終活ちょいなか暮らし

築50年分譲公団をフルリノベーションして
快適な老後を過ごすためにインスピレーション移住

一期一会 @某デパート編

2016-05-07 | 日記
「今日退院してきて、明日から違う病院に入院するの。
だから、絹の帽子が欲しくて。そしたら、ここにあった!
本当だったら、もう死んでるの」
一気にまくしたてるように来店した彼女。
癌を患って、余命宣告はとっくに過ぎているという。

「周りの人は、私の事をオカシイって思ってる。
ホラ!分かるもの、目を見れば。」
確かに、奇異や半信半疑の視線を感じる。
でも、私には彼女の言葉を疑う理由はなかった。
一生懸命に語る彼女の話を受け止め、
自分と重ね合わせていた。

1つ年上の彼女は、私と同じ頃同じような手術をし、
病理検査の結果、私には癌がなくて彼女にはあった。
ずーっとロサンゼルスに住んでいたらしく、
私も住んでたことがある。
ある駅前に店を構えたことがあったが、
その近くにも住んでたことがあるらしい。
短い会話の中で、幾つかの共通点があり、
「私、あなたに会えて良かった。
もう、明日死んじゃうかもしれないから、最後かもしれないけど。
あなたが選んでくれた物、全部買うわ。
今、ATMでお金下ろしてくるから」

早番で帰る間際のお客様。
短い時間に十数万円のお買い物。
売り場の人は、呆気にとられて私たちを見ていた。

ご主人の夕飯に鰻を注文しているから取りに行ってくると言われたので、
その間にお包みして待っていた。

なかなか帰ってこない彼女を心配して、ご主人が迎えに来たようで、
二人して売り場に。
「これ、あなたにお礼。とっても美味しいのよ、食べてね」
と頂いたのが、今朝のおめざ

彼女のことを思いながら、美味しく頂いた。
「どうか、苦しまず楽しく生きられますように」
☆売場の皆にお裾分けの個別包装。
美味しいものは、皆でね。
それに、一人じゃ食べきれないもの

コメント
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