むかわの阿呆演劇日誌

演劇についての劇日誌やつれづれの演劇、映画の感想や日々のつぶやき。写真もあげます。

現代演劇迷想記「それで。わたしは」

2012年04月23日 21時49分16秒 | Weblog
ピンク地底人番外公演「君がいなくても」
作・演出:ピンク地底人3号
2012年4月23日(月)PM7:00~8:00くらい  アトリエ劇研

とある女性の話。息子のことを探しつづける女。その女が街の人たちに声かけてはなすが、バラバラ。名前だけがあって、女には声が聞こえる。その女は妊婦にあこがれたり、こどもさがしまわったり、コインロッカーに捨てられたこどもを拾うが奪われたり。
息子は不在。いや、女のなかで
存在するのだ。女も周りによって、かつて自分がいいふらしたかのように、年齢も立場も変容する。ホームレスのような朽ちた女であろうと、女は息子を思う。見ながら、ひとりの若い女優が演じているが、君を思う力がはかなかろうが、かなしくみえようが、くっきりと存在する。その力を感じた。

影である。いとおしい影。君がいなくても、それがたとえ妄想であろうと。存在する。

それは、街のなかで生きる限りつみかさなり続けるひとからうまれてくるのだ。

ひきこもりは、まさにそんな影を大切にし、演劇はまさにそんな影から幻を産む。

面白い芝居だった。それは外に出てわかる。いつも疲れが消えて、夜が静かにあるのを感じたからだ。


観劇 ブログランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする