読書には娯楽的な側面以外にも、学力の基礎になることや発想力、集中力の向上など枚挙にいとまがないほどの効果をがあるとされています。そのため、昔から読書は教育の面でも非常に有効だとされてきました。しかし、読書習慣は徐々に薄れているのが現状です。そこで、1か月に1冊も本を読まない児童・生徒の割合「不読率」の改善に向け、千葉県では第3次読書活動推進計画の策定を進めています。同計画は25年度の調査で、小学6年生が11.5%、中学3年が18.6%だった不読率を、31年度に小学6年生7%、中学3年生12%とする数値目標を盛り込んでいるほか、市町村ごとの読書活動推進計画の策定率向上、子供と本をつなぐネットワークの構築を想定しています。柏市でも、不読率向上に向けて、取り組んでいくべきだと思います。そこで、9月議会で下記のような質疑を行いました。以下は質疑の要旨。
――柏市内の学校における不読率は?
学校教育部長「平成24年からの3年間平均で小学6年生13.5%、中学3年生18.7%となっている。おおむね、千葉県の平均値と同程度である」
――不読率改善に向けた施策は?
学校教育部長「学力向上の一環として、次の3点に重点を置き、取り組んでいる。
1、全校一斉読書習慣の推進
全校で決められた時間、静寂の中で行われる読書活動は、集中して活字に親しむ活動として有効だと考えられている。現在、小学校で42%、中学校は75%の学校で実施されているが、全校で実施できるように働きかけていきたい。
2、小学校低学年からの読書習慣づくり
不読率は学年が上がるにつれ高くなるが、低学年で読書習慣が身についている場合は、学年が上がっても維持される傾向がある。必読図書の選定、貸し出し冊数の目標設定など、子供たちの読書意欲を引き出す具体的な手立てを講じ、小学校低学年からの読書習慣づくりを推進したい。
3、児童・生徒の個別指導の充実
今年度より学校図書館指導員を増員し、1校に1人配属することができるようになった。この環境を生かしながら、子供たちひとりひとりのニーズに応じたきめ細やか対応により、さらなる不読率解消につなげたい。
以上、子供たちが読んでよかった、読むことが楽しいという充実感をもち、将来に向けて読書が生活の一部になっていく姿をめざし、取り組んで参りたい」
冒頭に書いた通り、読書には学力的にも、情緒を育むという視点でも大変大きな役割を果たすものです。娯楽が増え、時間の使い方が変わっていく中、大人の活字離れが進む現在ですが、子供たちにはぜひ積極的に本を読んでほしいと思います。その中で、やはり学校における読書習慣づくりは重要です。今後も力を入れて取り組んで参ります。