――先般、改正学校教育法が可決、成立した。これにより、義務教育学校として9年間の義務教育を一貫して行ういわゆる小中一貫校が制度化された。従来の小学校6年、中学校3年という形のみならず、「5・4制」であったり、「4・3・2制」でのカリキュラムであったりといった柔軟な教育カリキュラムを組むことが可能となった。実施をすれば中一ギャップの解消や教育内容の実施学年の前倒し、あるいは入れかえなどといった多くのメリットを含む制度改正となるが、柏市での実施の可否も含めて、この制度についての見解は。
教育長「議員の質問にあったように、学校教育法の一部を改正する法律が平成27年6月に成立し、現行の小・中学校に加えて小学校から中学校まで義務教育を一貫して行う義務教育学校というのが新しく学校の種類として規定された。実は、中等教育学校という中学校と高校を一体として運営する学校もかつて法律上位置づけられており、これで義務教育にかかわる学校種は小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校と特別支援学校という学校種となった。これにより、市町村は小学校や中学校のかわりに義務教育学校を設置するということが可能になった。
改正法の施行が本年度ではなく、来年度の平成28年4月からということであるから、まだ日本全国にこの義務教育学校は設置されていいない。しかしながら、近年文科省の特例措置を使っている小中一貫型の学校、例えば千葉県内だと、鴨川市の長狭学園、市原市の加茂学園などはおそらく4月からは義務教育学校に移行するのではないかなと推察している。
義務教育学校は1つの学校なので、1人の校長で運営される。小中両方の免許を持つ教員を配置して教科担任制を小学校部分まで広げやすいとか、小中一緒の学校なので中一ギャップが小さいとか、あるいは学習内容を先取りして小6のうちに中学生の内容を少し学習するとか、場合によっては逆に小学校の内容を中学校へ行ってからもう一度学習し直すなど、現在は特例許可で行っていたカリキュラムの変更等が義務教育学校を設置することで、そのままできるというメリットが報告されている。
しかしながら、義務教育学校の指導内容そのものは従来の小学校と中学校の学習指導要領に基づいて行われるものであり、義務教育学校でなければどうしても実現できないと考える教育活動については、まだまだ検討の余地があるのではないかというのが私の率直な考えだ。現実的に全国の多くの特例を持って行っている小中一貫校は、少子化であるとか、市町村合併によって複数の小中学校を統廃合して新設の小中一貫校をつくるという形で設置されている。本市において見回したときに、確かに単学級の小学校も数校あり、中学校も1校単学級があるが、直ちにこれを義務教育学校にするのがよいというふうに判断するのにはちょっと早計ではないかなと考えるところだ。もし設置するとすれば、学校施設が一体でなくても義務教育学校は設置できるが、先ほどのメリットを考えると、やはり一体でなければ本当にメリットを生かすことはできないと考えるので、保護者や地域住民から十分な意見を聞き、また人の配置については県教育委員会が行うので、そういった面で十分なメリットがあるのかどうか確認した上で子供や保護者、地域が望む学校として義務教育学校を設置していくことが大切であると考えている。したがって、今すぐ取り組むべき課題ではないと考えている」
――私も義務教育学校をすぐに(設置する)という話は、難しいのかなと、議論を重ねていかなくてはならないんだろうなと、教育長と同じような感想を持っている。だが、この議論をしていく中で実施をしていこうとなった場合、やはり準備が大変なんじゃないかと懸念する。仮にその準備をするとしたらどれぐらいかかるのか。
教育長「地域の方、保護者の方のコンセンサスを得るところがまず一番時間がかかるだろうと思う。それさえできれば数年、4、5年の間には実現ができるんではないかなというふうに考えている」
――子供たちへのメリットというところ以外に、例えば一貫制度化をしている学校に子供を通わせたいという親御さんが、柏市にぜひ住居を構えたいと思ってくださる可能性ももちろんあるのではないかと。その中で柏市としては、当然そういった方々にはぜひ柏市に居住していただきたいというのが当然のことだと思うが、居住促進のための取り組みにつなげていくという可能性は。
副市長「まちづくりの中で教育環境は、そこに住みたいという中で非常にいろいろな方が関心持っている課題だと思う。教育にはいろいろなケース(選択肢)があっていい。その中でいろいろな選択を住もうという方ができるような、そういう環境づくりはまちづくりの中でも重要だ。今柏の葉では小中連携ということで進めているが、まちづくりの中でセールスポイントになると思うので、いろいろなことを教育委員会と連携しながら取り組んでいきたい」
平成27年9月17日 同年第3回定例会一般質問より
■関連リンク
・2016年4月スタート! 「義務教育学校」を理解するポイント7(パピマミ)
教育長「議員の質問にあったように、学校教育法の一部を改正する法律が平成27年6月に成立し、現行の小・中学校に加えて小学校から中学校まで義務教育を一貫して行う義務教育学校というのが新しく学校の種類として規定された。実は、中等教育学校という中学校と高校を一体として運営する学校もかつて法律上位置づけられており、これで義務教育にかかわる学校種は小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校と特別支援学校という学校種となった。これにより、市町村は小学校や中学校のかわりに義務教育学校を設置するということが可能になった。
改正法の施行が本年度ではなく、来年度の平成28年4月からということであるから、まだ日本全国にこの義務教育学校は設置されていいない。しかしながら、近年文科省の特例措置を使っている小中一貫型の学校、例えば千葉県内だと、鴨川市の長狭学園、市原市の加茂学園などはおそらく4月からは義務教育学校に移行するのではないかなと推察している。
義務教育学校は1つの学校なので、1人の校長で運営される。小中両方の免許を持つ教員を配置して教科担任制を小学校部分まで広げやすいとか、小中一緒の学校なので中一ギャップが小さいとか、あるいは学習内容を先取りして小6のうちに中学生の内容を少し学習するとか、場合によっては逆に小学校の内容を中学校へ行ってからもう一度学習し直すなど、現在は特例許可で行っていたカリキュラムの変更等が義務教育学校を設置することで、そのままできるというメリットが報告されている。
しかしながら、義務教育学校の指導内容そのものは従来の小学校と中学校の学習指導要領に基づいて行われるものであり、義務教育学校でなければどうしても実現できないと考える教育活動については、まだまだ検討の余地があるのではないかというのが私の率直な考えだ。現実的に全国の多くの特例を持って行っている小中一貫校は、少子化であるとか、市町村合併によって複数の小中学校を統廃合して新設の小中一貫校をつくるという形で設置されている。本市において見回したときに、確かに単学級の小学校も数校あり、中学校も1校単学級があるが、直ちにこれを義務教育学校にするのがよいというふうに判断するのにはちょっと早計ではないかなと考えるところだ。もし設置するとすれば、学校施設が一体でなくても義務教育学校は設置できるが、先ほどのメリットを考えると、やはり一体でなければ本当にメリットを生かすことはできないと考えるので、保護者や地域住民から十分な意見を聞き、また人の配置については県教育委員会が行うので、そういった面で十分なメリットがあるのかどうか確認した上で子供や保護者、地域が望む学校として義務教育学校を設置していくことが大切であると考えている。したがって、今すぐ取り組むべき課題ではないと考えている」
――私も義務教育学校をすぐに(設置する)という話は、難しいのかなと、議論を重ねていかなくてはならないんだろうなと、教育長と同じような感想を持っている。だが、この議論をしていく中で実施をしていこうとなった場合、やはり準備が大変なんじゃないかと懸念する。仮にその準備をするとしたらどれぐらいかかるのか。
教育長「地域の方、保護者の方のコンセンサスを得るところがまず一番時間がかかるだろうと思う。それさえできれば数年、4、5年の間には実現ができるんではないかなというふうに考えている」
――子供たちへのメリットというところ以外に、例えば一貫制度化をしている学校に子供を通わせたいという親御さんが、柏市にぜひ住居を構えたいと思ってくださる可能性ももちろんあるのではないかと。その中で柏市としては、当然そういった方々にはぜひ柏市に居住していただきたいというのが当然のことだと思うが、居住促進のための取り組みにつなげていくという可能性は。
副市長「まちづくりの中で教育環境は、そこに住みたいという中で非常にいろいろな方が関心持っている課題だと思う。教育にはいろいろなケース(選択肢)があっていい。その中でいろいろな選択を住もうという方ができるような、そういう環境づくりはまちづくりの中でも重要だ。今柏の葉では小中連携ということで進めているが、まちづくりの中でセールスポイントになると思うので、いろいろなことを教育委員会と連携しながら取り組んでいきたい」
平成27年9月17日 同年第3回定例会一般質問より
■関連リンク
・2016年4月スタート! 「義務教育学校」を理解するポイント7(パピマミ)