人と人を笑顔でつなげようと、米原市烏脇の谷口晋代(くによ)さんが、筆文字の中に笑顔を描く「笑い文字」を広める活動に取り組んでいる。「笑い文字は書くだけでなく、誰かに渡して完成。喜んでもらえると、書いたこちらも元気をもらえる」とやりがいを語る。
丸く柔らかい筆文字の中にある、目尻を下げてにっこりと笑う顔や、朱色で書かれたハート。笑い文字で「ありがとう」と書かれたはがきを受け取ると、自然と頰がゆるむ。
保険会社で30年ほど勤めてきた谷口さん。65歳の定年退職後を見据えて、自分のやりたい趣味を探してきた。2023年春、インスタグラムで笑い文字と出合う。筆で文字を書くのも、絵を描くのも苦手だったが、笑い文字は「かわいくて自分も書いてみたいとワクワクした」と振り返る。
すぐに笑い文字普及協会の講座を受講し、初級講座を教えられる資格を取得。冬ごろからイベントへの出店や講座の開講を始めた。インスタグラムでは毎朝、書いた作品を発信するようになった。
黒と朱色の筆ペンと、白い紙さえあれば、どこでもすぐに書ける。知人や通っている歯科医院に作品を贈ったり、講座を受講した子どもが家族に手渡すのを見たりするうちに、渡す相手も、書いた本人も笑顔になるコミュニケーションの手段だと実感するようになった。
「還暦を過ぎて夢中になれるものを見つけ、人生って面白いなと思う。笑い文字を広めることで笑顔の人を増やし、社会貢献につながればうれしい」と話している。
9月28日(土)13:00から、米原市下多良の県立文化産業交流会館にある「カフェドロップハウス」で初級講座を開く。参加費は教材費込みで3300円。米原市長岡の山東学びあいステーションでも定期的に開講している。
問い合わせ: 谷口さん=090(9543)0433
<記事・写真:中日新聞より>
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