「プリメインアンプとセパレートアンプ vol.26」の続きです。
簡単なマルチアンプの実践編12です。
-12ｄB/octの3つ目のメリットです。
（３）クロスオーバー周波数での位相を完全に合致させることができる
位相の概念は難しいのですが、
同じスピーカーが２つあるとき
２つのスピーカーのコーン紙が
両方とも出っ張る、両方とも引っ込むという状態で音楽が再生されると
音量は2倍になります。
ところが、一方が出っ張ったときに、もう一方が引っ込むという状態で音楽が再生されると
音は打ち消しあって、音量はゼロになってしまいます。
2倍になる関係を正相、打ち消しあってゼロになる関係を逆相といいます。
逆相を正相にするのは簡単で片方のプラス、マイナスを逆転させてアンプに接続すればOKです。
全てのスピーカーが正相か逆相ならば、スピーカーケーブルの繋ぎ変えだけで正相にできます。
-12ｄB/octのチャンネルデバイダーはまさにこの状態で
高域と低域が逆相になります。どちらかのケーブルをつなぎ変えれば正相になります。
ところが、
-6ｄB/octのチェンネルデバイダーを使用すると
ウーハーとツィーターの関係が正相でも逆相でもない中間の関係になってしまいます。
これはどうやっても正相になりません。
実際には、スピーカーユニットの位置やユニットの特性のため
『正相っぽい状態』または『逆相っぽい状態』になりますが、
-12ｄB/octのときのように『完全な逆相』（スピーカーケーブルをつなぎ変えると『完全な正相』）
ではありませんので何となく気持ち悪いですし、
実際に音を聴いてみると
音場感が減少したり、歪が増えて聴こえたりします。
まぁ、精神衛生上は-12ｄB/octが良いのは間違いありません！
・・・次回に続きます。
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