西京極 紫の館

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戦国武将のお宅訪問 59 - 溝口秀勝 / 新発田城 -

2024年08月14日 18時11分49秒 | お城探訪
過去サンガの応援でビッグスワンに遠征する度に「いつか観に行こう」と思っていたお城  新発田城。今回の新潟遠征は時間的余裕があったのと、単独行動で自由だったのでビッグスワンを一旦通り過ぎて約30kmほどバイパスを北上、新発田城までやって来ました。

新発田城はその本丸区画の3/4が自衛隊駐屯地という珍しいお城です。日本で自由に見学出来ないお城トップ3は、皇居である江戸城、おおもと教団の持ち物である亀岡城、そして自衛隊駐屯地であるこの新発田城なのです(苦笑)という事で、公園として整備された区画を見学して回ります。公園周辺には無料駐車場が点在していて停め放題。僕は本丸エリアの西側の駐車場に車を停め、まずはここで一番大きな建造物である三階櫓へ向かいます。
三階櫓
本丸内濠の向こうにそびえる三階櫓は、天守の存在しない新発田城にあってはお城のシンボル的存在。白漆喰塗りで腰壁部に海鼠(なまこ)壁を配した北国の城らしいデザインだが、最大の特徴は屋根の形状。通常2匹一対である鯱が、T字型の棟3か所に存在しているのです。これは城を攻めて来た兵の方向感覚を狂わす事を狙った意匠とも言われているが…本当にそんな効果あるんだろうか?
屋根の鯱が三匹!
この三階櫓は辰巳櫓と共に平成16年に復元完成したもので、自衛隊駐屯地内部にある。なので内部は一般公開されておらず、その雄姿を観るのも内濠のこっち側この場所が最も近いのです。もはや天守と言っても遜色ない威容であります。

内濠に沿って右手へ向かうと見えてくるのが旧二の丸隅櫓。
旧二の丸隅櫓
この隅櫓、元々は鉄砲櫓があったこの場所に二の丸から移築したそうで、表門と共に江戸時代から残る現存城郭建造物で国の重要文化財に指定されています。新潟県内で残っている城郭建造物はこの隅櫓と表門のみらしい。(なんで新潟県内の城郭建築物は残ってないんだろう?)

外観はごく一般的な隅櫓同様、装飾はほぼなく地味。唯一特徴は一階部の海鼠壁かな。内部はのちほど。

さらにお濠を回り込んで本丸南側へ。やがて重要文化財・表門に至るのだが、その手前に案内図がありました。

表門南側にはかなり広大な空白地が広がっている。地図でいえば二の丸があった所だ。もしかすると今は存在しない土橋門、二の丸隅櫓など復元再建されて二の丸広場として整備されるのかもしれません。今後の自治体・地域のがんばりに期待しましょう!

表門前の道を挟んだところにお土産屋さんと堀部安兵衛の立像があります。
堀部安兵衛像
堀部安兵衛と言えば、言わずとしれた赤穂浪士の一人で大石内蔵助に次いで有名な人物。安兵衛は寛文10(1670)年に新発田藩士・中山弥次兵衛の子として生まれたそうです。辰巳櫓の管理責任者だった弥次兵衛は、失火により櫓が焼失した責任を負って浪人。息子である安兵衛は18歳で国を出て、江戸で高田馬場の決闘の助太刀で名を上げ、やがて赤穂浪士に名を連ねる事になった訳ですね。

さあ僅かに許された見学スペースへの入口、表門をくぐります。
表門
入場は無料(パンフくれるのに無料って気前良いな~)。この門、いわゆる大手門ではなく本丸への出入口なので、やや小ぶりです。
表門くぐった内側はこんな感じ
表門をくぐると東西に細長い見学スペースが整備されていました。表門2階内部が見学可能で、そこには表門に攻め寄せた敵を攻撃する為の石落しが配置されています。今は閉められているので、見学者がくぐっても石は落ちてきませんwwまたこの門の組み上げには複雑な木組み工法が採用されているとの事で、その説明書きも展示されていました。

表門をくぐった正面では新発田藩初代藩主・溝口秀勝の像がお出迎え。
溝口秀勝像
溝口秀勝は天文17(1548)年、尾張国生まれ。織田家の重臣・丹羽長秀に仕え、長秀の死後、豊臣秀吉の下で活躍し越後蒲原郡新発田に6万石を与えられた武将である。秀吉の死後は関ケ原合戦で東軍につき徳川家康の勝利に貢献。領国で起こった上杉遺民一揆の鎮圧の功を家康に評価され所領安堵、晴れて新発田藩初代藩主の座を得る事となった。徳川政権下では秀勝が没した後も外様大名でありながらその子孫が代々新発田藩主を務め、明治維新を迎えるあたり、秀勝自身はもとよりその子孫らも徳川からの信任が篤かった様だ。なかなかの世渡り上手だと言えます。

内部が見学できる辰巳櫓。内濠の外から見た外観はこんな感じ。
辰巳櫓
三階櫓と共に平成16年復元された辰巳櫓。重文である旧二の丸隅櫓に比べると海鼠壁がない代わりに一階の庇や屋根の形状が凝った意匠になっているのが解ります。
凝った意匠の辰巳櫓
木造復元されたその内部に入ると、めっちゃ明るくて綺麗!!
辰巳櫓一階内部
一階には新発田城本丸区画の模型や、ガラス張りで櫓の基礎部分の様子が観られる展示がありました。これはちょっと珍しい。


櫓の二階へ上がるとそこには復元にあたって用意された瓦や復元に尽力した当時の市長の名を記した大きな看板が飾られています。
辰巳櫓二階内部
辰巳櫓の二階からは陸上自衛隊駐屯地が良く見えます。駐屯地の奥には三階櫓も…。
辰巳櫓二階から見た駐屯地
三階櫓の内部ってどうなってるんだろう。観れないとなると余計気になる~!!

さて、新発田城見学も残すは重文・二の丸隅櫓の内部を残すのみ。
隅櫓へ向かう緩やかな階段
平成建築で真新しい辰巳櫓とは真逆で、現存建築である二の丸隅櫓内部はかなり薄暗い。
旧二の丸隅櫓一階内部
この隅櫓、採光部が少ない上に、建物の保存優先なのだろうが床置き人感センサ照明が階段に設置されているだけ。でもそのおかげで歴史の重みを感じる事が出来ます。
旧二の丸隅櫓二階内部
階段を上がった二階は比較的明るく、棟上や祭事に使用したものが展示されていました。あと、立派な梁!

お城の周辺を散策して回った際、駐屯地内の訓練施設やら自衛隊車両やら色々な施設を見られました。もちろん柵の外からです。写真も何枚か撮ったけどSNSに載せて良いかどうか怪しかったので立番の自衛官の方に許可を頂いて撮影した駐屯所の正門の写真のみ上げときます。自衛官の皆様、このところの災害対応、本当にご苦労様です!

以上、見学できるエリアは本丸全体の1/4程度ですが駐屯地も含めぐるっと一周歩いて回ったら20分程度だったかな?見学施設を観るのもそれほど時間はかからなかったので滞在時間は約一時間ほど。この新発田城は4月1日から11月末までの限定公開。冬場は見学不可となりますのでご注意を!


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