しあわせ

人間なんてさみしいね
人間なんておかしいね
心と心がふれあって
何もいわずにわかること
ただそれだけのよろこびが
人生至上幸福さ

かくれんぼ

木の中へ女の子が入ってしまった
水たまりの中へ雲が入ってしまうように
でてきてもそれは別の女の子だ
もとの女の子はその木の中で
いつまでも鬼を待っている

僕の好きな詩

風の中
真昼の山の峠で出会った
あなたよ
木陰の岩陰
二人はしばらく蝉の声に
耳をかたむけ
遠い雲を見つめていたっけ
あなたは登り道
私は下り
あのひとときの出会い
短い会話
明るいイメージ
風の中
さようなら
桔梗が一本揺れていた
あなたはやがて
白い夏の帽子に
真昼の陽を受け
蝶のように
ススキの影に
消えていった