失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「虹のしるし」 dip in the pool 1993年

2006-03-03 | 
モデル系と言うより、モデル。

甲田益也子(こうだみやこ)は80年代を代表するファッションリーダーのひとり。顔も不思議、声も不思議。「宇宙人ぽい」とか言われていたっけ。
木村達治+甲田益也子のユニット「dip in the pool」は1986-97年の間にアルバムを8枚リリース。モデルさんの余技の域は完全に越えている。

①虹のしるし
作詞:甲田益也子、作・編曲:木村達治
「KM 93.11」という素っ気ないタイトルのアルバムからのシングルカット。牧歌的なメロディと甲田の浮世離れした声が溶け合った、キャッチーな曲。タイアップがあったのか不明だが、お菓子のCMとか似合いそう。

②Diana
作詞:甲田益也子、作・編曲:木村達治
こちらは英語詞。ファンキーなリズムにフルートが絡む、①とは違ってシャープな印象の曲。

定価800円、中古で200円。

右は翌94年のシングル。

①君の瞳に映る私
作詞・作曲・編曲:木村達治
日本語詞。これは木村達治が作詞も担当。この人たちにしては意外なくらい素直なバラード。

②RAbbit 丸井リムレスメガネCFタイアップ曲
作詞:甲田益也子、作・編曲:木村達治
カップリングはやはり英語詞。これもファンキー路線で、ブラスセクションが印象に残る。

定価800円、中古で200円。

ファッションリーダー的な女性ヴォーカリストと、男性ソングライター/サウンドクリエイターとの二人組と言えば、90年代の小西+野宮ペアを想起せずにはいられない。いい意味でも悪い意味でも商売気が希薄な10年早かったピチ、と括ってしまうのはあまりにも簡単過ぎるかな。個人的には80年代の終わり頃よく聴いていた4ADレーベルや、アート・オブ・ノイズのアンビエント寄りな作品群と共通する匂いを感じる初期作品は大好き。「和製エリザベス・フレイザー」の称号は、甲田益也子にこそ似合うだろう(少なくとも安田成美よりは…)。


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