失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「Stay with me」 松たか子 1998年

2017-02-20 | 
松たか子の7thシングルは、最後の8㎝シングル。

①Stay with me
作詞:松たか子、作曲・編曲:武部聡志
感傷的なピアノのイントロから、歌と同時に入ってくるリズムはわりとくっきり。「ねぇ 何か答えてよ」と「ねぇ」が頭で繰り返されるAメロで聴き手との間合いをつめてくる。「友達でいる時が長すぎたの?」と問いかけてくる陰りのあるBメロから、美しく解放感のあるサビへ。控えめな佐藤竹善のコーラスが、間奏ではぐっと前に出てきて盛り上げる。そのあとのサビ「愛には愛で 答えてほしい」はチャゲアス「SAY YES」(1991)の「愛には愛で 感じ合おうよ」の部分と完全に呼応している。位置(サビ頭)、テンポ感、符割り、絶対意識して書いてるだろ。サビ終わり「もう戻れない」で松たか子の音域限界の高さに上りつめるのが、戻ってこれない感があってナイス。最後リズムがまた消えてピアノをバックに2番のAメロがもう一度歌われ、静かに曲が閉じられる。ピアノのアウトロがイントロに戻ってくる印象で、全体が円環=主人公の思考の堂々巡りのような効果をあげている。編曲家として名高い武部聡志の、名曲&名編曲。

②Kisses
作詞:岩里祐穂、作曲:上田知華、編曲:武部聡志
こちらもピアノのイントロ。隙間(休符)の多いAメロが進行形の恋愛なのに回想のようなムード。タイトルどおり最初から最後までキスについて歌っている。「いつか 白いベールをあげて 誓いのキスをしようよ」なんてちょっと恥ずかしくなる展開も、たか子の伸びやかな声で歌われると「…う、うん、そうだね…」と納得してしまいそうになる。最後の最後「大好き」をじっくり2回繰り返すのは、さすがにやりすぎな感じはあるけどな!

③④カラオケ

定価1020円、中古で52円。
木漏れ日を浴び、道に座るたか子、21歳。

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