ＮＥＮＰＡＩ

ついにこの日がやって来た
そろそろかと覚悟してはいたけれど



仕事中に電話を取った
かけてきた男性は
こちらの担当者の名前がわからず
席の位置だとか見た目の特徴だとかを
思いつく限り並べたてた
その中で出た言葉



入ってすぐの右手の席の
ネンパイの女性



わたし？

隣りは男性だし
その向こうの女性は明らかに若いし
私以外に考えられない



ついに来たか
「年輩」と呼ばれる日が



でも どう考えても
その人を担当した覚えはなく
結局 担当したのは隣りの男性だった
盆休み前のことで記憶が曖昧
入ってすぐ目に入った私が
記憶にインプットされていたらしい



呼ばれ損



友達が子どもたちに
お姉さんて呼ばせようとすると
おばちゃんでって言うくせに
「年輩」が こんなにこたえるとは



おめでとうございます！
あなたは私を年輩呼ばわりした最初の人です！

って
やっぱり私 ちょっと気い悪くしてます



そもそも「年輩」なんて
本人に向かって使う言葉じゃないから
もうとっくに
陰で呼ばれてたかもしれないのにね



P.S.
気持ちがへこんだ話を
雲がドラマチックに広がった日の写真とともに
お送りしました