動を保証しているか。)
① ほとんど説明で授業が進んでいる。
② 時々手をあげさせるなど確認の作業がある。
③ 児童生徒が手をあげたり,書いたりする場面が時々ある。
④ 児童生徒が手をあげたり,書いたり,相談したりする場面がしばしばある。
⑤ 児童生徒が相談したり,黒板に書いたりするなど,活発な動きがある。
5 具体的でシンプルな指示をする (話が子供に届いているか。)
① 説明が多く,話が長すぎる。
② 説明が多く,話がやや長い。
③ 話が比較的短い。
④ 具体的にイメージできる言葉で端的に話している。
⑤ 子どもに届くトーンで具体的に短く端的に話している。
6 スモールステップで組み立てる (どの子も理解が進んでいるか。)
① 難しい内容を一度に出してしまい,待ち時間も長い。
② 分からずに困っている,取り掛かれない子どもがいる。
③ 皆取り組んでいるが,なかなか進まない子どもがいる。
④ どの子も分かる課題からスモールステップで徐々に課題の難易度が上がっている。
⑤ 実態差のある子に応じて,スモールステップが授業にうまく配置されている。
7 待つ (子どもの実態と気持ちに応じて活動させているか。)
① すぐに怒って,子どもを追い立ててしまっている。
② やらないと,何とかやらせようと,無理に動かしている。
③ 少し待ちながら徐々に活動させている。
④ 気持ちを読みながら,タイミングを計って言葉かけ等を行い,活動させている。
⑤ なかなかやり始めない子どもも,やる気を引き出し,活動させている。
8 主意説明をする (意欲をもって活動しているか。)
① 何のためにするのか分からず次から次へと動いている。
② 何をするかは伝えているが,何のためかは伝えていない。
③ 何をするかわかるように伝えている。
④ 何のためにしているか伝えている。
⑤ 人の役に立つことなど分かりやすく伝え活動に意欲を持たせている。
9 環境設定をする (安定して学習できる環境が作られているか。)
① 余計な荷物や道具が教室・授業の場に置かれていて危ない。
② 教室の前面に様々のものが貼られ過ぎている。場に物が置かれ過ぎている。
③ 授業の流れが児童生徒に分かる工夫がしてある。
④ 児童生徒が安心して学習を進められる視覚的支援、ガイドがある。
⑤ 授業の場がすっきりし,また,児童生徒が迷いなく動ける動線が意識されている。
10 発達段階に応じた対応をする (合理的な配慮がなされているか。)
① 発達が遅れているのに,周りの子に遅れていると叱ってしまう。
② 知的な遅れや身体的な不安定さにかかわらず,周りの子と同様に指導している。
③ 知的な遅れや身体的不安定さに気を付けて指導している。
④ 知的な遅れや身体的な不安定さに配慮して言葉かけや支援をしている。
⑤ 知的な遅れや身体的な不安定さの実態を把握し,必要な教材や支援を用意している。
1 笑顔をつくる (笑顔で安定した状態を教室に作っているか。)
① ほとんど笑顔が見られない。
② 時々(少ない)笑い顔を見せる。
③ しばしば笑顔を見せる。
④ 全体的に笑顔やほほえみで授業が進行している。
⑤ 全体的に笑顔やほほえみで授業が進行し,クラス全体に向けられている。
2 目線を合わせる (子供たちに授業に向かう集中力を維持しているか。)
① 子ども達とほとんど目が合わない。
② 手前の子ども達と時々目が合う。
③ 端や後ろの子とも目が合う。
④ 全員の子と何度も目が合っている。
⑤ 全員の子に優しい目線,伝えるときの強い目線が使い分けられている。
3 ほめる (子供の意欲と自己肯定感を高めているか。)
① ほめる言葉や様子が全く見られない。
② 1~2回ほめ言葉や様子が見られた。
③ 時々ほめ言葉や様子が見られる。
④ 全員に一度はほめ言葉をかけている。
⑤ 要所を押さえ,また,強弱を付け,全員に褒め言葉が向けられている。
4 作業指示を入れる (子どもの活動を保証しているか。)
① ほとんど説明で授業が進んでいる。
② 時々手をあげさせるなど確認の作業がある。
③ 児童生徒が手をあげたり,書いたりする場面が時々ある。
④ 児童生徒が手をあげたり,書いたり,相談したりする場面がしばしばある。
⑤ 児童生徒が相談したり,黒板に書いたりするなど,活発な動きがある。
5 具体的でシンプルな指示をする (話が子供に届いているか。)
① 説明が多く,話が長すぎる。
② 説明が多く,話がやや長い。
③ 話が比較的短い。
④ 具体的にイメージできる言葉で端的に話している。
⑤ 子どもに届くトーンで具体的に短く端的に話している。
6 スモールステップで組み立てる (どの子も理解が進んでいるか。)
① 難しい内容を一度に出してしまい,待ち時間も長い。
② 分からずに困っている,取り掛かれない子どもがいる。
③ 皆取り組んでいるが,なかなか進まない子どもがいる。
④ どの子も分かる課題からスモールステップで徐々に課題の難易度が上がっている。
⑤ 実態差のある子に応じて,スモールステップが授業にうまく配置されている。
7 待つ (子どもの実態と気持ちに応じて活動させているか。)
① すぐに怒って,子どもを追い立ててしまっている。
② やらないと,何とかやらせようと,無理に動かしている。
③ 少し待ちながら徐々に活動させている。
④ 気持ちを読みながら,タイミングを計って言葉かけ等を行い,活動させている。
⑤ なかなかやり始めない子どもも,やる気を引き出し,活動させている。
8 主意説明をする (意欲をもって活動しているか。)
① 何のためにするのか分からず次から次へと動いている。
② 何をするかは伝えているが,何のためかは伝えていない。
③ 何をするかわかるように伝えている。
④ 何のためにしているか伝えている。
⑤ 人の役に立つことなど分かりやすく伝え活動に意欲を持たせている。
9 環境設定をする (安定して学習できる環境が作られているか。)
① 余計な荷物や道具が教室・授業の場に置かれていて危ない。
② 教室の前面に様々のものが貼られ過ぎている。場に物が置かれ過ぎている。
③ 授業の流れが児童生徒に分かる工夫がしてある。
④ 児童生徒が安心して学習を進められる視覚的支援、ガイドがある。
⑤ 授業の場がすっきりし,また,児童生徒が迷いなく動ける動線が意識されている。
10 発達段階に応じた対応をする (合理的な配慮がなされているか。)
① 発達が遅れているのに,周りの子に遅れていると叱ってしまう。
② 知的な遅れや身体的な不安定さにかかわらず,周りの子と同様に指導している。
③ 知的な遅れや身体的不安定さに気を付けて指導している。
④ 知的な遅れや身体的な不安定さに配慮して言葉かけや支援をしている。
⑤ 知的な遅れや身体的な不安定さの実態を把握し,必要な教材や支援を用意している。
補 関係性をまず作る
・新しい子ども達を迎える。その子ども達が発達障害や知的障害を抱えている場合,
また,さらに二次障害を抱えている場合,
①特性に応じた指導
②認知に応じた指導
③関係性の構築
の3つが必要となる。その中で,最も重要なのは,③関係性の構築である。
自己肯定感が下がり,周りの人間を敵視している場合もある。そのとき,
「関係性の構築」を図らずに,認知に応じた指導も,特性に応じた指導も
何も受け付けない。関係ができて,初めて指導ができるようになるのである。
尊敬するベテランの教諭は,クラスにキャッチボール用のグローブやボールを
常備している。それでまずはキャッチボールをするのである。暴言を吐いていても,
キャッチボールはする。そこから関係性ができると,信頼感が生まれ,
様々な能力を発揮し始める。まずは関係性である。
評定・評価
各 1~5点
項目 判定
1 笑顔をつくる
2 目線を合わせる
3 ほめる
4 作業指示を入れる
5 具体的でシンプルな指示をする
6 スモールステップで組み立てる
7 待つ
8 主意説明をする
9 環境設定をする
10 発達段階に応じた対応をする
合計
※ 基礎基本力 1~20初級 / 21~30標準 /
31~40中級 / 41~50上級レベル
(一応の目安となります。)
・新しい子ども達を迎える。その子ども達が発達障害や知的障害を抱えている場合,
また,さらに二次障害を抱えている場合,
①特性に応じた指導
②認知に応じた指導
③関係性の構築
の3つが必要となる。その中で,最も重要なのは,③関係性の構築である。
自己肯定感が下がり,周りの人間を敵視している場合もある。そのとき,
「関係性の構築」を図らずに,認知に応じた指導も,特性に応じた指導も
何も受け付けない。関係ができて,初めて指導ができるようになるのである。
尊敬するベテランの教諭は,クラスにキャッチボール用のグローブやボールを
常備している。それでまずはキャッチボールをするのである。暴言を吐いていても,
キャッチボールはする。そこから関係性ができると,信頼感が生まれ,
様々な能力を発揮し始める。まずは関係性である。
評定・評価
各 1~5点
項目 判定
1 笑顔をつくる
2 目線を合わせる
3 ほめる
4 作業指示を入れる
5 具体的でシンプルな指示をする
6 スモールステップで組み立てる
7 待つ
8 主意説明をする
9 環境設定をする
10 発達段階に応じた対応をする
合計
※ 基礎基本力 1~20初級 / 21~30標準 /
31~40中級 / 41~50上級レベル
(一応の目安となります。)
9 環境設定をする
・黒板の周りや中に余計な物を貼らない。掲示物など、貼り過ぎず、
シンプルにする。
※ 発達障害や知的障害がある場合,「選択注視」が難しい。選択注視とは,
多くの中から,自分の必要な情報だけに注目する力である。
※ 多くのものがべたべた貼ってあると,余計な物に注意が取られ,
「ここを見なさい」という所に注目することができず,場合によっては騒いだり,
動き出したりし,授業が成立しなくなってしまう。
※ 金魚の水槽を黒板脇などに置くのも検討が必要である。集中がそがれる。
聴覚に注意欠陥が現れる子どもで,金魚の水槽のブクブクの音に気持ちを取られ,
全く授業にのれない子がいた。視覚的にも聴覚的にも,環境設定で配慮が必要である。
10 発達段階に応じた対応をする
・RPDCAの基本であり,実態把握の重要性である。実態を把握し,発達の段階を見て,
適切な教材を与える必要がある。また,適切な言葉かけ,支援が必要となる。全く
見当違いな支援をしていては,成長するどころか,成長を止めてしまう恐れさえある。
※ 例えば,太田ステージでステージⅡの子どもに,言葉だけの指示は通じない。その
ことを理解せず,いつまでも,言葉だけで「早く靴を履きなさい」と言い続けていて
はダメである。視覚的は提示,指さし,補助が必ず必要となる。
※ 言葉の理解のない段階の子どもも,「靴を履きなさい」と言い続けていると,
言葉を理解したかのようにできるようになる場合がある。しかし,それは,言葉を理解
して動いているのではなく,「感覚運動的」に身に付いているのである。同じような場所で,
同じような動作,言葉をかけていると,その場ではできるようになってくる。これは感覚運動
である。言葉の理解のない子は感覚運動でもいろいろ身に付けていくことが,生活の自立に
つながるといわれるので,それはよい。しかし,だからといって,「言葉を理解している」
「言葉が分かるのよ」として,他の行動も同様に扱うと,指導は息づまる。
・黒板の周りや中に余計な物を貼らない。掲示物など、貼り過ぎず、
シンプルにする。
※ 発達障害や知的障害がある場合,「選択注視」が難しい。選択注視とは,
多くの中から,自分の必要な情報だけに注目する力である。
※ 多くのものがべたべた貼ってあると,余計な物に注意が取られ,
「ここを見なさい」という所に注目することができず,場合によっては騒いだり,
動き出したりし,授業が成立しなくなってしまう。
※ 金魚の水槽を黒板脇などに置くのも検討が必要である。集中がそがれる。
聴覚に注意欠陥が現れる子どもで,金魚の水槽のブクブクの音に気持ちを取られ,
全く授業にのれない子がいた。視覚的にも聴覚的にも,環境設定で配慮が必要である。
10 発達段階に応じた対応をする
・RPDCAの基本であり,実態把握の重要性である。実態を把握し,発達の段階を見て,
適切な教材を与える必要がある。また,適切な言葉かけ,支援が必要となる。全く
見当違いな支援をしていては,成長するどころか,成長を止めてしまう恐れさえある。
※ 例えば,太田ステージでステージⅡの子どもに,言葉だけの指示は通じない。その
ことを理解せず,いつまでも,言葉だけで「早く靴を履きなさい」と言い続けていて
はダメである。視覚的は提示,指さし,補助が必ず必要となる。
※ 言葉の理解のない段階の子どもも,「靴を履きなさい」と言い続けていると,
言葉を理解したかのようにできるようになる場合がある。しかし,それは,言葉を理解
して動いているのではなく,「感覚運動的」に身に付いているのである。同じような場所で,
同じような動作,言葉をかけていると,その場ではできるようになってくる。これは感覚運動
である。言葉の理解のない子は感覚運動でもいろいろ身に付けていくことが,生活の自立に
つながるといわれるので,それはよい。しかし,だからといって,「言葉を理解している」
「言葉が分かるのよ」として,他の行動も同様に扱うと,指導は息づまる。
6 スモールステップで組み立てる
・できるだけ,内容を細分化して,スモールステップで教える。
・授業を見学すると,急に難しい問題から入り,ついていけないでいる
子どもを見かける場合がある。問題のレベルが合っていないのである。
・全員が分かる所から入るのがよい。分かる子どもも,より分かりやすくなる。
※ 例えば,「5×1000mは何m?」がピンとこないときには,
「1×1000mは何m?」 1000mです。
「2×1000mは何m?」 2000mです。
「3×1000mは何m?」 3000mです。
「4×1000mは何m?」 4000mです。
「じゃあ,5×1000mは何m?」 5000mです。
と答えられる。
※ 分からないことは,分ければ分かる。ステップを踏めば分かる。
7 待つ
・指示や問いをした後,なかなか動かなかったり,答えなかったりするとすぐに「はやく!」
「分からないの?」と追い立ててはいけない。やや長く待つことでできる場合が増える。
※ 知的障害があると,脳の伝達速度は通常の1.5倍かかるといわれる。例えば,
「あなたの名前は何ですか?」と聞かれ,通常は1秒以内に「○○です。」と答える。
しかし,知的障害があると,4~5秒かかってようやく答えるということがあり得る。
それが,精神的,身体的不調が伴っていた場合,なかなか答えられないということも出てくる。
「待つ」ということは重要なのである。
8 主意説明をする
・なぜするのか。それを一言伝えた方が,活動に意欲を持って取り組むことができる。
※ 例えば,「ゴミをひろいなさい」とただ言うよりも,「学校をきれいにします。
ゴミをひろいましょう」の方がよい。より具体的にする場合は,「学校をきれいにします。
ごみを十個ひろいましょう」の方が,より子ども達が意欲を持って動く。
※ 現場実習で,製品を作る時,「頑張って作りましょう」よりも,「この製品は,
全国の待っている人たちの所へ届きます。みんなの活動が全国の人の役に立つのです。
頑張りましょう」の方が,子ども達のモチベーションを高めることができる。
※ ただし,説明が長くなると,すべては台無しとなるので,具体的に端的に主意説明を
入れることである。
・できるだけ,内容を細分化して,スモールステップで教える。
・授業を見学すると,急に難しい問題から入り,ついていけないでいる
子どもを見かける場合がある。問題のレベルが合っていないのである。
・全員が分かる所から入るのがよい。分かる子どもも,より分かりやすくなる。
※ 例えば,「5×1000mは何m?」がピンとこないときには,
「1×1000mは何m?」 1000mです。
「2×1000mは何m?」 2000mです。
「3×1000mは何m?」 3000mです。
「4×1000mは何m?」 4000mです。
「じゃあ,5×1000mは何m?」 5000mです。
と答えられる。
※ 分からないことは,分ければ分かる。ステップを踏めば分かる。
7 待つ
・指示や問いをした後,なかなか動かなかったり,答えなかったりするとすぐに「はやく!」
「分からないの?」と追い立ててはいけない。やや長く待つことでできる場合が増える。
※ 知的障害があると,脳の伝達速度は通常の1.5倍かかるといわれる。例えば,
「あなたの名前は何ですか?」と聞かれ,通常は1秒以内に「○○です。」と答える。
しかし,知的障害があると,4~5秒かかってようやく答えるということがあり得る。
それが,精神的,身体的不調が伴っていた場合,なかなか答えられないということも出てくる。
「待つ」ということは重要なのである。
8 主意説明をする
・なぜするのか。それを一言伝えた方が,活動に意欲を持って取り組むことができる。
※ 例えば,「ゴミをひろいなさい」とただ言うよりも,「学校をきれいにします。
ゴミをひろいましょう」の方がよい。より具体的にする場合は,「学校をきれいにします。
ごみを十個ひろいましょう」の方が,より子ども達が意欲を持って動く。
※ 現場実習で,製品を作る時,「頑張って作りましょう」よりも,「この製品は,
全国の待っている人たちの所へ届きます。みんなの活動が全国の人の役に立つのです。
頑張りましょう」の方が,子ども達のモチベーションを高めることができる。
※ ただし,説明が長くなると,すべては台無しとなるので,具体的に端的に主意説明を
入れることである。