「プリメインアンプとセパレートアンプ vol.25」の続きです。
簡単なマルチアンプの実践編11です。
-12dB/octにも多くのメリットがあります。
代表的なものは3つです。
(1)スピーカーユニットの最も『おいしい』領域のみを使用することができる
(2)ホーンスピーカー等、帯域に制約のあるスピーカーユニットを効率的に使用できる
(3)クロスオーバー周波数での位相を完全に合致させることができる
まず、(1)ですが、
前回の『ー6dB/octはユニット間の音色の違和感が少ない』ことの裏返しの現象です。
例えば、2KHzまで再生できるウーハーで考えてみましょう。
このウーハーは2KHz以上は音圧が下がっていきますが
急に音が出なくなるというわけではありません。
メーカーが使用可能な帯域を決める際には
音圧よりも歪が重視されます。
ウーハーを高い周波数で使用すると音圧が下がるだけでなく
歪も増加します。
このような歪は帯域外の部分にありますので
帯域外を効率よくカットすることができる-12dB/octにメリットがあるということになります。
次に(2)ですが、
ツィーターに低い周波数を入力するとツィーターが破壊されることがあります。
そのためツィーターには最低使用可能な周波数が書かれています。
たとえば、『3KHz~35KHz』というような表記です。
このような表記があれば3KHz以下の信号を入れてはいけません。
ー6dB/octでは少し余裕をとって4KHzあたりで設計したりするのですが、
-12dB/octであればギリギリの3KHzまで攻めてもたぶん大丈夫です。
ユニットの再生周波数を少しでも広く取りたい場合は-12dB/octがおすすめです。
最後に(3)ですが・・・次回に続きます。
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