油彩 15x20cm 2014
2014年に70日の休暇をとるためにマラッカに出かけて最後に投宿したゲストハウスにいたがちょうを描くことになった。この家にはがちょうを初め、猫、うさぎ、カメ、鯉などが住んでいるのだけど、このがちょうが一番勢力を張っていてクイーンと呼ばれていた。猫よりもはるかに威張っているのだけどどうしたわけかぼくには従順でいつも僕の後にくっついているのだった。僕が読書を始めれば椅子の下にたたずんでいつまでも移動しようとはしない。僕がシャワーを浴びているとやっぱり戸口にたたずんで僕が出てくるのを待っているのである。夜もどうやら僕の部屋の窓の下で過ごしているようなのである。僕は女王にこんなに慕われて悪い気がしないのだけど、過去に何度かほかのがちょうと戯れていたら、必ずと言って彼らは僕の背中を駆け上がり肩の上に陣取ったり時には頭の上にまで登頂しようとするので乱暴だなと思ったことがあったのだ。この女王にはそんな乱暴な気配は微塵もなかった。それでつらつら考えてみれば、かって自分の背中を駆け上がったがちょうはすべてオスであり、あれは猿のボスが子分に対して行うマウンティングという行為だったのではないか、と思い当たった次第である。で、オスはその行為によって己の誇り高さを披露しているのであろうと思った訳だ。僕が鳥類がとても誇り高き生き物だと思ったのはこういう体験からでもあるのだ。しかし、この女王には女らしい従順さがあるばかしでオスたちのような雄々しさがなかったので、僕はこの女王をとても寵愛したのであるが、真実を言えば下の写真の奥に写っているドイツ女性にもっと慕われたかったのである。
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