雲ひとつない青空。灼熱の太陽。今日も調査は続く。
風があり涼しいと感じたが、最高気温は38℃。ダメージはしっかりと体に蓄積されていく。
今日はメンバーに若干の変更があり、観察チームは全員男。今回の調査では初めてだ。
それに対して何の違和感もなく、なんなら若干の居心地の良さを感じている自分が少し可笑しかった。
ここ何年かで、異性がいてもいなくても、自分の立ち振る舞いとか行動はそこまで変わらなくなったのだけれど、男だけだと何というか、すごく楽だ。
チームの雰囲気はがらっと変わるわけではないのだが、気持ち穏やかになる。
部活でもマネージャーがいるときの方が楽しくてやる気がでるものだと思っていたが、男だけの遠征もそれはそれで面白く、心休まる時間だったなぁと今になって思う。
女子がすぐ女子会をしたがるのとは、また少し違うのかもしれない。
顔に少し笑みを浮かべながら、ポツポツとしゃべり、あまり間が空いても気にならない。
その雰囲気が懐かしく、好ましかった。
男は男だけの方が実は穏やかで優しいと思う。
異性がいると、無意識的に無理してしまうのが男の性(さが)なのかもしれない。
女は女だけの方がよくしゃべり、人の噂話に終止し、スイーツを好み、待ちに徹する。男はその逆。
そう思いこんでいたのだが、結局港のカフェでアイスを食べながら、「女は怖い」という話でいつもより盛り上がり、他チームの帰りを待つという、男らしさのかけらもない時間になってしまった。
Q.E.D.
崖の裏の景色
観光用の展望台。こんなところから観測できたら毎日山を登っている我々の立場がない
新しいルートはもはやただの崖だった