利尻山。日本最北の秀麗な名山。島そのものが山。
神が宿る島。 利尻島には、ロマンがある。 美が漂っている。
そして隣には花の島、礼文島。
憧れの、憧れの、憧れの地。
その地に立つことができた2010年の夏。 ただただ感激に浸りきった幸せの数日間だった。
その7ヶ月後に、まさか東日本に大災害が襲いかかるなんて...
利尻島でお世話になった宿のManamiさん(アメーバブログのつながりです♪)は、実はあの3.11にたまたま仙台市に居られた。 その日、B級グルメの全国大会会場で津波に襲われ、最上階に逃げて九死に一生を得た体験をされている。
みるみる勢いを増して建物に迫る津波の生々しい映像がネットで送られていた。 その異様な恐怖感は今でも脳裏に焼き付いている。
3.11以後、一度北海道を訪れた。 6月のことだ。 湖を巡って、美しい湖水と北海道の広大な自然に触れてきた。
それ以降は、東日本方面には気持ち的に足が遠のいている。 自分の中で、いまだに放射能汚染を避けたいという気持ちが勝っているのだと思う。
当時の旅を振り返り、利尻島、礼文島のあどけなく生々しい美しさに改めて魅せられる。
その大自然の美や営みを毎日汚染し続けているかもしれない原発事故由来の放射能に怒る。
その放射能汚染という悲惨な事態が起きるまで安穏と暮らし、原発の繁殖、生息を許してきた自分に怒る。
................................................................................................................................................................. ※2010年8月22日の記事を転記・編集
8月20日、天気予報は曇りです。 いよいよ本日、メインイベントの利尻山登山。
昨夜は期待と不安で充分睡眠がとれませんでした。 やっぱりハートはチキン(笑)です。
2時頃から半覚醒状態で、3時過ぎには辛抱できず起き出しました。 出発は4時半。
まだまだたっぷり時間がある。
昨日の礼文島4時間コースで足裏にマメができかけていたので、大判のリバテープを貼ってケアしました。 実は、靴が新品で充分な足慣らしをしてこなかったので、一昨日、昨日の礼文島トレッキングが事実上デビューでした。 本番前にアップダウンで履いて歩いて不具合箇所を確認できたので、良かったです。 足裏以外は特に問題なくフィットしました。
そして、持参品の再確認。 そうこうしているうちに、体も目覚め次第にテンションがあがってきました。
宿から登山口(3合目)まではクルマで送ってくれます。
登山口の模様 ←クリック(Manamiさんのブログ「LOVE ★ LIFE in 利尻島」)
軽くストレッチ。 長丁場になるという緊張感のなか、それぞれが歩き始めました。
マーサとKENグループはマーサがペースメーカーとなって、ゆっくりペースでスタート。 全国的に猛暑で、ここ利尻島でも昨日は30度を超える暑さでしたが、それでも早朝は暑さをまったく感じません。
ゆっくり、ゆっくり。 4合目です。
最初からグイグイと力強く登って行かれる方がいましたよ。 決して若くはないのにスゴイ体力もっている方がいるもんですね。
ちなみに、昨日の夕食のときに少しお話しする機会があって、栃木県からクルマを運転して来られて、一昨日は知床の斜里岳に登り、また運転して利尻に渡って来られたそうです!そして今日、下山してすぐクルマを運転して帰られるとか!!! ワォ~!
5合目です。
途中写真を撮ってみようという気持ちがこの辺まではありました。
この辺まで来ると、長丁場の不安も薄らいできて、なんとか行けそうだな!という気持ちが強くなってきます。 ただし、風も強く、ガスがでてきました。
先ほどのトップを行く方はもうまったく見えません!
6合目です。
登るにつれて天候も悪くなり、強風が突風となって尾根筋の登山道を吹き抜けます。 体を持って行かれるほどの台風並みの風で、ガスで視界が悪くなり、特に、初めて登る山でこの先どうなっているのかがわからないので、不安になってきます。
7合目は意外と近く感じられたので、休憩せずスルー。
8合目(長官山)です。
晴れていれば、ここから見る利尻山が素晴らしいとのことですが、残念ながら本日のこの時間帯はアウトですね。
こうして見ると山頂はまだまだ遠いでしょ。 でも、ここまで来ると登頂に確信が持てます。気持ちはただただ前進あるのみです。
後からスタートした速い若者がここでわれわれを抜いて行きました。 われわれは、マイペースで。 というか、もうこれ以上スピード出ませんよ(笑)
あとは山頂をめざし、ひたすらがんばるだけ。 樹林帯は風も弱まり、ちょっとだけ気持ちにゆとりがでてきます。 が、足はもうかなりしんどい。
9合目です。 標識にもわざわざ「ここからが正念場」と。(笑)
ガレ場で非常に登りにくい。 崩落が進んでいる箇所もあり、慎重を要します。 ここで強風に煽られると、一瞬生きた心地がしない。(笑)
次第に山頂が近づいてくる予感。
ついに、登頂! 相棒KENも続いて登頂!
先行者の方がわれわれの到着を待っていてくださったのか、記念撮影をしていただきました。 (名誉のために言っておきますがマーサは明らかに着膨れです!)
スタートから約4時間半弱だったので、けっこういいペースだったと思います。 少し自信がつきました。 それでも、45分前に到着されていたようですよ。 ということは、3時間45分!!!スゴすぎますね!
しかも、「ボクは登山は素人ですから。ハハハ......」だって! 恐れ入ります。(笑)
しかし、もっと恐れ入る?ことが.....。
若者の足元! なんとクロックス(サンダルみたいなもの)履いてる!
本人曰く「流行のクロックスもどき」(笑)だそうですが、これで4時間以上?山道を歩いてきたらしい。 下りは大丈夫なんだろうかと、心配になりました。
利尻山登山というひとつのイベントで、いろんな驚異的な人に出会いました。
山頂では、風が強くてとても長い間滞在できる状況ではありません。
それに、ガスっているので眺望も期待できないし、ということで簡単な昼食をすませて下山することにしました。
下山は、最初のガレ場がやはり難所でした。 それをクリアすれば、あとはちょっと距離がある下り。 そこそこ長く感じます。
崩落部、脆弱部の修復と登山道の整備をしてくださってました。 ありがたいことですね。 避難小屋が作業員の休憩所として使われていました。
次、登山される方は、少しは楽になると思います。
できるだけ膝にショックがかからないように、と慎重に下りていましたが、下山後の温泉がチラツキ始め急ぎ足に。
不思議に下山の頃は晴天に。 しかし山頂付近は一日中雲が切れることはなかったようです。
ようやく戻ってきました。 下りは約3時間。
登山口近くの甘露泉水はたまらなくうまかった!
宿から迎えにきていただき、記念撮影。 満足感溢れる笑顔です。
温泉で、タップリお湯に浸かり疲れを癒しました。 そのあとビールをガブガブのんで、夕方まで死んだように爆睡しました。
利尻山は予想通りにタフな山でしたが、鴛泊コースは難しいコースでもなく、ちょっと長い距離を歩く覚悟だけが必要でした。
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あれから、2年。もうあの時(たかだか2年前を「あの時」と表現する時点で、すでに負けている!)のような気力、体力はないだろうなと感じる。年齢との勝負に入ったことをつくずく実感するようになった(苦笑)。それでも相棒のKENは、今年も秋口に磐梯山を一人で登山(トレッキング?)するらしい...w