ええ、ラ・ムーですけど。それが何か?
アイドル史のダークサイド、あるいは菊池桃子の過去恥部として片付けられることの多いグループ「RA MU」。そんなアプローチはちょっと今更感が強いので、できるだけニュートラルな気持ちで聴いてみよう。できるかな。
①TOKYO野蛮人
作詞:康珍化、作曲:和泉常寛、編曲:新川博、HORN ARR: JERRY HEY
こういうのR&Bっていうの?(NO!)
荘厳、とも言える重いドラムのイントロから、いきなり軽快な(軽薄な?)リズム歌謡が始まる。よく指摘されるように、コーラスの黒人女性(ラ・ムーの正規メンバー)がビジュアル的には強烈なインパクトを残すが、ポスト・安室奈美恵な耳には、音的に別にこれくらいはアリでしょう、という気もする。…気もするが、何度も聴くとキメキメの「キュッ!キュッ!」というコーラスがボディー・ブローのように効いてくるんだな。プロっぽい(当たり前だが)コーラスと、桃子さんの儚げなヴォーカルとのミスマッチは私的にはかなり高得点。難解でツッコミどころ満載の歌詞は、バブルを謳歌する東京の若者の、何をやっても満たされない哀しみを歌っているようである。
メンバーのその後はモアイさんのブログに。(「桃子」というカテゴリーが素敵です)ほう、あのコーラスの女性はその後佐野元春のバックを…勉強になります。
②Silent Summer Sea
作詞:風見律子、作曲:かまやつひろし、編曲:船山基紀
わりとテクノな音色のアレンジ。①に比べるとさらに普通か。別に桃子のソロでもいいのでは?と思うほど爽やかなナンバー。ムッシュかまやつの懐の深さを知る。
「ラ・ムー」とは「太陽の帝王ムー」という意味らしい。…えーと、だから?
まあ、古代を意識しつつ、人種のボーダレス化を推し進めてみたコスプレ・バンドなわけだ。そういえばコンセプトはThe KLFに似ていなくもない。活動時期も重なっているし、シンクロニシティーと言ってしまおう。
他にも、古代人とか未来人とか異星人を装ったアーティストは枚挙にいとまがない。有名どころではジギー・スターダストに代表される初期デヴィッド・ボウイ、初期ロキシー・ミュージックやトッドのユートピアなんかは未来人風だったし、KISSは異星人?QUEENは?別にフレディ本人はまともなつもりか。テクノ系ではクラフトワーク(ロボット系)、ディーヴォ(覆面系)など。クラウス・ノミ(変態系)はやっぱ異星人?ファンク系ではEW&Fはちょっとラ・ムーっぽい雰囲気もあるし、P.FUNK一派は壮大なチープSFを演じていた。あと、サン・ラは絶対ラ・ムーと関係あるとにらんでいるが、どうだろう。日本では聖飢魔Ⅱが有名かな。あがたのヴァージンVS、清志朗のラブ・ジェッツ、アイドル系ではスターボー(細野晴臣作の「ハートブレイク太陽族」は衝撃的!)、他にもイカ天にはたくさんいたよなあ…
ラ・ムーは別に古代人だと主張していたわけではないのかな。バンド名と衣装のコンセプト、デビュー曲「愛は心の仕事です」でなんとなく日本語が達者でないイメージを持ってしまっただけか。ジャケットの暗闇に光るスフィンクス+熱帯魚はかなりミステリアスなアート・ワーク。曲とは全く無関係に、「古代」の印象を押し出してくる。で、あえて桃子は出さないのね。
ラ・ムーの曲も今聴くと意外と真っ当だが、まあ、現役アイドルとしてはこのあたりが限界か。私的にはバリバリにファンキーなアレンジかなんかで、もう少し音楽的に冒険してくれてもよかったと思うけど。
定価1000円、中古で52円。
2003年リリースの「菊池桃子DVD&CD BOX第二弾」(5,000セット限定、18,270円)にラ・ムーの音源は完全収録されているようである。
ところで、メンバーは全部で何人だったのだろう?
アイドル史のダークサイド、あるいは菊池桃子の過去恥部として片付けられることの多いグループ「RA MU」。そんなアプローチはちょっと今更感が強いので、できるだけニュートラルな気持ちで聴いてみよう。できるかな。
①TOKYO野蛮人
作詞:康珍化、作曲:和泉常寛、編曲:新川博、HORN ARR: JERRY HEY
こういうのR&Bっていうの?(NO!)
荘厳、とも言える重いドラムのイントロから、いきなり軽快な(軽薄な?)リズム歌謡が始まる。よく指摘されるように、コーラスの黒人女性(ラ・ムーの正規メンバー)がビジュアル的には強烈なインパクトを残すが、ポスト・安室奈美恵な耳には、音的に別にこれくらいはアリでしょう、という気もする。…気もするが、何度も聴くとキメキメの「キュッ!キュッ!」というコーラスがボディー・ブローのように効いてくるんだな。プロっぽい(当たり前だが)コーラスと、桃子さんの儚げなヴォーカルとのミスマッチは私的にはかなり高得点。難解でツッコミどころ満載の歌詞は、バブルを謳歌する東京の若者の、何をやっても満たされない哀しみを歌っているようである。
メンバーのその後はモアイさんのブログに。(「桃子」というカテゴリーが素敵です)ほう、あのコーラスの女性はその後佐野元春のバックを…勉強になります。
②Silent Summer Sea
作詞:風見律子、作曲:かまやつひろし、編曲:船山基紀
わりとテクノな音色のアレンジ。①に比べるとさらに普通か。別に桃子のソロでもいいのでは?と思うほど爽やかなナンバー。ムッシュかまやつの懐の深さを知る。
「ラ・ムー」とは「太陽の帝王ムー」という意味らしい。…えーと、だから?
まあ、古代を意識しつつ、人種のボーダレス化を推し進めてみたコスプレ・バンドなわけだ。そういえばコンセプトはThe KLFに似ていなくもない。活動時期も重なっているし、シンクロニシティーと言ってしまおう。
他にも、古代人とか未来人とか異星人を装ったアーティストは枚挙にいとまがない。有名どころではジギー・スターダストに代表される初期デヴィッド・ボウイ、初期ロキシー・ミュージックやトッドのユートピアなんかは未来人風だったし、KISSは異星人?QUEENは?別にフレディ本人はまともなつもりか。テクノ系ではクラフトワーク(ロボット系)、ディーヴォ(覆面系)など。クラウス・ノミ(変態系)はやっぱ異星人?ファンク系ではEW&Fはちょっとラ・ムーっぽい雰囲気もあるし、P.FUNK一派は壮大なチープSFを演じていた。あと、サン・ラは絶対ラ・ムーと関係あるとにらんでいるが、どうだろう。日本では聖飢魔Ⅱが有名かな。あがたのヴァージンVS、清志朗のラブ・ジェッツ、アイドル系ではスターボー(細野晴臣作の「ハートブレイク太陽族」は衝撃的!)、他にもイカ天にはたくさんいたよなあ…
ラ・ムーは別に古代人だと主張していたわけではないのかな。バンド名と衣装のコンセプト、デビュー曲「愛は心の仕事です」でなんとなく日本語が達者でないイメージを持ってしまっただけか。ジャケットの暗闇に光るスフィンクス+熱帯魚はかなりミステリアスなアート・ワーク。曲とは全く無関係に、「古代」の印象を押し出してくる。で、あえて桃子は出さないのね。
ラ・ムーの曲も今聴くと意外と真っ当だが、まあ、現役アイドルとしてはこのあたりが限界か。私的にはバリバリにファンキーなアレンジかなんかで、もう少し音楽的に冒険してくれてもよかったと思うけど。
定価1000円、中古で52円。
2003年リリースの「菊池桃子DVD&CD BOX第二弾」(5,000セット限定、18,270円)にラ・ムーの音源は完全収録されているようである。
ところで、メンバーは全部で何人だったのだろう?
ああ、そのへんの事情、実に興味がありますねえ。
当時は本当に上っ面しか聴いていなかったので、
桃子の心情まで思い至りませんでした。
どんなアレンジを加えられても、「桃子は桃子だから」
みたいな芯の強さを感じるところもまた魅力ですよね。
そうですよね。
社長に「やってみるか?」と聞かれて挑戦しちゃった桃子の無邪気さがラ・ムーの真骨頂。
若干痛い感じも含め最高です。
7人もいたんですねえ。
やはりParliamentあたりの大所帯のファンク・バンドを意識していたのでしょうか?
夜ヒットなどの貴重な写真も素晴らしかったです。
冒険しつつ戸惑いを隠せない桃子の表情、最高です。
ブログにご紹介&コメント頂き有難う御座います。
ラ・ムーはどの記事を見てもお笑いネタで終わっている事が多いだけに胸が熱くなりました。
バンド命名の背景は分かりませんが,アレンジは結構凝ってて良く出来てますよね。当時はカルロストシキ・オメガトライブと同じ事務所だったせいか音作りも似ている気がします。
ちなみにラ・ムーってメンバーは確かコーラスを入れて7人だったはずです。
今の若い人達は知らないんだろうなぁ(笑)。