ちょっと長目の「ひとこと感想」その5。
観た直後のメモには、上映会場で書いたアンケートの内容だけが残っていた。
「原作になった小説を読んでしまっていて、小説だけで十分・・・という内容に思えたので迷いましたが、観に来て良かった。登場人物たちの心情について、ひとつの“解釈”を見せてもらった気がしました。田畑智子さんは綺麗でした。主人公の友人(コンビニバイト)はとても良かった!! 人間がオロカなのは当たり前のことだと私は思うので、誰も責めない作品の雰囲気も。ただ、ネットは“集団”としての人の愚かさ=暴力を誘うところがあって、その深刻さを見せられると、いつも考えさせられてしまいます」
実は今、小説は勿論、映画の内容もあまり思い出せない自分・・・(^^;
それでも、演じていた若い俳優さんたちのリアルさ?がそのまま自然に役柄に繋がって見えていたこと、例えばバイト先に届けられたお弁当を分け合って、むさぼるように食べていた2人の高校生の姿・・・などは眼に浮かぶ。
美しい映像・・・例えば白い壁の室内でのセックス・シーン(その上映会としては初めてのRー18とか)。気弱で自信が持てない、でもとても健全というか清潔で健康な土台を感じさせるヒロイン。同じく健康で(年相応に)真っ当?な人格を感じさせる主人公。彼を裏切ることになったとはいえ、貧困の中で(年齢をはるかに超える)オトナにならざるを得なかった友人。そして、そんな彼に真剣に忠告してくれた年長の同僚の素顔・・・
こうして書いていると、少しずつ人物のエピソードが蘇る。
アンケートの中で「ひとつの解釈」と言ったのは、これらの人物たちを「得体が知れない混沌を抱えた」存在としては描かずに、それぞれ生身の人間、今を生きている者同士として、「健康な土台を感じさせる」描き方をしてくれたことを指していた・・・なぜかそのことだけは、今もはっきり覚えている。
好き嫌いはあると思うけれど、これはこれで良くできた映画だったんだな・・・と、今振り返っても思う。
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