びわ湖に生息するシジミやタニシなど貝類全体の生息量が、おととし(2021年)の時点で、20年前の3分の1以下に大幅に減っているとみられることが滋賀県の調査で分かった。
↑写真:NHK大津より
びわ湖には、シジミ類やタニシ類などおよそ70種類の貝類が生息していて、魚や鳥などのエサにもなって、びわ湖の生態系を支えている。
滋賀県水産試験場が、おととし7月から12月にかけてびわ湖の沿岸で貝類全体の資源量を調査した結果、推定生息量は2569トンで、前回20年前(2003年)の調査で推定された生息量の29%と、3分の1以下に大幅に減っているとみられることがわかったという。
種類別では、
▼シジミ類が20年前の44%と半分以下に減っているとみられるほか、
▼びわ湖固有の二枚貝のタテボシガイは20年前の21%と5分の1近くまで減っているとみられている。
減少の理由について滋賀県水産試験場は、
▼タテボシガイやタニシ類は、びわ湖の富栄養化が解消されたことで大幅に減少したとみられ、
▼シジミ類は、高度経済成長期に利用された除草剤の影響で大幅に減少し、その後も回復していないという。
滋賀県水産試験場は、「びわ湖の食物連鎖が揺らぎ始めている。原因を調べるとともに、貝類を回復させるための研究を進めたい」としている。
<NHK大津より>