眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

2014-05-18 12:24:49 | 映画・本

ちょっと長い「ひとこと感想」その11。

観た直後のメモには、「予告編で、“子ども”と“トラ”と、あとはクジラくらいしか出てこない?ような映画に見えたため、私向きかも~なんて、以前から楽しみにしていた作品。苦手な3D映像も、海や海洋生物とは相性がいいかもしれないし・・・などと思っていたのだけれど、実際は“海”だけでなく、冒頭の動物園のシーンなど、とてもとても美しかった。(トラに至っては、もう圧倒的な迫力!)」などと。

帰宅後、若い友人たちにも勧めたらしく、「“物語”というものがどうして生まれてくるのか・・・について、また違う方から?触れていて、“落下の王国”なんかが好きな人は観に行ってもいいかも~」とか、「“宗教”というか、“神”という存在にも触れざるを得ない状況だから、なんだかそんなことも考えさせるところがあったの。映像技術って、今は凄いモノがあるね~」などと、色々喋ったらしい。(若い友人の1人は、元々興味があったとかで観に行って、「3Dは、もう一段進歩したね。“飛び出し絵本”の仕組みが、さらにきめ細かくなったというか・・・」などと言っていた)

主人公の語る荒唐無稽?な「物語」については、私は途中から謎が解けてきたというか、「もしかして・・・」と思いながら観ていたのだけれど、それでも終盤のトラの後ろ姿、その潔さ!が今も記憶に残っている。主人公はあの物語で命長らえ、トラは彼の守護神の役を果たしてくれたんだな・・・なんて。泣いていた少年の気持ちが伝わって来て、私も一緒に泣きたくなった。

空恐ろしいほどの体験をくぐり抜けた少年の「物語」・・・それが、これほど美しく表現されていることにも、私は感動したのだと思う。『落下の王国』で紡がれていた物語をふと思い出したのも、私自身が何かにつけて、こういった「物語」というものの持つ力に助けられてきたから・・・そんな気もした。

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