思う・学ぶ・発達支援 心のケア サイト

特別支援教育の実践情報など。また,日々の喜びを見つけ、よくする手立てはないか考える、成長・教育のサイトです。

発達障害研究会

2019年03月09日 | 教育
トラウマ,虐待のテーマの研修会に参加した。

<東日本大震災後の様子から>

・震災そのものもさることながら,その後の生活からうつを発症していくケースが多い。
→環境がいかに大事であるか。

・母親が中等度以上の抑うつにある場合,子どもの不適応が多い。
→母親の心情が,子どもの心理に深く影響する。

・地域のつながりや支えがしっかりある母親のうつ等が少ない。
→地域の安定が,母親の安定につながり,子どもの落ち着きにつながる。

・ASDでは,トラウマ反応とASD特性による不適応行動が起こる。
→どちらの傾向が強いのか,どちらもであるか,見極めることが支援のために必要。
☆環境調整なしにはケアは始まらない。

安心,安全な環境設定がまずは何よりも必要である。

<虐待>

・発達障害のように見えるが,発達障害ではない,別の状態というものがある。
→虐待により,発達障害の様相を呈する場合がある。

※杉山登志朗氏は第4の障害と言っている。

・発達障害の特性から適応がうまくいかず不適応な行動,問題行動を起こしてい
るように見えた子どもたち。
→どの子も一時保護で環境が整えられると,少しずつ適切な行動様式に戻っていった。

・世に見えない中に,最悪な状況におかれ続けた(ている)子がどれほど多いことか。
・性的虐待がどのようなもので,どれほどひどいものか,改めて衝撃を受けた。

<教育とトラウマ>

・強制的に,継続的に行われる指導は教育虐待である。

・武田信子氏(2011)が日本虐待防止学会で「子供の受忍限度を超えて勉強
させるのは『教育虐待』になる」と発表してから,取り上げられるようになる。
・橘ジュン氏(2016),古荘純一氏(2015)も著書等で取り上げている。

 親や教師が,何を思い,何をしているかではなく,(熱意があっても)
子どもに不適応な行動が出ていて,それが継続していれば虐待である。
それは教育にも言えることである。


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発達障害の子の変化・次の課題(幼児期)

2019年03月09日 | 教育
○自己中心的で,暴力的だった子。

 先生自身が変化し,対応を変えていったこと,魔法のイスが効いて,先生の指導
がスムーズに入るようになった。次は数か月に迫る就学に向けた備え。

・徐々に自由度を限定していって,小学校の指定された課題を一定時間,同じ場所
 でやり続けることに慣れていくことも良いのではと提案。
・もしくは,好きなことをしていていいので,着席して過ごす時間を増やす。

○固まる,停止することが多くあった子。

 呼びに行く担当を決めるなどの対応で,停止が目立たなくなった。本人と相談
した中で,固まったときには肩をトントンして知らせるということでよくなった。

・日常や家庭でのエピソードを総合すると,解離性障害・転換性障害,てんかん
 発作の可能性もあるので,医療と連携することが望ましい。保護者は,しつけ不足
 や本人の怠けと捉えているようなので,理解を促したい。

○父と離別し,母もいなくなってしまい,叔母と暮らす子。

・自分本位の部分は多いが,現状の指導方針をできるだけ維持して,引継していくこ
 とで,支援級で特に不適応なく過ごせると思われる。

<社会性向上のために>

①「お願いします」「ありがとう」の実践場面を増やすこと。先生方が先回りしてや
 ってあげているので,子どもが困らない。わざと気づかないふりをして園児から
 「助けてほしい」メッセージを出すようにさせ,「ありがとう」と言えるように場
 面づくりをしていくことも一つの方法。

②わらべうた遊びやかるたなど,簡単なルールのもと,小グループで楽しむ遊びやゲ
 ームで相互の関わりの力を伸ばしていく。

③リトミックなども取り入れて,身体をコントロールする力を付けるのもよい。
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