背景を読み取り支援につなげる
授業中教室から飛び出す。誰が声をかけても戻らない。
声をかけた校長先生に,「校長先生は大嫌いだ。
あっちへ行け」と叫ぶ。支援員が付いており,担任は
その子を支援員に任せ,クラスの他の子は普通に授業
を受けている。40人のクラスがまとまっており,
授業の技術は高い。しかし,授業中クラスから飛び出
す子が改善できない。
その子の行動が,5カ月余りで改善された。その子
の抱える背景を十分に聞き取り,関係者が共通の認識
を持って対応したことと同時に,保護者の意識に変化
が起きたことが大きな決め手となった。「必要ない」
と言っていた保護者が専門の医療機関にかかったので
ある。適切な薬を処方され,学級の中ですっかり落ち
着きを取り戻した。
その子の見える行動だけでなく,その背景を探る。
そこに解決の糸口が見つけられる場合がある。相談業
務を各方面から受けているプロの臨床家に伺った内容
について紹介する。
アセスメント・フェイスシート
その子の表面的なことだけでなく,抱えている背景
を読み取る。その情報は,他の専門機関の方々の協力
を得る場合は絶対に欠かせない。臨床家のプロはその
情報の一つ一つから原因や対応を瞬時に読み取る。
――――――――――――――――――
Ⅰ フェイスシートの作成
1 氏名・年齢・性別・在籍期間
呼称やニックネーム,国籍,在籍期間の概要等。
2 相談経緯及び相談者
相談者の立場・役職・リファー等
3 主訴 誰が・いつから・どこで・どんなことで・
どれくらい困っているのか
(1)相談者の困っていること。
(2)本人の困っていること,本人は困っているのか。
(3)保護者の困っていること,保護者は困っているのか。
(4)その他の人や場が困っていること。
4 発症契機
(1)いつごろ始まったか。いつごろ気づいたか。
(2)はじめて起きたのか。繰り返しているのか。
(3)どのくらい続いているのか。
(4)本人だけなのか。誰か巻き込んでいるのか。
(集団で起きているのか。一対一の人間関係で起きているのか。)
(5)どこで起こっているのか。限局的なのか。どの場面でもか。
(家庭・学校・地域等)時間的な限定はあるのか。
(朝・日中・夕刻・夜・夜中等)
(6)今までとった対応・対策はなにか。
(いつ頃・どこに・期間と頻度・機関と相談経過・方針等)
(7)その結果はどうなったのか。
(8)本人の受け止め方はどうか。
(本人は困っているのか。なんとかしたいと思って
いる様子があるのか。全く問題意識がないのか。)
(9)今後活用できる資源はなにか。
(相談機関・医療機関・支援,協力者等。)
5 今回の相談での要望・希望
(1)具体的にどうしたいのか。
(最終的な目標,当面の目標は何か。)
(2)こちらへの具体的な希望要望はなにか。
以上,上記の情報を突破口とし,必要に応じて,
Ⅱ 情報の収集:6既往歴 7性格等
8在籍機関(幼稚園・保育所・各学校)からの情報
9関係機関からの情報 10家族歴
Ⅲ 生育歴の作成 11生活史の聴取
といった内容を細かく掘り下げる。
判断は素早く的確に行うことが問題解決の条件である。
しかし,薄い情報では的確な判断ができず,誤る。
素早くできるだけ正しい情報入手し,その上で的確な
判断をする。それがベストな解決の方向に向かう。
授業中教室から飛び出す。誰が声をかけても戻らない。
声をかけた校長先生に,「校長先生は大嫌いだ。
あっちへ行け」と叫ぶ。支援員が付いており,担任は
その子を支援員に任せ,クラスの他の子は普通に授業
を受けている。40人のクラスがまとまっており,
授業の技術は高い。しかし,授業中クラスから飛び出
す子が改善できない。
その子の行動が,5カ月余りで改善された。その子
の抱える背景を十分に聞き取り,関係者が共通の認識
を持って対応したことと同時に,保護者の意識に変化
が起きたことが大きな決め手となった。「必要ない」
と言っていた保護者が専門の医療機関にかかったので
ある。適切な薬を処方され,学級の中ですっかり落ち
着きを取り戻した。
その子の見える行動だけでなく,その背景を探る。
そこに解決の糸口が見つけられる場合がある。相談業
務を各方面から受けているプロの臨床家に伺った内容
について紹介する。
アセスメント・フェイスシート
その子の表面的なことだけでなく,抱えている背景
を読み取る。その情報は,他の専門機関の方々の協力
を得る場合は絶対に欠かせない。臨床家のプロはその
情報の一つ一つから原因や対応を瞬時に読み取る。
――――――――――――――――――
Ⅰ フェイスシートの作成
1 氏名・年齢・性別・在籍期間
呼称やニックネーム,国籍,在籍期間の概要等。
2 相談経緯及び相談者
相談者の立場・役職・リファー等
3 主訴 誰が・いつから・どこで・どんなことで・
どれくらい困っているのか
(1)相談者の困っていること。
(2)本人の困っていること,本人は困っているのか。
(3)保護者の困っていること,保護者は困っているのか。
(4)その他の人や場が困っていること。
4 発症契機
(1)いつごろ始まったか。いつごろ気づいたか。
(2)はじめて起きたのか。繰り返しているのか。
(3)どのくらい続いているのか。
(4)本人だけなのか。誰か巻き込んでいるのか。
(集団で起きているのか。一対一の人間関係で起きているのか。)
(5)どこで起こっているのか。限局的なのか。どの場面でもか。
(家庭・学校・地域等)時間的な限定はあるのか。
(朝・日中・夕刻・夜・夜中等)
(6)今までとった対応・対策はなにか。
(いつ頃・どこに・期間と頻度・機関と相談経過・方針等)
(7)その結果はどうなったのか。
(8)本人の受け止め方はどうか。
(本人は困っているのか。なんとかしたいと思って
いる様子があるのか。全く問題意識がないのか。)
(9)今後活用できる資源はなにか。
(相談機関・医療機関・支援,協力者等。)
5 今回の相談での要望・希望
(1)具体的にどうしたいのか。
(最終的な目標,当面の目標は何か。)
(2)こちらへの具体的な希望要望はなにか。
以上,上記の情報を突破口とし,必要に応じて,
Ⅱ 情報の収集:6既往歴 7性格等
8在籍機関(幼稚園・保育所・各学校)からの情報
9関係機関からの情報 10家族歴
Ⅲ 生育歴の作成 11生活史の聴取
といった内容を細かく掘り下げる。
判断は素早く的確に行うことが問題解決の条件である。
しかし,薄い情報では的確な判断ができず,誤る。
素早くできるだけ正しい情報入手し,その上で的確な
判断をする。それがベストな解決の方向に向かう。