Everyone says I love you !さまより
野党共闘・市民連合は「大きな政府論」で参院選を闘おう。すべては安倍政権のトンデモ改憲阻止のために。
2016年05月31日 | 日本の政治
2016年5月30日 2017年4月に予定されていた消費税率10%への引き上げが2019年10月まで2年半、再延期されることが決まりました。
安倍首相は30日の自民党役員会で、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)に触れて
「G7で新たな危機を回避するため、適時にすべての政策対応を行うことを合意した。あらゆる政策を総動員する新しい責任を負った」
「消費税率10%への引き上げについて、2年半延期したい」
と表明しました。
そして、同日夜、財務省の意向を受けて再延期に反対していた麻生太郎財務相と約3時間にわたって会談し、これまで再延期の場合は衆院を解散して国民の信を問うべきだと主張していた麻生氏に対して、安倍首相が改めて理解を求め、麻生氏も容認に転じるという「儀式」が終了。
さらに、安倍・麻生両氏は衆参同日選を見送ることも確認し、さらに自民、公明両党も再延期を容認する方向で、増税先送りと解散回避で同時決着しました。
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私は最後まで衆参ダブル選挙を警戒していました。衆議院が解散され総選挙となれば、野党の参院選共闘も分断できるからです(まだしないという話を疑っているが)。
しかし、ここまでマスコミに衆参ダブル選挙は見送りと報道された以上は、いくら解散だけは嘘をついていいという永田町の常識があるとしても、もはや解散すると国民から批判を浴びるのでやらないでしょう(まだ一抹の不安はあるが)。
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安倍首相は、消費税増税見送り・サミット・オバマ広島訪問でこれだけ世論調査での国内支持率が上がったのに解散せず、衆議院の3分の2以上の議席を堅持する守りの姿勢を示したのですから、有名な自民党の独自の世論調査で衆院選はさほど有利ではないという結論が出ていたのでしょう。
あくまでも目標は改憲という安倍首相は、衆院の3分の2を守り、参議院では高い支持率を生かして今回改選の議員で自民党の単独過半数・全体で公明・おおさか維新と合わせて3分の2以上の議席を確保し、衆院の任期満了までの2年半の間に一気に改憲に行こうという腹だと思われます。
共同通信世論調査 オバマ広島訪問良かった98%。内閣支持率が7%上昇し55%。まだ逆転のチャンスはある。
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このように安倍首相が衆参ダブル選挙をあきらめたとしても、改憲をあきらめたわけではなく、かえって改憲の可能性が一番高い方策を選んだと私は見ています。
これに対する野党共闘は立憲主義の復活や改憲阻止を旗印に掲げているますが、安倍政権は表向きはこれからは改憲の意図を隠して、高い支持率を支えに「デフレからの脱却」の完遂を前面に出してくるでしょう。
つまり、経済・社会政策を争点にしてくるのですから、野党もアベノミクスの失敗を責め立てるのは一応有効ですが、立憲主義一本では弱く、何か思い切った経済政策を打ち出すべきです。
当ブログではずっと一貫して、野党は消費税減税さえ視野に入れ、積極的な財政出動をして福祉を充実させ経済成長を果たす「大きな政府」を前面に打ち出すべきだと言っていたのですが、消費税増税に消極的に反対というところまでしか行かず、財政出動に関してもサミットで安倍首相がお株を奪ってしまいました。
野党三党は大きな政府論に異論はありませんから、財政規律を重んじ、むしろ政府の役割を小さくする新自由主義的な「小さな政府論」の岡田民進党に大きな責任があります。
格差を是正しながら、景気を良くし、財政赤字を解消する道がある。野党共闘は「大きな政府」を目指せ。
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これまでは消費税増税分は法人税減税分と相殺されてきた。であれば、消費税再増税凍結分は法人税減税の凍結で財源をねん出するのが筋だ。
というわけで、野党共闘には本来大きな政府論にそれこそ大きく舵を切ってもらいたいのですが、今からは難しいんでしょうね。
まずとっかかりは、サミットで安倍首相が大ウソをついた世界経済はリーマン・ショック前の状況にあるというアベノミクスの失敗を糊塗する欺瞞批判でしょうか。
なにしろ、アメリカの中央銀行総裁がアメリカの景気はむしろ加速状況にあるという認識を示して、景気の過熱を抑えるために数か月以内に利上げをすると表明しているんですから、マイナス金利という究極の利下げをしている日本とは月とスッポンです。
そこに大きな政府論を匂わす保育士の給与値上げなどの施策や、安保法制廃止・立憲主義を絡めて戦っていくということでしょう。
アベノミクスの批判だけでは相手の失政をつく消極的な戦法で、あまり自民党への支持を引っぺがす効果が見込めないと思うので、是非、最低賃金アップなどの大きな政府的な施策を具体的にどんどん打ち出してほしいものだと思います。
野党共闘もすべては安倍政権の改憲ストップのために。
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安倍首相、増税延期を正式表明へ=同日選見送り―4野党、31日に不信任案提出
時事通信 5月30日(月)23時3分配信
安倍晋三首相は30日、東京都内のホテルで麻生太郎副総理兼財務相と約3時間会談し、2017年4月予定の消費税増税を19年10月まで2年半延期する方針について重ねて理解を求めた。
麻生氏はこれを容認し、増税延期の場合、実施を主張していた参院選に合わせた衆院解散についても見送る首相方針を受け入れた。首相は、増税延期に慎重だった麻生氏が了承したことで、国会会期末の6月1日にも正式表明する。
これに先立ち、首相は自民、公明両党幹部と首相官邸で個別に会談し、増税延期方針を説明し、協力を要請。衆参同日選を見送ることも伝えた。自公両党は政権を支える立場から容認する方向で31日に意見集約を図る。
首相は増税延期について、6月22日公示―7月10日投開票予定の参院選で信を問う方針で、30日の自民党役員会で「近日中に会見を開き、私から国民に直接説明する考えだ」と述べた。
公明党の山口那津男代表は首相との会談で、社会保障・税一体改革に関する旧民主、自民、公明3党合意や、首相が14年の衆院解散に際し「(次は)確実に実施する」と約束したことなどを挙げ、予定通りの引き上げが望ましいとの認識を示した。ただ、首相から再延期への「強い意向を感じた」と語った。
首相は、山口氏との会談の前後に、自民党の高村正彦副総裁や二階俊博総務会長らとも個別に会った。高村氏らは増税実施を主張する一方、二階氏は再延期を支持する考えを伝えた。
自民党内の一部に異論が出たが、首相の意思は固いというのが与党側の受け止めで、最終的に受け入れる流れだ。自民党の二階派と鳩山邦夫元総務相のグループは30日、首相方針を支持することを確認した。
首相は自民党幹部との会談で、衆参同日選についても言及。二階氏はこの後の二階派会合で、首相から「同日選はやらない」と伝えられたことを明らかにした。
一方、民進、共産、社民、生活4党は30日、党首会談を国会内で開き、安倍内閣不信任決議案を31日に共同提出することを決めた。民進党の岡田克也代表は会談後、記者団に増税延期について「アベノミクスの失敗以外の何物でもない。内閣総辞職に値する」と批判した。与党は不信任案が提出されれば否決する方針。
クローズアップ2016
同日選見送り 首相、守りの判断 増税と複雑に絡み
毎日新聞2016年5月31日 東京朝刊
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自民党役員会に臨む(右から)高村正彦副総裁、安倍晋三首相、谷垣禎一幹事長ら=国会内で2016年5月30日午後5時1分、藤井太郎撮影
消費増税再延期を打ち出した安倍晋三首相は、同日選実施を見送った。衆院解散に踏み切るメリット、デメリットをてんびんにかけた末、衆院の3分の2以上の議席を維持するという守りの判断をした。一方、同日選実施に反対する公明党は、首相の増税再延期を容認する方針だ。
安倍首相が夏の参院選と同時に衆院選を行う衆参同日選を見送る意向を固めたのは、堅調な内閣支持率などを背景に、参院選単独でも勝利が可能と判断したためだ。同日選が検討されてきたのは、政権選択の選挙となる衆院選を同時に行うことで参院選の票の上積みを狙ったためだが、逆に衆院議席を減らすリスクがあるとして、安全策を選択した。
首相は「解散の『か』の字も考えていない」と繰り返し述べ、表向きは衆参同日選を否定してきた。しかし、側近議員は「首相は明らかに解散を打ちたがっていた」と語る。参院選単独と同日選とのそれぞれの長短について慎重に検討を進めてきた模様だ。最終的には「衆院の議席減が確実だ。与党で衆院の3分の2以上の議席を占めている状態を失うべきではない」と主張してきた菅義偉官房長官らの進言を受け入れた。
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安倍晋三首相の選択肢
首相は消費増税の再延期については、今年初旬から検討していた。再び増税を先送りすれば、野党から「アベノミクスは失敗した」と批判されるのは必至だが、消費増税により個人消費が落ち込めば、デフレからの脱却がさらに遠のく可能性があった。首相にとって増税の再延期は「アベノミクスを救うため」(首相周辺)の決断だった。
ただ、首相は2014年11月に消費増税の最初の延期を決めた際、「国民に信を問う」と衆院を解散した。この際に「確実に上げる」などと宣言していたことから、麻生太郎副総理兼財務相らは「公約違反」との批判を浴びないためにも衆院を解散する必要性を訴えていた。
一方で、首相は「リーマン・ショックか大震災級の出来事」が発生した場合は増税を再延期するとの考えを示してきた。発言のつじつまを合わせるための舞台回しとして選んだのが26〜27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)だった。サミットでの議論を踏まえ、世界経済を下支えする努力の一環として、消費増税の再延期を正当化する考えだった。サミットでは新興国経済の状況がリーマン・ショックの前と似ていることを指摘した資料を各国に提示し、環境を整備した。しかし、世界経済のリスクを強調する首相に対し、首脳らからは「評価が厳し過ぎる」との異論が出たのが実態だ。経済官庁からは「国内政局を持ち込んだ恥ずかしいサミットだった」との声も上がっており、「リーマン前に似た状況」で増税延期の説明が付くかは疑問視されている。
同日選を見送ったことで、首相は与党で衆院の3分の2を超える議席を当面維持することになる。だが、サミットを終え、オバマ米大統領の広島訪問などで内閣支持率が上昇傾向にあるにもかかわらず、解散を見送ったことには、「一体いつ解散を打つのか。絶好のタイミングを逃したと後悔しないだろうか」(自民中堅議員)などの声も漏れる。
首相は1日に予定している記者会見で、自らの判断の理由について国民に直接説明し、理解を得たい考えだ。【高本耕太】
公明幹部「当然だ」
首相が同日選を見送る意向を固めたことで、強硬に反対していた公明党には安堵(あんど)感が漂った。党幹部は30日、「見送りは当然だ」と漏らした。
公明党は同日選実施には一貫して強く反対してきた。参院選の選挙区では、改選数が増えた兵庫や愛知、福岡で久しぶりに候補を擁立した。いずれも容易な選挙区ではなく、「全員当選」を至上命令とする公明党にとっては、衆院選に力を割くのは避けたかったのが本音だ。党関係者は「衆院解散への準備はまったくしていなかった」と話す。
山口那津男代表は30日、首相との会談後、記者団に「首相との(24日の)党首会談で意見は聞いている。首相の専権事項でもあり、それ以上は確認しなかった」と述べた。山口氏は24日の首相との会談後、「解散の『か』の字も考えていない」と首相から伝えられたと明らかにしていた。公明党にとっては首相の同日選見送りは既定方針だった。
一方、消費増税の再延期は容認する方針だ。首相との会談で再延期の意向を伝えられた山口氏は、記者団に「突然の話だ。首相の意見を党に持ち帰って検討していきたい」と述べた。これまで予定通りの増税を求めてきたが、31日にも党幹部が協議して容認を決めるとみられる。
消費増税をめぐっては、民主党(当時)と自民、公明両党との3党合意があり、公明党は「増税すべきだ」との原則論を維持してきた。しかし、旧民主党を引き継いだ民進党が増税の2年間の再延期を表明し、法案を衆院に提出。さらに首相も増税延期に踏み切ったことで、容認する以外の選択肢は事実上、なくなっていた。
野党は全党が予定通りの増税に反対している。党幹部は「参院選前に唯一の『増税政党』というイメージがつくと、ダメージは計り知れない」と話し、あっけない容認が参院選にらみだったと明かした。
財政規律を重視する党関係者は「今の安倍政権で増税しないと、今後上げられなくなる」と不満を漏らす。しかし、実際の関心はすでに、再延期後も引き上げ時の軽減税率導入が確約されるかどうかと、社会保障政策の財源が確保できるかに移っている。【高橋克哉】
消費増税
「リーマン前」に異論 首相、延期の理由 深刻な信用不安なく
毎日新聞2016年5月31日 東京朝刊
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2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げ延期の理由として、安倍晋三首相は、世界経済が「08年のリーマン・ショック前に似ている」ことを挙げている。だが、米国の住宅バブル崩壊で急激な金融収縮に見舞われた当時を、「直近の情勢と比較するのは無理がある」(市場関係者)との指摘は根強い。中国経済の減速懸念に端を発した今年初めの金融市場の混乱はほぼ収束し、原油価格も上昇に転じている。安倍首相の「危機に直面する世界経済」との認識を疑問視する見方が絶えない。【小倉祥徳】
「対応を誤れば危機に陥る大きなリスクに直面している」。安倍首相は27日、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)閉幕後の記者会見で、そう危機感を強調した。現在の世界経済が、消費税増税先送りの条件とした「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態」に当てはまるとの見方を示した形だが、当時と現在は異なる点が多い。
リーマン・ショックのきっかけとなったのは、米国の住宅バブルの崩壊。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の金融商品を大量に抱えた米金融大手リーマン・ブラザーズの破綻で、米欧の金融機関に一気に信用不安が拡大した。
08年当時、原油価格はわずか5カ月で約8割急落、日経平均株価は1カ月あまりで約4割下落し、1万円の大台を割り込んだ。また、失業率も日本国内では5%台まで悪化し、金融危機の震源地となった米国では、5%前後から一時10%台まで上昇する急激な雇用不安に見舞われた。
一方、現在の世界経済は力強さを欠いているとはいえ、深刻な信用不安が発生しているわけではない。中国経済の減速や、14年夏から続く原油安を受けた資源国の景気悪化が世界経済低迷の原因で、背景にあるのは世界的な需要不足や供給過剰だ。
安倍首相が「リーマン前後と同じ」とした原油価格は、確かに高値から約7割下落したが、底値に達するまでに約1年半かかっている。また、1バレル=20ドル台まで下落した原油は、今月下旬には50ドル前後まで回復している。
今年初めには金融市場の混乱で株価も下落したが、日経平均の下落幅は1割超にとどまっており、08年の暴落に近い状態とは比較にならない。さらに、現在は市場の混乱収束で1万7000円台に回復している。雇用情勢も、国内は失業率3%台とほぼ完全雇用に近い水準。米国でも失業率が5%に改善し、堅調な雇用回復を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年12月以来となる追加利上げを探っており、世界的には「今は危機ではない」(オランド仏大統領)との見方が一般的だ。
国際通貨基金(IMF)は4月に発表した世界経済見通しで、世界全体の成長率を前回(1月)見通しよりも0・2ポイント引き下げ3・2%とした。リーマン前の07年(5・7%)には及ばないが、17年は3・5%と、今後も緩やかな回復基調が続くと見ており、ある経済官庁幹部は「当時とは問題の質が違う。単純に比較するのは無理がある」と08年と比べること自体に疑問を呈した。
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/0828f531762d06c34fbaf45d24f5a70d