昨年の春、新型コロナウイルスの猛威で全国同様に東近江市でもマスクの品薄が続いた。
そんな危機を救おうと、市内の事業所が力を合わせ、ほぼ全ての生産・製造を市内で完結させるマスクを完成させ、東近江市などに寄贈するなど緊迫する医療施設や家庭などを支援してきた。
マスクを製造したのは、大手自動車メーカーの部品や電子部品の製造などを手掛けているが「小川良」株式会社(本社・東近江市聖徳町)である。
そんな危機を救おうと、市内の事業所が力を合わせ、ほぼ全ての生産・製造を市内で完結させるマスクを完成させ、東近江市などに寄贈するなど緊迫する医療施設や家庭などを支援してきた。
マスクを製造したのは、大手自動車メーカーの部品や電子部品の製造などを手掛けているが「小川良」株式会社(本社・東近江市聖徳町)である。
良質で安心安全の国産・医療現場や家庭を救う・小川良×ツジトミ×スズカ繊維工業
新型コロナウイルス感染症の感染が広がり始めた2020年2月ごろ、小川良社では部品の受注などが大幅に減少するなど、影響をまともに受けていた。
従業員の雇用維持を考えなければならなかった矢先、マスクの材料となる不織布を生産する株式会社「ツジトミ」(東近江市猪子町)から「マスクを製造しないか」と声がかかった。これは、「小川良」が2009年の新型インフルエンザの流行時に培った、医療用のマスクの製造ノウハウに着目したものだった。
この2社のほか、ゴムやストレッチ素材を製造する「スズカ繊維工業」株式会社(東近江市下一色町)からマスクに必要なゴムひもの特別生産の協力もあり、地元3社で市内産のマスク製造チームを結成。2月末ごろ生産に踏み切った。
これを受け、需要の減少と機器の老朽化のため10年使用してこなかった製造機器を再度組み立て、確かな品質を確保するため細かな修理と調整に多大な時間と労力を費やした。更に当初マスク製造に携わっていた従業員がいたことで、1カ月ほどでなんとか製造できる形にまでもっていけた。
すぐさま3社でマスクを必要とする施設などに届け、マスク不足が深刻だった5月には医療施設などに行き届くよう1万2千枚を東近江市に寄贈。徐々に製造も安定し、コロナ禍で危ぶまれた経営も維持でき、休業もせず従業員の雇用も保つことができた。
良質で安心安全の国内産マスクとして、東近江市内一部のスーパーや薬局などで販売されているほか、ふるさと納税の返礼品としても人気を集めており、買い求めるリピーターも多いという。また、同社が手掛けるアパレル製品へのプリント技術を生かしたプリントマスクの製造なども需要が高く、ニーズに応えたマスクの生産を心がけている。
小川良
ツジトミ
スズカ繊維工業
<滋賀報知新聞より>