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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

一夢庵風流記 (隆慶一郎)

2008年06月05日 | 本のこと
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(北方謙三の)歴史物にはまっていると話したら
これも面白いよと、職場の先輩が紹介してくれた。

北方以外の歴史物にはまることができるのか・・・
半信半疑で読み始めた本書ですが、まんまと敵(敵ってだれ?)の思う壺。
止まらず止められずで、あっという間に読破!

本書の主人公、前田慶次郎という人は、わたしが男だったら
絶対こうなりたいって憧れちゃうタイプ。

まさしく文武両道、繊細な感性の持ち主なのに豪胆の持ち主。
派手だけどセンスよい組み合わせの着物を纏い大柄な体全体でアピール。
彼の政治的手腕はときの権力者豊臣秀吉や徳川家康などにも評価されるも
友情を貫き窮地に陥っている出羽米沢藩の肩を持つ。

お茶をよくたしなむ慶次郎なので、お茶を点てて喫すシーンが良く出てきますが
それがすっごくおいしそう。わたしもお茶を点てて飲みたくなった。

「無常」とは・・・

2008年06月02日 | 徒然のこと
唯識のスペシャリスト岡野守也先生のセミナーに参加してきました。

岡野先生は西洋の心理学と、東洋の唯識を統合し、人間の深層心理分析、人生を良く生きるための実践的方法論を提示するというありそうでなかった分野の第一人者。

唯識と論理療法―仏教と心理療法・その統合と実践唯識と論理療法―仏教と心理療法・その統合と実践岡野 守也佼成出版社 2004-10売り上げランキング : 79537Amazonで詳しく見る by G-Tools

ちなみに、唯識とは、この世のあらゆるものや存在は、ただ心による作用で成り立っているという仏教の考え方です。「空」という考え方がその根底にありますが、「空」=虚無ではなく、物事には必ず原因があって、その結果として物事があってというように、果てしない因果関係の繰り返しで成り立っている中、いつまでも変わらないことなんてない、固定したものなどはないという考え方。

なんてきくと、世の中なんて虚しいんだろう、とちょっと暗くなってしまうけど、岡野先生いわく、「唯識は明るい希望に満ち溢れた思想」なんだそうです。その良い例として「無常」という言葉を説明してくださいました。「無常」というと、全てのものは滅びる→むなしい、と思ってしまいますが・・・、

以下先生の話を要約。

「無常」という状態は救いです。だって「常なるものはない」「常に変化する」ということは、貧乏人もいつまでも貧乏でいることはない。とんでもない金持ちになってしまうかもしれない。

うまくいっていないことがあったとしても、無常という考え方で言えば、いつまでも悪い状態が続くわけではない。いいこともやってくる。

無常だから人は成長する。変わらなければ成長もないでしょう。桜は散るから次の年の花が咲く。

もちろん、いいことだっていつまでも続くわけじゃない。いつかは終わりが来る。執着して悩むこと自体必要ないこと。っていうか、いつまでも悩めないジャン♪

元キリスト教の牧師さんで、現在は唯識の第一人者である先生が仰るには、「唯識は最高の人間洞察。しかも、洞察だけでなく、理論を構築し、解決策まで出しちゃった。ここまで人間を信頼し、その可能性を見出せる宗教は他にない。しかし宗教と言うよりは普遍的な人間論として、21世紀の常識となって欲しい」んだそうです。

悠久のときをかけて人類が生み出したすばらしい思想の存在とその意味をわかりやすく説明してくれる岡野先生のセミナー。続きがあるらしいのでまた行ってきます。