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【紹介文】
天文年間、小土豪が群雄割拠する中国地方で没落した宇喜多家の嫡男・八郎は、その器量を見込まれ、豪商・阿部善定のもとで父母とともに居候していた。やがて成長した八郎は、直家と名乗り宇喜多家を再興、近隣の浦上家や三村家と鍔迫り合いをしながら備前一国に覇を唱える。武芸よりも商人としての感覚が勝る異色の武将は、いかにして成り上がったのか? 『光秀の定理』で歴史小説に革命を起こした著者が描く、歴史超大作!
【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆☆☆
独創性 ☆☆☆☆☆
読み易さ ☆☆☆☆★
【西京極の読後感想】
タイトルである“涅槃”とは言うまでもなく仏教用語の悟りを開いた状態を意味する。本作は八郎ことのちの宇喜多直家がその波乱に満ちた末期に悟りの境地に至るまでを描いた力作である。宇喜多直家と言えば、斎藤道三・松永久秀と並び戦国期三梟雄と呼ばれたクセ者武将。他家に対しては暗殺・謀略の限りを尽くし無手から備前美作四十万石の太守まで成り上がった一方、家中や領民に対しては生涯誠心篤実な主君であったという。その二面性が直家の成長の過程において如何にして形成されていったかを著者独特の分析と表現力で描いている。一部、性的描写が生過ぎて辟易する点を除けば、宇喜多直家という謎多き武将を知るための良いテキストになると思う。
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