旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

同窓会

2011年06月05日 20時54分06秒 | Weblog
18時前に受付を済ませると間もなく同窓会は始まった。予想を上回る89名が出席した。最も関係が濃かった体操部の仲間7名のうち4名が出席していた。ほっとした。元呉市区役所職員、元県立高校校長、それに元小料理店の店主、元外資系生保の社員で2年前から末端の国家公務員に転身したはやとの総計4名がその内訳だ。出席できなかったのは建設関連会社の役員、中学校の教員に元女子部員の3名だ。司会者が初っ端にもらしてしまったように、見渡せば禿げに白髪、皺の3拍子揃った立派なオジサン、オバサンのオンパレードだ。逝去した者の数が確認できただけで20有余名という数字は痛い。同窓会は立食パーティ形式なのでギリギリに受付を済ませたものだから腰を下ろす場所すらない。また不肖はやと、群れるのが嫌いだから誰彼と待ち合わせをするでもなく単身で会場に出向いている。体操部の仲間以外に知り合いがいないのではないかという不安が脳裏をよぎらないわけでもなかった。

杞憂だった。ざっと見渡しただけでかなりの知人がいる。片っぱしから旧交を温めることになった。話しているうちに高校生時代のわたしを、同級生たちからどのように見ていたのかがしだいに明らかになっていった。やはりというべきか、小柄だが妙にエネルギッシュで口が立つ硬派の山猿というイメージが最大公約数だ。4割がたが女性だった。見渡して記憶が蘇るのはおひと方だけだ。声をかけたがそっけない。苦手な女性たちにインタビューするのは困難だと判断して男性軍と談笑していたら、突如として女性3人から声をかけられた。「あっのう、どちらさん、いや、誰じゃったかいねえ。」「は、○○です。」と即答した。姓を聞いてなお3人連れは、わたしが誰だか解らないという。ところが、である。3対1の会話のなかで彼女たちがしきりに声をそろえ頷き合うのが「こんなかっこいいひとが同窓生にいたことを知らんかった。」とか「若いねえ、もてるじゃろ。」とかいう信じがたいお言葉の数々なのであった。もっとも、ご3名さまともにかなりアルコールが入っていたようだし、お目がお悪いことだってありうる。割り引いて聞かなければならぬ。ほかにも多々考慮しなければならないことがあるにちがいない。

最近、さるうら若き美女お二人から過分のお言葉を頂戴したので「ひょっとしたら、おれって・・・。」と分不相応な夢想をした。勇み足的にさる女性にその旨を伝えたところ「単純ねえ。」と切り捨てられている。賞賛の背景に何かあるのじゃないかと疑いながらも、懲りもしないでひとり喜びにうち震えていた。やはり根が単純なのだ。同窓会出席に傾いた理由ひとつに、ウン10年ぶりに再会した同級の女性たちが、わたしのことをどのように評価するか知りたいという不純な動機があった。ひとは突如として加速度的に老けこんだり、心の病気か何かで輝きを失うことだってありえる。だから、保険という意味合いでこういう話は軽く聞き流しておくにこしたことはないのだろう。また、ブログにせよ日常のつき合いにせよ、他人の自慢話ほど面白くもなんともないものはない。だから以降は自慢話の類は自重することにする。