油彩 54x38cm 2012
2011年満61歳から超零細の極貧年金生活を始めたのでその前の年も勘定に入れれば5年以上は部屋に全く火の気がないという越冬体験を持った。それほど働くのが嫌だったし終日絵の勉強をしていたかったからである。その当時は日本で画家として生きることは絶望的であったから海外へ脱出することばかり考えていた。自分のような超零細年金受給者でも何とか暮らしていけそうな国がないでもなかったので、海外脱出だけに夢を託していた。それであれこれ脱出先を物色していたのだけど、なかなか決心がつかなかったのはやはり年齢のせいだろう。これまでさんざん放浪生活を続けられたのはいざとなれば帰国してタクシー家業でやり直しがきくとかんがえていたからで、しかし加齢とともに人生やり直しはもはやできないかもしれないという不安が頭をもたげてきたからである。人生やり直しはやはりものすごいエネルギーを必要とするものであって、それを再び経験するのはもうたくさんだという感慨が年寄りには付きまとうものなのだ。それで日本を出そびれて火の気無しのアパートで5年以上も越冬生活をしなければならなくなったのだけど、たまりかねて描いたのが上の絵というわけだ。
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